今、若い人たちの間で密かなブームになっている落語。そのブームを支えているのが女性たちです。居酒屋やカフェなど、若い世代が集まる様々な場所で落語会が行われ、落語のCD売上もうなぎのぼりです。そして、イケメン落語家の人気向上に伴い、再び注目が集まっているのが既に亡くなっている名人たちの作品。もしかしたら、おじいさんやお父さんが集めた古い落語CDが高く売れるかも? ここでは、ブーム真っ只中の落語CDの買取について解説します。
若い世代は落語ブームらしい?
落語の魅力
「落語」と言っても、その世界は非常に多彩で奥が深い。今ではほとんど聞く事のない演目もありますが、新旧全ての噺は千篇を軽く超えると言われています。また、同じ内容でも題目名が違ったり、噺家によって味わいが異なりますから、聞く人の好みによって楽しみ方や魅力を感じる部分が違うというのも、落語の魅力です。
巧みな話術
有名な落語の演目に「時そば」という噺があります。閉じたセンスを箸に見立てて、左手に持ったつもりの丼から蕎麦をすする仕草は、観ているだけでお出汁の良い香りがして、実際にお腹が空いたような錯覚に陥ります。
落語のこのような仕草は、実際に道具を持って演ずるのを見せるよりも遥かに幅広く、観客の好きなように自由にイメージさせる力があります。
1人複数役
1人の噺家が複数の人物を演じ分ける独特のスタイルも、落語が人を惹きつける要素の一つです。「自分×女房」「若旦那×丁稚」など、仮想の世界の中で“二重の語り”という構造を持ちながら、観客は戸惑うことなく瞬時に情景をイメージできるのも、噺家の優れた話術によるものです。
落語とは、まさに噺家の話術と観客の想像力が掛け合わさって作り上げられるエンターテイメントです。
笑いと涙
賢い識者と少々間抜けな男、色気たっぷりの美女とたくましい不細工女房。落語に登場する人物にはそれぞれに魅力があり、その軽妙な掛け合いが笑いを誘います。反面、人情味に溢れ、時にしんみりと涙を誘うシーンなど、噺家から繰り出される巧みな話術に引き込まれ、心を揺さぶられるのが落語最大の魅力ではないでしょうか。
代表的な落語演目
まんじゅうこわい
暇な街人が集まり、それぞれの嫌いなものや怖いものを言い合っていると、怖いものなど何もないとうそぶく1人の男。しかし「実はまんじゅうがこわい」と白状します。これを聞いた街人たちは、気に食わない男に対し、まんじゅう攻めで脅してやろうと企みます。
イヤなやつを凝らしめる街人の思惑と、それを逆手にとって大好物を手に入れる男の掛け合いに、思わず関心する演目です。
開帳の雪隠
多くの人で賑わう寺院開帳儀式の際に、立って用を足せない女性に目を付けた男2人が、雪隠(せっちん=トイレ)を有料にして儲けることを企みます。当初の目論見は見事に当たり大儲けするのですが、商売敵の登場で客足が激減。そこで、男が儲けを取り戻すために打った秘策に思わず笑ってしまいます。
寿限無
待望の子どもがいつまでも元気で長生きできるようにと、名付けの相談にいった和尚から聞いた縁起の良い言葉をいくつも繋いで、とんでもなく長い名前を付けてしまったという笑い話。噺の内容よりも、暗記技術・間の取り方・人物の演じ分けなど、落語家の基礎練習的な要素が強い演目です。
早口言葉の面白さがあり落語初心者にもよく知られる有名な演目だからこそ、観客を惹きつけるには、かなり高度な技術が要求されます。
時そば
食べた蕎麦代を支払う際に数字をごまかして得する人を見て、マネしてみようと企んだ男の話。詐欺男の巧みな誘導と、マネしようと企んでことごとく失敗する男の対比が面白い作品です。
その後、景山民夫氏によって現代版リメイク「年そば」が登場したり、噺家によって最後のオチにアレンジが加えられて演じられることもあります。
チケットが取れない人気落語家
顔を見れば誰でもわかるというほど有名な立川志の輔さん。NHK「ためしてガッテン」の司会でお馴染みです。もしかしたら、この番組のイメージが強くて、若い人の中には落語家だとは知らなかったという人がいるかもしれません。志の輔さんは、今もっともチケットが取れない落語家と言われ、現代落語の頂点に立つと言われるほどの実力を持つ噺家さんです。
志の輔さんの師匠は、時代の寵児と言われた立川談志さん。破天荒な言動でも知られた談志さんですから、その一門にも、落語の実力以外にも才能を発揮して、新たな世界を切り開いていく人が多いようですね。
落語CD・DVD買取相場
落語のCD・DVDの買取相場を「ウリドキ」で調べてみました。
※買取価格は記事作成時(2016/09/30)のものです。
DVD
- 落語研究会 古今亭志ん朝 全集 下<8枚組> 3,120~11,630円
- 落語研究会 六代目 三遊亭圓生 全集 下 5,000~20,000円
- 落語研究会 八代目 桂文楽 全集<8枚組> 2,470~9,000円
- 落語研究会 柳家小三治全集(限定版)10枚組 3,870~14,000円
- 落語研究会 桂枝雀 全集 4,300~12,800円
- 立川談志/ひとり会 落語ライブ’92〜’93BOX(7枚組) 1,870~6,500円
- 林家たい平 /落語独演会 DVD-BOX(2枚組) 520~2,600円
- 柳家小さん /落語名人集ぱーと2 DVD-BOX(5枚組) 1,180~3,780円
- 五代目三遊亭圓楽 /特選 落語集 DVD-BOX 1,170~3,680円
- 吟選 大落語名人会<4枚組> 960~2,500円
- ちりとてちん 完全版 DVD-BOX III 落語の魂 百まで 1,000~6,500円
CD
- 桂三枝/青春落語集5枚組CD-BOX 1,350~5,100円
- 五代目柳家小さん NHK落語選集 1,190~5,400円
- 春風亭柳昇 落語名演集 BOX 830~2,080円
- 落語名人全集 古今亭志ん生 大工調べ(前・後) 2,200~6,370円
- 六代目 笑福亭松喬 上方落語集「夢見の八兵衛/二人癖」 2,240~3,420円
- 三代目 桂米朝 /上方落語選集「旅のはなし」 2,080~3,200円
まとめ
落語のCD/DVD買取で注目して欲しいのは、買取相場「●●●~■■■円」の●●●の方です!
ゲームや音楽CD・DVDの買取では、ここに5円・10円といった価格が並ぶのですが、落語の場合、下の価格が高いことに驚きです。BOXや枚数セットが多いということもありますが、流行に左右されず、古いものも価値が高いため、どこの買取店でも比較的高い査定額を提示しています。これから売ろうと考えていた人は、期待できそうですね!