着物の着付けは自分でできる?準備するものやかかる時間・料金まとめ

  • 2022年6月28日
着物の着付けは自分でできる?

着物は頻繁に身に着けるものではないからこそ、いざ必要になったとき「どうやって着付けしよう」と困ってしまう方も多いはずです。

そこで、今回は着物を着付けする方法を美容院・着付け店・人に頼む・自分で着るの4つのパターンに分けてご紹介。また、それぞれの方法にかかる時間や料金もまとめていきます。

さらに、自分で着物の着付けをする場合に必要なアイテム(長襦袢や小物類など)や手順についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

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着付けする方法

着物の着付けをする方法は主に下記の4パターンあります。

  • 美容院に行く
  • 着付け店に行く・来てもらう
  • 家族や知人に頼む
  • 自分で着付けする

パターンごとに特徴をわかりやすく解説していくので、自分に一番合う着付け方法を見つけましょう。

美容院に行く

美容院によっては、着物の着付けに対応していることがあります。メリットは、ヘアセットを一緒に依頼できることが挙げられます。

ただしお店によって、「早朝対応しているか」や「顔のメイクはしてもらえるか」などが異なるため、事前に確認しておきましょう。

また美容院へ行く場合、着付けに必要なアイテムを忘れてしまったときに、その場で購入できないため、どうしようもない状況に陥ってしまいます。必ず、忘れ物がないか確認してから家を出るようにしましょう。

着付け店に行く・来てもらう

着付け店を利用する方法も選択肢の一つです。基本的にスタッフは全員プロなので、安心して任せられるでしょう。

また、お店によっては、出張サービスをおこなっており、自宅まで来て着付けをしてくれる場合もあります。

着付けの出張サービスには「費用が高くなってしまう」というデメリットはあるものの、「時間に余裕が持てる」や「忘れ物をするリスクを抑えられる」などのメリットも多数。

ただし、住んでいるエリアによっては、近くに着付け店がない可能性もあるため、まずはネットで検索してみましょう。

家族や知人に頼む

家族や知り合いに着物の着付けができる人がいる場合、お願いする方法もあります。その場合は、「何時に間に合わなければいけないか」「どこで着付けをするのか」などのスケジュールを共有しておくことが大切です。

もしも、知り合いの家やレンタルスペースなどに着物一式を持って行く場合、下着類や小物類を忘れないように気を付けましょう。

また、着付けをしてくれた人との関係性によっては、きっちりお礼をすることも大切です。

自分で着付けする

1年に何度も着物を着る機会がある場合、費用を抑えるために、自分で着付けをする方法もオススメです。朝から美容院や着付け店まで出向く必要がないため、自分のペースで当日用意ができる点もメリットの一つ。

ただし、着付けが初めての場合は、必ず何度か練習してから当日に挑みましょう。
決して「余裕をもって時間さえ作っておけば、いきなりでも着付けできるはず」と思わないようにご注意ください。

また、最近は着付け教室もあるため、今後に備えてプロの先生から学ぶのもありです。

着付けにかかる料金と時間

着付けにかかる料金と時間をパターン別に表にまとめました。

方法料金かかる時間
美容院5,000円~8,000円30分~40分
ヘア込みの場合は1時間30分~2時間程
着付け店5,000円~20,000円30分~40分
家族や知人に頼む0円〜30分~1時間半
(経験による)
自分で着付けする0円30分~1時間半
(経験による)

※成人式の振袖の場合は、さらに時間がかかります。

着付けにかかる料金と時間は、自分のまわりですべておこなうか、お店に頼むかどうかで変わってくると考えましょう。

また、友達や家族に頼む場合の料金は、日頃からの関係性や、お願いする人がプロかどうかによっても異なると考えられます。そのため、「知り合いだから無料」とは思わない方が良いでしょう。

自分で着付ける場合にかかる時間は、経験値によってかなりの差が開きます。何度か練習を重ねて、自分がどのくらいの時間で着付けられるのか、一度確認してみましょう。

着付けに必要なもの

着付けをするときに必要なものは、下記の通りです。

  • 着物
  • 下着類
  • 長襦袢
  • 小物類

各種類の中に、いくつかのアイテムが含まれているため、具体的な名称は項目ごとに分けて解説していきます。洋服とは異なるものも多いので、必ずチェックしましょう。

着物

メインとなる着物は一番重要なアイテムです。それゆえ忘れることはないかもしれませんが、「数ある小物や下着類に気をとられてうっかり家に置いてきた」なんてことにならないように気を付けましょう。

最近はさまざまなカラー&模様の着物が多数販売されています。

下着類

下着類として覚えておきたいのは、肌襦袢とタオル、足袋です。肌襦袢は着物用の肌着のようなイメージ。タオルは着物をバランス良く着るために、体に巻きつけて使います。その他、和装用のブラジャーや汗取り襦袢を活用する方もいます。

長襦袢

長襦袢を現代の服装に例えると、ジャケットの下などに着るインナーのことです。着物の袖口からちらっと見えることもあるため、色や柄の組み合わせを楽しみ、おしゃれに着ることもできます。

素材もシルクやウール、木綿など、商品によってさまざま。一番気軽に着られるのは、洗濯や保管の手間がかかりにくいポリエステル素材です。

小物類

着物を美しく着るためには、小物類は必要不可欠なアイテムです。例えば、長襦袢を整えるために使用するコーリンベルト、腰紐(腰ベルト)、帯板などが挙げられます。また、着物に合わせる和装バッグや草履なども必要です。

着付けの流れと手順

着付けの流れと手順について、項目に分けて順番に解説していきます。

  1. 事前準備
  2. ヘアメイク
  3. 肌着を着て補正する
  4. 長襦袢を着る
  5. 着物を着る
  6. 帯を締める

ひとつずつ、しっかりとチェックしていきましょう。

事前準備

着付けをする前日に、着物をタンスから出して、風通しの良い場所(直射日光が当たらない)に2~3時間程度吊るしておきましょう。この作業をすることで、畳みシワや臭いがとれると言われています。

もしもシワがとれない場合は、あて布をして、低温でアイロンをかけると良いでしょう。

また、半襟を長襦袢につけておく作業も前日のうちにしておきます。さらに当日、余裕を持つために、草履や和装バッグなどの小物類も出して揃えておくことをオススメします。

ヘアメイク

基本的に、ヘアメイクをする場合は、着付けをする前におこないます。また、お化粧も同様です。理由としては、着付けをした後だとせっかくの着物を汚してしまったり、袖が邪魔になりスムーズに作業できなかったりすることが挙げられます。

また、ヘアメイクや化粧をした後に着付けるため、着物にオイルやファンデーションなどがつかないように気を付けなくてはいけません。

美容院や着付け店を利用する場合は、スタッフが上記のことを理解していますが、一人で着付けたり、友達から着付けてもらったりするときは、忘れないように注意が必要です。

肌着を着て補正する

着付けた後に履くと着崩れの原因になるため、肌着を着る前に足袋を履きましょう。

1. 肌着を着る

肌着とは肌襦袢や和装ブラジャーなどのことです。肌襦袢には、ワンピースタイプやセパレートタイプなどがあるため、自分好みのものを身につけましょう。もしも、和装専用の肌着を持っていない場合は、薄手のインナーやキャミソールを着用します。

2. 補正する

着物を着崩れしにくく、かつ美しく着るためには補正が必要不可欠です。具体的には、帯が崩れないように、腰のくぼみにバスタオルを付けて、ヒップラインを平らに整えていきます。

また、お腹周りや胸のラインが凸凹せずまっすぐになるように、補正していきましょう。

長襦袢を着る

補正が完了したら、長襦袢を身に纏いましょう。長襦袢を着る手順は3ステップなので、それぞれ項目にわけて説明していきます。

1. 長襦袢を羽織る

まずは、長襦袢を肩にかけるようにして袖を通して、羽織ります。次に襟の先を摘まんで、中心を合わせてください。背縫いが背中の真ん中にくるように調整しましょう。

2. 衣紋(えもん)をぬく

長襦袢の後ろを軽く引っ張るようにして、握りこぶし一つ分ほどずらしましょう。この工程は「衣紋をぬく」と言われています。衣紋をぬいて、首の後ろに少しゆとりを作ることで、より美しく着物を着ることが可能です。

3. 伊達締めをする

コーリンベルトを留め、伊達締めをしましょう。ゴムベルトを使う場合は、後ろから回して前側で留めます。その後、左右のシワを整え、胸元のたるみを下に引き、完成です。

※コーリンベルトではなく腰紐を使う方もいますが、コーリンベルトの方が初心者向けです。

着物を着る

着物を着る手順は複数の工程があるため、細かく分けてお伝えしていきます。

1. 着物を羽織り背中心を決める

着物を後ろ側に回し、肩に羽織り、袖を通していきましょう。次に、左右の共襟を合わせて、背中心を決めます。

2. 裾線を決める

片手で背縫い、もう一方の手で襟先をそれぞれもちます。そのまま水平に持ち上げて、地面すれすれの高さまで下ろしていきます。あとで微調整は可能です。

3. 前幅と下前を決める

まず、上前の襟先を腰骨の位置に合わせて、前幅を決めましょう。次に、前幅を広げて、下前を巻いていきます。着物の褄先(つまさき)は7~8cm持ち上げます。

4. 裾線を決める

上前を合わせ、褄先(つまさき)を3~4cm持ち上げたら、右手で腰骨の上を押さえます。裾線の位置は、地面すれすれ(くるぶしが隠れるくらい)を意識しましょう。

5. 腰紐を締める

裾線がまっすぐになっているか確認したら、腰紐を締めていきます。たるみがでないように、しっかりと締めることがポイントです。

6. おはしょりをつくる

着物の左右の身八ツ口から手を入れて、おはしょり(着物の折り返しの部分)を作ります。
このとき、きものが腰紐に引っかかっていないかどうかも確認しておきましょう。

7. 背中心を合わせて襟を整える

片手で背縫い、もう片方の手で共襟を持ち、背中心を合わせます。また、きものの襟の位置を、長襦袢の襟に沿うように整えましょう。

8. コーリンベルトをつけて整える

コーリンベルトで着物を留め、背中の余分なシワを伸ばしましょう。
伊達締め、もしくはゴムベルトをしたら完成です。

帯を締める

最後に帯を締めましょう。着物の着付けでも苦戦する方の多い部分です。結び方としては、下記の種類が挙げられます。

  • 二重太鼓結び
  • 一重太鼓結び
  • 角だし結び
  • 銀座結び など

初心者にオススメなのは、基本的な結び方でもある「一重太鼓結び」や「二重太鼓結び」です。

自分で着物の着付けをしようと考えている場合、まずは上記の結び方に挑戦してみましょう。最初は上手くいかなくても、慣れるうちにスムーズに結べるようになるはずです。

自分で着付けする際は「合わせ」に注意

自分で着付けるときに必ず注意しなくてはいけないのが「合わせ」です。最後に「合わせ」の「右前」について解説していきます。

  • 必ず「右前」で着る
  • 「左前」は亡くなった方に着せるきものの着付け

ひとつずつ、見ていきましょう。

必ず「右前」で着る

まず「右前」とは、着る人から見て着物の合わせの左側が上になっている状態のことを差します。左側が上であるのに呼び名が「右前」であるため、少しややこしいかもしれません。
そして、このことがうっかり間違えてしまうことに繋がっていると考えられます。

着付けするときの作業で考えると、右手に持っている「下前」を先に体に合わせる着方は「右前」、左手に持っている「上前」を先に合わせる着方が「左前」です。

「左前」は亡くなった方に着せるきものの着付け

「右か左か、どちらが上であるのかくらい気にしなくてもいい」と考えてはいけません。なぜなら、「左前」は、亡くなった方に着物を着せるときの合わせ方だからです。

現代においては、基本的に死装束を身に着けるとき以外は、「左前」にすることはありません。縁起が悪いと考えられているため、とくに人が多い場所へ出かけるときは間違えないようにご注意ください。

合わせ方を「右前」にすることはマナーと考えておいた方が良いでしょう。

着物の着付けが不安なら美容院や専門店に任せよう!

着物の着付けは、慣れればスムーズにできますが、初めての方がいきなり短時間でおこなえるような簡単なものではありません。

そのため、あまり練習する時間がとれないときは、当日にバタバタしないためにも、美容院や専門店のプロにお任せする方法をオススメします。

また、もしも自分で着物の着付けをするときは「右前」で着ることを忘れないようにご注意ください。さらに興味のある方は、この機会に着付け教室へ通うことも考えてみましょう。

木暮康雄

木暮康雄 (監修者)

ウリドキ株式会社代表取締役CEO。ウリドキプラスの発行人でもある。
リユース業界での起業・事業運営の経験が豊富でリユースの専門家としてのメディア出演歴も多数。
著書に「リユース革命」(幻冬舎)がある。

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