今さら説明不要の「ヤマダ電機」、家電量販最大手、東証1部上場の大企業です。しかし、その地位に安穏とすることなく様々な攻めの取り組みを続けています。
いまだ衰えることのない積極出店・積極閉店、新業態の開発、同業・異業問わずの提携・買収などなど、その姿勢をしめす例は枚挙に暇がありません。
今度は買取もやるのですか?!
すると、今度は「良品買取」なる業務を始めたといいます。これはヤマダ電機で冷蔵庫など大型の商品を購入した客に対して、納品時に今まで使っていたものを買取ってくれるというサービス。
査定金額はどの程度だろう、中古家電をどのようなルートで売るのだろうなど興味は尽きません。まあ、同業他社を買ったりするのに比べたら、ヤマダ電機にとっても小さすぎるジャンルへの進出、特に難しいことは考えていないのかもしれませんが……。
しかし、いわばヤマダ電機の下取りサービス「ウリドキ」的には大きなニュースバリューを持っています。そこで、冷蔵庫の場合だったらどうなるのか?少し調べていってみます。
ヤマダ電機の各種買取サービスを検討する
店頭編
ヤマダ電機の店頭で買取を依頼するにはどうすればいいのか?つまり「ヤマダ店頭買取査定サービス」を利用したくても、現在対応しているのは限られたジャンルのみです。パソコン、タブレット、デジカメ、スマートフォン、携帯電話など小型のデジタル家電といった具合です。そもそも、このサービス自体にに対応していない店舗も多数ありますから、利用の前には店舗検索をおこなうなど注意が必要です。
ですから、冷蔵庫を店頭に持ち込んでも100%断られます。冷蔵庫など大型の中古家電を店頭に持ち込んだ場合、対応してくれるのは処分代行のみ。そして、リサイクル料が別途必要となりますから特別いいことはありません。中古冷蔵庫をヤマダ電機の店頭に持ち込むのはやめておきましょう。
宅配買取編
宅配買取で対応してくれるのも「店頭編」で紹介した小型デジタル家電のみ。まずはHP上で、買取金額がいくらになるか検索し見積り完了。他店の買い取り価格と比較検討をおこないます。5,000円以上の査定額で送料無料、宅配便のドライバーさんが梱包もしてくれるという、ありがたいサービスもおこなっています。
また値段が付かないようなものでも、新品をヤマダ電機の店頭やWebショップで購入したときに限り一定のポイントが付く、「下取りサービス」をおこなっていますので、こちらも見逃せません。
買取金額をヤマダポイントで受け取ると5%アップしたり、春の買取アップキャンペーンをやっていたりとイベントを頻繁に打ちますので、チャンスは逃さないように!!しかし、冷蔵庫など大型の家電には対応していません。いきなり送りつけるのはやめましょう。
出張買取編
さて、ここからが重要な「良品買取」の話です。出張買取ではありませんが、ヤマダ電機の店頭やWebショップで購入した新しい商品を納品してくれる際に、古い商品を買取してくれるサービスです。
対象となっているのは配達が必要な大型家電、薄型テレビ(液晶・プラズマ)や洗濯機、もちろん冷蔵庫も含まれます。しかし、実際の査定の結果、買取不可となる可能性はありますし、対象は製造後7年以内の製品のみ。申し込みはHPからとなっています。
買取対象外と査定されてしまうと、リサイクル回収となりますがリサイクル券がない場合は、回収すらしてくれません。リサイクル券が用意できた後日に回収を依頼すると、別途配送量2,500円を払わなくてはいけませんのでご注意を。
ヤマダ電機の冷蔵庫査定基準
ヤマダ電機の「良品買取」の買取対象品の目安は製造7年以内で、正常に機能すること。まずは、これをクリアしていることが査定以前の基準になります。
これだったら、他のリサイクルショップを利用するのと差がないじゃん!!そう考えた人は半分正解、まヤマダ電機は古い製品を引き上げてくれるので使い勝手はあります。
しかし問題は査定基準……いくらぐらいで買ってくれるのかという点。査定基準が厳しければ、ヤマダ電機を利用するメリットはありません、買取業者の出張サービスを利用すればいいのですから。査定基準外を引取ってくれないというのも、出張買取サービスと何ら変わりません。
ヤマダ電機の口コミや評判
口コミの評判は、今ひとつ
さて、実際にヤマダ電機の良品買取を利用した人の声をひろうと、冷蔵庫などの買取については「良くて数1,000円、悪ければ無料」という非常に寂しい声ばかり、残念ながらあまり芳しくありません。
買取の仕組みを調べてみると査定をおこなうのは配達担当者、この人たちはヤマダ電機の子会社「株式会社日本ワーク・センター」の社員さん、配送業務やエアコン取付に特化した人たちといえるでしょう。
結局、廃棄するのですか?!
グループ会社を見ていくと、ヤマダ電機が傘下に持っているのは廃棄家電処理の会社です。以上のことから推測するに、再販の特別なルートを持っているとは思えませんから、良品買取といっても結局廃棄するのとかわらなそうです。口コミで耳にした「ヤマダ電機の買取といっても無料引き上げサービス程度に考えないとがっかりしますよ」という言葉に信憑性が出てきますね。
パソコン買取は別物のイメージ
さて宅配や店頭で買取をおこなっているジャンルに関しては、ヤマダ電機傘下の「インバースネット」が受け持っているようですから、こちらは他のリサイクルショップと比較してみる価値はありそう、廃棄するのと変わらないということはないでしょう。査定依頼、見積もり比較に加えてみましょう。
まとめ
独占禁止法違反・職業安定法違反、従業員の自殺、さらにはブラック企業大賞に認定されるなど、あまりよくない噂ばかり流れています。
その一方で、様々なジャンルに進出したり、「他社のインターネット価格にも対応で安い!」というキャンペーンを張ってみたり、「アマゾンや楽天と戦いたい、ネット企業には絶対に負けない」と発言してみたりと威勢のいいところも目立ちます。
でも、何でも中途半端に手を出し過ぎという印象が強いのです。おそらくショールーミング化する一方の現状に対する危機感の表れでしょうか、今回とりあげた「良品買取」への取り組みもその一つでしょう。
しかし、パソコンなどの買取はともかく、冷蔵庫などの大型家電については、あせっているだけで何がやりたいのか、今一つ見えてこない印象です。「良品買取」なんて名前を掲げずに、いっそ有料引取りサービスと名乗った方が、よっぽど潔いと思うのですが、いかがでしょうか?