10円硬貨の溝に溝がある10円は「ギザ十」と呼ばれることもあります。
ギザ十は珍しいため財布の中で見つけてしまえば、もしかしたら価値があるのではと思うこともありますよね。実は、ギザ十と言っても価値は額面通りのものがほとんどです。
しかし、一部のギザ十は高値で取引されることもあります。ここでは高価買取されるギザ十の特徴を解説します。いま、あなたが持っているギザ十と比較してみてください。
ギザ十とはどんな十円玉か
ギザ十とはどんな10円玉なのでしょうか?具体的に説明します。
硬貨の縁に132個の溝がある
ギザ十は硬貨の縁に132個の溝があります。10円硬貨が発行された当時は最高額面だったため、偽造防止のため溝を入れていました。
しかし、さらに高額な硬貨が発行されるようになり、溝がない今の10円硬貨になりました。
製造されたのは7年間のみ
ギザ十が製造されたのは1951年(昭和26年)から1958年(昭和33年)ですが、1956年(昭和31年)は製造されませんでした。つまり、製造されたのは7年間のみ。
ギザ十の発行枚数は製造年ごとにバラバラです。
- 1951年(昭和26年) 1億106万8,000枚
- 1952年(昭和27年) 4億8663万2,000枚
- 1953年(昭和28年) 4億6630万枚
- 1954年(昭和29年) 5億2090万枚
- 1955年(昭和30年) 1億2310万枚
- 1957年(昭和32年) 5000万枚
- 1958年(昭和33年) 2500万枚
このように、1954年をピークに製造は少なってしまいました。発行枚数を確認すると発行枚数が少ない1957年と1958年のギザ十は価値があるのでは推測できます。
現在のギザ十の価値
もしギザ十を持っていたら、今はどれくらいの価値になるのでしょうか?これから解説します。
買取額もほぼ額面と同じ10円
ギザ十の現在の価値は額面と同じ10円です。なぜなら、紙幣と違って硬貨は劣化が少なく、現在も市場に出回っているからです。買物してお釣りの中にギザ十が入っていても珍しくありません。
だから、ギザ十だからといって買取に出しても10円程度の値になることがほとんどです。ギザ十があるだけで「ラッキー」だと思ってしまうと期待外れになるかもしれません。
プレミア価値が付いたギザ十がある
もちろん、ギザ十の中にはテレビで話題になるようなプレミア価値が付いたギザ十も存在します。プレミア価値になるのは未使用のギザ十です。
一番最初に発行された昭和26年年のギザ十は未使用であれば約6万円の査定額になるでしょう。未使用のギザ十を探しているコレクターがいるから、10円玉にこれだけのプレミア価値がつきます。
使用済みだと大きく価値が下がる
未使用のギザ十はプレミア価値になりますが、使用済みのギザ十は大きく価値がさがります。
使用済みのギザ十は10円数円が相場です。ただし、使用されていても美品であれば、100円から200円程で買取してもらえる可能性はあります。
綺麗なギザ十を見つけたら多少期待していいかもしれません。
高価買取が期待できるギザ十
ギザ十は条件次第で高価買取になる可能性が高いです。これから詳しく説明します。
未使用品はどの年代も人気
未使用のギザ十はどの年代も人気があり、買取額は2万円近くの査定額になる可能性があります。
しかし、一番新しく製造された昭和33年のギザ十でも、60年以上も前の硬貨なので、未使用を見つけるのは非常に困難でしょう。
昭和26年に発行されたギザ十
昭和26年のギザ十は未使用であれば、6万円くらいで非常に高価になっています。最初に発行されたギザ十なのでコレクターの間では人気が高いです。
しかし、昭和26年のギザ十でも使用済みとなれば十数円で、他の年のギザ十と価値はほぼ同じです。
発行枚数が少ない年のギザ十
発行枚数が少ない昭和33年と昭和32年のギザ十も高価買取になります。
- 1957年(昭和32年)【製造5000万枚】…4万円
- 1958年(昭和33年)【製造2500万枚】…5万円
未使用であればそれぞれこのような買取相場です。また、使用済みであっても、昭和32年は25円、昭和33年は70円くらいの査定なる可能性があります。
硬貨を高く買取してくれるオススメ店
ギザ十を売る場合、普通のリサイクルショップでは上記のような高価買取は期待できません。硬貨などを取り扱っている専門店を選ぶことが大切です。
下記の記事では、そんな専門店を5つご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
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買取のコツ
ギザ十を高く買取してもらうコツを紹介します。
買取は専門店に依頼する
ギザ十の買取は専門の査定士がいる買取店に依頼しましょう。
価値があるギザ十でもお店側が、価値を把握していないことがあるからです。専門の査定士であれば、ギザ十の発行枚数や状態を判断して適正価格で買取をする可能性が高いです。
複数のギザ十を持ち込む
プレミア価値があるようなギザ十を除けば、ギザ十の価値はそれほど高くありません。
数が少ないギザ十を持ち込んでも断られる可能性があります。数枚のギザ十のために時間をかけて査定するのは手間がだからです。
そこで、ギザ十を売る場合はまとめて売る、他に売りたいものと一緒に売るなどの工夫が必要です。
きれいにしてから買取に出す
汚れているギザ十は洗ったりしてから買取に出しましょう。綺麗な方が買取額も上がる可能性があります。
ただし、磨きすぎなどで硬貨を破損させることもあります。磨くときは慎重に行ってください。綺麗なギザ十は直射日光を避け、専用のケースなどで保管することをオススメします。
それから、ギザ十を直接手で触れると指紋がついたり、サビの原因になるので、気を付けてください。手袋を着用して触るのがベストです。
希少性の高い硬貨になる可能性あり
ギザ十は発行から約70年経過しており、希少な存在になる可能性があります。その理由をここで説明します。
劣化して銀行に回収されている
劣化したギザ十は銀行で回収され市場から無くなります。
溝がすり減ってしまえば自動販売機などで使用しても認識されないことが多いからです。ちなみに、回収されたギザ十は溶解され、新しい硬貨として発行されます。
このように、ギザ十は年々市場から減っていっているため、これから価値が上がってくる可能性があるのです。
コレクターが流通を止めている
古銭やコインのコレクターがギザ十を保管し、流通を止めているのも市場からギザ十が少なくなった理由の一つだと考えられます。
銀行に回収され無くなる前に、自分で保存しておきたいという心理が働いているのかもしれません。
市場になければギザ十が希少になる可能性が高くなります。
将来的には価値が跳ね上がるかも
ギザ十の現在の価値を知ってしまったら、ギザ十を見つけても何も感じないこともあるででしょう。買取に出す手間を考えれば使えるうちに使った方がいいと考えるのが通常でしょう。
しかし、ギザ十は年々市場から減っており、将来的に価値が上がる可能性を秘めています。発行から70年ほど経過したギザ十ですが、発行から100年の節目になるとさらに価値が上がっているかもしれません。
そのときまで、保管しておくのも夢があります。このまま、ギザ十を持っておくのも悪くないのではないでしょうか。
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