ダイヤモンドを買取に出すときには4Cを押さえておこう
ダイヤモンドは宝石の王様であり、宝石の中ではもっとも買取が積極的に行われています。
それは金やプラチナのように国際的な取引が行われており、同時にほとんど統一規格といってもよい美しさの基準がしっかりと作られているからです。
それがグレーディングレポートと呼ばれているものです。ラウンドブリリアントカットのみですが、その基準に照らしあわせてダイヤモンドを判断すれば、ある程度ランク分けができます。取引の参考になると同時に鑑定する際の情報としても重宝されています。
このグレーディングレポートのなかで、もっとも基本的かつ重要なダイヤの品質基準が4つあります。それが有名なダイヤモンドの4Cです。
ダイヤモンド鑑定における4Cと鑑定士の関係
ダイヤモンドの価値基準は基本的には昔から変わっていません。すなわち、いかに大きく、いかに無色透明で、いかに美しく輝くかの3点です。
この3点を客観的に評価する基準として、4Cが考案されました。重さを示すカラット(Carat)、無色の程度を表すカラー(Color:色)、透明度を計るクラリティ(Clarity)、そしてもっとも美しく輝く理想の形にどれだけ近いかを判定するカット(Cut)です。それぞれの頭文字から4Cといわれています。
4Cの詳細については別記事がありますので参考までにご覧ください。
「知っておきたいダイヤモンドの買取相場の見方」
この4Cは世界的な宝石学教育機関である米国宝石学会(GIA)が考案したものですが、其の有用性からスカンジナビア式、CIBJO式、HRD式と判定基準が少しずつ違う方式がいくつか存在します。日本ではGIAが定めた基準が一般的で、世界的にももっとも利用されています。
4Cは希少性や価格評価の目安
このように4Cは古来からあるダイヤモンドの価値に関わる各要素を、数値やランク分けして評価するために生まれました。しかし「美しさ」は主観的な意味合いも多く含まれています。個人的な嗜好から国や文化圏による美しさの定義など、どうしても客観的で絶対的な基準は作れません。
だからこそGIA式以外にも複数の評価基準ができ、統一化には至らないのです。
4Cの高評価が美しさを絶対的に保証するわけではありません。多くのデータから抽出された評価基準ではありますが、あくまでも希少性や価格を評価する上での目安の一つなのです。
そこで鑑定士の存在に意義が出てきます。
鑑定士の意義と力量とは
もし4Cが絶対的な基準でダイヤモンドの美しさを完璧に評価できるなら、鑑定士という職はいらないということになります。しかし実際には前述した通り4Cは絶対基準ではなく、むしろダイヤモンドの査定は最終的には鑑定士の力量に委ねられるといえます。
例えばクラリティ(透明度)で最高ランクであるFL(フローレス)は、10倍に拡大して観察したときに内包物や内部のキズが確認できないことを示します。これはダイヤモンドにはキズや内包物があることが普通なのを考えると、ものすごい希少性です。
しかし、逆を言えば100倍に拡大した時には見えるキズや内包物はスルーしているということです。そしてダイヤモンドの輝きは非常に繊細で、10倍拡大では確認できなかったキズや内包物によって影響を受けることがあります。そうするとFLでありながらなぜか輝きが魅力的に見えない、というダイヤモンドもあり得るということになるのです。
そんな4Cの盲点とも言える部分を知識と経験によって評価し、最終的に査定額を判断するのが鑑定士の役割となります。
数値や固定された評価基準から外れたところまで総合的に判定し、価値を見定めるのは鑑定士の力量に左右されるのです。
買い取りに出すときに4Cを押さえておく理由
では、なぜダイヤモンドを買取にだすときに4Cを把握しておく必要があるのでしょうか。
それは大体の買取額を予測して比較するためです。
前述した通り、4Cはダイヤモンドの希少性と価格を評価するための目安として作られた基準で、多くのデータから一般的に美しいと思われる条件でランク付けされています。
最終的には鑑定士の総合判断で査定額が決まりますが、文字通り目安として4Cによる分類は有効なのです。
買取に出すダイヤモンドの4Cが分かっていれば、事前にネットなどから情報を集めてどのくらいの査定額がつくのかを予測することができます。そしてその予測額を元にして買取業者を比較するのも可能です。
また所持しているダイヤモンドの4Cが分からなくても、各買取業者が提示している4Cで分類した買取価格表を比較すれば、より高く買い取ってくれる会社を見極めることができます。
買取業者を選ぶときは鑑定士の実績にも注目
4Cでの買取価格表を比較して買取業者をピックアップしたら、鑑定士にも注目しましょう。
残念ながら鑑定士の実績を公開しているサイトはほとんどありません。しかしプロフィールや所有資格についてなら情報公開している場合があります。
知識だけでは鑑定眼は育ちませんが、知識がなければ鑑定することができないのも事実です。
また鑑定士についての情報がなくても、会社の経営年数が長ければその分実績があることの証明です。会社の実績はそのまま鑑定士の経験量にもつながりますから、予測がつきやすくなります。
鑑定士のプロフィールと会社の経営年数、できれば生の口コミ情報など集めて比較しましょう。
実際に査定してもらい比較しよう
鑑定士の力量を比較するもっとも有効な方法は実際に査定してもらうことです。
手間と時間がかかりますが、単純に見積もり金額を比較して高い金額を提示した会社を選べば間違いはありません。
もし店頭に持ち込むのであれば、どれだけ時間をかけて査定してくれるのか、見積金額に対する質問にどれだけ丁寧にわかりやすく答えてくれるのかを確認するのもオススメです。
その鑑定士と業者を信頼できるかが、買取先を選ぶ最後の鍵といえます。
ダイヤモンドは4Cと鑑定士の力量を比較して、できる限り高く売ろう
このように4Cを利用することで買取業者をピックアップし、鑑定士の力量と信頼を比較検討することで、ダイヤモンドはより高く買取してもらうことができるでしょう。
満足できる買取の秘訣は、なにより情報集めと比較です。
じっくりと情報を比較して、お持ちのダイヤモンドをもっとも高く評価してくれる買取業者と鑑定士を見つけましょう。