死亡後を見据えた断捨離の必要性|メリットや具体例を紹介

  • 2024年9月20日
この記事で解決できるお悩み
  • 死亡後を想定した断捨離のやり方を知りたい
  • 断捨離を進めるタイミングについて知りたい
  • 断捨離で捨ててはいけないものを知りたい

本記事では、さまざまある断捨離の方法のなかで、死亡を想定した断捨離方法について解説します。断捨離は、ものの価値を見極めるうえで重要な作業であり、これからの人生を見つめ直すきっかけとしても活用できるでしょう。

断捨離を進めるタイミングから、捨てるべきものや捨てると困ってしまうものについても解説します。断捨離でよくある質問についてもまとめているので、これから断捨離を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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死亡したあとを想定した断捨離を

タンスの画像

人生半分を過ぎたあたりからは、終活の一環として断捨離を進めると良いでしょう。必要なものを見極め不要なものを処分することで、気持ちも晴れやかに過ごせるからです。

断捨離を進めて身辺整理しておくことで、自分が亡くなったとしても残された家族の負担が少なくて済むでしょう。身の回りのものが多い場合は、粗大ゴミの廃棄などで業者を手配する必要もあり、身辺整理に長い時間を要する場合もあります。

家族の負担を減らすためにも、少しずつ断捨離を進めておくと良いでしょう。

スウェーデン式「死のお片付け」とは

スウェーデン式「死のお片付け」は、自分の死後を想像しながら断捨離する方法です。この方法の核心は、「それを残したら誰かが喜んでくれるか」という視点でものを評価することにあります。

具体的には、感情的な愛着よりも実用性や遺族にとっての価値を重視し、残すものを選別し、自ら処分を進める方法です。これにより、遺族の負担を減らす効果も期待できます。

この方法は死後に自分の所有物だったものが、他人にとって意味があるのかという冷静な判断が必要です。結果として、本当に大切なものだけを残し、遺族の負担を減らせるでしょう。

自分の死を見据えた断捨離にぜひ取り入れてほしい考え方のひとつです。

断捨離を進めるタイミング

ここでは断捨離を進めるタイミングについて紹介します。断捨離を進めるには、必要なものかどうかの判断力や体力が必要です。あのときにやっておけば良かったと後悔しないように、ぜひチェックしておきましょう。

体力があるうちに

「断捨離を進めるタイミング」でも触れたとおり、断捨離を進めるには体力や気力、判断力が必要です。それらが充実している早いタイミングから少しずつ進めていくことが好ましいでしょう。

年齢による体力や気力、判断力の低下は人それぞれペースは異なるものの、誰もが避けられません。そのためいつから断捨離を進めるべきという明確な基準はなく、体力や気力、判断力が充実しているうちから少しずつ進めるべきでしょう。

定年後すぐ

定年後は職場で過ごす時間がなくなり自宅にて過ごすことが増えることから、本当に必要なものや不要なものを見分ける時間が確保できるでしょう。

定年後は生活リズムが変わることから、従来必要だと考えていたものも不要に感じるかもしれません。仕事に使用していたものを一度に廃棄するチャンスでもあります。

また定年後は新しい人生がスタートするタイミングです。断捨離を進めることで、すっきりとした新しい人生のスタートをきれるでしょう。

子どもの帰省のタイミング

子どもの帰省時に断捨離を進めることは、多くのメリットがあります。一人では決断がむずかしいものも、家族と相談しながら断捨離を進められるでしょう。思い出の品や子ども時代の所持品について、本人の意見を直接聞けることも大きな利点です。

また家族全員で作業することにより効率よく進められるだけでなく、コミュニケーションをとる機会にもできるでしょう。さらに家族の協力を得ることで自分の身の回りだけでなく、家全体の断捨離にも発展するかもしれません。

家族がそろう貴重な時間を有効活用することで、家族の絆を深める良い機会となるでしょう。

断捨離で捨てたほうがいいもの

断捨離中の画像

断捨離を進めるにあたって、残すものと捨てるものをどのように見極めていけば良いのか、わからないものですよね。ここでは、断捨離を進めるうえで捨てたほうが良いアイテムの見極め方について解説します。

アルバム・手紙

アルバムや手紙は、そのほとんどが本人の思い出に帰属するアイテムであり、たとえ家族と共通の思い出があったとしても処分することに抵抗を覚えるでしょう。

しかしながらアルバムや手紙はそのものに価値があるのではなく、ほとんどの場合は思い出に価値があります。そのためアルバムや手紙といった物理的なものは、デジタル化するなどして現物は自ら処分しておき、思い出を残しておくことが良いでしょう。

本・衣類

本はスペースを取るだけでなく重量もあることから、体力が衰えてきてから断捨離を進めると大変な労力を伴います。衣類は年数を重ねるごとに着古した衣類が溜まりやすく、断捨離に時間を要する可能性もあるでしょう。

時間経過により量の増加や体力の衰えから処分がむずかしくなるため、本や衣類はすみやかに断捨離しておくべきアイテムです。

車・バイク・自転車

自動車やバイクは、所有者の名義変更に書類や行政手続きなどが必要です。名義変更をせず他界してしまうと残された家族が大変な苦労をすることから、乗らなくなった段階で手放したり名義変更を済ませておいたりしておきましょう。

また自動車やバイクを早期に手放すことで、保険料や各種税金などの維持費負担もなくすことも断捨離のひとつです。

大きな家具

自分ひとりでは持ち運びが困難な大型家具なども、早期に断捨離しておく必要があります。たとえば本棚や食器棚、ピアノなどの大型アイテムは、運び出すことや解体することもむずかしく、体力や気力が充実しているときでも苦労するでしょう。

大きな家具を手放す方法として、出張買取しているリサイクルショップに買取してもらったり、回収業者を手配したりといった対策が考えられます。日程調整などが必要なため、早めに相談しておきましょう。

趣味のもの

昔夢中になっていた趣味のアイテムは、現在でも継続して触れていないものであれば手放すべきアイテムのひとつと言えます。残された家族がその趣味を理解し、引き継ぐことは可能性として低いからです。

特に数が多いコレクションものは、断捨離に相応の時間を要します。価値をしっかりと理解してもらえる人に譲ることや、リサイクルショップなどの買取に出して手放しておきましょう。

デジタル遺品

デジタル遺品とは、スマホやパソコンのハード機器や、ネット上に残っているサービス契約や情報などを指します。これらの断捨離が進んでいないと思わぬトラブルの原因につながる可能性もあるため、早急に見直すと良いでしょう。

具体的なものとして、サブスクリプション契約が挙げられます。解約には本人しか知り得ないパスワードが必要な場合もあり、残された家族は契約していることすら知らない場合も多いでしょう。

そのほかにもネット銀行や証券も挙げられ、残高によっては相続財産として扱われるケースもあることから、早急に見直しておく必要があります。

断捨離で捨てると困るもの

なんでも断捨離という理由で捨ててしまって良いものではありません。ここでは断捨離で捨ててはいけないものをいくつか紹介します。ついうっかり捨ててしまわないように、事前にチェックしておきましょう。

資産に関する書類

自分が保有している資産を確認できる書類などは、断捨離で捨てるべきアイテムではありません。預貯金や不動産などのプラス面のものから、ローンや未払金などのマイナス資産を記録してある書類まで、残された家族の財産相続で必要なアイテムだからです。

これらの資産が不明であれば、残された家族は調査するところから始めなければならず、大変な時間と労力を伴うでしょう。自分の保有している資産を確認できる書類などは、残しておくべきアイテムです。

貴金属・ブランド品

貴金属やブランド品も、プラス資産のひとつと言えます。これらは、リサイクルショップなどで売却が可能なので、断捨離として捨ててしまうことは現金を捨てていることと同義でしょう。

また貴金属は、年数が経過しても素材そのものの価値は変わらないことに加え、形見としての価値も見出せます。ブランド品や貴金属は、捨てずに売却するか取っておくようにしましょう。

遺影に使える写真

写真をすべて廃棄してしまうと、遺影として使える写真がなくなってしまい、残された家族が写真選びで困ってしまうでしょう。

残しておきたい写真を選ぶことは決して嫌な気分にならず、むしろどのような写真が自分らしいものかを選ぶ前向きな取り組みとして進められます。遺影として使えそうな写真は自分らしいものを選び、残しておくようにしましょう。

死亡後を見据えた断捨離のQ&A

人間は誰しもが最後のときを迎えます。その準備としての断捨離は、さまざまな疑問点が生まれることでしょう。ここでは、断捨離に関するよくある質問をまとめました。事前にチェックしておき、疑問点を解決しておきましょう。

断捨離は縁起が良くない?

断捨離が縁起悪いという考えは、死の準備をしているように感じる人もいるためです。しかし断捨離には多くのメリットがあり、むしろ自分の人生を整理し、大切なものを見直すきっかけとして大切な行為と言えます。

自分の所有物を整理することは、誰かに迷惑をかけないようにするための責任ある行動のひとつでしょう。また自分の死生観に向き合うことで、人生の優先順位を再確認できます。

つまり断捨離は、より充実した人生を送るための前向きな行動と言えるでしょう。

断捨離のメリットは?

断捨離により部屋が整理されることで、視覚的なストレスが軽減され、精神的にも安定します。整理された空間は集中力や創造力を高め、仕事や趣味においても良い影響を与えるでしょう。

またものが減ることで、ものの管理が楽になることも重要な観点です。片付けや掃除が簡単になり、探し物などの時間が減少するでしょう。これにより余計なストレスが軽減され、より快適な日常生活が送れます。

このように断捨離は不要なものを減らすことで、管理のしやすさや精神的な安定につながり、より良い生活を送れることがメリットです。

自分で断捨離し切れないときは?

専門業者の力を借りることも有効な選択肢です。遺品整理や生前整理を行う業者は、個人や家族だけではむずかしい整理を、効率的に進めてくれるでしょう。

こうした業者は判断がむずかしいアイテムの処分方法や、法的な手続きが必要な書類の整理などにも精通しています。

また第三者が加わることで、心理的な負担を軽減しながら作業を進められ、自分ひとりでは踏み出せなかった断捨離の一歩を踏み出すきっかけにできるでしょう。

家族に相談は必要?

断捨離を進める際、家族にも関わるものについては慎重に対応する必要があります。家族共有の思い出のものや代々受け継がれてきたアイテムに加え、重要書類などを処分する場合は、必ず家族に相談しましょう。

相談することで、後々のトラブル回避につながります。また相談することにより、そのアイテムの意味や価値を再確認でき、家族間のコミュニケーションを深める機会としても有効です。

家族に相談することにより、納得する形で断捨離を進められ、より良い家庭環境づくりにつながるでしょう。

死亡後に残された家族を想像して断捨離を進めよう

断捨離は体力や気力だけでなく、捨てる・残すの判断力も問われることから早めに取り掛かることが重要です。先を見越して断捨離を進めることで、ものの大切さや見極めができるだけでなく、今後の人生をより快適に過ごすことにつながるでしょう。

断捨離は、家族と相談しながら進めることでコミュニケーションが生まれるだけでなく、価値観をすり合わせる大事な作業です。リサイクルショップや専門業者を活用しながら、断捨離を進めてみてはいかがでしょうか。

木暮康雄

木暮康雄 (監修者)

ウリドキ株式会社代表取締役CEO。ウリドキプラスの発行人でもある。
リユース業界での起業・事業運営の経験が豊富でリユースの専門家としてのメディア出演歴も多数。
著書に「リユース革命」(幻冬舎)がある。

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