近年のミラーレス一眼のヒットは、これまでカメラに興味のなかった女性や若者層を取り込みました。しかしその一方で、昔ながらのアンティークカメラを愛好する人も大勢います。一時期のカメラブームに乗り、レトロで本格的なアンティークカメラは買取市場でも高い需要を誇っています。
しかし、どこで売ればいいか分からない、いくら位で売れるのか情報がない、という声もよく耳にします。今回は、そんなアンティークカメラを売りたい人向けに、アンティークカメラの買取価格やおすすめの買取店をご紹介します。
売れるアンティークカメラとは?
今回はカメラの中でも銀塩カメラ、それもアンティークに分類されるものを取り上げていきます。
「月に行ったカメラ」ハッセルブラッドや「キャパの愛器」ローライ、「コンパクトカメラの元祖」ライカなど、アンティークカメラと呼ばれるもののなかにはロマンあふれるストーリーがありますよね。
中には、カメラには詳しくないけれど、かつて身内が使っていたと思われる古めかしいカメラを見つけたという方もいるでしょう。しかし、銀塩カメラならば全て買取してくれると思ったら大間違い。ボディがプラスチックで出来ているものは、残念ながらまず値段がつきません。ではどういったものが買取してもらえるのでしょうか?
アンティークカメラの代表的ブランド
ここでは、アンティークカメラの代表的ブランドをピックアップし、買取価格をまとめました。ただし全て名門ばかりで長い歴史がありますから、生み出されて来たモデルもバリエーションもとんでもない数があります。またアンティークカメラは、状態が買取価格に大きく影響します。ここで紹介する買取価格は、あくまで目安であることを覚えておいてくださいね。
ハッセルブラッド
出典:カメラファン
ちょっと前までプロを名乗るカメラマンならば、必ず1台は購入していたハッセル。6×6cmサイズの写真が撮影出来て携帯できる、そしてカールツァイスのレンズが使えるといった点が画期的でした。
- 500Cシリーズ 500C/M 〜10万円 503SW 〜20万円
- SWCシリーズ SWC 〜15万円 903SW 〜20万円
- 2000シリーズ
ローライ
出典:カメラファン
ローラいもアンティークカメラのブランドとして人気があります。アニメ「たまゆら」では、キャラクターの一人である沢渡楓がローライ35Sを構えていることからこのブランドを知った人もいるかもしれません。
- ローライ35 〜2万円
- ローライ35S 〜2万円
- ローライ35T 〜2万円
- ローライ35クラシック 〜5万円
舶来高級「コンパクト」カメラですから、状態が良い物も数少ないでしょうし、買取価格もそれほど高いものでもありません。これは、ローライに限らず他のブランドでも言えることです。一方でプロ仕様の「フレックス」シリーズになると、同年代製造のハッセル並みには期待できます。
ライカ
出典:カメラファン
赤丸に白の筆記体ロゴで現在も知られる「ライカ」、カッコいいですよね。20世紀初頭に創業したライカは1台で家が建つといわれたほど、高価なものでした。その後、様々な光学機器を手がけており現在の名声へとつながっています。ライカといえばコンパクトカメラの元ともなった、レンジファインダーを持つ一連のシリーズがやはり有名でしょう。
・ライカMP 〜10万円
・ライカM4 〜5万円
・ライカM6 〜5万円
おすすめ買取店紹介
アローカメラ
出典:アローカメラ
親子二代、60年近くカメラを取り扱ってきた老舗というだけでなく、カメラ専門の買い取りを行ってきたという「アローカメラ」。大小様々なカメラショップが並ぶ新宿で、長年商いを続けてきたというだけでも信頼の証と言えるでしょう。
ヨドバシカメラ「修理・フィルム館」
出典:ヨドバシカメラ
大手には任せておけない、そんなふうに思いがちのフィルムカメラですが、新宿にあるこちら「修理・フィルム館」は、フィルムカメラなら任せておけという、目利きが揃ったショップです。大手ならではの信頼感、安心感、こんなものが必要ならばヨドバシカメラまで。
価値あるカメラの価値を落とさない
出典:ウィキペディア
古いカメラなら何でもいいというわけではない
よくわからないカメラが出てきたら、全部が全部それなりの価値を持つと思ったら大間違い。購入時に高価だったものには価値があり、普及品はそれなりに……これは、アンティークカメラにも通じるリサイクルの基本です。
一番簡単な例を挙げておくと、ボディがプラスチックなら、買取価格はほぼつかないと考えて良いでしょう。次は、ボディにあるブランドロゴを探すこと。ハッセルなど上に挙げたもの以外ならリンホフ、ミノックス、国産でもニコンFやSならば期待が持てます。レンズに「カールツァイス」の名前が付いていれば、かなりのボディと期待できます。
下手なことはしない
よくわからないアンティークカメラが出てきたならば、とりあえずシャッターを切りたくなってしまうものですが、下手に動かすとロクな結果が待っていません。アンティークカメラを得意にしているショップはオーバーホールの技術を持っているケースがほとんど。力任せにレリーズバーを引く、シャッターボタンを押し込む、実によくありません。よくわからないカメラが出てきて、ボディにライカやハッセルなどのロゴが見つかったならば、そのまま専門店を頼ることです。
アンティークカメラの査定基準
基本、「市場でどのような価格で取引されているか」が査定基準となっています。ただし、出回っている数が少ないものならば相場はあってないようなもの。ちょうどマニアが欲しがっているカメラという可能性もあり、その場合はもちろん買取価格は上がります。アンティークに強いショップ数店舗で比較する必要があるでしょう。
また、キズ、ヘコミ、動作不良、レンズの曇りやカビなどなど、オーバーホールされていないアンティークカメラは何かしらの問題を必ず抱えており、それらは当然のように減額の対象になりますが、それはしょうがないこと。やってはいけないことは、自分で何とかしようとすること。レンズのホコリを不用意に適当な布でぬぐっただけで致命傷となりかねません。
そして、付属の取説や箱が出てきたら必ず添えて査定に出すこと。この場合も表紙の汚れを無理にぬぐうなどということはやめておきましょう。
売り先を考えるべし!!
間違っても手近なリサイクルショップへ持ち込んではいけません。価値があるものですら、価値がないと勘違いされて、捨て値で買われてしまいます。必ずショップは選ぶこと、最低でもアンティークカメラという看板を掲げているショップを選びましょう。
また、すでに述べたことではあるのですが、無理に操作してはいけませんし、汚れを落とそうと無闇にこすったりするのは厳禁です。貴重なパーツが劣化しているのと、折れてしまっているのでは減額の幅も異なってきます。高そうなアンティークカメラが出てきたら、あまりいじらずに買取り店に相談するのが一番なのです。
まとめ
出典:WATCHED! Symposium
いかがでしたか?もし見覚えのない古そうなカメラを家の倉庫で見つけたのなら、あまり触らずに買取店に相談するのが得策です。アンティークカメラの世界は奥が深く、在庫が少ないものはプロでも買取価格が読み切れません。しかし、せっかく価値のあるものを、一般的なリサイクル店に持ち込んでごみ同然に扱われるのは残念ですよね。今回ご紹介したような点に気を付けて、ぜひ専門の買取店にもっていってみて下さい。意外なお宝価格がつくこともあるかもしれませんよ!