ダイヤモンドの鑑定書の見方|発行方法や価値の決め方まで

  • 2023年3月17日

ダイヤモンドを購入すると付いてくる鑑定書。ちらっと見てなんとなく理解したつもりになり、深堀りしない人がほとんどだと思います。

鑑定書にはそれぞれのダイヤモンドの情報が細かく書かれており、見方が分かれば「美しい」「大きい」など漠然としたものではなく、データとしても詳しく確認できるため、より愛着がわくのではないでしょうか。

しかしダイヤモンドによっては、付属しているものが鑑定書ではなく「鑑別書」や「ソーティング」である場合も。購入時には、信頼できる鑑定書が付属しているかも確認しておくと安心です。

この記事で鑑定書・鑑別書・ソーティングの違いや、鑑定書の項目の見方を理解できれば、ダイヤモンドの選び方の幅が広がるでしょう。

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ダイヤモンドの「鑑別書」「鑑定書」「ソーティング」の違い

ダイヤモンドを購入すると「鑑別書」や「鑑定書」、まれに「ソーティング」がついてきます。どれも同じように感じられますが、厳密にはそれぞれ異なる書類。ここでは、鑑別書・鑑定書・ソーティングそれぞれの特徴を詳しく解説します。

鑑別書とは?

鑑別書とは、宝石の種類が書かれた品質保証書で、ダイヤモンドのほか、宝石のすべてで鑑別を取ることができます。主な内容は以下の通りです。

  • 写真
  • 鉱物名
  • 宝石名
  • 寸法
  • カラット
  • カット
  • 開示コメント

上記のほか、屈折率や比重などの数値も書かれています。

また、天然の宝石には鉱物名に「天然」、人間が作った宝石には「合成」の文字が書かれているので、本物か偽物かを見極める際に重要なポイントです。

鑑定書とは?

鑑定書とは、ダイヤモンドの世界基準であるグレード「4C」が書かれている書類です。ダイヤモンドの美しさや希少性が分かりやすく書かれており、素人でも価値を理解しやすいでしょう。

ちなみに鑑別書には4Cが書かれていないため、高品質なダイヤモンドを購入したい場合は4Cが確認できる鑑定書を手に入れる必要があります。

同じ宝石でも、カラーストーンはダイヤモンドのように鑑定する際の世界基準がなく、鑑定書が出せません。

ソーティングとは?

ダイヤモンドには、まれにソーティングと呼ばれる小袋に入ったメモのようなものがついてきます。ソーティングは宝石店ではなく、業者が宝石を管理する際に用いられる簡易的な鑑定メモのこと。内容は以下の通りです。

  • カラット
  • 鉱物名
  • 宝石名

など

鑑別書よりも情報量が少なく写真もないため、中身が入れ替わっても気がつきにくいです。高額なダイヤモンドを購入する際は、ソーティングではなく鑑別書付きのものを選びましょう。

ダイヤモンドの鑑定書には種類がある

鑑定書はいくつかの機関が発行しており、公的な機関でなくても発行できます。そのため、鑑定書の有無ではなく、信頼できる発行元の鑑定書がついているかが、高品質なダイヤモンドを選ぶ際には重要です。

CGL

CGLは、ダイヤモンド鑑定において国内最大手の機関で、鑑定書の発行部数が世界トップクラスです。

表記は日本語と英語で、カラットは小数点第3位まで記載。さらに、ダイヤモンドの画像がついていることが特徴です。CGLの登録商標である “ハート&キューピッド” に認められるトリプルエクセレントのダイヤモンドには、写真付きのサブレポートがつきます。

AGT

AGTは日本の鑑定機関で、GIA(米国宝石学会)と提携。最新の判定機器を備えており、微細なカラーダイヤモンドの色を判別する技術に優れています。

ちなみにAGTではハート&キューピッドのことを “華標(はなしるべ)” と表現しているため、「華標タイプ」「華標(はなしるべ)レポート」でチェックできますよ。

GIA

米国宝石学会(GIA)は、国際的に評価されている鑑定機関です。ダイヤモンドの国際評価基準として定着している「4C」を定めたことでも知られています。

鑑定書は英語表記され、カラットは小数点第2位まで記載。GIA鑑定書付属のダイヤモンドの多くには、ガードル部分に鑑定書番号がレーザーで刻印されており、鑑定書と相違ないことが簡単に確認できるでしょう。

鑑定書(ダイヤモンドグレーディングレポート)の見方について

ダイヤモンドの鑑定書は、正式には「ダイヤモンドグレーディングレポート」と呼びます。

鑑定書(ダイヤモンドグレーティングレポート)には、ダイヤモンド一つひとつの情報が詰まっていますが、見方が分からないと何を伝えようとしているのかが分からず意味がありません。

鑑定書のなかでも、ここではCGLの項目を元に見方を紹介します。

カット・形状

カット・形状の項目には、ラウンド・ブリリアント、オーバル、マーキーズなど、ダイヤモンドの形状とカットパターンが書かれています。

ダイヤモンドはカットによって印象が大きく異なるため、好みに合わせたカットを選びましょう。

寸法

寸法の項目には、ダイヤモンドのサイズが書かれています。

カラット(重量)が十分でも、寸法が足りなければ価値が上がりません。ダイヤモンドの価値を見極めるには、カラットと寸法のバランスが大切です。

重量(カラット)

重量(カラット)には、ダイヤモンドの重さが書かれています。世界基準において、1カラットは0.2gです。CGLでは正常なデジタル重量計を使い、小数点第3位まで表記しています。

「カラットは大きさである」と勘違いしている人が多いですが、実際には重量のこと。カラットの数値が大きいほど、サイズも大きくなります。

カラーの等級

カラーの等級には、ダイヤモンドの色味について書かれています。ダイヤモンドは黄色がかったものが多く、無色透明であるほど価値が高いです。

等級はアルファベットのDから始まりZまで記されています。D~Fが無色で、結婚指輪で使われるダイヤモンドにはD・Eが人気です。

クラリティの等級

透明度について書かれているのが、クラリティの等級。

天然のダイヤモンドにはインクルージョン(内包物)やブレミッシュ(キズ)があり、それらによって透明度が大きく変わります。透明度が高いものから、FL〜IF〜VVS1と11段階で評価します。

カットの等級

カットの等級は、ラウンド・ブリリアントカットのみ書かれます。

カットの美しさ(プロポーション)と、研磨の技術や面の対称性(フィニッシュ)を基準に評価。高い順から、エクセレント・ベリーグッド・グッド・フェアー・プアーと5段階で表します。

蛍光性

蛍光性には、紫外線やX線の光が当たったときの蛍光を発する度合が書かれます。ノン・フェイント・ミディアム・ストロング・ベリーストロングの5段階で評価され、ストロングやベリーストロングに分類されると、日本では価値が下がる傾向にあります。

レポート番号

レポート番号は、ダイヤモンドにつけられた番号です。

ダイヤモンドの美しさや価値を表す項目ではありませんが、鑑定書が過去5年分のものであれば、ウェブサイト上にカラットとともに入力して照会できます。

プロポーション

プロポーションの項目には、GIA基準に沿って、面の角度や比率が図面とともに記載されています。

寸法の項目ではダイヤモンドのサイズが記載されていますが、それだけでは分からない細かな角度や比率を表しており、より詳細に数値化されているのが「プロポーション」です。

コメント

コメント(その他)の項目には、鑑定書の項目内で記載しきれなかったダイヤモンドの情報や特徴などが記載されています。鑑定書のコメント欄にあれば、確認しておきましょう。

プロット

プロットには、クラリティの内包物やキズの図が描かれています。表面のキズは緑、内部のキズは赤、カット時のキズは黒と、色でキズの種類を分類。

CGLの鑑定書には、プロットが記載されているものと、プロットなし(図示省略)のものの2種類があります。

ダイヤモンドの価値を決める4Cについて

ダイヤモンドの鑑定書にはさまざまな項目がありますが、なかでも4Cはダイヤモンドの品質を見極める際に重要な要素です。

4Cは国際的に使われている品質評価基準でカット(Cut)・カラット(Carat)・カラー(Color)・クラリティ(Clarity)の頭文字を組み合わせて「4C」と呼ばれています。

4Cのそれぞれが長けているダイヤモンドは、美しく希少性があり、必然的に高品質なものとして評価されるのです。

ダイヤモンドの鑑定書を個人が発行してもらう方法

「ダイヤモンドの鑑定書を紛失したので発行したい」「宝石の価値を知りたいため、鑑定書を発行したい」という人もいるでしょう。ダイヤモンドの鑑定は、以下で依頼できます。

  • 宝石鑑定機関
  • ジュエリーショップ
  • 宝石買取専門店

また、鑑定機関にダイヤモンドを持ち込むことでも発行できます。GIAの公式サイトでは、「ダイヤモンドのグレーディングにはセッティングが検査の妨げとなるため裸石のみが対象」と記されています。

発行したい場合には、GIAがグレーディングしたダイヤモンドの提出手順に詳しいジュエリーショップに持ち込むのがおすすめです。GIAのサイトでは、GIAがグレーディングしたダイヤモンドを扱う店を検索できるので、近くの店舗を探すのに活用してください。

費用の概算と納品までの期間

ダイヤモンドの鑑定書を発行してもらうためには、手数料が必要です。ダイヤモンドの大きさによって発行手数料は異なりますが、相場は1,000〜15,000円程度。それ以上かかる場合もあります。

納期は依頼する場所により異なり、即日から数日かかるのが一般的です。

ダイヤモンドの鑑定書を発行したい場合、費用がかかることを理解したうえで、費用や納品までの期間を依頼場所に問い合わせて事前に確認しておきましょう。

無料で4Cを知る方法は?

例えば、ダイヤモンドを売りたいと考えている場合は、鑑定書など余計なお金をかけずに高値で買取ってもらいたいですよね。

無料で4Cを確認したいなら、宝石に詳しい鑑定士がいる買取専門店に無料の査定をお願いする方法がおすすめです。鑑定書は発行できませんが、査定の際に価値をしっかりと見極めて買取価格を提示してくれます。

鑑定書の見方をチェックしてダイヤモンドの価値を見極めよう

ダイヤモンドの情報が記されている鑑定書ですが「数字やアルファベットが書いてあるけど意味が分からない」「一体何を表す紙なんだろう」と思っている人も少なくないでしょう。

見方を知っていれば、素人でも手元にあるダイヤモンドの価値が分かり便利です。ダイヤモンドを売りたいと考えている場合は、価値を見逃すことを防ぐことにもつながります。

ダイヤモンドを査定するときには、ダイヤモンド本体だけでなく、ぜひ鑑定書などの付属品も揃えましょう。

木暮康雄

木暮康雄 (監修者)

ウリドキ株式会社代表取締役CEO。ウリドキプラスの発行人でもある。
リユース業界での起業・事業運営の経験が豊富でリユースの専門家としてのメディア出演歴も多数。
著書に「リユース革命」(幻冬舎)がある。

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