もう何年も同じ自転車に乗っている人のなかには、「いつ買い替えるべき?」「自転車の寿命って何年?」など、買い替えのタイミングに悩んでいる人もいるでしょう。
自転車が寿命を迎えると、さまざまな異変や不具合が生じます。パーツごとに寿命があるので、違和感を感じた場合は特定のパーツだけ交換すればいいのか、本体ごと買い替えるべきか、サイクルショップなどで見てもらいましょう。
違和感や不具合を無視して乗り続けると、思わぬ怪我につながる恐れがあるため注意が必要です。
本記事では、自転車のパーツ別の寿命や長持ちさせるコツなどをご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
何年持つ?自転車の平均寿命
自転車の寿命は、種類や走行距離、使用環境、乗り方などによって左右されるものの、一般的には平均10年ほどといわれています。とはいえ、自転車はいくつかのパーツで構成されており、ひとつのパーツにのみ不具合が出た場合は、その部分を交換することで問題なく乗り続けられるケースが多いです。
故障部分が多くて高額な修理費がかかりそうなときや、全体的に劣化してきたと感じたときは、買い替えを検討するといいでしょう。
自転車のパーツ別の寿命
自転車のパーツはそれぞれに寿命があり、耐久年数や走行距離はさまざまです。そのため、自転車本体というよりもパーツごとの寿命を意識しましょう。
ここではパーツごとの寿命の目安をご紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
タイヤ
タイヤの寿命は約3年ほどといわれているものの、毎日乗る人・月に数回しか乗らない人とでは大きく差が出るため、年数ではなく走行距離を基準にします。
だいたい3,000km走行すると寿命がくるといわれており、たとえば往復5kmの距離を走る人なら、約600日乗れる計算です。
ただし、これはあくまで目安であり、「溝がなくなっている」「ヒビ割れている」など明らかな劣化がみられた場合は、早めに交換しましょう。
フレーム
ママチャリや子供用の自転車を含め、一般的な自転車のフレームは寿命が長めです。具体的には5~20年ほどで、アルミやカーボン、クロモリといった素材によって多少強度が異なります。
軽さを重視したロードバイクなどは、フレームが細めに作られており、通常よりも曲がりやすい点に注意が必要です。
フレームは自転車の主幹パーツで、ほかのパーツに問題がなくてもフレームに不調が生じた場合は、基本的に本体ごと買い替えたほうがいいでしょう。
チェーン
チェーンの寿命は、タイヤと同じく走行距離3,000kmほどです。どちらかに異常が出た場合は、もう一方も寿命が近い可能性があるので、一緒に点検してもらうことをおすすめします。
「チェーンが伸びている」「外れやすい」「ガチャガチャ音がする」などの症状が現れたら、交換が必要でしょう。
ブレーキ
自転車は、ブレーキシューのいうパーツがタイヤに当たることによってブレーキがかかる仕組みです。概ね1~2年が寿命とされており、使用していくうちに摩擦で溝がすり減り、ブレーキの効きが甘くなっていきます。
自転車のパーツのなかでも、特にブレーキシューの不調は事故に直結しやすいため、こまめにチェックするようにしましょう。
変速機
変速機は、ギアを調整してペダル1回転で進む距離を変えるパーツです。
変速機の寿命は、年数や走行距離で考えるよりも、見た目や体感的な部分で判断します。具体的には、「歪みがある」「スムーズに操作できない」「変速しにくくなった」などが判断基準です。
外的なダメージを受けやすい部分なので、転倒させてしまったときは特によく点検しましょう。
ペダル
普通に運転している限りでは、ペダルは破損しにくいパーツです。走行可能距離は30,000~50,000km程度と、タイヤやチェーンの10倍以上はもつため、そこまで寿命を気にする必要はないでしょう。
しかし、転倒したりぶつけたりして衝撃を与えると、割れやすくなる場合があるので注意してください。
自転車の寿命を判断する目安
自転車にはおおよその寿命があるとはいえ、いちいち走行距離や年数を気にしていない人のほうが多いかもしれません。
そこで、寿命を迎えた自転車の判断ポイントをご紹介します。以下のような症状がある場合は、パーツ交換や買い替えを検討してみてください。
走行中に変な音がする
走行しているときに異音がする場合、なんらかの不具合が生じているサインです。そのまま乗り続けると、思わぬ事故につながる可能性があります。
異音の原因はひとつではなく、さまざまなパーツの劣化が考えられるため、まずは原因究明から始めなければなりません。修理すべき箇所の特定までに時間を要するうえ、高額な修理費がかかることもあるので、買い換えを検討したほうがいいでしょう。
錆びつきがひどい
自転車のほとんどは金属でできており、錆びつきやすい特徴があります。多少の錆なら、市販の錆取り剤で改善できる場合が多いですが、あまりに頑固な錆は簡単には除去できません。
錆びついた自転車は、ブレーキやハンドルの動きが鈍くなる・変速性能が落ちるといった症状を引き起こし、非常に危険です。
ひどい錆びつきがみられたら、早めに買い替えましょう。
自転車の寿命を延ばすための方法
乗り方や保管環境などによって、自転車の寿命は縮まることも延びることもあります。
種類ごとに価格差はあるものの、自転車は決して安価なアイテムではないので、少しでも長持ちさせたい人は、普段から以下のポイントを意識しましょう。
定期的にメンテナンスを行う
自転車の寿命を延ばすうえで重要なことは、定期的なメンテナンスの実施です。お手入れや点検を欠かさず行うことで、劣化の防止や安全性の維持につながります。
外装面では、ついた汚れはすぐに落とす・錆が生じたら早めに除去することを心がけてください。機能面では、ブレーキの効きは悪くないか、チェーンがスムーズに回転するかなどチェックしましょう。
このほか、1~2年に1回は専門ショップで見てもらうことをおすすめします。
荒い運転に気をつける
下記のような運転の仕方は、自転車に大きな負担がかかります。
- ペダルを強く踏み込んで急発進する
- ハイスピードから急ブレーキをかける
- 頻繁に段差を上り下りする
日頃から荒い運転を繰り返していると、パーツがすぐダメになったり、車体そのものの寿命が早まったりして、修理や買い替えに余計な出費がかかりがちです。
少しでも長持ちさせるためには、徐々に加速・減速する、なるべく段差は避ける、段差を通る場合はゆっくり走ることを心がけましょう。
こまめにタイヤの空気を確認する
自転車のタイヤは、使用の有無に関係なく少しずつ空気が抜けていきます。タイヤの空気圧が低下した状態で乗ると、タイヤやチューブの傷みを早めたり、場合によってはパンクを引き起こしたりすることも。
また、乗り心地が悪くなり、自転車を漕ぐときに余計な労力を要します。安全かつ快適に乗るためにも、こまめにタイヤの空気圧を確認しましょう。
ただし、空気を入れ直す回数を減らしたいからといって多めに入れると、バーストする恐れがあるので避けてください。
雨や紫外線の当たらない場所に置く
雨に濡れた自転車をそのまま放置すると、金属部分に錆が生じやすくなります。錆びた自転車は乗り心地が悪くなるだけでなく、ブレーキが効きづらくなるといった安全面にも支障をきたすため、注意が必要です。
さらに自転車は紫外線にも弱く、直射日光の当たる環境下に置いておくと、タイヤやサドルなどのゴム部分の劣化を進めてしまいます。
できれば屋内に保管するか、むずかしい場合は専用カバーをかけておきましょう。
寿命を迎えた自転車に乗り続けるのは危険
自転車は、構成するパーツの一つひとつに寿命があり、それぞれ耐久性にはバラつきがあります。どのパーツがどのくらいの年数・走行で劣化するのか、どのような症状が現れたら寿命を迎えたサインかを把握しておき、迅速に対処することが大切です。
違和感や不調に気づかずそのまま乗り続けていると、走行中にブレーキが効かない・タイヤが滑る・破裂するといった危険な事故が起きかねません。ぜひ本記事を参考にしながら、定期的なチェックを欠かさないようにしましょう。