- VSOPの意味について正しく理解したい
- ブランデーの特徴やおいしい飲み方について知りたい
- VSOPブランデーのおすすめ銘柄を知りたい
この記事では「VSOPとは何か？」について解説します。
「VSOP」とはひとことで言うとブランデーのランクのこと。歴史あるブランデーは、熟成年数によってランクの基準が定められています。
ブランデーを理解するうえでは聞きなれない言葉も多く、どの銘柄をチョイスすればいいか迷ってしまうものですよね。
そこでこの記事では、ブランデーのランクや特徴について、お酒好きの方はもちろん、ブランデー初心者さんにも分かりやすく解説しています。ぜひ参考にしてください。
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VSOPはブランデーのランク
VSOPとは「Very（非常に）Superior（優良な）Old（古い）Pale（澄んだ琥珀色）」の略で、ブランデーのランク（等級）をあらわす言葉のひとつです。
ブランデーは熟成年数の長さによって、以下のようにランク分けされるのが特徴です。上から下に行くにつれて熟成年数は高く、ランクも高くなります。
- スリースター
- VS（Very Special）
- VO（Very Old）
- VSOP（Very Superior Old Pale）
- ナポレオン
- XO（Extra Old）
- オルダージュ（Hors d’âge）
コントとは？
ブランデーのランクやVSOPを正しく理解するために知っておきたい概念として「コント」があります。聞きなれない言葉かもしれませんが、知っておくとブランデー選びがより楽しくなるでしょう。
ここでは、コントが何を指すのか詳しく解説します。
ブランデーの熟成年数の単位
「コント」とは、フランス政府によって定められたブランデーの熟成年数をあらわす単位のこと。
ブランデーの種類ごとに基準となる日付が決められており、1年が経過してその日を迎えるごとに「1コント」が数えられます。
たとえばコニャックの場合、製造された日から初めて迎える4/1までを「コント00」、2度目の4/1までを「コント0」、3度目の4/1までを「コント1」とコント数が増えていく仕組みです。
そしてブランデーはコント数に応じて、名乗れるランクが定められています。
若いブランデーの熟成年齢でランクが決まる
ブランデーはほとんどの場合、さまざまな熟成年数のものがブレンドされています。理由はそのメーカーのイメージや、目指す香りと味により近づけるためで、その過程を「調合（ブレンド）」と呼びます。
そのような背景があり、ブランデーはランクの基準が曖昧になることを防ぐため、調合されたブランデーのなかでもっとも若いブランデーの熟成年齢に従ってランクを定める、というルールがあります。
産地によるランク付けの違い
ブランデーのランクはコントによって定められますが、その基準はブランデーの産地によって微妙に異なります。
ここでは「3大ブランデー」である、コニャック・アルマニャック・カルヴァドスのランクをそれぞれ見ていきましょう。
コニャックのランク
コニャックはオーク樽で何年熟成させたか、そのコント数によって名称が定義されます。
コニャックはフランス中西部で栽培された白ブドウを使い、2度の蒸留を行うことでまろやかな口当たりを楽しめるのが特徴。
コント数とランクは以下のように定義されます。
| ランク | コント数 |
|---|---|
| スリースター | コント2以上 |
| VS | コント2以上 |
| VSOP | コント4以上 |
| ナポレオン | コント6以上 |
| XO | コント10以上 |
| オルダージュなど | コント10以上（一般的にXOより高ランクであるとされるもの） |
アルマニャックのランク
アルマニャックとは、フランス南西部のアルマニャック地方でつくられる、フランスでもっとも古い歴史を持つブランデーのひとつ。
コニャックと違い、連続式蒸留器で白ワインを1回だけ蒸留して製造されるのが特徴です。
コント数トランクは以下のように定義されます。
| ランク | コント数 |
|---|---|
| スリースター | コント1以上 |
| VS | コント2以上 |
| VSOP | コント4以上 |
| ナポレオン | コント5以上 |
| XO | コント10以上 |
※2018年3月31日以前に出荷されたものはコント5以上もあり
2018年4月1日にXOの熟成年数基準が変更され、必要なコント数が10に引き上げられました。
カルヴァドスのランク
カルヴァドスとは、りんごが原料のアップルワインを蒸留してつくるブランデーで、カルヴァドス県とその近隣でつくられたブランデーだけが名乗れる名称です。
カルヴァドスにコントの概念はなく、単に熟成年数でランク分けされます。
| ランク | 熟成年数 |
|---|---|
| VS／トロワ ポンムなど | 2年以上 |
| レゼルヴ／ヴィユーなど | 3年以上 |
| VO／VSOP／ヴェイユレゼルヴなど | 4年以上 |
| XO／ナポレオン／オルダージュなど | 6年以上 |
おすすめVSOPブランデー
VSOPは、まろやかさやコクの深さはXOが勝るものの、その分香りのキレや華やかさに優れ、若々しさを感じられるランクのブランデーです。
ぜひ味わってほしいおすすめのVSOPブランデーを紹介します。
レミーマルタンVSOP
レミーマルタンは、300年以上の歴史を持つ世界的なコニャックメーカー。ルイ15世がフランスを統治していた1724年に創業されました。
コニャック地方のブドウ生産地のうち「グランド・シャンパーニュ」と「プティット・シャンパーニュ」で収穫されたものが用いられています。バニラを思わせる甘い香りと、熟した杏子やりんごのような上品なフレーバーが特徴です。
サンヴィヴァン VSOP
アルマニャックのなかでも個性的な瓶が特徴的な「サンヴィヴァン VSOP」を紹介します。
さまざまな地区から集めたブランデーをブレンドすることで、アルマニャックのワイルドな風味と飲みやすいマイルドさを両立。
強いキャラメルの風味のなかに、ドライなスパイシーさやミントのような香りも感じられます。
カルヴァドス モランVSOP
1889年に創業した老舗カルヴァドスブランド「モラン」のVSOPを紹介。フランス北西部ノルマンディー地方で代々受け継がれてきた芳醇なフレーバーを楽しめます。
焼きりんごとミントやシトラスを感じる香り立ちから、舌で味わうと、キャラメル、シナモンのような渋みあるスパイシーさが際立ちます。
とりわけフルーティーな余韻も特徴で、ストレートでゆっくりと味わうのがおすすめです。
サントリーVSOP
スーパーなどでも手に入れやすいサントリーのVSOP。変わらない味とコスパの良さで評価されるロングセラーです。
特徴は華やかでフルーティーなフレーバー。豊かな味わいながら飲みやすく、ブランデー初心者には特におすすめ。ストレートやオンザロックはもちろん、トニック割りやソーダ割りにするとより香りが引き立ちます。
VSOPブランデーのおいしい飲み方
基本はストレートといわれるブランデーですが、飲み方を工夫すると、さまざまな魅力をより引き出せます。
嗜み方は気分やシーンによってもさまざまでしょう。いろいろな飲み方にチャレンジすると、よりブランデーを楽しめますよ。
ストレート
ブランデーの芳醇な風味や、熟成された奥深いフレーバーを楽しむために、まずはストレートで味わってみてください。
ストレートで飲む場合は常温がおすすめです。アルコール度数が40～50度と高いため、1杯を30分ほどかけて、ゆっくりと少しずつ口に含むのがおすすめ。舌で味わうだけでなく鼻を使って香りも楽しんでみましょう。チェイサーを用意するのをお忘れなく。
ロック
時間をかけてじっくりとブランデーを味わいたい場合はロックもおすすめです。
ロックの魅力は、氷が溶けていくにつれて口当たりや風味が変化すること。また温度が下がるとアルコールを感じづらくなり、飲みやすくなるというメリットもあります。
さらにグラスの中で溶けていく氷をじっくりと眺めたり、グラスと氷が軽やかな音をたてたりと、視覚や聴覚でも楽しめる飲み方です。
水割り
あまりアルコールに強くない方や、ブランデー初心者の方には水割りがおすすめ。
ブランデーを常温の水と1:1の比率で割って楽しむのが基本です。アルコール度数を下げながらも、より果実由来の豊かな香りを楽しみやすくなります。
自分のお気に入りの割合を探しながら飲むのも楽しいですよ。
ソーダ割り
よりカジュアルにブランデーを楽しみたい場合、ソーダ割りはいかがですか。
飲みやすさに加えて、炭酸のぱちぱちとした舌触りが、ブランデーを味わう時間をより楽しくしてくれるでしょう。
ラフなイメージのソーダ割りですが実はその歴史は深く、かつてヨーロッパの貴族や王室のなかでも広く嗜まれていたようです。
カクテル
ブランデーはカクテルのベースとしても用いられます。ブランデーはブドウやりんご由来のため、柑橘系フルーツなどとは特に相性が良いでしょう。
カクテルは甘さや酸味などを加えられるため、強いお酒があまり得意でない人も楽しめる飲み方です。カラフルで華やかな見た目も魅力的で、日常から離れてリラックスしたいときにチョイスしたい飲み方です。
ブランデーに関するよくある質問
ブランデーは長い歴史と伝統を持つ分、わからないことが多いお酒かもしれません。
ここでは、理解しておくとブランデーを飲むのがより楽しくなる、よくある質問を取り上げます。
コント10以上のブランデーはある？
コント10以上のブランデーも数多く存在します。そのランクの多くは「XO」ですが、熟成年数は15年、25年、35年などとさまざまです。
さらにブランデーのランク分けは、ブレンドされているなかでもっとも若いブランデーが基準となるため、表記されているよりも長く熟成されている場合が多いと覚えておくといいでしょう。
熟成年数がラベルに明記されていたり、年号が記されていることもあります。価格にも大きく影響するため、見分ける目安になることも。
ブランデーの賞味期限は？
ブランデーに賞味期限はありません。なぜならアルコール度数が40～50度と高いため、菌が繁殖しにくいからです。実際に未開封のまま数十年保存されているブランデーのオールドボトルも存在します。
ただし一度開封してしまったボトルは酸化がはじまるため、半年～1年以内を目安に、早めに飲み切ってしまいましょう。
また開封したかどうかにかかわらず、ブランデーは冷蔵庫を避け、冷暗所に保存してください。
古いブランデーは売れる？
ブランデーは長期保存が可能なため、古いボトルも買取ってもらえます。古いお酒はコレクターや愛好家も多く、保存状態が良ければ好条件で売れるでしょう。
チェックしておきたいことは、液面が明らかに下がっていないか。またボトルやコルクに欠損があったり、シリアルが解読できないほど劣化していたりすると、査定額に響く可能性があります。
VSOPとはブランデーのランクのこと
奥深いブランデーの世界について紹介しました。
VSOPとは主に「コント4以上」熟成させたブランデーのこと。味わい深さと若々しさを同時に味わえる人気のランクです。10年以上熟成させたXOランクよりお手頃であることが多いのもうれしいポイントですね。
本記事ではVSOPのブランデーの、おすすめの飲み方や、よくある質問についても解説しました。敷居が高く思われがちですが、飲み方を工夫することで、強いお酒が苦手な方や女性も楽しめるのがブランデーの魅力です。
おすすめのVSOPブランデーも紹介したので、ぜひ晩酌のお供にいかがでしょうか。
