自動車の色は重要?
自動車を新車で購入するとしたら。
カタログを眺めながら脳裏に想像するのは、真新しい車のコクピットでハンドルを操る自分の姿と、車に寄り添ってポーズを決める自分の姿。当然、そこには自分が思い描く、自分好みの「ボディカラー」の車があります。
購入予算の中で自由にボディカラーを選べるのは、新車購入時だけの特権です。車を運転する人にとって「気に入った車に乗る」というのは、自分の個性を重要視したライフスタイルそのものです。
しかし、いざ買取査定を受けるとなると、「他の色だったら・・」と言われてガックリ・・という人は少なくありません。そのくらい、車のボディカラーというのは、査定に影響する重要ポイントなんです。
ここでは、これから、車を売ろうという人、購入しようという人。どちらにも役に立つ「車のボディカラー」について、解説します。
買取査定が高くなるカラー
安定人気のホワイト・ブラック
ホワイト系・ブラック系は、どの車種にも共通して買取価格が高くなる不動人気のカラーです。
新車購入時では個性がないと捉えられるカラーですが、どんなシチュエーションにも違和感なく乗りつけられる「移動手段」として考えた時に、使い勝手の良いカラーはいつの時代にも有利です。
個性を表現したい人に個性的なカラーは人気ですが、接待や商用で使用する車には派手なカラーを敬遠する傾向もあり、ホワイト系・ブラック系は中古車市場でも最も人気の高い定番カラーです。
中古で人気のシルバー・ガンメタ
シルバー系は銀色のメタリック、ガンメタは濃い灰色のメタリックカラーです。
この2色は、汚れやキズが目立たず、年式が古くても塗装の劣化を感じさせないことから、中古車販売で引き合いが多い人気色です。
特にシルバー系は、細かなキズや汚れがあってもほとんど目立たず、商用車としてのニーズが多いので、比較的値崩れしにくい無難なカラーです。
プラス査定が期待できるパール・メタリック
車のボディカラーには、鮮やかなカラーのソリッド系と、キラキラ輝くバール系・メタリック系があります。新車購入時にもパール系・メタリック系はオプションカラーに指定されているなど、価格的に高額です。
このような事情からも分かる通り、中古車市場でもパール系・メタリック系のカラーはソリッド系よりも高額で取引されます。
特に、パールホワイト・ブラックメタリックは、オプション価格が最も高く、中古売買でもかなりのプラス査定が期待できる人気色です。
もしも、全く同じ状態の中古車があったとしたら、ソリッド系よりもパール系・メタリック系は査定額が高額になり、車種の人気度によっては、数万~数十万円の違いが出ることもあります。
車種とカラーの関係
車のイメージカラー
昔、「緑の中を走り抜けてく真っ赤なポルシェ」という歌がありました。
全ての車種で共通するワケではありませんが、車によってイメージカラーというのがあり、先に述べた高額査定の条件に当てはまらないカラーが、思わぬプラス査定になることがあります。
例えば、フェラーリ・ポルシェは赤、スバルのインプレッサは青と言った具合です。また、メーカー純正の限定カラーもプラス査定に繋がります。
高級車ほどカラー重視
500万円を超えるような高級車になると、色の違いによる査定額が更に明確になってきます。
もしも、同じ車種で走行距離が2万キロのグリーンの車と、走行5万キロのブラックがあるとしたら、先に売れるのは「走行5万キロのブラック」です。
もともと高級車を購入しようというユーザーは、例え中古車にしても数十万程度の違いにはあまり影響されず、車を使用するシチュエーションを優先する傾向があります。
つまり、どんなに車の条件が良くても、不人気カラーの車には、車の現状にそれ以上の「お得感」をプラスしなければ売れないというわけです。売れない車はオークションに出しても価格が引き上がる可能性が低いため、査定額が厳しくなってしまいます。
カタログトップに注目
近年、新車を購入する時点から「買取相場」を意識してボディカラーを選ぶ人が増えてきました。定番のホワイト・ブラックはもちろんですが、あるポイントを抑えることで、個性と買取価格の両方で納得できるボディカラーを選ぶことができます。
それが、カタログのトップイメージになっているボディカラーを選ぶということです。
数年後、どんなカラーが流行っているかは、誰にもわかりません。そこで無難なホワイト・ブラック・シルバーは不動の人気カラーです。それとは別に、カタログトップに採用されているカラーは、買取時にプラスに働く傾向があります。
もしも、今売ろうとしている車がホワイト・ブラック・パール系・メタリック系以外だとしても、カタログのトップページに採用されているカラーだとしたら、高額査定になる可能性は大です。
査定額がイマイチなカラー
女性ウケするネイビー・レッド
20~30年前のバブル景気の頃は、派手なカラーの車が人気でした。一般的に好景気の時期は派手めのカラー、不景気になるとホワイトやグレーの車が売れるという傾向があります。
とはいっても、やはり派手なカラーの車は中古車市場で買い手が付きにくいことから、ホワイト・ブラックよりも価格は低めというのは、当時でも同じでした。
昨今、中古車販売店に並んでいる車を見ても、パールホワイトやブラックメタリックは高値で売買されています。次に中古車で人気の高いグレー系は、少々状態が悪くても良く売れています。
対して、派手なカラーの中古車は、状態が良いにも関わらず比較的安値で売られています。
家族の中で車の最終的な決定権は男性にあることが多く、ファミリーからのニーズが高いミニバンでも、男性から敬遠される赤や青のボディカラーは人気がありません。その為、状態が良くても買い手が付きにくく、買取査定も低くなってしまいます。
個性派カラーは覚悟が必要
最近の車は、一つの車種に対して実に多様なカラー展開があります。
イエロー・パープル・オレンジ・グリーン・ピンクと言った街中で目立つカラーも多く、個性を表現したいユーザーにとっては選択肢の広さは喜ばしいことです。
しかし、再販目的の中古車買取となると、この個性がネックです。中でも、ピンクやライムグリーン、パステルカラーになると高額査定はかなり厳しい印象があります。
まとめ
ボディカラーの買取査定は、シルバー系を0地点として、ホワイト系・ブラック系はプラス査定、原色系をマイナス傾向として考えるのが妥当です。
しかし、車は単なる移動手段だけでなく、運転操作やメンテナンスという趣味的な充実感を与えてくれる道具という人も多いでしょう。
人それぞれの車に対する価値観によって、廃車まで乗り潰すというのであれば、自分が最も気に入ったカラーを選ぶのが一番おすすめです。自分の気に入った車は、自然にメンテナンスも丁寧になりますから、どんなカラーであれ良いコンディションを維持することができます。
また、とにかく安く購入したいというのであれば、人気カラーを外して探せば、状態の良い車を購入できるというメリットもあります。