絵画の相続税ってどうすればいいの?コレクションを受け継ぐ時にチェックしておきたいこと

  • 2021年7月29日

もし、絵画を集めていた両親が亡くなった場合「コレクションに相続税がかかるのかどうか」疑問に思われている方も多いのではないでしょうか。

価値のある絵画は車や土地と同様に相続税の対象となります。とはいえ「どの程度の価値なのか見当がつかない」状況の方が大半なはず。

今回は「どのようにして絵画の価値を調べるのか?」や、絵画の相続税に関して浮かびやすい疑問点について解説していきます。

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そもそも「相続税」って何?

相続税を簡単に言うと、亡くなった方から受け継いだ財産にかかる税金のことです。財産とは現金そのものだけを指すわけではありません。

家や車、絵画などの他、住宅ローンや借入金などのマイナスの財産も対象となります。

また「基礎控除」と呼ばれる仕組みがあるため、全員が支払わなくてはいけないものではありません。実際のところ、相続税がかかる人は全体の約8%とも言われています。

そして、基礎控除内に収まるかどうかを判断するためにも、まずは遺産の価値をすべて把握する必要があるのです。

絵画を相続する時のフロー

絵画を相続するときの流れを簡単にまとめてみました。

  • その絵画の価値を調べる
  • 届けを出す必要があるのかチェック
  • 出す必要があれば届けを出す

ひとつずつ、順番に解説していきますね。

その絵画の価値を調べる

まずは受け継ぐ予定の絵画にどのくらいの価値があるのかを把握する必要があります。

大前提として、友人や家族が趣味として描いた絵画はどれだけ美しく、思い入れがあったとしても相続税の評価はつきません。

また、購入価格が10万円以下の場合は「家庭用財産」として家具や家電とまとめて扱われます。と言っても「絵画の価値なんてわからない」方がほとんどのはず。

後の項目では価値を調べる具体的な方法をご紹介しているので合わせて参考にしてください。

届けを出す必要があるのかチェック

絵画などを含めた財産が相続税対象となるのかどうか確認しましょう。

トータル額が基礎控除内に収まっていれば、相続税は支払う必要がありません。考え方としては「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」が基礎控除(非課税枠)となります。

この式からも想像がつくように、実際に相続税を支払わなくてはいけない人の数は、全体からみると少数派です。

ちなみに、基礎控除額を超えた場合は、超えた金額分だけに相続税がかかる仕組みです。

出す必要があれば届けを出す

相続税申告を行うためには、被相続人の戸籍標本などいくつかの書類を準備する必要があります。発行に時間を要するものではありませんが、なるべく早めに用意しておきましょう。

また、土地や不動産、株式など、財産に関する書類も集めなくてはならないので、届出を出すまでの準備にある程度の時間を要します。

後ほど、詳しくお伝えしますが、相続税に関する手続きは専門家に任せることも可能なので、プロに依頼することも視野に入れると良いでしょう。

絵画の価値を調べる方法

絵画の価値を調べるにはどのようにすれば良いのでしょうか。
二つの方法について解説していきます。

  • 鑑定を依頼する
  • 買取店に査定をしてもらう

相続税評価はとくに資格などもなく行えますが、しっかりとした価値を把握している人に依頼することが大前提です。

鑑定を依頼する

まずは、絵画や骨董品などの美術品に精通しているプロに鑑定を依頼する方法が挙げられます。ただし、鑑定料が必要となることを覚えておきましょう。

相場としては3万円~8万円程度。鑑定先や絵画の作家によっても異なります。

なかにはまとめて依頼すると、2点目からは割引価格が適用となるところもありますよ。

しかし「わざわざ数万円を支払って鑑定してもらうのは気が進まない」方もたくさんいらっしゃいます。そんなときに、活用したいのがリサイクルショップなどの買取店です。

買取店に査定をしてもらう

絵画の価値を知りたいときに活用できるのが、リサイクルショップや美術品に強い買取店です。「査定額=実際に買取ってくれる金額」となるので、リアルな価値を把握できます。

しかし、同じ絵画でも買取店によって査定額が異なるケースは多々あるので、できれば複数店舗に依頼してみる方法がおすすめです。

また、絵画の査定には専門の知識も必要であるため、美術品の買取実績が豊富にある店舗に依頼しましょう。各店舗の買取実績は公式サイトに記載されているパターンが多いので、一度ご確認くださいませ。

絵画の相続税よくあるQ&A

絵画の相続税について、よくある質問に回答していきます。

  • Q1.調べたら非常に高価なものだったが、自分には必要ない
  • Q2.届けはいつまでに出せばいいの?
  • Q3.量が多くて諸々の対応が大変!

ひとつずつ、チェックしていきましょう。

Q1.調べたら非常に高価なものだったが、自分には必要ない

「絵画の価値を調べた結果、高価ではあるものの必要ない」「価値を保ったまま保管する自信がない」と思った場合は、公共事業者や国、地方公共団体などに寄付をする方法もあります。相続税の申告期限までに寄付をすれば、相続税の対象とはなりません。

3 相続税
(1)寄付の場合の優遇措置
相続財産のうち,国等に寄付した財産については,相続税は非課税とされる。

引用:文化庁『美術品等に係る税制優遇措置について』

具体的な建物名を挙げるなら美術館などが当て嵌まります。ただし、寄付先はどこでも良いわけではないため、必ず慎重に選びましょう。

また、申告時には寄付をしたことを証明できる明細書を提出する必要であることを覚えておいてください。詳しくは、文化庁の公式サイトをご覧くださいませ。

Q2.届けはいつまでに出せばいいの?

相続税の申告は被相続人が死亡してから、10ヶ月以内に行う必要があります。

2 相続税の申告は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行うことになっています。
 例えば、1月6日に死亡した場合にはその年の11月6日が申告期限になります。
 なお、この期限が土曜日、日曜日、祝日などに当たるときは、これらの日の翌日が期限となります。

引用:国税庁『No.4205 相続税の申告と納税』

相続税の申告には、財産の価値を表す書類や被相続人の戸籍標本など、用意しなくてはならない書類もたくさんあります。

そのため「10ヶ月もある」と考えるのではなく「10ヶ月しかない」と捉えて、なるべく早めに申告の準備に取り掛かった方が良いでしょう。

期限に遅れてしまうと追加で税金の支払いを求められる可能性があるためご注意ください。

Q3.量が多くて諸々の対応が大変!

絵画の場合、相続するにあたって、まずは価値を明確にするため査定や鑑定を依頼する必要があります。そして、不動産や株式、他の財産とトータルして、申告の必要があるのか判断していきます。

非課税内に収まらない場合は、相続税の申告に向けて準備をしていきます。このように、相続税の申告にはかなりの手間や労力がかかります。

とくに財産の量が多い場合は自分で対応することが難しいと感じるかもしれません。そのようなときは、プロの税理士に依頼する方法も検討すると良いでしょう。

絵画も相続税の対象に

土地や株式だけでなく価値のある絵画も立派な相続税の対象です。

しかし、美術品のプロではないと正確な価値はわかりません。高い鑑定料を支払わずに価値が知りたい場合は、リサイクルショップなどの買取店に査定依頼する方法がおすすめです。

その場合は、絵画などの美術品に精通したお店を選ぶようにしましょう。

また、もし相続税の申告が必要になったときに手間をかけたくないのであれば、相続税に強い税理士に相談することも視野に入れると良いでしょう。

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