アンティークコインの価値は?投資に向いている理由と購入・売却先

  • 2024年5月29日
アンティークコインの価値は?投資に向いている理由と購入・売却先

近年世界中の富裕層を中心に、アンティークコインの人気が高まっているのをご存知ですか?

見た目の美しさ、希少性からコレクションする人や、投資対象として買い集める人など理由はさまざまですが、それにともなってコインの価格も上昇してきています。

今回はそんなアンティークコインについて解説しました。

そもそもアンティークコインとは何なのかといった基本的なことから、アンティークコインは投資に向いているのか、どうやって購入・売却するのかといった実践的なことまで説明しています。

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アンティークコインとは

アンティークコインとは、100年以上前の古い外国のコイン、または古代以降の中世時代に生まれたコインのことを指します。

ただし中世の定義は国によって異なり定義しにくいため、100年以上前のコインをアンティークコインとすることが一般的です。

全世界で20万種類ほど存在するとされており、中でも200〜300種類のコインにはとくに高い価値がついています。

デザイン性や歴史的価値に惹かれて収集している人もいれば、投資対象として集めている人も多く、世界各国にアンティークコインのコレクターはいます。

アンティークコインの価値

アンティークコインの多くは国王の即位や何かの記念など、特別なタイミングで発行されたものです。

そのため同じコインが再び作られることはまずなく、流通量には限りがあります。

また時間の経過とともに紛失や災害による消失、通貨の劣化などが起こるため数は徐々に減っていきます。

流通量が減れば一枚あたりの希少性はあがり、同時に価値は上昇していくでしょう。

またアンティークコインは金や銀などの貴金属で作られていることも多いため、物質としての価値ももちます。

このような流通量の制限性、貴金属としての価値が、近年アンティークコインに注目が集まっている理由です。

アンティークコインは投資に向いている?

結論からいうとアンティークコインは投資に向いています。

理由は以下の3つです。

  • 発行枚数が限られているので希少性が高い
  • 富裕層の間では常識の投資対象
  • メンテナンス費用がかからない

とくに需要と供給の関係はアンティークコインに限らず、投資においてとても重要な考え方になります。

ここで理解しておきましょう。

発行枚数が限られているので希少性が高い

すでにお話したようにアンティークコインとは、100年以上前のコインのことです。
そのため、これから先新しいアンティークコインが生まれることはなく、流通量の上限は現在あるものですべてとなります。

投資において価値が上がる大きな要因の一つが、需要と供給のバランスです。需要に対して供給量が少ないとその資産の価値は上がる傾向にあります。

アンティークコインはすでに供給量が決まっており、コインの枚数自体増えることはありません。

そのため供給量が不足しやすく、価格の上昇が見込めます。

富裕層の間では常識の投資対象

実はアンティークコインは、欧米を中心とした富裕層の間では常識の投資対象となっています。

富裕層が保有しているコインは、発行当時から枚数が少なかったり、現存する枚数や流通量の少ない「名品コイン」と呼ばれるものが多く、希少価値が高いのが特徴です。

こうした希少価値の高いコインをもっているコレクターは、現時点での生活には困っておらず、現金や他の資産を必要としていない場合が多くあります。

そのためアンティークコインを売って他の資産に変える可能性も低くなり、市場に出回らないため、よりコインの価値が高くなります。

実際、デザインの優れたものや歴史的な価値をもつ希少なアンティークコインの中には、年平均で125%以上の価格上昇を起こしているものも少なくありません。

メンテナンス費用がかからない

不動産や車、絵画、ワインなど資産になるものはたくさんありますが、そのほとんどにメンテナンス費用がかかります。

たとえば不動産には固定資産税、車には自動車税が。絵画やワインは良好な状態を保つための設備費用や手間がかかります。

しかしアンティークコインは保有するにあたっての税金や、メンテナンス費用がかかりません。

プラスチックケースに密封して入れておくだけで、傷や劣化を防ぐことができます。

もの自体が小さいので、金庫などに入れるだけで手軽に保管できるのもアンティークコインの魅力でしょう。

アンティークコインはどこで購入できる?

アンティークコインを購入できる場所は、大きく以下の3つにわかれます。

  • 店舗
  • オークション
  • ネットショップ

どこで買う場合も、できればアンティークコインを専門に扱う業者から購入するのがオススメです。アンティークコインの価値を見極めるのは非常に難しく、贋作をつかまされてしまう可能性もあるからです。

それでは、購入場所ごとの特徴を解説します。

店舗

実店舗をかまえて販売しているお店は、何よりも実物を確かめられるのが一番の特徴です。

アンティークコインは種類によってサイズやデザインが異なりますし、資産として購入するのであれば状態もしっかりと確認しておきたいでしょう。

ネットショップなどでは写真や説明文でしかコインの状態を把握できず、実際に手にとって見ると想像していたものと違う、ということも少なくありません。

しかし実店舗なら間近でコインを眺めることができるので、納得して購入できます。

お店によってはショールームを設置し、美術館のような雰囲気の中コインを選べるところもありますよ。

オークション

オークション形式で購入できるところもあります。

会場を用意しオフラインで開催するお店、ネットを使ったオンラインオークションを開催するお店、個人でオークションサイトを利用しての取引など、種類はさまざまです。

とくにオンラインのオークションでは個人間の売買もしやすく、相場より安く購入できる可能性もあります。

反対に、コインの価値を自分で見極めなければならないため、思いがけず高値で購入してしまったり、最悪の場合贋作を購入してしまったりする可能性もあるのでご注意ください。

ネットショップ

最近は実店舗ではなく、通販サイトを中心に販売しているお店も増えています。

メリットは、家にいながら気軽に商品を購入できること、さまざまなお店を比較して購入できることです。

また特定のコインを探している場合などは、実店舗を回るよりもネットショップで探したほうが早いでしょう。

個人間のオークションとは違い、販売元は信頼できるアンティークコインの販売店であることが多いので、リスクも少ないといえます。

ただし実物をみての状態確認はできないので、傷やサビなどの劣化がないかは購入前に念入りに確認しておきましょう。

価値の高いアンティークコインを見分けるポイント

価値の高いアンティークコインを見分けるためには、以下の3点を押さえておきましょう。

  • 流通枚数
  • コインのサイズ
  • コインのグレード

他にもデザイン性など、二次的に価格に影響を及ぼす要素もありますが、まずは上記の3点を気にしておけば大丈夫です。

ひとつずつ解説していきます。

流通枚数

流通枚数は、アンティークコインの価値を見極めるうえで非常に大切な観点となります。

アンティークコインの価値は、金や銀などのコインの素材そのものにも左右されますが、それ以上に「どれだけ希少なのか」が大切です。

たとえば、何かの記念に作られた「発行枚数の少ないコイン」や、時代の経過とともに枚数が減り「現存する枚数が少ないコイン」などは値段が高くなる傾向にあります。

これらの希少なコインは、素材自体の何百倍もの価値がついているものも少なくありません。

コインごとの流通枚数は、世界を代表する鑑定機関「NGC」や「PCGS」の公式サイトにて確認することができます。

コインのサイズ

アンティークコインは種類によってサイズや重量が異なります。

オンスという単位が使われ、1オンスのものや1/2オンスのもの、1/4オンスのものなどさまざまです。

中には2オンスや5オンスといった、とても重く巨大なものもありますが、1オンスを超えるようなアンティークコインは非常に希少です。

またサイズが大きいコインのほうが見栄えがよく、人気が高まる傾向にあります。

ちなみにオンスは重量を示す単位なので、必ずしもコインのサイズが大きくなるとは限りません。

ですが、基本的にはオンスに比例してコインのサイズも大きくなるので、購入の際はぜひコインのサイズもチェックしておきましょう。

コインのグレード

コインの希少性、保存状態の良し悪しなどを正確に判断するのは、ベテランのコイン収集家でも簡単ではありません。

そのため、知識がなくてもコインの価値がわかりやすいよう、「グレーディング」という仕組みがもちいられています。

グレーディングとは、かんたんに言えばコインの格付けのことです。グレードが良いコインほど製造時の状態に近いことを示しています。

具体的には「残されたデザインからコインの種類が判別できる」や「細かなデザインがほとんど完璧に残っている」といった基準で判断され、「PO-1」や「VF-30」のように表記されます。

アンティークコインの売却先

アンティークコインの売買は、日本ではまだあまり馴染みがなく、売却先に迷うことも少なくないでしょう。

そこでここでは、主な売却方法をご紹介します。

アンティークコインの主な売却方法は以下の3つです。

  • アンティークコインオークションに出品
  • フリマアプリやネットオークションに出品
  • コイン業者に売却

それぞれの特徴やメリット、デメリットをまとめたのでご覧ください。

アンティークコインオークションに出品

ひとつ目の方法はアンティークコインオークションに出品することです。

アンティークコインを専門に取り扱う業者が開催することが多く、会場を借りてオフラインで開催されるものもあれば、ネットで開催されるものもあります。

オークションでの売却の特徴は、相場から外れた価格で落札される可能性があることです。

参加者からの人気が高いコインであれば相場よりも高く売却できることもありますし、反対に予想よりも安く落札されてしまうこともあります。

リスクもリターンも、どちらも大きい売却方法と言えるでしょう。

フリマアプリやネットオークションに出品

もうひとつの方法は、フリマアプリやネットオークションに出品し、個人間で売買することです。

一番のメリットは販売価格を自分で決められることです。

その反面、商品の写真を撮ったり、商品の情報をまとめたり、梱包や発送をしたりと、出品のための手続きはすべて自分でしなければいけない点がデメリット。

またコインの価値を見誤ると、高値をつけすぎてなかなか売れなかったり、逆に安く設定しすぎてしまうこともあります。

フリマアプリやネットオークションでの個人売買は、ある程度アンティークコインの知識があり、すでに売買した経験がある人にオススメの方法です。

コイン業者に売却

初心者にオススメの方法が、コイン業者に買取ってもらうことです。

専門の知識を持っていなくてもきちんと査定してもらえ、売却にかかる手続きや手間が比較的少ないからです。

ただし買取業者を選ぶ際には、アンティークコインを専門にしていて、実績と信頼のある業者を選ぶようにしましょう。

アンティークコインの査定は非常にむずかしく、ある程度の知識や経験がないと正しい価値を見極められません。業者によっては思いがけず安値で買取られてしまう可能性もあります。

無料査定をおこなっているところもたくさんあるので、複数の業者に査定してもらい、比較するのがオススメです。

アンティークコインを購入・売却する際の注意点

アンティークコインは高価なものが多く、その分大きく損をしてしまったり、詐欺被害にあってしまうことも少なくありません。

アンティークコインを購入・売却する際には以下の3点に注意しておきましょう。

  • しっかりと知識をつけてから購入する
  • 売却に時間がかかることもある
  • 売却する際は税金がかかる

しっかりと知識をつけてから購入する

まずは何よりも、アンティークコインに関する知識をしっかりと身につけましょう。

正しい知識をもっていないと贋作を購入してしまったり、相場とかけ離れた価格でコインを購入・売却してしまったりする可能性があるからです。

アンティークコインは一つひとつの価格が高いものが多く、そのため詐欺も少なくありません。

中には非常に手が込んでいて、知識を持っていてもだまされてしまうような手法もあります。

基本的な知識があれば見抜けるものもありますので、最低限の知識は身につけてから売買を行うようにしましょう。

売却に時間がかかることもある

アンティークコインは、株やその他の投資対象に比べて市場が整備されていないため、なかなか買い手が見つからず、売却に時間がかかってしまうこともあります。

そのため好きなタイミングで現金に変えられないことも多く、短期トレードのような短い期間に何度も購入・売却を繰り返すような投資手法には向きません。

ですので長期保有を前提に、すぐに現金化する必要のない余剰資金で購入することをオススメします。

また購入の時点で売却先も見つけておくと、いざ売却したいと思ったときにもスムーズに取引できるのでよいでしょう。

売却する際は税金がかかる

アンティークコインを売却した際に出た利益は譲渡所得になり、税金がかかります。

譲渡所得の計算方法は以下のとおりです。

収入金額 – ( 取得費 + 譲渡費用) – 特別控除額 = 課税譲渡所得金額
参考:No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき) | 国税庁

譲渡費用とは購入や売却にかかった手数料などを指します。

また、譲渡所得に対してかかる課税金額は、所有していた期間によって以下の2つにわかれます。

  • 短期譲渡所得・・・所有期間が5年未満。譲渡所得の全額が課税対象
  • 長期譲渡所得・・・所有期間が5年以上。譲渡所得の1/2が課税対象

具体的な計算方法は以下のとおりです。

  • 短期譲渡所得の場合
    収入金額 -(取得費+譲渡費用)- 特別控除額 =課税対象

  • 長期譲渡所得の場合
    収入金額 -(取得費+譲渡費用)- 特別控除額 ×1/2 =課税対象

参考:アンティークコインの譲渡をめぐる税務|橋本広明税理士事務所 WEB

売却金額すべてが手元に残るわけではないことを覚えておきましょう。

アンティークコイン投資は正しい知識を身に着けてから

今回はアンティークコインの基礎知識から、具体的な投資のはじめかたまでを解説しました。

少しずつ人気が高まっているとはいえ、アンティークコイン投資は日本ではまだまだなじみのない投資手法です。

その分、今のうちからはじめておけば、今後大きな利益を得られるかもしれません。

そのためにはまずは正しい知識を身につけることが大切です。

とくにアンティークコインは一つひとつの価格が高いので、間違った投資や詐欺にあってしまうと損失も大きくなってしまいます。

まずはコインの種類や人気のコインの特徴といった、基本的なことを勉強してみましょう。

木暮康雄

木暮康雄 (監修者)

ウリドキ株式会社代表取締役CEO。ウリドキプラスの発行人でもある。
リユース業界での起業・事業運営の経験が豊富でリユースの専門家としてのメディア出演歴も多数。
著書に「リユース革命」(幻冬舎)がある。

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