どの家庭にも1台はある電子レンジ。今では、オーブンレンジが主流になり、フライ物もサックリ仕上がるスチームレンジなどの登場で、ますます便利になりました。無ければ無いで何とかなるものではありますが、この便利さを一度知ってしまうと、手放せませんよね。
電子レンジの故障はあまり聞きませんが、例えばどんな症状になったら故障なのか? また、家庭用レンジの寿命はどのくらいなのか? 壊れた時はどうするの?
頭の片隅に入れておくとイザという時に役立つ「故障した電子レンジの対処法」について解説します。
電子レンジの故障と寿命について
電子レンジの仕組み
電子レンジは、「マグネトロン」という特殊な真空管が取り付けられていて、ここから電磁波(マイクロ波)を放出して食品の分子を振動させます。振動した分子同士の摩擦熱によって食品が温まるという仕組みです。そのため、電子レンジで温めた食品は、内側から加熱されます。
電子レンジの寿命
この「マグネトロン」は、電子レンジの心臓と言えるパーツでなので、マグネトロンの寿命=電子レンジの寿命といえます。その肝心のマグネトロンの寿命は、約2000時間。一般家庭で、食品を数秒~数分間温めるという使い方であれば、だいたい10年前後と言われています。
ただし、10年以上使用していてもマグネトロン自体には不具合は起きず、タイマーや湯気を感知する機能などにトラブルが起きるというケースも多いようです。
こんな症状に注意
冷凍のお肉を「解凍コース」で解凍しようとしたら、表面は煮えるほど熱いのに、内側は冷凍のまま。茶碗一杯分の冷えたご飯を温めるのに、いつまで経っても加熱し続ける。自動あたためモードを使っても、食品が温かくならない。
こんな症状があれば、故障の可能性はかなり濃厚です。そのような場合、マグネトロンと同時にインバーターの基盤を交換する修理が必要で、部品交換や作業工賃などで10,000~15,000円程度の修理費がかかってしまいます。
最近では、機種によっては10,000円未満でも購入できますから、修理に出す前に、一度修理見積もりを取ることをおすすめします。修理する電子レンジが古ければ、メーカーにも部品がない場合もあり、予想以上に修理費が高額になることがあります。
メーカー保証
電子レンジやオーブンレンジが故障した場合、メーカーに部品があれば修理は可能です。しかし、メーカーが部品を保有している期間は、製造終了後8年間。つまり、10年前後使用した電子レンジの場合、メーカーにも在庫が残っていないケースが多く、その場合は、買い換えるしか方法はありません。
使い方を間違っていませんか?
アルミホイル・金属製の器
故障だと思って修理に出したら、本体には問題がなく、使い方の間違いだったというケースがあります。
基本的に電子レンジには、金属製のものを入れるのは厳禁とされています。例えば、食品をアルミホイルで包んで温めようとすると、電波が弾かれて中の物は温かくなりません。また、火花が散るなどの症状が起きることがあり、非常に危険です。
ターンテーブルの位置
最近の電子レンジやオーブンレンジは、ターンテーブルが無いタイプが増えていますが、少し前までのモデルだったら、庫内にターンテーブルがあるのが普通でした。このタイプの電子レンジで「食品が温まらない」という場合、置く場所が間違っているということもあります。
電子レンジは、一般的にスイッチやメニューを選ぶダイヤルは、右側に設置してあります。それと同じ方向に、マグネトロンが付いています。
その位置からマイクロ波を放出して食品を温める仕組みなので、できるだけ中央に置くほど、温めムラを防ぐことができます。冷凍食品などで、ターンテーブルの端に置くように指示されているものもありますが、一般的には、どちらか片方にズレていれば、マイクロ波に当たる距離が遠くなったり近くなったりします。それだけ、温めムラが出来やすく、均一に温まらない原因になります。
電子レンジを処分する方法
リサイクルショップに売る
まだまだ使用できる電子レンジなら、リサイクルショップに買取してもらえれば、いくらかでもお金に変える事ができます。ただし、販売から5年以上経過している古いモデルは、査定額はほとんど付かず、買取を断られるケースも多いでしょう。また、故障した電子レンジの場合は、まず買取してもらえるリサイクルショップなないと覚悟した上でチャレンジしてみると、廃品買取などのルートを持つお店が見つかるケースがあります。
家電量販店で引き取ってもらう
新しい電子レンジを購入した場合、家電量販店で引き取ってもらうという方法があります。新しいレンジを購入したら、無料で引取ってもらえるサービスを実施しているお店もあるので、買い替えの場合には相談しましょう。
電子レンジは、家電リサイクル法の対象品目ではないので、家電量販店に引き取り処分の義務はありません。そのため、リサイクル処分費用を請求されることもありませんが、無料引取を拒否されたり、引取料として300~500円程度の手数料を請求される可能性があります。
不燃物ゴミで廃棄する
最近では、ゴミの分別が厳しくなり「家電リサイクル法」が気になって処分方法がわからないという人も多いです。
しかし、電子レンジはリサイクル法の対象品目ではないので、一般の不燃物ゴミ、もしくは粗大ゴミとして処分することができます。
電子レンジは、自治体のルールによって「一般不燃物」「小型複雑ゴミ」「粗大ゴミ」など、どの扱いになるかが異なり、ルールに従わなければ回収してもらえませんので、注意が必要です。分類がわからない時には、役所などに相談しましょう。
まとめ
今、家電量販店の「電子レンジ売り場」を覗くと、主流となるのはオーブンレンジやスチームレンジで、食品を温めるだけの電子レンジなら5,000円くらいでも購入できます。そのため、リサイクルショップでの買取も、温めだけの電子レンジでは、査定額にはあまり期待はもてません。さらに故障した電子レンジとなれば、買取店に持ち込む労力がムダになるかもしれません、
故障した電子レンジは廃棄、まだまだ使える電子レンジなら、オークションで売る方が売却金額に期待はできるでしょう。とはいえ、新品が5,000~10,000円程度で購入できる時代ですから、過度な期待はしないようにしましょうね!