着物のカビ取り方法|クリーニング業者の選び方・色ごとの特徴も

  • 2024年10月25日
この記事で解決できるお悩み
  • 着物のカビ取り方法を知りたい
  • 着物のカビの原因や対策を知りたい
  • 着物のカビ取りのNG行為を知りたい

本記事では、着物のカビ取りのやり方や、カビ対策を紹介します。

「しっかり保管していたつもりなのに着物にカビが生えていた」「着ようとしたらカビていることに気づいた」と、着物のカビに困っている人は多いのではないでしょうか。着物は繊細なので、傷まないように適切な方法で対処することが重要です。

カビの原因やカビ取りのNG行為も紹介するので、着物を持っている人は、ぜひ最後までチェックしてください。

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着物にカビが生える原因

着物女性の画像

ここからは、着物にカビが生えてしまう原因を紹介します。

大切な着物にカビが生えて、ショックを受けている人もいることでしょう。着物がカビてしまう原因を知ることが、適切なカビ対策や予防につながるので、ぜひチェックしてください。

高温と多湿

着物にカビが発生しやすい環境の条件は、以下の通りです。

  • 湿度60%以上
  • 気温5~35度

夏場は特に気温と湿度が上がり、カビのリスクが高いので気をつけましょう。

また、着物そのものが湿気を吸収しやすい性質を持っています。日頃からしっかりと湿度や温度を管理し、着物がカビないように工夫することが重要です。

タンパク質

タンパク質は、カビの好物です。

人間の髪の毛や皮膚、食べ物などもタンパク質でできており、生地に付着することでカビの原因になります。また、着物に使用される絹にもタンパク質が多く含まれており、そもそもカビが発生しやすいです。

気をつけないとすぐにカビが生えてしまうので、着用後はブラシなどを使って汚れを落としましょう。

着物に生えるカビの種類

着物に生えるカビにはいくつかの種類があり、自宅やクリーニングで落とせるかどうかが異なります。カビの種類を見極めることが、効果的な対処につながるので、ぜひチェックしてください。

白カビ

カビが発生して間もない段階では、着物の表面に白カビが生えます。白カビが生えた着物は、表面に斑点状に白い部分が確認できるでしょう。

白カビは進行度合いが浅いので、自宅で落とせる可能性があります。

着物を包んでいるたとう紙の色が黄色っぽく変わることも、白カビが生えているサインです。たとう紙が変色した場合はすぐに交換してください。

黄カビ

白カビを数年放置すると、黄カビに変化します。黄カビは白カビより生地の奥まで根を張っているので、自宅でのカビ取りは困難で、クリーニングに出さなければなりません。

クリーニングを依頼する際は、しつこいカビにしっかりとアプローチする洗い張りに対応している業者を選ぶことがおすすめです。

黒カビ

白カビが生えてから10年以上経つと、茶色や黒色の黒カビが発生します。黒カビまで進行すると、クリーニング業者に依頼してもカビ取りは不可能に近いです。

黒カビが生えた生地はかなり傷んでいるため、仕立て直しも困難でしょう。

大切な着物を長く使いつづけるためには、白カビや黄カビの段階で対処することを推奨します。

自宅でできる着物のカビ取り方法

白カビの段階であれば、自宅で落とせるかもしれません。

自宅でできる着物のカビ取り方法や、必要な道具、気をつけることを紹介するので、これから着物のカビを除去しようと考えている人は、参考にしてください。

必要なもの

カビ取り道具の画像

着物のカビ取りに必要なものは、次の通りです。

  • 新聞紙
  • 乾いた清潔な布
  • やわらかい毛のブラシ
  • マスク
  • 軍手・ビニール手袋
  • メガネ・ゴーグル

カビを吸い込んだり、目に入ったりするとアレルギー症状が出る恐れがあるため、掃除道具とともに自分の身を守るアイテムもそろえましょう。

手順

着物は、床に直接置かずに新聞紙を敷いた上に広げてください。着物の表面に浮き出ている白カビは、乾いた清潔な布で拭いたり、やわらかい毛のブラシで払ったりすることで落とせます。

着物のカビ取りをするときの注意点は、力を入れすぎないことです。力を強く入れると、生地の奥にカビが入り込んでしまいます。こするというよりも、払い落とすイメージでカビ取りをしましょう。

着物|カビ取りのNG行為

着物のカビ取りをする際に、やってはいけない行為があることをご存知ですか。

NG行為を知らずにカビ取りをすると、着物が傷んだり思わぬトラブルに発展したりするので、ぜひチェックしてください。

室内でカビ取りする

室内で着物のカビ取りをすると、カビの胞子を部屋に充満させてしまうリスクがあるため、避けてください。

着物のカビ取りは、屋外で行うことがおすすめです。

屋外にカビ取りをする場所が確保できない場合は、風通しが良い部屋を選び、換気しながら作業しましょう。着物のカビ取りが終わったら、作業した部屋を丁寧に掃除してください。

カビ取りに用いた手袋やタオルを使い回す

見た目ではわからなくても、着物のカビ取りに使った手袋やタオルにはカビが残っており、使い回すことで、新たなカビの原因になったり、アレルギーを引き起こしたりする可能性があります。

もったいないと感じるかもしれませんが、カビ取りに使った手袋やタオルなどはゴミ袋に入れて密閉し、処分してしまいましょう。

強すぎる力で無理にこする

着物に生えたカビを落とそうと、強すぎる力で無理にこすると、生地が傷んだり色落ちしたりする原因になるのでやめましょう。着物が傷まないように、丁寧にやさしく扱い、自宅でのカビ取りが困難な場合は、クリーニング業者への依頼を検討してください。

消臭剤・消毒用エタノールを使用する

消臭剤や消毒用エタノールの使用は、生地のダメージやカビの増殖につながるリスクがあるのでやめましょう。着物には正絹という繊細な素材が使われており、化学物質に反応して傷んだりシミになったりもします。

「カビ臭いから」と、安易に消臭剤を使用しないように気をつけてください。

着物のカビ取りは専門業者へ依頼を

着物に黄カビが生えていたり、高級な品であったりして、自分でカビ取りをすることに不安を感じる場合は、専門のクリーニング業者へ依頼しましょう。

着物のカビ取りは、一般的なクリーニング店や呉服店でも引き受けている場合がありますが、より専門性の高い業者のほうが豊富な知識や高い技術を持っている可能性が高いです。

メリット

自宅でも着物のカビ取りはできますが、生地の奥に根を張っていたり、目に見えなかったりするカビまでは落とせません。

着物のカビ取りの経験や知識が豊富な専門業者なら、カビの種類ごとに適切に対処してくれることはもちろん、目に見えないカビまで落としてくれるでしょう。

カビが原因で着物の色が変わったり抜けたりした場合に、色補正をしてもらえることもメリットです。着物をもとの状態に近づけてくれるため、見た目が良くなります。

選び方

着物のカビ取りを依頼する場合は、自分が何を求めているかよく考え、希望にこたえてくれる業者を選ぶことが大切です。

着物に生えたカビを徹底的に除去したいなら、カビ取りやクリーニングに特化した業者を選びましょう。高価・繊細な着物を丁寧に扱ってほしい場合は、着物に関する知識が豊富な業者を選んでください。

公式サイトなどで、実績や料金をよく確かめてから業者を決めることも重要なポイントです。

着物にカビが生えないようにする対策

カビの種類によっては自宅で落とせる場合もありますが、着物の傷みを考えると最初からカビを発生させないことが大切です。

ここでは、簡単にできる着物のカビ対策を紹介するので、ぜひ実践してください。

定期的に着用する

日頃から着物を着用すると、外気に触れることで湿気が生地にこもりにくくなります。

特別な日に使用する着物はむずかしいですが、普段使いできる着物は定期的に着用してカビを予防しましょう。

定期的に虫干しする

着物は、しまったままにせず年に何回かは虫干しをしましょう。虫干しとは、収納している着物を外に出してこもった湿気を飛ばし、カビや害虫を防ぐ作業のことです。

虫干しにおすすめの時期は、以下の通り。

  • 7月下旬~8月頃
  • 10月下旬~11月頃
  • 1月下旬~2月頃

虫干しは、晴れが2日つづいた日の翌日に行いましょう。湿気が少ない10〜15時に、着物用のハンガーにかけて1〜2時間ほど干してください。色あせが心配な場合は、干すときに着物を裏返しにします。

室内・室外を問わず、日光が当たらない風通しが良い場所で干しましょう。

適切に着用後のお手入れをする

着物に付着した食べ物や皮脂などの汚れをそのまま放置すると、カビが発生する原因になります。着用したら、すぐに着物をハンガーにかけてシミや汚れがないかチェックし、やわらかい毛のブラシなどで掃除してください。

着物をしまう前に、陰干しして湿気を飛ばすことも大切です。

たとう紙に包んで保管する

たとう紙に包むことで、吸湿性に優れた紙が、着物を湿気から守ってくれます。

たとう紙は、永久に使いつづけられるわけではありません。一定以上の水分を吸ったら色が変わり、交換が必要です。色が変わったまま交換を怠ると、たとう紙が湿気から着物を守るという役割を果たせないため、注意してください。

適切な場所に保管する

着物をスペースが十分に確保できない場所にしまうと、湿気がこもってカビが生える可能性があります。収納場所にはゆとりを持たせることが大切です。

また、湿気は下にたまる性質があるので、タンスの上のほうが着物の保管に適しています。タンスを置く回数も、1階より2階がおすすめです。

さらに、タンスを壁から5cm離すと湿気がこもりにくくなります。タンスには除湿剤などを入れて、湿度をコントロールしましょう。

着物のカビ取りは適切な方法で

大切な着物がカビてしまったら悲しいですよね。カビの種類によっては自宅で落とせる可能性がありますが、適切にカビ取りを行わなければ着物の傷みの原因になります。

自分でのカビ取りが心配な場合は無理をせず、業者に依頼することがおすすめです。大切な着物を任せられる業者をしっかりと選びましょう。

着物のカビ取り方法や業者選びに迷ったときは、ぜひ本記事に再度目を通してみてください。

木暮康雄

木暮康雄 (監修者)

ウリドキ株式会社代表取締役CEO。ウリドキプラスの発行人でもある。
リユース業界での起業・事業運営の経験が豊富でリユースの専門家としてのメディア出演歴も多数。
著書に「リユース革命」(幻冬舎)がある。

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