山口長男は昭和の時代に活躍した洋画家で、日本における抽象美術のパイオニアと呼ばれています。
特に黄土色や赤茶色の油彩による抽象画が高く評価されている作家です。
ここでは山口長男作品の高価買取店を5つ紹介するほか、高価買取の理由や査定ポイントなどをまとめています。
山口長男(やまぐちたけお)について
出典:pixabay
洋画家・山口長男は1902年現在の韓国ソウルの生まれで、日本における抽象絵画の先駆者の1人です。
1921年に上京し1922年に現在の東京芸術大学に入学しています。
1927年同校卒業後フランスへ渡り佐伯祐三に影響を受けるほか、彫刻家ザッキンのアトリエに通い立体的造形を学んでいます。
1931年に帰国後は二科展へ作品を出品し独自の抽象表現による作品を制作、1962年まで出品を続けました。
その間1953年日本アブストラクト・アート・クラブを結成し、アメリカ抽象美術展に出品するほか、1956年にはヴェネチア・ビエンナーレなどへも日本代表として出品しています。
1961年芸術選奨文部大臣賞を受賞しており、武蔵野美術大学教授や武蔵野美術学園学長を務め、1983年に80歳で亡くなりました。
山口長男の有名作品
photo by Valerie Everett
「池」 1936年山口長男作 東京国立近代美術館所蔵
「構成」 1955年山口長男作 東京国立近代美術館所蔵
「象」 1961年山口長男作 東京国立近代美術館所蔵
「脈」 1968年山口長男作 静岡県立美術館所蔵
山口長男作品 高価買取の理由
山口長男は水彩画やデッサンなども制作していますが、評価が高いのは油彩による抽象画です。
特に黄土色や赤茶色の作品が有名で、画面いっぱいを色で覆った中に丸や直線・格子状の形などが描かれています。
見た目はシンプルですが、ペインティングナイフの塗り後や絵の具の重なり及びデコボコなどのマチエールが豊かで充実しており高い評価となっているようです。
実際に1950年代半ば頃から様々な国際展に出品し、西欧とは違った独自の表現が評価を得ています。
これらの事から山口長男は日本の抽象美術の先駆者とされており、高価買取が行われています。
山口長男作品の査定ポイント
美術品は希少価値や需要・人気などで相場が変化しますが、作品の内容によっても評価は異なってきます。
図柄や制作年代
山口長男の作品で評価が高いのは油彩による抽象画で、中でも黒地に黄土色及び赤茶色で表現した一連の作品の評価が高いようです。
また若い頃の作品よりも前述の褐色の表現が充実する時期が評価が高く、水彩画やデッサンも制作していますがこれらの評価はあまり高くありません。
サイズや鑑定書
山口長男の作品は4号から8号くらいのものが流通しており、大きい画面の作品は評価が高くなります。
また山口長男は長らく所定鑑定機関がないままでしたが、2017年に鑑定機関が発足したそうです。
本記事でも紹介の「アート買取協会」によると、山口長男作品登録会(シンワアートオークション)が鑑定機関となっています。
山口長男作品の高価買取店5選!
山口長男作品の買取におすすめ① 本郷美術骨董館
本郷美術骨董館は絵画や骨董品・古美術などの買取専門店です。東大赤門前本店をはじめ全国に5店舗を展開しており、店頭・宅配買取や全国に対応した出張買取を行っています。
絵画は日本人作家及び海外作家を問わず幅広く買取を実施しており、山口長男の作品も昭和の代表的な洋画家として買取強化対象です。
ちなみに絵画の宅配買取査定は東京都文京区の本店で一括して行うため、こちらへの配送が必要となっています。
店舗:東大赤門前本店をはじめ世田谷・札幌・神戸・九州に支店を展開
山口長男作品の買取におすすめ② アート買取協会
アート買取協会は絵画や骨董品・アンティークなどの買取を行っています。
全国に7店舗を展開しており、店頭買取や送料無料の宅配買取、全国を対象とした出張買取が利用可能です。
日本画や油絵及び版画・現代アートなどの買取を実施しており、日本人・外国人作家ともに扱っています。
山口長男は現代アートの代表的な画家として積極的に買取を行っています。
絵画買取の際は、作家名・作品名や油彩・水彩などの絵画の技法及び絵のサイズを調べておくとスムーズな査定となります。
店舗:名古屋本社をはじめ、仙台から九州まで7店舗を展開
山口長男作品の買取におすすめ③ 秋華洞
秋華洞は絵画や掛軸・骨董品のほか武具やジュエリーなどの買取を行う専門店です。
お店は銀座にあり、写真などでの事前査定後に店頭・宅配買取や出張買取を利用する流れです。
日本画や洋画及び西洋絵画、掛軸・浮世絵など幅広いジャンルの査定を行っています。
山口長男の作品は、褐色の表現が完成しつつある時期のものが高い評価を期待できます。
銀座店及び地方で各ジャンルの専門家による美術品の買取鑑定会を定期的に実施するのが特徴です。
店舗:東京都中央区銀座6-4-8 曽根ビル7F
山口長男作品の買取におすすめ④ カドノ質店
カドノ質店は貴金属やブランド品及び家電製品などの買取・販売及び融資を行う質屋さんです。
お店は江戸川区にあり、店頭買取と送料無料の宅配買取が利用できます。
美術品の買取は国内・海外作家による絵画とガラス工芸品を扱っており、国内外のオークションの落札結果をもとに査定を実施しています。
山口長男の作品もオークションにて高値で取引されているため、高い査定額が期待できます。
店舗:東京都江戸川区北小岩2-21-12
山口長男作品の買取におすすめ⑤ おいだ美術
出典:おいだ美術
おいだ美術は絵画を中心に彫刻や陶芸品などの買取を行っています。
銀座に店舗があり、査定フォームなどからの問い合わせ後、店頭及び宅配買取が利用可能です。
また出張買取の相談も受け付けています。
絵画の買取に力をいれており、日本画・洋画及び版画を中心に幅広く買取を実施しています。
山口長男の作品も買取対象で「対」や「伴」など8作品の所有実績があり、そのうち7件が売約済み(2018年1月現在)となっています。
店舗:東京都中央区銀座1-13-7 木挽ビル1F
まとめ
山口長男の水彩画は数万円程度で取引がされているようですが、油彩画は数十万円や百万円を越すものがあります。
また過去にはTV番組「なんでも鑑定団」で、1982年山口長男作の赤茶色の油彩画が4,000,000円という鑑定結果が出ました。
このように山口長男の油彩画は高額買取が期待できますので、ネットオークションよりも実績のある買取店などで査定してもらうのがおすすめです。