ボーエ・モーエンセンとは?
ヤコブセンやウェグナー、ユールと並んで北欧家具の4大巨匠と賞されているのがボーエ・モーエンセン。シンプルかつ存在感のある作品で広く知られています。
最近はずいぶん、人気も高い北欧家具ですが、実際は非常に値段が張るもの。雑誌で見かけていいなと思っても、なかなか手が出ないのが現実です。
さて、そうなると中古の需要が高そうですが、実際のところはどうなのか。見ていきましょう。
モーエンセンの高く売れる家具紹介
モーエンセンといえば「フレデリシア」
若き日のモーエンセンがデザイナーとして就任したのが、家具ブランド「フレデリシア」 。その後、多数のデザイナーを起用し、数々の名作を発表し続けています。
現代も新作を発表する一方で、モーエンセンの不朽の名作を生産していますから、類似品は数あれど本物はフレデリシアのみといって良いでしょう。
J39 シェーカーチェア
一般市民のために、安価で高品質なイスを……という要望に応えてデザインされたもの。別名である「ピープルズチェア」は、このことにちなみます。
現在製造されているものは、木製パーツの仕上げにより値段が上下し、定価は7万~8万9,000円。
そのものずばりの買取価格を見つけることはできませんでしたが、例えばデンマークの王立芸術アカデミーで使用されていた「J39」ならば、2万円程度の買取が期待できます。
スパニッシュチェア
モーエンセンが自らのためにデザインしたといわれる「スパニッシュチェア」、その名前は、スペインの貴族階級が使用していたイスからインスパイアを受けたことにちなみます。
現在製造されているものは、木製パーツやシート部の仕上げにより定価に幅があり、51万6,000~68万2,000円。
最近のオークション落札相場から、使用感のあるもので、買取価格は6万円程度と推測されます。
ハンティングチェア
スパニッシュチェア同様、木のフレームと一枚革で構成されたイス。低い座面と、後脚のデザインに最大の特長があります。
こちらも仕上げによって定価は上下し、63万1,000~70万8,000円。
スパニッシュチェア同様、買取価格は6万円程度と思われます。
その他の製品は……?
他にも「Soborgチェア」や「J49 チェア」、「NO.1 3シートソファ」など、モーエンセンが手掛けた家具の生産は続いており、定価はギョッとするぐらい高価なのですが買取相場は見てきたとおり、お寒い限り。
いくらモーエンセンであっても、家具の買取価格は渋い結果にしかならないという原則は崩れていません。まあ、使用感のある家具にもかかわらず値段が付くだけでも良しとしないといけないのかもしれませんが。
モーエンセンの家具を、少しでも高く売るコツ
大前提として、高くは売れません
洒落たデザインのローコスト家具が多数販売されている現在、「モーエンセンのオリジナルの流れをくむフレデリシアのイスが欲しい」と思う人は少数派。よって、中古家具の例にもれず、高い値段は付きません。
ブランド家具に強いショップを選ぶ
モーエンセンの代表作「J39」、何も知らない人が見たら、ただのイスでしかありません。また安価なコピー品も出回っています。つまり、真価を見抜けるショップに売らないことには、どうしようもありません。
そこで、中古「ブランド」家具専門店を何とかして探すことが必要です。
持参するのがベストなのです
ブランド家具を扱うショップを見つけても、物がものだけに、持参したり送付することは難しいのが現実。
そこで、出張買取を依頼することになりますが見えないところで出張費がかかっています。ですから、店頭まで持参するのがベストなのです。
モーエンセンの家具の査定基準
日々の手入れの具合
家具は慈しむもの……らしいです。日々のカラ拭き、できれば再ソープ仕上げやラッカーの再塗装、一枚革のメンテナンス……大切に使われて来たものは、すぐにわかるもの。多少は査定基準が甘くなるかもしれません。
人気のあるなし?
恐らく多少変わるのでしょうが、なにぶん家具です。ショップ側も数がさばけるものではないだけに、粗利を大幅に載せるしかありませんから、買取は渋いでしょう。
おすすめの買取店
イズヤリサイクル
数々のデザイナーズ家具やブランド家具、美術品や食器類、オーディオなどの買取実績を持つのが「イズヤリサイクル」。通常のリサイクルショップと異なるのは、ストーリー性のある商品に強いという点と、全国への出張買取をおこなっている点。
まずは電話かHPのフォームから無料査定を試してみましょう。その後の現物査定で、思った通りの価格が付かなかった場合はキャンセルも可能といいますので、安心できますね。
チェリーズマーケット
東京や神奈川でデザイナーズ家具やブランド家具の買取に強みを発揮するのが「チェリーズマーケット」。10年間で20万件という買取実績が信頼の証。上記のエリアならば出張が可能ですし、企業の買取も引き受けてくれるといいますから、大量にある場合も安心です。
そして何よりも、HPには「私たちは家具が好きなんです」と大々的に書かれています。期待せずにはいられませんね。
注意点など
宅配買取のトラブルに注意
近場のショップに持ちこむ、もしくは出張買取を依頼するのが基本なのですが、そうはいかない場合は宅配買取を利用します。
この場合に注意しなくてはいけないのは「送料の負担をどちらがするのか?」という点と「破損しにくいい業者を選ぶ」という点、くれぐれも慎重に。
メンテナンスはどの程度まで?
上で紹介した2つのショップを始めとして、中古家具にこだわりがるショップは、メンテナンスをおこなう工房を自社で持っているものです。ですから、買取を依頼する家具は状態がいいに越したことはないですが、例えばラッカーを塗り直すなど必要以上のメンテナンスは不要。それより、日ごろのメンテナンスの方が重要なのです。
経年美化、今から購入する方は、愛情を持って家具を育てて下さい。
まとめ
北欧の家具と同時に、注目を集めているのが北欧のライフスタイル。少々値が張っても良いものを購入し、一緒に年を重ねていくという考え方です。ですからモーエンセンに限らず高価な家具は、使い続けることを第一に考えて下さい。
やむを得なく買取を依頼する場合は、ショップの選択は要注意。ただでさえ安い買取価格が、ゼロになるばかりか処分手数料を請求されたりします。悲しい結果にならないよう、お祈りしています。