金の融点は約1,064度|銀・銅・鉄・白金(プラチナ)も

  • 2024年4月17日
この記事で解決できるお悩み
  • 金の融点を知りたい
  • 金の特徴を知りたい
  • 金の使い道を知りたい

「金の融点は何度だろう」と思ったことはありませんか。

金を含む金属の融点は、水と比べるとかなり高いです。金属の種類によって融点は異なり、金は鉄やプラチナよりも融点が低く、特有のメリット・デメリットがあります。

本記事では、金の融点に加え、特徴や使い道について詳しく説明しているので、金について知るために参考にしてみてください。古代から金が人々に大切に扱われてきた理由についても理解できるでしょう。

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金の融点は約1,064度

元素記号「Au」で表される金。宝飾品や金貨として、古くから人類と密接な関わりがありました。「Au」の由来は、「Aurum(光り輝くもの)」を意味するラテン語です。

金は薄く延ばしやすく、サビたり腐食したりしにくいといった性質があります。融点(固体が液体になる温度)は約1,064度で、鉄やプラチナなどと比較してやや低いです。

融点が低い金のメリットは、溶かして加工しやすい点である反面、火事で溶けて変形する恐れがあるといったデメリットも見過ごせません。

しかし、変形しても金は金です。外観が変わってしまっても金として再加工ができるため、資産価値が大きく落ちる心配はありません。こうした点から、金は優れた金属と考えられます。

金以外の金属の融点一覧

金属名融点(度)
タングステン3,407
白金(プラチナ)1,769
パラジウム1,552
1,536
ニッケル1,455
1,085
962
亜鉛420

出典:元素の融点および沸点|ウシオ電機

金の融点1,064度は、さまざまな金属のなかでも比較的低いです。そのため、鉄やプラチナなどよりも低い温度で溶かせます。

古い時代の技術においても、融点が高い金属と比較して、金のほうが加工しやすかったと考えられるでしょう。

金属によって融点が異なる理由

固体が液体になる温度である融点は、金属によってさまざまです。金属を構成する原子間の結合力が強いほど融点が高く、弱いほど低くなります。

原子間の結合力に影響を与えるのが、原子のまわりを取り囲む電子の存在です。電子が密集しており、イオン同士の距離が狭い金属ほど、融点は高くなります。

ちなみに、典型元素に比べると遷移元素(遷移金属)は融点が高いです。

金は室温で溶けることがある

金の融点は1,064度ですが、実は、2018年に室温で金を溶かす方法が発見されました。

四角錐状の金に電界をかけて電子顕微鏡で観察すると、先端の尖った部分の金原子が少し融解していたという内容です。規則正しく並んでいる金の原子構造が電界をかけると失われるという現象は、これまで誰も知らなかったことで、驚くべき発見でした。

ただし、この技術を実用化して室温で金の加工を手軽に行うことは、まだまだむずかしいようです。

金の特徴

金には、さまざまな特徴があり、高い価値を持つ金属として古くから重宝されてきました。

金の特徴について詳しくチェックしてみましょう。なかには、ほかの金属にない金ならではの特徴もあります。

加工しやすい

金は展延性に優れた金属で、伸ばしたり広げたりなど変形させやすく、加工が容易です。

たとえば、叩いて箔状に薄く広げると破れることなく0.07μmの厚さにまでできます。銀も展延性に優れていますが、金には及びません。

加工しやすい性質を活かして作られている製品が金箔や金糸で、工芸品などにも多く用いられています。

金アクセサリーの場合は、変形しにくくするために、ほかの金属を混ぜて強度を高めた合金を使って製作することが多いです。

腐食しにくい

金は基本的に酸化しない金属で、サビることがありません。酸やアルカリに対しても強く、簡単には溶けない、腐食しにくい性質を持っており、古い時代に作られた金の装飾品が現代まで美しい姿のままで残っています。

ほかにも、金メッキを施すことによって内側が腐食しづらくなり、製品の寿命を延長可能です。

貨幣として使われてきた理由にも、金の腐食しにくい性質が深く関係しています。長年流通してもサビないことは重要です。

重みがある

金は、比重が大きい金属です。同じ体積の金属を持ち上げた場合、銀や鉄などと比べて金のほうがずしりとした重みを感じるでしょう。

金の比重は19.32です。一方で、銀は10.50、鉄は7.874、アルミニウムに至っては2.6989しかありません。

金にとって重量感はとても大切なワードであり、高級感を演出してくれるでしょう。比重は、金が本物なのかを確認する際の判定基準でもあります。

電気伝導率が高い

金は、多くの金属と同じように電気伝導率が高い性質を持っています。

電気伝導率が高く、サビにくく、加工しやすいといった金のさまざまな性質を利用し、製造されているアイテムのひとつが携帯電話やスマートフォンです。ほかにも、パソコンをはじめとした多種多様な精密機械の中で使われています。

もう使うことのない携帯電話を集めてレアメタルを取り出す動きがありますが、金も回収の対象です。

金の使い道

金ならではの優れた性質は、日常生活のいろいろな場所で活用されています。

融点の低い金の使い道について、より詳しく見ていきましょう。ありとあらゆる場所で使われていることに、驚くかもしれません。

食用

食用

お正月や特別な日のおもてなしとして、料理や日本酒などに金箔を飾ったことのある方もいるでしょう。地域によっては、金箔を大胆に使用したソフトクリームを味わえます。

金属を食べることに少し不安を感じてしまうかもしれませんが、金は体内で吸収されることのない金属なので、心配ありません。

料理に使用する場合は、食用として販売されている金箔を購入しましょう。

工業用

金は、電気伝導率が高く加工しやすいため、精密機械の部品として身近な場所で活躍しています。金が使用される場所は、携帯電話やパソコンなどの中にある電子回路の基板です。ヘッドホンの部品としても使用されています。

金は、万年筆のペン先にもなくてはならない存在です。インクと触れても腐食せず、紙との頻回の摩擦にも壊れてしまわないペン先にするためには、金が重要な役割を担っています。

医療用

金は、放射線治療に用いられる照射用マーカーや、リウマチの薬のひとつである金製剤など、医療の分野でも使われています。金製剤の原料は、金の有機化合物です。

金は、腐食したりアレルギーを起こしたりしにくいことから、金歯としても用いられています。

ほかにも、ペースメーカーやねじなど、さまざまな医療機器・器具に金が活用されており、健康的な生活のためにも欠かせない金属です。

投資用

世の中が不安定な状況になり、通貨の価値が下がっても、金は価値が急に落ちることがないと考えられています。金は、世界中で一定の価値があり、多くの国で換金が可能です。

現物資産であり、通貨よりも信頼がおけるため、金を投資目的で購入している方も多いのではないでしょうか。

「有事の金」とも言われます。金の価格が高騰しているというニュースもあり、投資用としての金もさらに注目されていくでしょう。

金には融点が低いからこその特徴がある

金の融点は、鉄やプラチナなどに比べるとやや低く、特有のメリットがあります。ほかにも多種多様な特徴があり、人類は昔から金をさまざまな形で活用してきました。

装飾や貨幣としてだけでなく、食用・工業用・医療用・投資用など多方面で重宝されています。サビにくく加工しやすい金の美しさや価値は、長い年月が経っても変わらないでしょう。

ぜひ大切に扱ってください。

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