- ダイヤモンドのカットの評価を知りたい
- ダイヤモンドのカットの種類を知りたい
- ダイヤモンドのカットとシェイプの違いを知りたい
この記事では、ダイヤモンドのカットについて、その種類や評価を詳しく紹介します。アクセサリーなどで光り輝くダイヤモンドは、幅広い世代から愛される憧れの宝石です。そんなダイヤモンドの評価基準のひとつでもあるカットには、複数の種類があります。
カットの違いによって輝きの見え方も異なるため、事前によく調べておきましょう。記事内ではダイヤモンドのカットとシェイプの違いや、カットの種類を解説するのでダイヤモンドのカットについて気になっている方はぜひ参考にしてみてください。
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ダイヤモンドの「カット」とは?
![2粒のダイヤモンド](https://uridoki.net/topics/wp-content/uploads/image1-1650.jpg)
ダイヤモンドの品質は「4C」と呼ばれる基準によって評価されます。「4C」は、カット・カラー・カラット・クオリティの頭文字を取ったものです。
つまりダイヤモンドにおける「カット」は、4つある評価基準のうちのひとつを指しており、4Cのなかでもとくに重要な項目とされています。
よく、カットはダイヤモンドの形を示したものと思われがちですが、そうではなく、カットの正確さや研磨の品質、対称性のことを示しています。
詳しくは、以降で解説する「ダイヤモンドのカットとシェイプの違い」をご覧ください。
ダイヤモンドカットの評価
ダイヤモンドのカットは、機械ではなく職人の手作業によっておこなわれます。
よって、カットをおこなう職人の技術によってクオリティに差があり、ひいてはダイヤモンドの輝きにも影響するので、それが価格の違いにあらわれます。
この章ではダイヤモンドカットの評価方法と、具体的なランクについて解説します。
5段階のグレード
ダイヤモンドのカットは、以下の3つの項目で評価されます。
- プロポーション:カットの正確さ
- ポリッシュ:表面の磨き具合
- シンメトリー:カットの対称性
そしてこれら3つの項目に対し、「Excellent」「Very Good」「Good」「Fair」「Poor」の5段階のグレードで評価がつけられます。
ダイヤモンドのカットは光の反射に作用するため、カットが優れていないと輝きも美しくなりません。
そのためグレードの高い評価が付けられたダイヤモンドほど、当然価格も高くなります。
最高ランクは「3EX H&C」
総合的にExecellentの評価を受けたダイヤモンドの中でも、「3EX H&C」「H&C EX」「3EX」「Excellent」の4つにわかれ、「3EX H&C」が最高ランクです。
3EX H&Cとは、「トリプルエクセレント ハートアンドキューピット」の略で、「ハートアンドキューピット」はダイヤモンドにハートとアロー(矢)のパターンが現れたものを意味します。
H&Cがついたダイヤモンドは、専用のスコープで見たときに尖った底面にハートのパターンが、平らな表面にアローのパターンが見えます。
とくにブライダルシーンでは、ハートとキューピットというイメージもあり、H&Cが出現するダイヤモンドがとても人気です。
ダイヤモンドのカットとシェイプの違い
ダイヤモンドにおける「カット」とは、切断面のサイズや深さなどの形、表面の研磨の質、対称性といった一つひとつのカット技術のことを指します。
光の反射や屈折など、ダイヤモンドの輝きに大きく影響する要素です。
対してシェイプとは、ダイヤモンド全体の「形」のことです。
有名なのは「ラウンドブリリアント」と呼ばれる形で、もっともスタンダードなダイヤモンドの形状として知られています。
他にも「プリンセス」と呼ばれる正方形のものや、「オーバル」と呼ばれる楕円形のものなどがあります。
ダイヤモンドカット(シェイプ)の種類
ここからは具体的なダイヤモンドカット(シェイプ)の種類を解説します。
ダイヤモンドといえばこの形、といった代表的なものから、日本で生まれた独自の形まで幅広くまとめました。
シェイプによって輝き方の特徴や、どんな宝飾品に使われやすいかも変わってきますので、ダイヤモンド選びの参考にしてみてください。
ラウンドブリリアントカット
![](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/6187jXr9BVL._SL250_.jpg)
ダイヤモンドカットの中で、もっとも人気で有名なカットが「ラウンドブリリアントカット」です。
「ダイヤモンド」ときくとこの形をイメージする方も多いのではないでしょうか。
およそ100年以上前に誕生し、ダイヤモンドの輝きをもっとも引き出す形として、研究されてきました。
ブリリアントカットにするためには原石の50%以上を切り落とす必要があり、素材を贅沢に使っているのが特徴です。
希少な材料を贅沢に使用し、計算されたカットによって非常に美しい輝きをもつからこそ、絶大な人気を誇っているカットといえるでしょう。
エメラルドカット
![](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/419rNOf5kcL._SL250_.jpg)
形状は長方形で、独特な輝きを持つことが特徴のカットです。
ダイヤモンドのテーブル(上面)が広くなるため、透明感が強調された美しい輝きをもちます。
平面が多く、透明度が強調されることもあり、ごまかしのきかないカットともいえるでしょう。
そのためエメラルドカットをするには、ダイヤモンドのクオリティが高いものが求められ、その基準を満たすのはすべてのダイヤモンドのうち、わずか2%ほどしかありません。
またアンティークデザインのリングによく使用されることも、エメラルドカットの特徴です。
アッシャーカット
![](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/61oK1j0gBiL._SL250_.jpg)
アッシャーカットは、正方形にカットされたダイヤモンドです。
基本的な特徴はエメラルドカットと同じで、テーブルが広く平面的であるため、透明感を楽しめるカットとなっています。
1902年に「ダイヤモンドが持つ最大の輝きを導き出す」という信念から、カッティングブランドとして知られる「ロイヤル・アッシャー社」によって開発されました。
2000年にはオリジナルのカットとして「ロイヤル・アッシャー・カット」というカットも開発されています。
シャープなフォルムと高い透明感はとても気品ある見た目で、業界内では「究極のスクエアカット」とも呼ばれています。
さくらダイヤモンド
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/2a28344c.2694ba66.2a28344d.ee24ad06/?me_id=1405058&item_id=10000116&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fjewelrysalon-stars%2Fcabinet%2Fsakura%2Fs557247.jpg%3F_ex%3D400x400&s=400x400&t=pict)
日本の美の象徴である「桜」をモチーフに開発されたカットが「さくらダイヤモンド」。専用のルーペでのぞくと、桜の花が中央に浮かび上がるのが特徴的です。
ダイヤモンド研磨の聖地としても知られる、ベルギー・アントワープの熟練したカット技術により開発されました。
通常のラウンドブリリアントカットは58面体でカットされますが、さくらダイヤモンドは87面体と29面多くなっています。
面が多い分、よりたくさんの光をダイヤモンドの内部に取り込むことができ、繊細な輝きをもたらします。
スノープレシャスダイヤモンド
国内の一流職人の手によって、ダイヤモンドの中に雪の華を描いた世界初のオリジナルカットです。その繊細で美しいカットは、日本人の器用さがあるからこそ生み出せたダイヤモンドカットといえます。
通常のラウンドブリリアントカットが58面体であるのに対し、スノープレシャスダイヤモンドは85面体にカットされ、強いシンチレーション(光のきらめき)を持つことが特徴です。
ダイヤモンドの輝きは光の反射によるもので、反射の光には以下の3つの種類があります。
- ブリリアンシー・・・反射の光の総量
- シンチレーション・・・光の動的きらめき
- ディスパーション・・・虹色の輝き
スノープレシャスダイヤモンドは、この中のシンチレーションがとくに強いため、キラキラと華やかな輝きをもちます。
マーキスカット
![](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41i9VYSnnFL._SL250_.jpg)
マーキスカットは、細長い原石にもちいられるカットで、小舟のような美しい曲線が特徴的です。
強い輝きをもち、カラット数よりも大きくみせる効果があるため、マーキスカットのダイヤモンドは小粒のものが多いのですが実際よりも大きく感じられます。
また主張が強すぎないため、普段使いにも人気のカットです。
マーキスとはフランス語で「侯爵」を意味し、18世紀のフランスでファッションリーダーとして有名だったポンパドール夫人が、侯爵の称号を得た時期に流行したカット方法であることが名前の由来となっています。
プリンセスカット
![](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/71U6PpWFh2L._SL250_.jpg)
プリンセスカットは、上から見たときの光であるシンチレーションと、目線を移動したときの輝きであるブリリアンシーのバランスが良いことが特徴のカットです。
カット面はとても細かく繊細で、面の数も多いため「モザイク模様のようにみえる」といわれることもあります。
カット面の多さからなめらかな印象で、独特の反射光をもち、上品な輝きを放ちます。
「プリンセス」という名前は、その意味通り「輝きに凛とした美しさがあること」が由来となっているそうです。
また、原石の厚みを活かし、研磨する際のロスを少なくすることで大粒に仕上がりやすくなることもプリンセスカットの特徴です。
ハートシェイプカット
![](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/61ax43cDwhL._SL250_.jpg)
その名の通り、ハートをかたどったダイヤモンドです。
20世紀アメリカで誕生し、フェミニンで愛らしい印象から女性に人気のカットなので、婚約指輪として選ばれることも多くあります。
ハートシェイプカットダイヤモンドには高度なカット技術が必要。さらにハート型にするために原石から大部分が切り落とされるため、高価になりやすいのが特徴です。
縦長のものや横幅が広いものなどさまざまなタイプがありますが、左右対称で正方形に収まるものが理想的なカットとされています。
ペアシェイプカット
![](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/31zV+DUvqPL._SL250_.jpg)
ペアシェイプダイヤモンドは、涙のような形をしたダイヤモンドです。
丸みをおびた輪郭が美しく上品な雰囲気で、女性らしくやわらかなフォルムから、婚約指輪に使われることも多い形となっています。
縦長のため同じカラット数のほかの形に比べて大きく見え、ゴージャスな印象もあるのが特徴です。
そのためリング以外にネックレスやイヤリングにも最適で、存在感のあるアイテムに使われることが多くあります。
イギリス王室が所有している、世界最大級のダイヤモンド「カリナン1世」もペアシェイプカットでカットされています。
ラディアントカット
エメラルドカットの気品さと、ラウンドカットの美しい輝きを兼ね備えていることが特徴のラディアントカット。1977年にヘンリー・グロス・バードによって開発されたカットで、エメラルドカットのように隅切りの四角系で全体はブリリアント仕上げです。
メレンゲダイヤモンドのカットにも用いられており、角を落とすことでダイヤモンドの輝きを増します。大粒の石が似合うカットで、結婚指輪にもおすすめです。正方形と長方形どちらも人気があります。
オーバルカット
楕円形が特徴のカットで、ラウンドブリリアントカットを縦長・横長にしたような形状をしています。美しさとカラット重量のバランスが取りやすいことから、さまざまなジュエリーに用いられているカットです。
ラウンドブリリアントカットと比べて成形に失われる部分が少なく、サイズを大きく保てます。57~58のファセット(カット面)を持つ豪華な輝きが魅力で、1700年代が始まりと言われていますが、現在のオーバルカットは1800年代にラザール・カプランによって開発されました。
カットにこだわり、最高のダイヤモンドを
ダイヤモンドのカットについて解説しましたが、いかがでしたか?
一口にダイヤモンドといっても、カットやシェイプによって輝き方や見た目の印象は大きく異なります。
高品質で透明度が高いダイヤモンドなら、できるだけ石そのものの輝きがわかるものが良いですし、透明度が劣るものならカットを工夫することでより綺麗に見せることができます。
ダイヤモンドをつかった宝飾品を買うことは、人生でそう何度もないでしょう。
長く使うものだからこそ、カットにもこだわり、その特徴を最大限引き出してくれるものを選んでみてください。