貴金属の刻印一覧|アクセサリーの素材や金メッキの刻印を紹介

  • 2022年9月21日

貴金属には、金・プラチナ・銀・パラジウムなど、さまざまな種類があります。持っているジュエリーやアクセサリーの素材を知りたくても、どの金属で作られているかをひと目で判断するのは難しいです。

アルファベットや数字の刻印を見つけたとしても、文字列の意味が理解できず、諦めてしまった方もいるでしょう。

本記事では、刻印の意味や記載場所、注意すべき刻印までを詳しく紹介しているので、誰でも簡単に貴金属の素材や価値を見分けられるようになります。ぜひ最後まで目を通し、参考にしてみてください。

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素材と配合率によって表される

手元の指輪やネックレスなどの貴金属製品に、「K18」や「Pt900」といった刻印を見たことはないでしょうか。

これらの刻印は「金属の種類」と「その金属の純度(含有率)」を表したものです。ISO(国際標準規格)やJIS(日本工業規格)により、金属の種類と品質を保証する指標として、刻印することが決められています。

一般的には1000分率で表しますが、国ごとに表記の仕方が異なることも。見た目ではわからない貴金属製品の価値を知ることができるので、ぜひ刻印の意味を理解しておきましょう。持っている貴金属アクセサリーを売りたい場合などにも役立ちますよ。

では、貴金属製品のどこに刻印されているのかというと、アクセサリーごとに大体の場所が決まっています。以下を参考に確認してみてください。

アクセサリー刻印されている場所
指輪リングの内側に刻印されています。
ネックレス両端の留め金具や、受け手側のプレート部分に刻印されています。
ピアス・イヤリングピアスはポストとキャッチの両方、イヤリングはデザイン面の裏側に刻印されていることが多いです。サイズが小さいと刻印されない場合もあります。
ブレスレット・バングルブレスレットはネックレスと同様で、留め金具に刻印されていることがほとんどです。バングルの場合は、裏側や側面に刻印されています。
ペンダントトップブレスレットはネックレスと同様で、留め金具に刻印されていることがほとんどです。バングルの場合は、裏側や側面に刻印されています。

金の刻印一覧

刻印海外表記意味
K24999(1000)ほぼ100%の純金です
K18750金が75%含まれています
K14585金が58.5%含まれています
K10416金が41.6%含まれています

前述の通り、金属の刻印は1000分率で表すのが一般的です。しかし日本においては、金に限り「K(カラット)」という24分率の重量比率で表記されます。

例えば「K24」は「24分の24」なので、ほぼ100%の純金。「K18」の場合は「24分の18」で金の純度が75%、残りの25%は別の金属を混ぜ合わせているということです。

また、「K18YG」など純度の後ろにアルファベットが付くものは、カラーゴールドと呼ばれます。例えば「YG」はイエローゴールドを意味しています。これらは金と別の金属「割金」を混ぜた合金です。アクセサリーに適した強度を持つほか、配合により金属の色を変えることもできます。

以下の表は「K18」を例にした、代表的なカラー別の純度と含有率です。

カラー金の純度(100%)ほかの金属
イエローゴールド(YG)75%残り25%が銀と銅の等量
ピンクゴールド(PG)75%残り25%の内、8割程度が銅
ホワイトゴールド(WG)75%残り25%の内、5%がパラジウム

金はそのままの状態だと非常にやわらかいため、「K24」の純金はアクセサリーに向いていません。おもにインゴットやコインなど、資産価値の高い製品に刻印されています。

一方、「K18」は変色しにくいうえ、耐久性も抜群。また加工しやすいことから、リング・ネックレス・イヤリングなどのアクセサリーに多く、日本でもっとも主流の刻印です。

さらに純度が低い「K14」や「K10」の刻印は、リーズナブルなアクセサリーなどに多く見られます。

プラチナの刻印一覧

刻印海外表記意味
Pt999(Pt1000)999(1000)ほぼ100%の純プラチナです。
Pt950950プラチナが95%含まれています
Pt900900プラチナが90%含まれています
Pt850850プラチナが85%含まれています

プラチナの刻印は、「Pt999」や「Pt850」といった1000分率で表されます。「Pt」はプラチナの元素記号で、数値が1000に近いほど純度が高いです。

近年では表記が「Pt999」に統一されましたが、「Pt1000」と混在していることも。なお、二つの表記は同じ意味合いです。

プラチナも金と同様にとてもやわらかい金属なので、「Pt999」の純プラチナはアクセサリーへの加工が難しいです。実際にアクセサリー製品は少なく、インゴットやコインなどの投資用製品に刻印されています。

「Pt950」は国際基準に定められている純度で、海外の高級ブランドジュエリーに多く使用されています。一方、「Pt900」は強度が高く加工がしやすい特徴から、日本で多く見られる刻印です。おもに指輪やネックレスなどに使用されています。

銀の刻印一覧

刻印海外表記意味
SV999(SV1000)999(1000)ほぼ100%の純銀です
SV950950銀が95%含まれています
SV925925銀が92.5%含まれています
SV900900銀が90%含まれています
SV800800銀が80%含まれています

銀の刻印は「SV1000」や「SV925」などの1000分率で表記されます。「SV」はシルバーの略称ですが、「SV925」は「STERLING」と刻印されることも。1000に近づくほど純銀度合いが高いです。

銀はスターリングシルバーと呼ばれる「SV925」がもっとも一般的で、法律上は純銀として扱われています。安価で楽しめるカジュアルなアクセサリーが人気で、リングやネックレスなどに多く見られる刻印です。

比較対象に「SV950」も挙げられますが、こちらは一点もののハンドメイド品などに刻印されています。

パラジウムの刻印一覧

刻印海外表記意味
Pd999(Pd1000)999ほぼ100%の純パラジウムです
Pd950950パラジウムが95%含まれています
Pd900900パラジウムが90%含まれています
Pd500500パラジウムが50%含まれています

パラジウムの刻印は、「Pd999」や「Pd900」といった1000分率で表記されます。「Pd」はパラジウムの元素記号で、1000に近いほど純度が高いです。

同じ銀白色のプラチナと共通点が多いですが、プラチナより半分ほど軽く、硬度が高い特徴を持ちます。

パラジウムは、プラチナよりも安く買える純パラジウム「Pd999」の指輪が人気です。1g当たりの価格はプラチナを上回りますが、軽いことから指輪サイズだとパラジウムの方が圧倒的に安くなります。

傷つきにくく軽い反面、加工が難しいという特徴から、シンプルな指輪に多い刻印です。

粗悪品の可能性も!?要注意の刻印

貴金属の刻印は、金属の種類や品質を保証するほかに、偽物を判別する意味合いもあります。しかし、日本では刻印が必須でないことから、偽物や粗悪品が流れることも少なくありません。

また、審査する機関に通すわけでもないので、絶対的な信憑性があるとは言い切れないのが現状です。ここでは、貴金属として間違えやすい刻印について詳しく紹介します。

メッキの刻印

刻印刻印例意味
GFK24GF・24KGF・K18GF・18KGF「GOLD FILLED」の略称で、金張りを意味します。真鍮表面にK18を板のように重ね合わせ、高熱圧着を施したものです。一般的な金メッキよりも100倍ほど層が厚いので、発色が良く摩耗に強い特徴を持ちます。ネックレスや眼鏡などに多い刻印です。「GF」を省いた「1/20 18K」表記も存在します。
GPK24GP・24KGP・K18GP・18KGP「GOLD PLATED」、金メッキのことです。真鍮などの金属にニッケルを下地し、その上に薄い金の膜を電気メッキしたもの。金張りの「GF」と比べて層が薄く、摩耗に弱い特徴を持ちます。ネックレスや記念品の金杯に多い刻印です。
M / 1M / 3M / 5MK18 3M・K18 1M・K14 5Mメッキの刻印を意味します。例えば「K18 3M」は、「18金が3ミクロンの厚さでメッキされている」ということです。
1/10 1/20K18 1/10・1/10 K18・K14 1/20メッキの刻印です。例として「1/10 K18」は、「18金が1/10ミクロンの厚さでメッキされている」という意味になります。
GSK18GS・18KGS「GOLD SHELLED」、金張りのことです。
GEP○○GEP「GOLD ELECTRO PLATED」の略称で、電気メッキを意味します。
HGE○○HGE「HARD GOLD ELECTROPLATED」の略称で、硬質金メッキのことです。
GR○○GR「GOLD ROLLED」、金張りを意味します。
RGP○○RGP「ROLLED GOLD PLATE」の略称。全体の5%にも満たない金を使用した金張りです。
SILVER G○○SILVER G「SILVER GILT」のことで、銀メッキを意味します。
SILVER.F○○SILVER.F「SILVER FILLED」の略称で、銀張りのことです。真鍮など金属の表面に銀箔を圧着させたものを指します。
SP○○SILVER PLATED「SILVER PLATED」、銀メッキを意味します。食器などに見られる刻印です。
SHEFFIELD SILVER○○SHEFFIELD SILVER銀メッキが施されています。アンティーク製品に多い刻印です。

品質の低さをわかりにくくしている刻印

刻印刻印例意味
K24K 18K 14K 10K「K18」などと同じ意味です。古い製品に多く見られる刻印で、アルファベットが後ろにつくことから「アトK」と呼ばれています。東南アジアなどの海外製品でも使われることが多く、なかには表記以下の含有率であることも。ただ、日本製品の万年筆などでは現在も「アトK」表記が標準です。
KP24KP 18KP 14KP 10KP「K18」表記と変わらない刻印です。「P」は「Plumb」の略称で、「完全に、きっちりと」という意味。つまり「完全にK18です」という意味を持ちます。製造元がアメリカの製品に多く見られる刻印です。
KT24KT 18KT 14KT 10KT「K18」表記と同じ意味の刻印。「K」も「KT」もカラットの略称です。
万足金 / 千足金 / 足金万足金・千足金・足金万足金は「24金」、千足金は「21.6~23金」、足金は「20金」とされています。中国で使われる刻印です。
PtPt一昔前に使われていたプラチナの刻印です。「Pt850」相当の純度とされています。
PmPm「Pt」以前のかなり古い刻印です。純度は「Pt850」相当とされていますが、海外製品の場合は含有率を満たさないことも。なかには、プラチナがほとんど含まれていない「軽P」と呼ばれる偽物もあるので要注意です。
SV / SILVERSV・SILVER「SV925」以上の銀に使われる刻印。海外製品も多く、純度が「SV925」を大きく下回るものも存在するので要注意です。

プラチナ製品のように見せかけて販売している刻印

PT100PT100プラチナが10%含まれている意味の刻印です。残り90%には銀などが使用されています。合金には比率の多い成分を刻印する基本原則がありますが、それを無視した表記です。「Pt100」を「Pt1000」と誤認させることで、印象を良くする働きがあるのかもしれません。また、プラチナが100%とも勘違いしやすいので要注意です。
P/SP/S「Pt100」と同じ成分で、プラチナは10%しか含まれていません。そのほか90%は銀などの安価な新素材です。
PWG9PWG9ある宝石メーカーが作り出した、独自の金属表示です。「P」は「パラホワイト」、「WG」は「ホワイトゴールド」、「9」は「K9(金37.5%)」を意味します。つまりプラチナではなく、9金のパラホワイトゴールドです。

プロの手にかかれば偽物も見分けられる

貴金属の純度や刻印について理解を深めることで、自分でも製品の素材や品質を知ることが可能です。

調べた結果、「貴金属だと思っていたものが、実は金メッキだった」という話も珍しくありません。まずは持っているジュエリーや、貴金属製品の刻印を確認してみてください。

ただ、なかには刻印されていない製品や、純度が不確かな刻印もあるので、そういった場合はプロの鑑定士に見てもらいましょう。

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