新型コロナウイルス感染症に関する水際対策緩和(2022年10月11日以降)が始まって約1か月。
円安が進む日本では、外国人観光客の爆買いツアーが復活するなどインバウンド消費の増加が見込まれています。物価が高くなっている日本国外の人にしてみれば、日本の販売価格は現地よりも安く、まさにお買い得状態。
そこで二次流通における海外ブランドの増減を調査し、今回の水際対策緩和における、リユース業への影響を明らかにしました。
方法として、国内外に多くの店舗を持つBRAND OFFさんに取材を実施。水際対策緩和後のリアルな声を聞きました。
外国人利用客は前月比の4倍
緩和後に日本に来日し、ブランド店を訪問する外国人観光客も増加中。BRAND OFFでは前月(9月)に比べて、10月の外国人旅行客の購入者が約4倍増加していることがわかりました。
購入者は、3〜4割が外国からの利用者、残りが日本人の利用者といった割合です。店舗での売上も、前月比で約190%上昇と驚異的な伸びとなっています。
定番のルイ・ヴィトンよりエルメス、シャネルが人気
コロナ以前はルイ・ヴィトン等の定番商品に人気が集まっていました。しかし、現在はシャネル・エルメスの人気が高まっています。
また、外国人客の問い合わせに関しても、電話やメールではなく、SNSから連絡を取る方が増加。中国や香港、台湾を中心とした中華圏のユーザーが多く、エルメスのバーキン25やミニケリー、ミニコンスタンス、シャネルのミニマトラッセといった高額品について質問される方が増えています。
購入は中華圏からの観光客が多いが、爆買い客は少ない
来店される国籍・エリア別では約20%が中国からの来店。それ以外では北米(米国、カナダ)、タイ、香港、台湾等も増えている結果でした。
また、コロナ前と比べ、タイやシンガポールなどASEAN諸国からの利用者の比率も増加しています。外国人観光客の顧客単価は日本人と比べ、約1.3倍と高い傾向です。
意外なことに大量購入(爆買い)される方は少なく、一度に5点以上を同時購入された方は全体の2%程度に留まる結果でした。
国内外でのブランド品の定価はさほど変わらなかったが、円安で状況は一転
日本国内外でブランド品の定価を比較すると、日本が特別安いという認識はありませんが、直近の円安状況においては、実質的に日本で安く購入できる状態に変化。
円安であることに目をつけ、日本でブランド品を買う外国人の方が増えていくと考えられます。
緩和後は買取依頼件数は大きな変動なし
以前から円安やインバウンド期待による買取金額の上昇が報じられていたため、2022年7月頃からは買取件数は増加傾向にあります。
しかし、緩和後の10月の買取件数は先月と比べ、大きく変わることはない結果でした。
買取依頼の4割はブランドバッグ
BRAND OFFでは、買取依頼件数の約4割がブランドバッグという結果でした。
前述した円安やインバウンド期待以外にも、コロナによるおうち時間の増加や価値観の変化によって、持ち物の見直し・整理をする方が増加。不要なものを査定に出すこと対して抵抗のない方が増え、その結果買取依頼が増えたと言えます。
「今後も外国人客は増える」との予想の声が
水際対策緩和や円安の影響が大きく、また香港では11月頃から複数の航空会社で日本行きの増便等が予定されており、今後も海外からの来店客は増えるであろうと予想できます。
調査目的:水際対策緩和後の訪日外国人の消費動向について
調査方法:BRAND OFFへのメール取材
回答者:BRAND OFF所属の査定士