そろそろ買い換えようかな?と思ったら・・
車検が来る度に「そろそろ乗り換えようかな?」と悩みませんか?
車の買い替えを検討する時期になると、少しでも高く売るコツ、少しでも安く購入する方法を考えますよね。そして、もう一つ悩むのが、その後の維持費も含めた経済的な側面です。
思い切って買い換えるのか、それとも車検を更新して、もうしばらく乗り続けるのか。
欲しい車が見つかれば、当然必要となるのが予算です。車の買い換えで、もっとも有利な方法とは、「今ある車がいくらになるか?」という点にかかっています。ここでは、買い換えと車検更新の比較、買い換えのタイミングについて解説していきます。
買い換えvs車検更新 どっちがお得?
車検にかかる費用
車検には「整備費用+車検費用(税金など)」がかかります。
走行距離が多い車では、どうしても交換が必要となる部品が出てきます。車検の際に、特に交換を勧められる部品としては・・
- タイミングベルト
- ベルトテンショナー
- ウォーターポンプ
- バッテリー
- タイヤ
- ワイパー
このあたりの部品を甘く考えていると、ある日突然動かなくなって、多額の臨時出費にも繋がりかねません。では、これらの部品を交換したら、車検費用がいくら位になるかというと・・
軽自動車でおよそ15万円~、ミニバンでおよそ30万円。
この金額を見ると、買い換えた方が安いんじゃないかという気になりますね。
買い換えにかかる費用
車の買い換えでは、車両代金以外に「法定費用+手数料」がかかります。
- 自動車税
- 自動車重量税
- 自動車取得税
- 自賠責保険料
- 消費税
これらの法定費用は、どんな販売店で購入しようと、一切値引きが利かない項目です。
これ以外にかかる手数料とは・・
- 各種登録費用 (15,000~30,000円)
- 車庫証明費用 (10,000~20,000円)
- 下取り費用 (5,000~15,000円)
- 納車費用 (5,000~15,000円)
- リサイクル料金(10,000~20,000円)
これらの費用は、販売店によって金額が異なります。また、業者にとっても、値引きしやすい費用です。
買い換えシミュレーション
たとえば、4年落ちの1600ccミニバンを200万円で購入したと想定します。
自動車税 39,500円
自動車重量税 37,800円
自動車取得税 19,350円
自賠責保険料 27,840円 →法定費用124,490円
車庫証明や納車などは販売店がサービスしてくれたとして、相場の下限の価格で設定してみます。
各種登録費用 15,000円
車庫証明費用 10,000円
下取り費用 5,000円
納車費用 5,000円
リサイクル料金 10,000円 →手数料45,000円
この法定費用の他に、消費税8%がかかりますね。
車両価格200万円×8% →160,000円
手数料合計45,000円×8% →3,600円
実際には、消費税はオプションや登録手数料などにもかかります。ですから、ここでは出た数字だけを単純に足してみるだけですが、すでに333,090円の費用がかかっています。
車買い換えのタイミング
「乗り潰す」ってどういうこと?
「車を乗り潰す」と言えば、10年以上、走行10万キロ以上まで乗るというイメージですね。
購入時には乗り潰す覚悟でも、結婚や転勤・家族が増えるなど、生活環境が換わって車を買い換えたり、時には手放すというケースも少なくありません。
最近の中古車市場では、走行25,000~50,000kmという車の売却がもっとも多く、次いで50,000~70,000km、3番目に25,000km以下となっています。実際に10万キロ前後まで乗り潰した車は少なく、早めに買い換える傾向が強くなっています。
これは、10万キロまで乗ってしまうと下取り価格が付かなくなるという噂から、高く買取してもらえる間に買い換えを検討していることが考えられます。
走行距離からみる買い換えの時期
かつて、自動車業界では、車の平均走行距離は1年で1万キロが基準で考えられていました。たとえば、5年目の車の走行距離が4万キロだとしたら「あまり走っていない車」であり、6万キロだったら「長距離を走っていた車」という印象になります。
前項で、「下取り価格が付かなくなるという噂」と書きましたが、現実的に、走行距離が10万キロを超えた車の買取価格は、かなり厳しくなるのが現実です。
つまり、これは「噂」ではなく「事実」なのです。
「10万キロの壁」と言われる査定基準は、ハッキリ言って昭和時代の名残でしかありません。
昔は、車のエンジンは10万キロが限界と言われていて、今も自動車業界の中で、減額査定の都合の良い基準となってしまっているのが現状です。
実際には、日本の車は故障が少ないことで世界的にも有名です。東南アジアなどの海外では、日本国内で売却された古い車が40万キロ、50万キロを越えても現役で街を走っています。
10万キロを越えると何が起こるの?
本当は丈夫な自動車
実際に、10万キロを越えたからといって、いきなり車が動かなくなるということはありません。車が古くなり走行距離が長くなれば、ゴム製の部品など疲労しやすい部品の交換とこまめなメンテナンスは必要になりますが、現代の自動車は、エンジンが10万キロを境に壊れてしまうというものではありません。
今、アメリカで販売されているプリウスやアクアといった日本のハイブリッド車は、新車購入時に16万キロ補償が付けられています。自動車メーカー側も、耐久性に自信を持っている証拠でしょう。
タクシーなど走行距離が長くなる車でも、オーバーホールなしで40万キロを越えても現役で走っている位ですから、「10万キロの壁」は、日本国内で昔から残る心理的な基準でしかないということですね。
車を買い換える理由とは?
現在の日本で、車のエンジンが壊れて買い換えるという人はほとんどいません。買い換えの理由の多くは、エアコンの不具合、電気系統の故障など、エンジン以外での不調が原因です。また、低燃費カーの登場で、毎月の維持費を軽減したいという「経済的な理由」が、買い換えの大きな理由で挙げられます。
実際に昭和時代の自動車は、10万キロを越えると不具合が出やすかったかもしれません。しかし、最近になって「旧車」と呼ばれるバブル時代の名車がマニアの手によって息を吹き返し、今も高速道路を走行している姿を見かけるようになりました。
それを見ると、昔の車は「10万キロで壊れる」というのは、業者による査定基準でしかないことがわかりますね。
乗り換えは6年・8万キロがポイント
実際に車の買取・下取りを検討しているとしたら、8年落ちだろうと10年を越えていようと、業者は引き取ってくれます。ディーラーでは、年数・走行距離などわかりやすい評価基準を設けているので、10年を越えた車は極端に買取査定が低くなります。
しかし、海外への輸出・部品リサイクルを営利目的としている買取店では、ディーラーで買取り価格が付かなかった車も、高額買取りをしてもらえるケースが増えています。もちろん、ディーラーでも買取店でも、年式が新しく走行距離が少ない車ほど、査定額は高くなります。
たとえば、減価償却資産で車の資産価値は4~6年です。つまり、新車から6年目で資産価値はゼロになるということですから、現実的に考えてもっとも効果的に売却するなら、6年以内に売れば高価買取りが期待できるということになります。
また、日本では今も「10万キロの壁」という評価基準が根強く残っていますから、乗り潰す覚悟があったとしても、10万キロを越えない程度、8万キロあたりで買い換えを検討するのが妥当でしょう。
人気車種売却の落とし穴
ここまでの話で、車の買い換えを検討するキッカケに「車検」が大きく関わっていることが分ります。新車で購入したら最初の車検が3年目、その次が5年目です。
車の価値と人気がある間に高く売って、新しい車に乗り換えようという考える人は多いと思います。
ここで注意したいのは、中古市場での人気とタマ数です。
爆発的に人気が出た車種は、市場にもたくさん出回っています。また、ユーザーの多くが同じタイミングで買い換えを検討しますから、中古市場で同じ車種が在庫過多になってしまいます。
その為、人気車種ほど高く売れそうで「プラス査定」に結びつかず、買取り価格相場も早く低下します。
まとめ
車を所有していれば、毎月のローンの支払い、ガソリンやメンテナンスなどの維持費にかかるお金は侮れませんから、車検や買い換えなど、少しでも負担を軽くしたいと考えるのは当然です。
基本的には、買い換えるよりも車検更新の方が費用的には安くすみます。
しかし、あなたが今までガソリンをまき散らして走っていたような車から、低燃費のハイブリットカーに乗り換えるというのであれば、買い換え費用を鑑みても、経済的な改善価値は大きいでしょう。