冷蔵庫から出したビールやジュースを飲んで、「あれ?そんなに冷たくない?」と冷蔵庫が冷えないことに気付いた経験はないでしょうか。
冷蔵庫が冷えなくなる原因は複数考えられるので、原因を突き止めてしっかりと対策しましょう。
また経年劣化に対しては、対策をしてもそれほど良くはならないというケースも考えられます。その場合は、いろいろなコストを照らし合わせて買い替えも検討しましょう。
この記事に書かれた原因と対策、故障の見分け方、買い替えのタイミングなどを参考にしてみてください。
冷蔵庫が冷えない原因と対策
まずは冷蔵庫が冷えていない場合に考えられる原因と、それぞれの対策について確認しましょう。
単純に故障と決めつけず、原因を突き止め、適切な対応を行うことが重要です。
冷蔵庫の電源が入っていない
意外と見落としがちなのが、何かの拍子に冷蔵庫の電源が落ちてしまった場合です。当然ながら電源が入っていないと、冷蔵庫は冷えません。
「まさか、そんなわけない」と思うかもしれませんが、お子さんやペットが足を引っかけて電源が切れてしまうことは稀に発生します。
あるいは電気のブレーカーが落ちてしまった、コンセント自体が故障した、ということも。
その場合、ブレーカーを上げ、コンセントに別の機器を挿し通電を確認するなどして正常かどうか確認しましょう。
設定温度を間違っている
冷蔵庫の設定温度も確認してみましょう。冷蔵庫は冷却する温度が設定でき、夏場などに「弱」に設定されていると、庫内が十分に冷えないことがあります。
その場合は一度、設定温度を「中」や「強」、「チルド」などに変更し、庫内が冷えるかどうか再度確認しましょう。「節電モード」などの機能がある冷蔵庫は、そのような機能を一度オフにし、温度の変化を点検すると良いでしょう。
冷気の循環不良
冷蔵庫の冷気が循環不良を起こしていることもあります。循環不良は、冷蔵庫内に食品などが詰め込まれ、冷気が正常に送風されなくなってしまった状態。
冷蔵庫内の収納量は、全体の7割ぐらいにとどめることが大切です。送風口がふさがれるほど物を詰め込むと、冷気がうまく循環せず、冷え方が鈍くなります。
庫内がいっぱいの場合は一度出せるものを出して隙間を開け、冷え方の変化を確認すると良いでしょう。
庫内の温度上昇
冷蔵庫内の温度が高くなってしまうと、冷えが十分でなくなる恐れがあります。
扉から温かい外気が入ってしまった、温かい食べ物を冷める前に冷蔵庫に入れてしまった、といった場合は、庫内の温度上昇が発生していないかチェックすべきです。
温度上昇を招く食品を一度取り出し、冷たさが戻るかどうか確認すると良いでしょう。
ドアが正しく閉まっていない
冷蔵庫のドアが正しく締まっていないと、庫内の温度が上昇し、十分な冷えが得られない状況を招きます。
ドアを改めてしっかりと締め直し、冷却機能が正常に戻るかチェックしましょう。万一、冷えが戻らない場合、ドアの故障や、ゴムのすり減りなどが想定されます。
その際は、修理や買い替えを検討しなければいけません。
外部の放熱不良
冷蔵庫内の問題ではなく、外部の放熱不良が原因の可能性もあります。
冷蔵庫には放熱板が取り付けられていて、放熱が正常に行われないと冷却効果が下がる場合があります。放熱板は従来の冷蔵庫は背面、最近は側面や上部に設置されることが多いです。
取扱説明書を見れば、放熱板の位置をふまえた、適切な壁との距離などが確認できるはず。現状の例倉庫の設置状況が、正常に放熱が行えているかどうか確認してみましょう。
取扱説明書も要チェック
冷蔵庫が正常に冷えなくなってしまった場合は、取扱説明書も確認すると良いでしょう。その冷蔵庫特有の注意点や、正常に稼働するための条件などが設定されていることもあります。
あれこれ改善策を試すより、一度落ち着いて取扱説明書を確認した方が、解決が早いことも。
冷蔵庫によってはパネルにエラーコードなどが表示されることもあり、それを確認することですぐに解決することすらありえます。
冷蔵庫が冷えないと故障の可能性も
さまざまな改善策を試みても、冷蔵庫が正常に冷えない場合、冷蔵庫の故障も考えた方が良いでしょう。
ただし一概に故障と言っても、いくつかの要因が想定されます。ここでは冷蔵庫が冷えない場合に考えられる故障箇所について、確認していきましょう。
コンプレッサーの故障
冷蔵庫が正常に機能しない場合、コンプレッサーの故障が疑われます。コンプレッサーは「冷媒」を液体や気体に変化させる装置で、いわば冷蔵庫の心臓部とも言える重要な機能です。
このコンプレッサーが故障した場合は、修理を依頼した方が賢明でしょう。
コンプレッサーは冷凍庫側に内蔵されていることが多いため、冷凍庫が正常に冷えているか確認しましょう。もし冷凍庫も冷えていない場合は、コンプレッサーの異常を想定し、購入店などに相談するのが適切な対応方法です。
臭いがする時は要注意
もし冷蔵庫が冷えないだけでなく、普段感じることのない臭いを感じたら要注意です。
冷蔵庫の冷媒ガスの「微エーテル臭」に異常を感じる場合や、オイル、ガスの臭いなどがした場合はすぐに電源を抜いて換気を行いましょう。
その場合、ノンフロンガスが漏れていると発火する恐れがあるので、通電を伴う換気扇は付けず、窓を開けてください。
修理と買い替え、どちらがおすすめ?
冷蔵庫が冷えなくなってしまい、思いつく対応を試みても状況が改善されない場合、修理や買い替えを検討することになるでしょう。とはいえ、修理と買い替え、どちらを選択するか迷ってしまうことも多いですよね。
冷蔵庫の修理や買い替えを検討する際は、その冷蔵庫の使用年数や、修理にかかる費用、新しい冷蔵庫を買う際の価格などを考慮して、対応を決めることをおすすめします。
最新の冷蔵庫の方が電気効率がいい
冷蔵庫の調子が悪いとき、つい修理をして長く使った方が経済的だと考えてしまいがちです。しかし、実際は最新の冷蔵庫に買い替えた方がお得なことも多くあります。
最新の冷蔵庫は電気効率が非常に良いのが特徴。インバーターと呼ばれる制御機能は庫内の冷却状況に応じて冷却力を調整し、電気代を抑えることができます。また、LED照明や、省エネモードが使用できることも。
古くて冷えにくい冷蔵庫を使用しているよりも、いっそのこと買い替えを行ってしまった方が、電気代は安く抑えられることがあるのです。
冷蔵庫の寿命が来たら買い替え時
電気効率やお得な機能を考慮した場合、長く使っている冷蔵庫が寿命となった際は、新しい冷蔵庫の買い替え時と考える方が良いかもしれません。
長く使っている冷蔵庫は機能が低下し、電気代が割高になる可能性があります。また、最新の冷蔵庫の省エネ機能を利用した方が、トータルコストが安くなることも。
いつも利用する冷蔵庫だからこそ、電気代などをかんがみて、買い替えを実施した方がお得な可能性があることは、理解しておきましょう。
冷蔵庫の処分方法に注意が必要
これまで使っていた冷蔵庫を新しいものに買い替え、古い冷蔵庫を処分しようと考えることもあるでしょう。ただし、冷蔵庫の処分方法は一つではなく、自分の都合に合った方法を選択することが大切です。
ここでは、冷蔵庫のさまざまな処分方法について確認していきましょう。
家電店で処分する
新しい冷蔵庫を購入する場合は、各家電店の引き取りサービスを利用するのが、もっとも効率の良い方法です。
運搬・収集に関する費用やリサイクル料金は必要ですが、自分で大きな冷蔵庫を処分する必要がないので、非常に便利。
店舗によっては、新しく購入する冷蔵庫が値引きされるキャンペーンなどもあるので、ぜひ検討しておくべき処分方法と言えます。
不用品回収業者に処分を依頼
不要になった冷蔵庫を不用品回収業者に引き取ってもらうことも、有効な処分方法と言えます。
不用品回収業者を利用すれば、リサイクル料金やごみ処分場への持ち込みが不要で、手軽に冷蔵庫を手放すことができます。
特に引っ越しなどで不要なものが大量にある場合は、まとめて回収してもらうことも可能なのでおすすめの方法です。
ただし不用品回収は信頼のおける業者へ依頼することが大切。中には、後で高額な料金を請求してくるなどのトラブルに巻き込まれる可能性もあるので注意が必要です。
自治体で処分する
冷蔵庫を処分する場合、自治体の回収を利用する方法も有効です。
お住まいの自治体や市区町村に問い合わせれば、冷蔵庫を引き取ってくれたり、回収を行っている店舗や事業所を教えてくれたりすることがあります。
リサイクル料金や運搬・収集費用が必要になるケースが多いですが、都合の良い処分方法が思い当たらない場合は、検討したい方法ですね。
ただし、地域によっては処分を受け付けていないこともあります。
再利用できるものはリユースしよう
処分したい冷蔵庫がまだ使用できる場合は、リユースに出す手段もあります。
家電を積極的に買取している買取業者へ依頼すれば、処分費用がかさむどころか、買取金額を受け取れることも。
ただし買取対象となる冷蔵庫には条件があるので、事前に年式やメーカーなどを確認のうえ、買取可能かどうか確認しておくと良いでしょう。
冷蔵庫が冷えない時は原因を突き止め買い替えも検討しよう
この記事では冷蔵庫が正常に冷えない場合の原因や対策について解説してきました。冷蔵庫が冷えない場合、原因はいくつか想定され、それぞれの問題に即した対応が必要です。
ただし、古い冷蔵庫が寿命となった場合は、無理に修理せず、新しく買い替えた方が結果的にお得になることも。
お得に、かつ快適に冷蔵庫を使用できるよう、適切な対応を心がけてください。