携帯端末を廃棄・売却する際は、個人情報がもれないように初期化する必要があります。それはAndroidでも例外ではありません。
しかし、Androidの初期化をしたいけど、きちんとできるか心配という方も多いはず。
そんな方のために、本記事ではAndroidの初期化方法や注意点を紹介しています。Androidの売却や廃棄を考えている方は参考にしてください。
Androidを初期化する前にやるべき6つの準備
Androidを初期化する前の準備や確認を紹介します。
初期化をするとすべてのデータが消去されるため、あらかじめ準備が必要です。
ついつい忘れがちな準備を紹介しているので、参考に初期化の準備をしてみてください。
準備1:Googleバックアップの有効化
AndroidはGoogleバックアップを利用できます。Googleバックアップを利用する場合は、「Google Oneへのバックアップ」が有効になっているか確認しましょう。
端末の「設定」から「Google」>「バックアップ」の手順で簡単に有効化できます。
「Google Oneへのバックアップ」が有効になっていれば、Wi-Fi環境で自動的にバックアップできます。
準備2:データバックアップ
データのバックアップはGoogleバックアップで完結します。他の方法ではSDカードやパソコンを使ってバックアップが可能です。
しかし、AndroidはGoogleバックアップが最も簡単で早く取れるでしょう。
端末の設定から簡単にできるので上記の項を参考にしてみてください。
準備3:ログイン情報のメモ
初期化すると、すべてのサービスからログアウトします。
ログインするためには改めてログイン情報を入力する必要があるので、必ず初期化前にログイン情報を記録しておいてください。
準備4:おさいふケータイの移行
端末を売却・廃棄する際は、初期化をする前に必ずおサイフケータイの各電子マネーの初期化と残高移行作業をしてください。
電子マネーの残高が残ったままだと、新しい携帯に残高を引き継ぐことができないので注意が必要です。
電子マネーの移行手順は次の2ステップなので、簡単にできます。
- 登録した会員情報・チャージ残高などのデータをサービス事業者のサーバーに預けてから初期化
- その後にデータをサーバーから受け取る
詳しい移行の手順は、各種サービスの公式サイトから確認しましょう。
準備5:Googleアカウント消去
Googleアカウントを端末から削除してから、端末を初期化する必要があります。
なぜなら、端末を保護する機能が作動して別のGoogleアカウントでログインできなくなるからです。
以下の手順で、端末からGoogleアカウントの情報を消去しましょう。
- 端末の「設定」から「アカウント」をタップ
- ログイン中のGoogleアカウントを選択
- 「アカウントを削除」をタップして完了
この削除はGoogleアカウントそのものを削除するのではなく、端末から消すだけです。
初期化した後にGoogleアカウントにログインすれば、元通り利用できます。
準備6:SDカードを抜く
初期化すると、SDカード内のデータに悪影響を及ぼす可能性があります。
なので、初期化する前にSDカードは抜いておきましょう。
- 「設定」から「ストレージ」をタップ
- 「SDカード」の三角形マークをタップ
- 「取り外しました」等のメッセージが表示されれば完了
設定からSDカードが取り外しできない機種の場合は、電源をオフにしてからSDカードを取り外せば問題ありません。
端末の側面上部に小さな穴があるので、そこにSIMカード取り外し用のピンを押し込むとSDカードを取り出せます。SIMカード取り外し用のピンが無ければ、身近な鋭利なものでも代用が可能です。
Android初期化の手順
Androidを初期化する手順を紹介します。Androidの初期化は非常に簡単です。
データを完全に削除して初期化する方法を紹介するので、個人情報が漏れるのが怖い方は参考にしてみてください。
手順1:端末の設定から「リセット」を選択
まずは端末の「設定」を開いてください。設定を開いて、「設定を検索」という虫眼鏡がある検索窓に「リセット」と打ち込みましょう。
「リセットオプション」や「リセット」がヒットしたらタップします。
手順2:リセットオプションから「すべてのデータを消去」を選択
リセットオプションから「すべてのデータを消去」をタップします。もしない場合は「工場出荷状態に初期化」という項目があるはずなので、そちらをタップしましょう。
手順3:本人確認する
「すべてのデータを削除」という右下のボタンをタップすると、本人確認画面が出てきます。
本人確認をすれば初期化処理が始まります。本人確認の方法はさまざまですがPINコードが一般的です。他にはパスワードを入力するケースもあります。
これで初期化は完了です。あとは再起動するのを待ちましょう。
Android強制初期化の手順
「タッチパネルが反応しない」などが理由で、通常の初期化ができない場合は、Androidを強制的に初期化しましょう。
ただし、デバイスによっては紹介する手順で対応できない可能性もあるため、注意してください。大きく5つの手順にわけて、次で解説します。
手順1:電源をオフにする
まずはAndroid端末の電源をオフにする必要があるため、電源ボタンを長押ししてください。
ボタン長押しで電源オフしたあとは、音量ボタンと電源ボタンを同時に10~15秒間押し続けましょう。
※押す時間によっては、デバイスが再起動をする可能性があります。その場合は、再度電源オフから対応してください。
手順2:リカバリーモードの起動
音量ボタンと電源ボタンを同時に押し続けると、「Recovery Mode」と画面に表示されます。この画面が表示されたら、手順3に進んでください。
※音量ボタンで「メニュー切り替え」、電源ボタンで「決定」の操作が可能。
手順3:「wipe data / factory reset」を選択
先ほどの「Recovery Mode」画面で電源ボタンを押すと、「No command」と表示されます。この画面で、電源ボタンを長押ししつつ音量(大)ボタンを同時に押してください。
そうするとAndroidの再設定オプションが表示されるので、音量ボタンで切り替えながら「wipe data / factory reset」を選択します。
手順4:「Factory data reset」を選択
「wipe data / factory reset」を選択したら、再度音量ボタンで切り替えを行い、「Factory data reset」を選択します。
「Factory data reset」を選択すると、工場出荷時の状態へデバイスの初期化が行われるので、「Data wipe complete」と表示されるまで待ちましょう。
手順5:「Reboot system now」で再起動
「Data wipe complete」が表示されれば、Androidの初期化が無事完了となります。
その後、再起動が必要なら「Reboot system now」を選び、OSのインストールを完了させましょう。
Androidを初期化するときの注意点
Androidを初期化するときには、個人情報が残らないように完全にデータを削除する必要があります。
また、初期化する前の準備や確認作業など注意すべきポイントがたくさんあるので、抜け漏れがないように対応したいところ。
ここでは初期化に伴う注意点を紹介します。
譲渡や廃棄をする際は個人情報を消す
個人情報は必ず削除しておきましょう。初期化すれば、データがすべて削除されます。
それでも心配な方はメモ帳にメモしているパスワードやID、ブラウザに記憶しているクレジットカード状態やログイン情報を削除しておくと安心です。
バッテリー残量を確認
初期化はバックアップ工程を含めるとかなりバッテリーを使います。そのため、初期化をする前に充電しておきましょう。
70%程度あれば充分ですが、使っている年数によってバッテリーの消耗が変わるので、フル充電しておくと安心でしょう。
初期化後に復元する方法
事前準備をせず初期化してしまった場合でも、Googleアカウントにさえログインできればデータを復元できることがあります。
AndroidはGoogleアカウントに紐付いたバックアップ機能があるので、元に近い状態までスマホを復元可能です。
ここでは、データの復元方法について紹介していきます。
復元可能なデータとは?
以下のデータはバックアップ対象のものなので、元の状態まで復元できる可能性が高いです。
- 画像ファイルの一部
- 動画ファイルの一部
- 連絡先(電話帳)
- 通話履歴
- SMSのメッセージ送受信履歴
- インストールしていたアプリ(有料・無料問わず)
- アプリ内のデータ(一部のみ)
- Google Play Point/クレジット残高
- Google Play ストアの購入履歴
- ホーム画面の壁紙
- Wi-Fiネットワークのパスワード
- Google関連サービスのデータ(Gmail/Googleドライブ/Googleカレンダー/Googleフォト)
手順1:wifiに接続
Androidを立ち上げて「開始する」をタップしてください。
画像の案内通りに操作をして、Wi-Fiに接続します。データの復元は通信量が膨大になるので、Wi-Fiに繋いで行いましょう。
手順2:「以前のスマートフォンを利用できない場合」「クラウドからの復元」を選択
Wi-Fiなどのネットワークに接続すると、次に「アプリとデータのコピー」や「データの引継ぎ」が画面に表示されるので、「コピー」もしくは「次へ」を選択してください。
次の表示画面・対応方法は、Android端末によって異なります。それぞれ以下の方法を実行しましょう。
- 端末がPixel・Galaxyの場合
- 端末がXperia・AQUOSの場合
「前に使用していたデバイスをご用意ください」と表示されるため、「以前のスマートフォンを利用できない場合」を選択します。
「データの引継ぎ」と表示されるため、「クラウドからの復元」や「クラウドのバックアップ」を選択します。
手順3:Googleにログイン
次の画面でGoogleアカウントにログインします。必ず初期化前にログインしていたGoogleアカウントでログインしてください。
他のGoogleアカウントにログインしたり、スキップした場合はデータを復元できないので注意が必要です。
正しくログインできれば「ようこそ」と画像に表示されます。
手順4:復元したいデータを選ぶ
Googleアカウントに紐付いたバックアップデータが表示されます。該当するものを選択してください。
ここでデータが表示されない場合は、残念ながら復元することはできません。
上手く復元できそうなら、本人確認を求められます。必要事項を入力して「復元」をタップしてください。
手順5:自動バックアップを設定
次の画面で「Googleドライブへのバックアップ」を行えます。設定をオンにしておけば、自動的にバックアップが行われます。
スマホを無くしたり、故障したり、買い替えたりする場合にデータの復元を簡単にできるので、設定しておきましょう。
注意点をおさえてAndroidを初期化しよう!
Androidの初期化方法とデータの復元方法について詳しく紹介しました。
Androidの初期化は誰でも簡単に行えますが、事前準備や確認を怠るとデータを復元できない場合があるので慎重に行いましょう。
初期化した後も、データの復元は簡単にできます。本記事で紹介した注意点を押さえて、正しくAndroidを初期化し、データの復元を行いましょう。