洗濯機から突然異音がするようになったという経験はありませんか。洗濯機は毎日使用するものなので、修理が必要なら完全に動かなくなる前に対処したいですよね。
実は洗濯機の修理が必要かどうかは、異音の種類によって異なります。異音ごとに対処方法が異なるので、まずはよく洗濯機の状態を観察することが重要です。
無理に自己判断で洗濯機を修理したり、そのまま放置したりすると、修理できないような状況になってしまうことも。
本記事では異音ごとの対処方法を紹介しているので、参考にして洗濯機の状態を見極めましょう。
洗濯機の異音への対処方法は音の種類で異なる
洗濯機の異音とひと言で言っても、カタカタ・ブーン・ギーギーなど種類はさまざまです。
異音の種類は原因によって異なり、対処法も変わります。同じ異音でも、音の鳴るタイミングによっては大丈夫な場合もあれば修理が必要な場合も。
まずはどんな異音が鳴っているのかよく聞いて観察し、自分で対処できるか判断しましょう。自分ではどうにもできない場合や不安なときは放置せずに、早めにプロに修理を依頼することも大切です。
注意するべき音とその対処方法
異音のなかには、自分では対処しにくい注意すべきものがあります。モーターやベルトの劣化が原因の場合、使用を続けると故障してしまうかもしれません。
注意すべき代表的な異音と原因、それぞれの対処方法について詳しく紹介します。
ガリガリ・カラカラ、カタカタ
何か硬いものが当たっているような異音の場合、原因は主に4つ考えられます。
- ヘアピンや小銭など異物が入っている
- ベルトなどの硬いものが当たっている
- 洗濯物を詰め込みすぎている
- パルセーター(回転羽根)やモーター・洗濯機のベルトが劣化している
1~3に関しては、比較的不規則に異音がすることが多いです。それに対して4は、規則的にガリガリ・カラカラ・カタカタ音がします。
4の場合は修理を依頼すべきなので、異音の鳴り方で見極めましょう。
対処方法
1~3については、自己対処できる場合が多いです。
見える場所に異物を見つけたらすぐに取り除きましょう。洗濯槽内に見当たらなければ、パルセーターを分解して確認してください。分解するときは必ず電源を切ってコンセントも抜いておきましょう。
洗濯物の詰めすぎも洗濯機に負担がかかります。洗濯物は洗濯槽の8割までを目安にし、詰め込みすぎないようにしてください。
改善しない場合は、修理を依頼するのがおすすめです。
キュルキュル
何かがこすれるようなキュルキュル音が聞こえるときは、ベルトがすり減っている可能性があります。ベルトとは、モーターの動力源でパルセーターと繋がっている部品です。
ベルトはゴムでできているため、長年使っていると少しずつすり減っていきます。ベルトがすり減ることによりモーター動力がパルセーターに伝わらず、洗濯槽が空回りすることが異音の原因です。
ベルトを交換すると異音が解消する場合がほとんどなので、故障する前に交換を検討しましょう。
対処方法
洗濯機を長年使っている場合は、ベルトを交換しましょう。
ベルトは自分でも交換できますが、メーカーによっては部品のみの購入ができない場合があります。一度販売店やメーカーに問い合わせてみてください。
交換時はまず、モーターなどのボルトを締めます。その後ベルトが緩んでいるほうにモーターを動かしてベルトを外し、新しいベルトに交換してください。
自分で交換するのがむずかしい場合は、修理を依頼しましょう。
ドン・ガン
洗いやすすぎの工程で鳴るドン音は、給水が止まるときに鳴っていて、洗濯機本体からの異音ではありません。
ウォーターハンマーという現象で、急に水を止めたときに水道管内の圧力が急上昇して水道管が振動して鳴る衝撃音です。洗濯機以外にも、シングルレバーの水栓や食洗器でも発生します。
洗濯機には問題がありませんが、水道管内の衝撃は近隣の家にも伝わっている可能性が。騒音トラブルに発展したり、機器が故障したりする前に対処しましょう。
対処方法
ウォーターハンマーの音は、想像以上に響きます。集合住宅の上下階はもちろん、道路を挟んだ向かいの家にまで響くことがあるので、早めの対処が重要です。
まずは、水道の元栓を絞ってみましょう。水道管の水流を弱めることで、水を急に止めたときの圧力が弱くなります。ただし、絞りすぎると水圧が弱くなるので注意してください。
「ウォーターハンマー低減器」の取り付けもおすすめです。自分で判断がむずかしい場合は、水道業者に相談してみましょう。
ブーン
洗濯機がうなっているようなブーン音は、給排水の経路に問題がある場合が多いです。
ブーン音は排水ホースが折れ曲がっていたり、ごみが溜まって詰まっていたりすることで発生します。また給水ホースの詰まりや、給水バルブの開きが不完全の場合も同様です。
ブーン音は放置すると、モーターに負荷がかかり故障の原因にもなります。給排水のホースは水垢がたまりやすいので、こまめにお手入れすることが大切です。
対処方法
給排水のホースは、水垢や洗濯物から出た糸くずが詰まりやすい場所です。
定期的にホースを外して洗浄しましょう。古くなった場合は、新しいものに交換するのもおすすめです。お手入れをするときは、安全のために電源を落としてコンセントも抜いてください。
ホースに問題がない場合は、給水バルブが完全に開いているかチェックしましょう。開きが不完全だと、異音だけでなく給水に時間がかかることがあります。
それでも改善されない場合は、修理を依頼してください。
キーキー、ギーギー
洗濯機がきしむようなキーキーやギーギー音は、原因がふたつ考えられます。
ひとつは、軸受けが故障している場合です。軸受けとは、洗濯機を回転させるための部品で、回転が不安定になっていることが考えられます。
もうひとつは、パルセーターや洗濯槽に異物が混入している場合です。小銭やヘアピンなどの異物が挟まって、軸受けに負担がかかっていることがあります。ブラジャーのホックも挟まりやすいので、洗濯ネットに入れるなど工夫しましょう。
対処方法
まずは洗濯機内をライトで照らしながら確認して、異物があれば取り除いてください。パルセーターも外して、下に異物がないかもチェックしましょう。小さい異物でも洗濯機に負荷がかかり、故障につながります。
異物が見つからなければ、軸受けの故障の場合がほとんどです。自分では対処できないので、メーカーや業者に依頼しましょう。
ドタドタ・ガタガタ
排水から脱水の工程で鳴るドンドン・ガタガタ音は、衣類の詰めすぎや偏っていることが原因です。脱水のときに洗濯機は回転が大きくかかるので、洗濯物を入れすぎていると洗濯機に負担がかかって大きく揺れます。
洗濯機自体に異常はありませんが、洗濯機の設置状況や洗濯物のバランスによっては、本体が大きく揺れて騒音トラブルにもつながることも。洗濯機本体への負担も大きいので、衣類の入れすぎには注意しましょう。
対処方法
まずは、洗濯物は洗濯槽の8割を目安に、入れすぎないように注意しましょう。また洗濯ネットにすべての衣類を入れると、洗濯物が1カ所に偏りやすくなります。洗濯ネットはデリケートな衣類や下着類にだけ活用してください。
逆に、洗濯物が少なすぎる場合も洗濯槽に貼り付いて偏りが生じます。色移りが気になる衣類などは1枚だけで洗うのではなく、2~3枚まとめて洗いましょう。
鳴っていてもいい異音もある
排水や脱水時に洗濯機の勢いが強くガタガタ・ゴトゴト鳴る場合や、排水のときにコポコポ鳴る音は気にしなくても大丈夫です。
ただ、異音が近所迷惑になっていないか不安な方もいますよね。振動によるガタガタ・ゴトゴト音を軽減したい場合は、防振ゴムを設置するのがおすすめです。
コポコポ音は、排水ホース内にたまった空気と水が混ざることで発生します。正常音ですが、気になる場合は排水ホースや排水溝を掃除してみましょう。
修理と買い替えはどちらがお得?
自分で対処できないタイプや故障の場合、洗濯機を買い替えるのと修理するのではどちらがお得でしょうか?
使っている年数や販売店の保証制度によっても変わるので、詳しく見ていきましょう。
保証期間内なら修理
ほとんどの洗濯機は1年間メーカー保証があるので、無料で修理を受けられます。そのため1年以内の不具合なら修理しましょう。
大手の量販店で買った場合、お店の長期保証に入っておくと安心です。お店によって加入時の料金や保証限度額・保証期間は変わりますが、おおむね3~5年は保証が適用されます。
保証期間中は無料か安い値段で修理ができて、買い替えよりもお得です。ただし保証内容はお店によって違うので、事前にしっかり内容を理解しておきましょう。
6~7年以上使用しているなら買い替え
購入後6年~7年を超えてくると、ほとんどの場合保証期間が切れています。洗濯機自体の平均寿命が大体7~8年程度です。
メーカーでの補修用部品の保有期限もおおむね7年前後なので、これを超えての修理は部品の調達がむずかしい場合もあります。メーカー保証、お店の保証期間も切れている場合は、買い替えを検討したほうがいいでしょう。
もしまだ買い替えるのがもったいないなら、一度メーカーやお店に修理の査定をしてもらって考えてみてください。
洗濯機を長く使用し続けるための注意点は?
決して安い買い物でない洗濯機は、できるだけ長期間使いたいですよね。少しでも長く快適に洗濯機を使うには、いくつか気を付けたいポイントがあります。
設置場所から普段のお手入れまで、詳しく見ていきましょう。
設置場所を工夫する
洗濯機は、平らで振動の少ないまっすぐな床の上に設置してください。設置するときは、きちんと水平を取ることも大切です。
雨風の当たるベランダや屋外に設置すると漏電火災や感電の危険性があるので、必ず換気のできる室内に設置しましょう。また、直射日光が当たる場所、凍結する恐れのある場所、湿気の多い場所は避けてください。
正しい使用方法で使用する
洗濯機の正しい使用方法を守る、使用用途を逸脱しないことが、洗濯機を長く使ううえでは基本です。洗濯物の詰めすぎには注意して、取扱説明書もよく読んで理解しておきましょう。
また、レインコートやウェットスーツなど、防水性のものは洗濯機では洗えません。脱水時に激しく振動して洗濯機が転倒する危険があるので、覚えておいてください。
カビを防ぐ
洗濯機はカビが発生しやすいので、使ったあとはふたを開けて庫内をしっかり乾燥させましょう。
ほかに普段からできることとして、洗剤の容量は守ることが大切です。洗剤が多すぎると溶け残った分が洗濯槽に付着し、カビの養分になってしまいます。
洗濯機を清潔に長く使うためには、定期的な洗濯槽洗浄も必要です。
異物をチェックしてから洗濯機へ入れる
洗濯機に衣類を入れる前に、異物がないかチェックしましょう。ポケットの中の小銭やヘアピン、服の装飾品は異音の原因になり、洗濯機の故障につながります。ティッシュなどの紙類やおむつなども注意が必要です。
ボタンがついた服は裏返したり、装飾品のついた服はネットに入れたりなど、洗い方を工夫してみてください。
2年に1度ほどは丸洗い
できるだけ長く洗濯機を使うには、プロの手を借りてお手入れするのもおすすめです。
洗濯機を使う頻度にもよりますが、1日1回使用する方は少なくとも2年に1回はクリーニングを依頼するといいでしょう。
洗濯機は水を使うものなので、どうしても日常的に汚れはたまっていきます。自分ではお手入れできない部分はプロに任せましょう。
洗濯機の異音を見極めて正しく対処しよう
洗濯機の異音の種類や、音別の対処法を解説しました。
洗濯機は毎日使うものでありながら、買い替えるとなると大きな買い物です。故障につながる異音はしっかり対処して、できるだけ長く使いたいですよね。
鳴ってもいい異音と悪い異音をしっかり聞き分けて、すぐに対処することが大切です。洗濯機の負担になる異音は放置せず、自分で対応できない場合はすぐに修理依頼をしましょう。
異音だけではなく、普段から洗濯機の正しい使い方を守って長く快適に使っていきたいですね。