「準備と覚悟ができた先」起業家に自分のウリドキはいつだったか聞いた

  • 2019年11月21日
「準備と覚悟ができた先」起業家に自分のウリドキはいつだったか聞いた

新法人や新規事業の立ち上げ時、ファイナンス面の要となる「出資」。昨年11月、知人の投資家から出資を受け、これまでのただ露出するPRではなく、ユーザーの共感を呼ぶ“ストーリー作り”をコンセプトとするPR会社を設立した合同会社good story(東京都渋谷区)代表の山田泰裕さん(30歳)。

“出資を受ける=自分自身のウリドキを把握したうえでの成功体験”と定義し、起業を決意した背景や、出資を受けるコツなどにお伺いしました。
 

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クライアントとユーザーを結ぶ、共通認識としてのストーリーを

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――まずはじめに、「good story」と他のPR会社の違いはなんのでしょうか。

山田:PRというと、パブリシティ(※)に重きを置かれがちなのですが、僕はそれだけじゃないと思うんです。クライアントが商品や会社に懸ける想いをすくい上げて、ブランドのストーリーを構成し、社会の共通認識を作ることが本当のPRではないでしょうか。
(※)プレスリリース やインタビューへの応対などを通じてメディアに自社に関する内容を取り上げてもらうこと

――起業しようというお気持ちはいつ頃からあったのですか?

山田:もともと「起業しよう」なんて考えはなかったんです。何度かの転職を経て、今の仕事(PR)に出会ったのですが、これが本当にやりたかったことだったんだと気づいた形なので、わりと最近ですね(笑)

――その後、広告代理店やデザイン会社を経て起業に至るわけですね。

山田:はい。そのころになるとプレゼンにも負けなくなっていたので、自分1人でやっていける自信がありました。そんなとき、あるプロジェクトで出会った方がのちのgood storyの出資者です。当時の僕は、転職を繰り返して貯蓄こそなかったのですが、フリーランスで仕事を受けるには限界があるのを痛感していて……やるなら起業して勝負するしかない、そんな気持ちで彼に相談しました。

――自己資金ゼロから出資を申し出るというのは、ハードルが高かったのでは。

山田:もちろん、いきなり「出資してくれ」と頼むのは難しいかもしれませんが、僕と彼はプロジェクトを通して何度も修羅場を乗り越えてきた間柄だったので、その点はスムーズでした。僕の能力や人柄、「ストーリーこそ企業とユーザー間のすれちがいをなくし、コミュニケーションを生むものだ」という思いが伝わっていたことが大きかったのだと思います。

僕って基本的に営業をしないんですよ。自分のやってきた成果や働き方、すべてが営業だというスタンスなので。まあ、人見知りというのもありますけど(笑)
 

人一倍考え、人一倍働く。ウリドキはそこから始まる

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――山田さんが思う、出資を受けるためのコツを教えてください。

山田:まずは、「その人と一緒に働いてみること」でしょうか。仕事に対するスタンスや力量を見極めてもらっている方が、そのステージに立ちやすくなるからです。知人である彼も、僕の人となりを見て、内心「コイツに出資しても大丈夫なのか?」と常に考えていたかもしれない。それが、「コイツになら出資しても良い」という気持ちにシフトしたのは、やはり仕事を通じて生まれた信頼感があったからだと思います。

――山田さんは投資してくれた方をどう思っていました?

山田:出資を受ける側の僕も彼と同じ気持ちですね。出資を受けるというのは、いわば運命共同体になるようなもの。経営をしようとする者として、本当に信頼できる人なのかを見極める必要がありました。いくら出資をしてもらったとしても、利益を生み出すのは結局のところ自分自身ですから。仕事を一緒にしてみて、彼なら信頼できると思ったからこそ相談したんです。

――出資を受けるのに最適なタイミングってあるのでしょうか?

山田:タイミングについては、正直言ってそれぞれの会社の事業計画によるところが大きいので、正解はないと思っているのですが、一つ言えることは「そのタイミングは突然やってくるから、準備と覚悟は怠るな」ですね。チャンスというのは、平等にやってくるものだと思うのですが、それを掴めるのは準備をしていた人だけなんです。もしあのとき、彼の資本がなかったら、僕に「この仕事でやっていこう」という覚悟も準備もなかったら、あの出資は成立していなかったはず。しっかりとした事業プランを組み立てて、何があっても対応できる準備が大事だと思います。

――つまり、自分のウリドキとは準備と覚悟の先にある、と。

山田:そうです。「これをやりたい」という仕事を見つけて、それを覚悟して続けること。そして、そのための準備をすること。人一倍考えて、人一倍働くというスタンスで高いパフォーマンスを出すことができれば、必ず出資してくれる人、すなわち“自分のウリドキ”に巡り合えるはずです。まぁ僕の場合は、一緒に仕事をしていたメンバーに出資してもらうという、恵まれた境遇だったのが大きいですが。

――最後に、御社の展望などを教えてください。

山田:私は自分自身のウリドキに、さまざまな巡り合わせがあって今こうして自分が本当にやりたかった仕事ができていますが、今に甘んじることなく会社や商品、人がより社会の皆さまに愛してもらうためのストーリーをもっともっと作っていきたいです。そのためには、会社としても専門領域を持つ社員を増やし、常にウリドキでいられるような存在を目指します。自分たちに関わってくれた会社や人が、その次のウリドキを生み出せるgood storyを作る会社になっていきたいですね

――ありがとうございました。
 
 
「ウリドキ」とは、誰にでも平等にやってくるもの。ただし、そのチャンスを掴めるのは、その仕事に対して覚悟を持ち、然るべき準備をしている人のみです。山田さんは自分のウリドキをつかみ、出資という新しい可能性を開きました。

あなたは、どんなチャンスを掴みたいですか? あなた自身のウリドキはもうすぐそこまで迫っているかもしれませんよ。
 
(文/井上こん、撮影協力/合同会社good story)

 

木暮康雄

木暮康雄 (監修者)

ウリドキ株式会社代表取締役CEO。ウリドキプラスの発行人でもある。
リユース業界での起業・事業運営の経験が豊富でリユースの専門家としてのメディア出演歴も多数。
著書に「リユース革命」(幻冬舎)がある。

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