- 金の過去50年の価格推移グラフを見たい
- 金の価格が大きく動いた出来事を知りたい
- 金の価格が変動する要因を知りたい
過去50年間の金の価格推移を、グラフを用いて分かりやすく解説します!1974年のオイルショックから2024年に至るまで、金価格は経済的・政治的要因に大きく影響を受けながらも、長期的には大幅に上昇してきました。
金はインフレや地政学的リスクに対する強力なヘッジ手段として、投資家から高く評価されています。
この記事には、金価格の変動要因を理解し、今後の投資戦略に生かすための知識が満載です。金の長期投資を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
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過去50年の金の価格推移グラフ
上記のグラフは、過去50年間の金1gあたりの価格推移を示しており、1973年から2024年にかけて大きく変動していることが分かります。
1974年には、オイルショックの影響で金価格が急上昇し、1gあたりの最高価格は1,980円に達しました。その後、価格は上下を繰り返しながらも、全体的には右肩上がりの傾向を示しています。
2024年には、1gあたりの金価格が過去最高の13,879円(執筆時点)に達しており、今後も長期的に上昇を続けていくと予想されています。
50年で金価格は何倍になった?
過去50年間で、金の価格は約7倍に上昇しました(1974年:1,980円→2024年:13,879円)
仮に1974年に金を100万円分購入していた場合、当時の金価格は1gあたり1,980円のため、約505gの金が手に入ります。これを2024年の最高価格である13,879円で計算すると、その価値は700万円ほど。売却せずに保有していれば大きな利益が手に入ったことでしょう。
この大幅な上昇は、金が長期的な資産保全手段として非常に有効であることを示しています。
金価格が変動した出来事
金価格は、過去50年間で多くの経済的・政治的要因による影響を受けてきました。特に、オイルショックや金融危機、地政学的リスクなどが価格を大きく左右しています。これらの出来事を振り返り、その背景を詳しく見ていきましょう。
第1次オイルショック(1973年~1974年)
1973年から1974年にかけての第1次オイルショックは、OPEC(石油輸出国機構)による原油価格の大幅な引き上げが引き金となり、世界経済に大きな混乱をもたらしました。
この期間、投資家がインフレによる資産価値の減少を懸念したことで、金に対する需要が急増。その結果、金価格は急上昇し、1974年には1gあたりの価格が約1,980円に達しました。金がインフレヘッジとしての役割を果たした代表的な例と言えます。
第2次オイルショック(1979年~1980年)
1979年から1980年にかけての第2次オイルショックは、イラン革命とその後のイラン・イラク戦争による原油供給の混乱が原因で発生しました。
この出来事は世界経済に再び深刻なインフレを引き起こし、投資家たちは資産価値を守るために安全資産である金を求めます。これにより金価格はさらに上昇し、1980年には1gあたりの価格が過去最高値を更新しました。
この時期の金価格の動きは、地政学的リスクや国際的な不安が市場にどれほど大きな影響を与えるかを示しており、金が不安定な時期における重要な資産であることが再認識されたと言えるでしょう。
アメリカ同時多発テロ(2001年)
2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロは、世界中に大きな衝撃を与えました。
超大国であるアメリカへのテロ攻撃により、安全保障に対する不安が世界的に高まり、金融市場は大きな混乱に陥ったのです。
この不安定な状況下で、投資家はリスクを回避するために金を選びました。テロ直後から金価格は上昇を始め、数ヶ月にわたり高値を維持したのです。
この事件は、金が不確実性の高い時期において安全資産としての役割を果たすことを改めて証明し、その後の市場においても金の重要性が再確認されるきっかけとなりました。
リーマンショック(2008年)
2008年に発生したリーマンショックは、サブプライムローン問題をきっかけにアメリカの大手投資銀行リーマン・ブラザーズが破綻し、世界的な金融危機を引き起こしました。
株式市場が大幅に下落する中で、投資家は金に避難し、金価格は2008年後半から2009年にかけて急上昇したのです。
リーマンショックを通じて、金が金融市場の不安定性に対する安全資産としての役割を強固にしました。金の需要が増加し、投資家からの信頼がさらに強まった時期でもあります。
新型コロナウイルス(2020年~)
2020年に世界中で拡大した新型コロナウイルスのパンデミックは、現代社会に大きな影響を及ぼしました。各国でロックダウンが実施され、経済活動が停止したことで、金融市場はかつてない混乱に見舞われたのです。
不確実な状況下で投資家は再び金に注目し、金価格は急上昇しました。2020年には金価格が歴史的な高値を更新し、1gあたりの価格が過去最高を記録したのです。
パンデミックを通じて、金が不確実な時代においていかに信頼性の高い資産であるかが、改めて強く認識されました。
金の価格が変動する要因
金価格は、様々な要因によって大きく変動します。需要と供給のバランスや地政学的リスク、為替相場、アメリカの金利、そしてインフレの進行が、金価格に影響を与える主な要因です。これらの要因について詳しく見ていきましょう。
需要と供給のバランス
金は宝飾品、電子機器、そして投資商品として幅広く利用されています。経済が安定している時期には宝飾品の需要が増加し、供給がそれに追いつかない場合、金価格は上昇するのです。
一方で、新たな金鉱山の発見や採掘技術の進歩により供給が増加すると、金価格は下落する傾向があります。
また中央銀行の金の保有量や売買動向も、金価格に影響を与える大きな要素です。金の需要と供給のバランスは、短期的にも長期的にも金価格に影響を与えます。
地政学的リスク
国際的な紛争や政治的不安が高まると、投資家はリスク回避のために安全資産としての金に資金を移します。
実際、中東での紛争や米中貿易摩擦が発生した際には、金価格が急上昇しました。地政学的リスクが市場に不安定要素をもたらし、信頼できる資産を求める投資家の動きによって金の需要が高まったためです。
地政学的リスクは予測がむずかしく、そのため金価格に突然の変動をもたらすことがしばしばあります。
為替相場
金価格は為替相場、特に米ドルとの関係に大きく影響を受けます。
金は国際市場で米ドル建てで取引されるため、ドルの価値が上がると、他の通貨を使用する国々では金を購入するコストが増加し、結果として金の需要が減少するためです。逆に、ドルが弱くなると金の需要が増加し、価格が上昇する傾向にあります。
各国の通貨政策や経済状況の変化が為替相場に影響を与えることで、金価格にも連動した変動が生じるのです。このように、為替相場は金の国際的な取引価格に直接的な影響を与える重要な要因になります。
アメリカの金利
一般的に、アメリカの金利が上昇すると、利息を生まない金よりも債券などの利息が得られる金融商品が魅力的に映り、金の需要が減少します。これにより、金価格が下落することが多くみられるのです。
逆に、金利が低下すると、金の保有コストが相対的に低くなり、金への投資が増加する傾向があります。その結果、金価格が上昇するという流れです。したがって、アメリカの金利政策は、金価格の変動を予測する上で重要な指標とされています。
インフレの進行
インフレが進行すると通貨の価値が減少し、物価が上昇します。このような状況下で、金は資産価値の保存手段として投資家からの注目を集めるためです。
インフレ期には、金が購買力を維持する資産として選ばれるため、需要が増加し、結果として価格が上昇する傾向にあります。
インフレの懸念が高まると、将来的な価格上昇を見越して早期に金を購入する投資家が増えるため、短期的にも金価格が上昇することになりますが、長期的な金価格の上昇要因としても重要です。
過去50年の金価格推移は大幅な上昇傾向にある
過去50年間の金の価格推移を振り返ると、金は様々な経済的・政治的要因によって大きな変動を経験しつつも、長期的にはその価値を大きく増してきました。
1974年のオイルショックから2024年に至るまで、金価格は約7倍に上昇しています。金はインフレや地政学的リスクに対する強力なヘッジ手段として、今後も重要な役割を果たすでしょう。
投資家にとって、金の価格推移を理解することは、資産運用において非常に重要な要素です。