- 金の比重から純度が判別できる
- 金とほかの金属の比重が比較できる
- 金の比重の測定方法がわかる
金の比重は、金の純度を示したり、ほかの金属との区別をつけたりできる指標となる数字です。「専門的な器具がなければ測定できないのでは」と考える人もいるかもしれません。
金の比重は、家庭でも簡単に調べられます。ただし、金の比重から純度などを調べるためには、比重についての理解を深めることが必要です。
この記事を読むことで、金の比重についての理解を深め、家庭でも金の品質や金属の種類が判別できるようになりますよ。測定用の器具も紹介するため、お手持ちの金製品などを測定し、買取などの際に役立ててください。
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金の比重とは
比重とは、水の密度を基準とし、物質の密度の大きさを表す数値です。数値が大きいほど比重も大きく、重い物質であることを示します。
基準となる物質である水の比重を1とすると、純金の比重は19.13〜19.51です。比重がもっとも大きい物質はオスミウムで、比重は22.59と言われています。反対に、比重がもっとも小さい物質は0.534のリチウムです。
純金の比重はオスミウムに近い値で、純金は金属類のなかでも比重が大きい物質であることがわかるでしょう。
【純度別】金の比重
純度 | 比重 |
---|---|
K24(24金) | 19.13〜19.51 |
K22(22金) | 17.45~18.24 |
K18(18金) | 16.03~17.11 |
K14(14金) | 12.91~14.44 |
K10(10金) | 11.42~13.09 |
金は、純度によって比重が異なります。金自体の比重が大きいため、金を含む量が多くなればなるほど比重も大きくなることが一般的です。反対に、割金を混ぜて金の純度が下がると比重も低下します。
割金に使われる金属は、金より比重が小さい金属であることがほとんどです。そのため、純度の低い金の比重が純金より大きくなることはないでしょう。また、割金の種類によっても比重が異なり、同じ純度であっても比重には差が生じます。
金以外の金属の比重
比重は、金属それぞれに固有の特徴です。金と金以外の金属の比重を知ることで、金属ごとの見分けをつけることもできます。
ここでは、金以外の金属の比重を紹介するため、お手元の製品が金かどうかを判別したい人や、ほかの貴金属を見分けたい人は参考にしてください。
貴金属の比重
貴金属名 | 比重 |
---|---|
プラチナ(Pt1000) | 21.24~21.66 |
銀 | 10.53 |
パラジウム | 12.03 |
ルテニウム | 12.37 |
イリジウム | 22.54 |
貴金属とは、名前の通り希少かつ高価な金属です。物質としては、化学反応を起こしにくく劣化などに強い特徴を持っています。化学反応のなかでも、とりわけイオン化傾向が小さく、水や水溶液の中で反応を起こしにくい金属です。
パラジウム・ルテニウム・イリジウムに加えて、金属最大の比重を持つオスミウムはプラチナと同じ白金属の一種。プラチナの仲間は比較的比重が大きい傾向があります。なかでも、イリジウムはオスミウムに次いで比重の大きい金属です。
金に近い比重のタングステン
金属のなかでも、タングステンの比重は19.3と、きわめて金に近い比重を持っています。タングステンは通常、放射線をシャットアウトできるほどの大きな比重を活かし、X線CTなどの医療分野で放射線の遮蔽材として使われている物質です。
使い道は金と大きく異なるものの、比重を頼りに金属を見分けようとすると、金とタングステンは見分けがつきません。そのため、比重から金を見分けたい場合は、タングステンで金を模倣した偽物などには注意しましょう。
金の比重を知るには?
金の比重を知ることで、ほかの金属と見分け、金の真贋が分かるようになります。ほかにも、金の純度が分かり、たとえば金製品を買取店に出す前にある程度の価値を知ることも可能です。
ここでは、金の比重を知る方法を紹介します。いずれも業者でなくても試せる方法なので、お手持ちの金製品で試してみてくださいね。
比重計を使って量る
比重計は、金の比重を量ることに特化した機械です。貴金属買取店など専門性の高い業者でも使用されており、金を傷つけることなく正確な比重を量れます。
ただし、計測できる金もしくは金製品には制限があり、計測不可となるケースがあることに注意しましょう。
<計測不可になるケース>
- 空洞がある
- 金以外に宝石などがついている
- 金・貴金属以外の、比重の大きな金属との合金
比重計は一般的な家庭にはありませんが、手順さえわかれば比較的簡単に量れるでしょう。ここでは、比重計の基本的な使い方や、おすすめの比重計についても紹介します。
比重計の使い方
<手順>
- 対象の金もしくは金製品の重量を量り、比重計に記録する
- 比重計に水を入れた状態で、再度対象物の重量を量る
- 比重計の計算結果を待つ
一般的な比重計は、比重計に水を入れない状態と入れた状態の両方で対象の金の重量を測定し、その2通りの重量をもとに機械が自動で比重を計算します。
計算を自分でする必要がないうえ、少量の金属でも精密に測定可能です。ただし、比重計によって測定できる重量の下限や上限が決まっているため、比重計のスペックをよく確認しましょう。
おすすめの比重計
1立方センチメートルあたり0.001〜300gまでの金の比重を測定できる商品です。最小2gの製品から測定でき、金だけでなく、プラチナ・銀・ホワイトゴールドの比重も測定できます。
風防やフルオープン・ハーフの2種類のフタがついているなど、測定の手間を省略できる装備があり、誤差も少なく抑えられた使い勝手のよい商品です。
水に沈めて量る
比重計は比較的高価で、誰もが手元にあったり使えたりするわけではありません。そこで、ここでは比重計がない人でもできる測定方法として、水に沈めて量る方法を紹介します。
手順は比重計を使うときより複雑ですが、家庭にあるものだけでできる方法です。
用意するもの
- 比重を調べたい金もしくは金製品
- 量り
- 金製品が入る容器
- 糸
- 水
- メモ用紙・筆記用具
- 電卓など
量りは、一般的なキッチンスケールなどで構いません。金製品を入れる容器も、一般的なグラスなどを用意します。ただし、容器には水も入れるため、水を入れてももれない素材の容器を準備しましょう。また、製品が容器の底につかないよう、背の高いコップなどがおすすめです。
メモ用紙と筆記用具は、測定結果のメモに使い、電卓は比重の計算に使います。必須ではありませんが、あったほうが正確かつスピーディに測定を進められるでしょう。
手順
比重を計算するためには、対象の製品の重量と体積を求める必要があります。手順通りに作業を進めると、重量と体積を簡単に求められるでしょう。
- 比重を調べたい製品の重量を、量りで計測する
- 水を入れた容器を量りに乗せ、量りの目盛りを0にあわせる
- 金製品を糸で吊るし、底につかないように容器内の水に沈める
- 量りの目盛りが指した数値を記録する
- 1.で測った重さを4.で求めた体積で割って比重を求める
3.で金製品を吊るす際、製品が底につくのを防ぐため、糸から手を離さないようにしてください。
3.から4.の手順では、金製品の体積を求めています。製品を底につけず水に沈めると、金製品の体積の分だけ水かさが上がって目盛りが動く仕組みです。
この方法であれば、形が複雑な金製品であっても、比較的正確に体積を量れます。
金の比重を調べなくても価値がわかる方法
自分で比重を調べるより簡単かつ確実に金の価値を知る方法として、買取店に相談する方法があります。買取店の多くは査定だけなら無料で行ってくれるうえ、金製品であれば比重を調査してもらえるでしょう。特に、金の買取に精通しているお店であれば、比重計を備えているケースがあります。
金買取時の査定やおすすめの買取店などについては、こちらの記事を参考にしてください。
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金の比重は真贋や品質を見抜く手がかり
金の比重は、お手元の製品が金であるかどうかや、金の純度を調べる手がかりのひとつです。
金の比重は、専用の比重計か水などを使えば一般の人でも調べられます。比重計は精密に調べられるものの、機械自体が高価で、水を使った測定方法は家庭にあるアイテムだけで行えるものの、手順が複雑です。
もっと手軽かつ正確に金の比重を知りたい場合は、買取店に相談してみましょう。買取店であればプロが正確に測定してくれます。お店によっては比重計を備えていることもあり、金取引に精通したお店がおすすめです。