バイクのエンジンがかからない!原因と対処法について解説

  • 2023年6月21日
バイクのエンジンがかからない!原因と対処法について解説

バイクを長期間放置していると、「エンジンがかからない」といったことが発生するケースがあります。エンジンがかからないのには必ず理由があるため、まずは原因をチェックして対処してみましょう。

エンジンがかからないとなると重大なトラブルのように感じますが、焦りから単純な操作ミスなどを起こしていることもあります。もし自分で対処できない場合は、近くのバイクショップへ持ち込み、点検してもらうようにしましょう。

本記事では、バイクのエンジンがかからないときによくある原因と、その対処法を徹底解説。「セルは回る」「セルが回らない」「キックしてもかからない」といったケース別に紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

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バイクのエンジンがかからないときの原因と対処法

バイクのエンジンがかからないとき、最初にすべきは「原因を調べる」ことです。原因がわかれば、どのように対処すればよいのかがわかります。

こちらでは、バイクのエンジンがかからないときの原因と対処法をケースごとに解説するので、当てはまるパターンがないかチェックしてみてください。

セルは回るがエンジンがかからない場合

セルが回るのにエンジンがかからない場合、理由がわからず焦ってしまうものです。

しかし、意外と初歩的なことが原因であるケースが多いため、「故障かもしれない」と慌てる前に、まずは落ち着いて基本的なことを確認しましょう。

よくある原因は以下の通りです。当てはまるパターンがないか、ひとつずつ確認してみてください。

  • キルスイッチがOFFになっている
  • 寒冷地でチョークを引いていない
  • バッテリーが上がっている
  • プラグが被っている

以下、詳しく解説します。該当するケースがあった場合には対処法をチェックしましょう。

キルスイッチがOFFになっている

エンジンがかからない場合には、まずキルスイッチを確認しましょう。多くの場合、キルスイッチはハンドル右側にあるセルモーターの近くに取り付けられています。

キルスイッチの役割は、配線に異常が起きたときやバイクが転倒したときに、バイクの電源を強制的に切ることです。

通常、キルスイッチがOFFになっていると、エンジンがかかりません。単純なことですが、キルスイッチが原因でエンジンがかからない事態を故障と勘違いするケースは意外と多いです。対処法はシンプルで、キルスイッチをONにすることでエンジンがかかります。

寒冷地でチョークを引いていない

キャブレターのバイクの場合、寒冷地でチョークを引いていないことが原因でエンジンがかからないケースがあります。チョークとは、一時的にガソリンをエンジンに多く送るためのスイッチです。

気温が低い場所では、相対的に燃料が薄くなってしまうので、チョークレバーを引いて燃料を濃くすることでエンジンをかかりやすくします。寒い場所でエンジンがかからない際には、しっかりチョークレバーを引いてエンジンをかけましょう。

なお、エンジンがかかって回転数が安定したら、チョークレバーを徐々に戻し、通常のアイドリングに達したらOFFにします。チョークレバーを引いたままにしないように気をつけましょう。

バッテリーが上がっている

エンジンをかけるためにセルモーターのスイッチを押したときに、モーターの回転音が弱々しかったり、「キュルキュル」という異音がしたりする場合には、バッテリーが上がっている可能性があります。

バッテリー上がりに対処する方法は2つ。ひとつめはバッテリーを充電することです。充電には、バッテリー充電器かジャンプスターターというケーブルを使います。

ふたつめは、バッテリーを交換すること。バッテリーを長期間(1年以上)使用している場合には、交換を検討しましょう。バッテリーが経年劣化している場合には、一時的に充電しても、またすぐにバッテリー上がりを起こす可能性が高いです。

新しいバッテリーに交換することで、損耗や寿命によるバッテリー上がりを根本的に解決できます。

プラグが被っている

プラグにガソリンオイルがかかり濡れることで、火花を飛ばせずエンジンがかからなくなる「プラグ被り」。キャブレター内の空気と燃料の調整がうまくいかないことなどにより、正常にガソリンを燃やせない場合に発生します。

プラグが被っているときの対処法は、プラグの先端をライターの火であぶってプラグを乾かすことです。プラグが乾いたら、再びプラグをセットしてセルモーターを回しましょう。

それでもまだ、火花が飛ばずエンジンがかからない場合には、プラグの交換が必要です。

完全にセルが回らない場合

セルモーターを搭載したバイクの場合、セルを回す動力によりエンジンを始動させます。よって、セルが回らないとエンジンはかかりません。セルが回らない場合には、以下の原因が考えられます。

  • パーツの故障
  • 電気系統の故障

大きく分けて、パーツのいずれかが故障しているケースと、ヒューズや電極などの電気系統に不具合があるケースがあります。ひとつずつ解説するので、完全にセルが回らない方はチェックしてみてください。

パーツの故障

セルが回らない理由として、パーツの故障が考えられるでしょう。バイクにはエンジンをかけるためのさまざまなパーツが組み込まれており、ひとつでも不具合を起こすとセルが回らない事態に陥ることがあります。

パーツの故障は具体的には、セルモーター自体の故障のほか、スターターロックアウトスイッチ・ニュートラルスイッチ・イグニッションスイッチ・スターターリレーなどの故障が一般的です。

故障の場合には、パーツを修理か交換する必要があります。自分では対処がむずかしいケースが多いため、バイクショップに修理を依頼しましょう。

電気系統の故障

セルが回らない原因は、電気系統の故障の可能性もあります。まずはヒューズをチェックしましょう。キーを入れたときに、どこの電気もつかない場合にはヒューズが切れている可能性があります。

ヒューズボックスを開けて、なかのヒューズが正常かどうかを確認してください。ヒューズ切れの場合には、予備のヒューズに交換しましょう。

キーを入れたときにはランプが点灯していたのに、セルボタンを押した瞬間にランプが消える場合には、「バッテリー端子の電極のネジの緩み」が原因の可能性が高いです。その場合には、ドライバーなどを用いてネジを締め込むことで解決します。

キックしてもエンジンがかからない場合

キックスタータータイプのバイクは、キックレバーやキックペダルを人力で蹴り込むことでエンジンが始動します。キックレバーやキックペダルを蹴り込んでもエンジンがかからない状態のときには、以下のような原因が考えられるでしょう。

  • 点火プラグの劣化
  • キャブレターにあるガソリンの劣化
  • バッテリーの充電不足
  • 金属部分のサビ

ひとつずつ解説するので、キックしてもエンジンがかからない方はチェックしてみてください。

点火プラグの劣化

バイクに長時間乗っていなかった場合などには、点火プラグの劣化の可能性があります。点火プラグは、火花を飛ばすことでエンジン内でガソリンと空気を混ぜたものに点火するための装置です。

点火プラグが劣化していると適切なタイミングで火花を飛ばせないため、ガソリンを燃焼させられずエンジンがかかりません。点火プラグが劣化していた場合には、交換が必要です。

点火プラグにはさまざまな種類があるため、しっかり種類や品番を確認して適した製品を選びましょう。

キャブレターにあるガソリンの劣化

キャブレター内のガソリンの劣化が、エンジンがかからない原因になっているケースもあります。

ガソリンは使わないで時間が経つと劣化して、腐ったような状態に。さらに放置すると、粘り気を帯びてキャブレターのホース内部で詰まりを起こします。こうなると、ガソリンがスムーズ流れずエンジンがかかりません。

対処法は、古いガソリンをタンクから抜き、新しいガソリンに換えることです。なお、ガソリン交換後に洗浄系の燃料添加剤を使用すると、エンジン系統の汚れを除去できます。

バッテリーの充電不足

セルの回る力が弱い場合や、カチカチ・キュルキュルといった異音がする場合には、バッテリーの充電不足が考えられます。バッテリー充電器かジャンプスターターを使って、充電しましょう。

バッテリー充電器を使用するときは、バッテリーをバイク本体から外す必要があります。バッテリーと充電器の端子をつないで、充電器の電源を入れると充電開始。ジャンプスターターは、バッテリーの端子にケーブルをつなぐだけでエンジンを起動できます。

ジャンプスターターは、バッテリーが原因のエンジントラブルを解決できる便利なアイテムのため、ツーリングや遠出の際に携帯しておくと安心です。

金属部分のサビ

エンジンがかからない場合、キックレバー・キックペダルなどの金属部分がサビついていないかも確認しましょう。サビにより、スムーズな動作ができないことで、エンジンがかかりにくくなっている可能性があります。

金属部分のサビつきが原因の場合には、潤滑スプレーを使いましょう。ただし、バイク用の潤滑スプレーは使用方法がやや特殊です。バイクについての知識に自信がない方は、バイクショップで依頼することをおすすめします。

そのほかに考えられる原因

バイク

ここまでに紹介したどのパターンにも該当しない場合、下記のケースが考えられます。

  • ガソリン不足
  • 吸気・排気系統の異常
  • ヘッドガスケットの抜け

「まさか」と思われがちですが、意外と多いケースが「ガソリン不足」。不具合の原因をアレコレ調べても見つからず、結局ガス欠が理由だったということは、意外とよくあることです。

吸気・排気系の不具合・ヘッドガスケットの抜けは見落としがちな場所のため、しっかりチェックしましょう。以下、ひとつずつ解説します。

ガソリン不足

バイクを動かすために不可欠な燃料であるガソリン。当たり前ですが、ガソリンが不足していればエンジンはかかりません。「バイクが動かない」と慌てたものの、実は単なるガス欠だったというケースは多いです。

ガソリンの残量が十分にあることを、落ち着いて確認しましょう。

ガソリンが入っていることが確認できたら、燃料コックがONになっているかも要チェックです。コックがOFFになっていると、ガソリンが入っていても供給されないため注意してください。

吸気・排気系統の異常

吸気・排気系統の異常により、空気を吸うことや吐き出すことができずにエンジンがかからないケースもあります。まずは、エアクリーナーボックスを開けて、中のフィルターを確認しましょう。フィルターが詰まっていれば掃除してください。

フィルターが劣化している場合には、交換が必要です。インシュレーターというゴム部分をチェックし、亀裂や穴がないかを確認して、問題があれば交換しましょう。

排気の異常がないかどうかは、マフラーをチェックします。現在の4ストロークのエンジンでマフラーが詰まるケースは稀ですが、念のため検証しましょう。手をマフラーの排気口にかざしてセルを回し、手に風が当たれば問題なく排気されています。

ヘッドガスケットの抜け

エンジンのシリンダーヘッドと、シリンダーブロックとのあいだに挟み込まれるヘッドガスケットが破損する「ヘッドガスケットの抜け」。ヘッドガスケット抜けが発生することで、シリンダー内の気密性が保てず、ガスや冷却水がエンジン内に流れ込みます。

ヘッドガスケット抜けは、エンジンに重大な損傷を与えることがあるため、早めの対処が不可欠です。破損箇所によって修理のむずかしさは異なりますが、素人にはむずかしい作業のためバイクショップや整備士に依頼しましょう。

警告灯やイモビライザーも確認

念のため、警告灯に異常がないかも確認しておきましょう。燃料残量警告灯は、ガソリンがある一定の量より少なくなると点灯します。給油することで消灯するため、ガス欠になる前に、早めに給油しましょう。

エンジン警告灯は、インジェクション車のFIシステムや電気回路の異常を検出すると点灯します。点滅の間隔と回数によりエラーコードを知らせるため、確認のうえ該当箇所を修理しましょう。

油圧警告灯は、エンジンオイル量の低下を知らせます。点灯した際にはエンジンを停止し、オイル量を確認しましょう。ほかにも機種によって警告灯の種類や配置はさまざまです。それぞれのランプの意味を把握して、点灯した際には速やかにチェックしてください。

盗難防止用のイモビライザーがついている場合には、解除しているかを確認しましょう。イモビライザー解除の方法は機種によって異なります。

機種ごとの具体的な解除方法は、防犯上の観点から公式サイトなどでは公表されていません。取扱説明書や仕様書を確認するか、メーカーのカスタマーセンターなどに直接問い合わせることがおすすめです。

長期間乗っていない・放置していると不具合を起こしやすい

長い期間バイクに乗らずに放置していると、エンジンがかからないなどの不具合を起こしやすいです。主な原因としては、自然放電によるバッテリー上がりや、ガソリンの劣化によるキャブレターの詰まりなどが挙げられます。

このような事態を防ぐためには、ときどきバイクに乗って充電したり、こまめにエンジンをかけたりすることが有効です。また、しばらく乗らないときにはバッテリーを外して保管しておきましょう。

定期的に点検・掃除・注油などを行いメンテナンスすることで、故障やエンジンがかからないなどのトラブルを事前に防止できます。

自分で対処できないときはバイクショップヘ

バイクのエンジンがかからない事態に陥ると、誰しも大なり小なり慌ててしまうものです。まずは落ち着いて、原因を冷静に考えましょう。

どこかに問題があるケースもありますが、「ガソリン不足」「キルスイッチがOFFになっている」などのケアレスミスが理由であることも少なくありません。ぜひこちらの記事を参考にして、原因と対処法をチェックしてみてください。

それでも、原因がわからない場合には、バイクショップへ行きましょう。不具合をそのまま放置すると状態がさらに悪くなることがあるため、早めにプロに相談して解決してくださいね。

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