電気ポットで毎日お湯を保温して使っている人は、どれくらい電気代がかかっているのか気になりますよね。
お湯を沸騰させるときに電力を大きく消費するため、「何度も沸かすよりは保温したほうが節約になる」と考えている人もいるかもしれません。
しかし保温時間によっては、沸騰し直したほうが電気代を抑えられる可能性があります。使い方次第では、電気ポットよりも電気ケトルのほうが適している場合も。
本記事では、電気ポットにかかる電気代をはじめ、電気ケトルとの比較や節約につながるコツまで解説します。電気ポットを選ぶポイントもご紹介するので、使用中の人はもちろん、今後購入を検討している人もぜひ参考にしてみてください。
電気ポットにかかる電気代の目安
まずは、電気ポットにかかる電気代についてご紹介します。
電気代を割り出す計算式は「消費電力(kW)×使用時間(時間)×1kWhあたりの電力量料金(円/kWh)=電気代」です。
電気代は地域の電力会社により異なるため、ここでは全国家庭電気製品公正取引協議会の基準としている31円/kWh(税込)で計算します。
例えば、タイガーの「蒸気レスVE電気まほうびん<とく子さん> PIG-J300」の場合、電気代の目安は以下の通りです。
湯沸かし時の消費電力 | 1日あたりの消費電力 | 1日あたりの電気代 | 1ヶ月(30日)あたりの電気代 | 年間あたりの電気代 |
---|---|---|---|---|
700W | 0.55kWh | 17円 | 511.5円 | 6,138円 |
出典:TIGER 蒸気レスVE電気まほうびん PIG-J300
電気ポットのメリット
電気ポットの1番のメリットと言えるのが保温ができる点です。
電気ケトルと違い、沸かしたお湯を一定の温度を保ちながら保温ができるので、1日に何度もお湯を使う家庭には非常に便利です。
例えば、温かい飲み物を好んで飲む、赤ちゃんのミルクを作るのに使う、料理の下ごしらえで使うなど、その都度お湯を沸かす手間が省けます。
また、好みの温度を保つことができたり、電気ケトルに比べてたくさんのお湯を沸かせたりできるところもメリットです。
電気ポットのデメリット
電気ポットは、保温機能があるため放置する時間が長くなり、頻繁に使わないとその分お湯が古くなってしまったり、保温のための電気代がかさんでしまったりします。
お湯を使う頻度が低い家庭では、大きなデメリットになるでしょう。
また、本体が大きく重たいので、持ち運びに不向きで、管理が大変な点もデメリットです。
電気ポットと電気ケトルの比較
電気ポットと電気ケトルは似ているようで、異なる点が多い電化製品です。
ここではそれぞれの特徴を比較していきますので、自分の生活スタイルにはどちらが合っているのか参考にしてみてくださいね。
電気ケトルの特徴
電気ケトルは、電気でお湯を沸かす電化製品です。電気ポットと違い容量が少なく、必要なときに必要な分だけ沸かすことに長けています。
電気ポットと比べて、コンパクトなサイズ感かつデザインもシンプルな商品が多く、キッチンの場所も取りません。重量もポットに比べて軽いので簡単に持ち運べます。
また、沸騰までの時間がとても早いのが電気ケトルの特徴です。必要な分を素早く沸かせるのは電気ケトルの大きなメリットと言えるでしょう。
電気ポットと電気ケトルの電気代
タイガーの「蒸気レス電気ケトル PTQ-A100」を例に、電気ケトルの電気代の目安をご紹介します。
沸かし時の消費電力 | 湯沸かしにかかる時間 | 1回あたりの電気代 |
---|---|---|
1300W | 5分(満水) | 3.3円 |
出典:TIGER 蒸気レスVE電気まほうびん PIG-J300
沸かす頻度や沸かす湯量が少ないという家庭にはケトルが向いています。
ですが、たくさんのお湯が必要な場合や、お湯の温度を維持して何度も使いたいという家庭には電気ポットがおすすめです。
例えば、上記のケトルは1Lなので、3L沸かすためには3回使用する必要があり、約9.9円かかります。
電気ポット3Lタイプの場合、沸騰させるまで約10分と仮定すると約3.4円で沸かすことができるため、電気ケトルより電気代が抑えられるでしょう。
電気ポットの上手な選び方
ここからは、電気ポットを選ぶ時のポイントをご紹介します。きちんと性能を理解したうえで選ぶことで、無駄がなくなり、節約にも繋がるでしょう。
電気ポットにはさまざまな種類があります。各項目をチェックして、自分の生活スタイルに合った商品を選ぶ参考にしてくださいね。
容量で選ぶ
電気ポットはそれぞれ容量が異なります。2Lくらいから5Lの大容量タイプまでさまざまです。
容量は、家族の人数や、職場の人数など、使用する場所と使う人を考慮して選びましょう。
容量が大きいとそのぶん消費電力が増え、小さすぎるとすぐにお湯がなくなってしまい、水を入れる回数が増えてしまいます。
家族の人数は少ないけど、使用頻度が高いから少し大きめの容量にする、など使用する頻度も考えて、ちょうどよい容量を選んでくださいね。
給湯方式で選ぶ
電気ポットの給湯方式は「エアー式」「電動式」「エアー&電動式」の3種類あります。
「エアー式」は、フタにあるプッシュプレートを押すことでお湯が出るタイプ。空気圧を使って給湯するので、沸かしたあとにコンセントを抜いて持ち運べます。
「電動式」は、給湯ボタンを押すとお湯が出るタイプ。電気を使用しているため、コンセントを抜くとお湯が出せないタイプと、充電することでコードレスで使えるタイプの2種類あります。
「エアー&電動式」は、2つのいいとこ取りをしたタイプ。コードレスで使用できる商品が多く、各メーカーの上位モデルに搭載されています。
機能で選ぶ
電気ポットにはさまざまな機能が搭載された商品があります。
魔法瓶のような保温に優れている商品は、電源を落としても一定時間はお湯の温度を維持してくれるため電気代の節約になるでしょう。
また、転倒した際のお湯もれ防止やロック機能、カラだき防止、蒸気レス、お湯計量機能など他にもさまざまな機能があります。
例えば、赤ちゃんのミルク作りに使いたい場合は、保温の温度を調節できる商品にするなど、目的に合った機能がついている商品を選んでくださいね。
電気ポットの電気代を抑えるコツ
電気ポットの電気代を抑えるためには、いくつかのコツがあります。
電気ポットはそれなりに電気代がかかる家電だからこそ、これから紹介するコツをうまく取り入れて、電気代節約を目指しましょう。
長時間の保温は避ける
電気ポットは保温している間もずっと電力を消費しています。
1日を通して定期的に使うのであれば、保温機能を使っていた方が便利に使えますが、長時間使わない場合は、1度電源を落としましょう。
長時間保温したままにしているよりも、1度保温を切り、再沸騰させた方が電気代を抑えられます。
例えば、日中は保温しておいて好きなときに使って、寝ている夜間は電源を切っておくなどの工夫をするだけで電気代を抑えることができるでしょう。
低めの温度で保温する
保温する際の温度を設定できるタイプの電気ポットであれば、低めの温度で保温することがおすすめです。
お湯を高温で維持するためにはそれなりのパワーが必要で、そのぶん電力を消費します。ですが、低い温度の場合は消費電力が抑えられます。
基本的には低い温度で保温しておいて、熱いお湯が必要なときだけ再沸騰させて使うなど、保温と再沸騰をうまく組み合わせるとよいでしょう。
ただし、何度も再沸騰させるのであれば、高温で保温しておいた方がよい場合もあるので、注意してくださいね。
節電タイマー機能を活用する
電気ポットには、節電タイマー機能が搭載されているモデルがあります。
節電タイマーとは、タイマー設定中は通電がオフになり、設定した時間になるとお湯を沸かしてくれる機能です。
起床や帰宅時間に合わせてタイマーをセットすることで、その時間にお湯が使えます。設定時間前は通電されないので、消費電力が抑えられ、電気代の節約が期待できるでしょう。
節電タイマーが搭載されている電気ポットであれば、積極的に使ってみてくださいね。
必要以上の量を沸かさない
電気ポットは湯量によって湯沸かしにかかる消費電力が異なります。
湯量が少なければ少ない電力で沸かすことができ、湯量が多ければその分多くの電力を使ってお湯を沸かすからです。
使用する湯量より多い量を沸かしてしまうと、沸かすまでにかかる電力も増えるうえに、余ったお湯を保温しておく際にも電気代がかかってしまいます。
電気ポットでお湯を沸かすときは、どのくらいの量を沸かせばちょうどよいか、ある程度決めてから沸かしましょう。
使わないときはプラグを抜く
電気ポットに限った話ではありませんが、電化製品のプラグを挿しっぱなしにしていると、待機電力がかかります。
待機電力自体は微々たるものですが、プラグを抜くだけでできるので、電気ポットを使っていないときはプラグを抜いておきましょう。
電気ポットだけでなく、他の電化製品も待機電力を意識してプラグを抜くことで、年間を通してそれなりの金額の節約に繋がります。
簡単にできる節約術なので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
古い電気ポットは買い替える
電化製品は日々進化しており、それに伴い消費電力も減少傾向にあります。
古い電気ポットと新しい電気ポットでは、同じ湯量、同じ時間使用してもかかる電気代が異なるのです。
電気ポットを買ってから何年も経っているのであれば、思い切って買い替えることで、日々の電気代節約に繋がることがあります。
使っている電気ポットが古いという方は、これを機に買い替えを検討してみるのもおすすめです。
【番外編】電気を使わずにガスで沸かす場合の料金
お湯を沸かす方法の1つにガスを使って沸かす方法があります。
契約しているガス会社によって変わりますが、やかんでお湯を1L沸かす場合にかかるガス代は約2円ほどです。
電気ポットに比べて光熱費に大きく差が出るということはありませんが、普段からあまりお湯を使わない、使うとしても少量で回数も少ないという方であれば、ガスを使って沸かす方が節約に繋がる場合があります。
やかんのメリットは安価で手が出しやすいところ。保温ができない点はデメリットになりますが、お湯を沸かす頻度が少ないという方にはおすすめです。
お湯の使用頻度が高い家庭は電気ポットがおすすめ
お湯を沸かす方法はいくつかありますが、家族の人数や使用頻度によって適切な方法が異なります。
毎日お湯を使う機会が多い、赤ちゃんのミルク作りに使用する、などお湯の使用頻度が高い家庭ほど電気ポットがおすすめと言えるでしょう。
家族の人数が多くても、お湯を使う機会が少なければ電気ケトルやガスでお湯を沸かす方法の方が向いているかもしれません。
家族の人数やお湯の使用頻度などを考慮し、本記事を参考にして生活スタイルに合った方法を考えてみてくださいね。