300万円の車を購入する際、ローンを組もうと考える人もいるでしょう。しかし、ローンは月々の返済額に応じて金利がプラスされるため、最終的な金額が高くなります。
「月々の返済額をどうすれば良いのかわからない」「どの金融機関でローンを組めばいいのかわからない」という人もいるかもしれません。
そこで、300万円の車購入時のローンの返済額や借り入れ期間について解説します。金融機関別のローンの種類や、注意点についても紹介するので、参考にしてください。
300万円の車を購入した際の月々のローン返済額
300万円の車を購入した場合、月々のローン返済額がいくらになるのか気になるところです。返済額は、頭金や借入期間によって変動します。同じ300万円の車をローンで購入しても、月々の返済額が異なるということです。
ここでは、頭金別や借入期間別の月々の返済額について紹介します。諸費用についても解説するので、参考にしてください。
頭金別
月々のローンの返済額は、頭金としていくら支払ったかによって変動します。
例えば、以下の条件でローンで組んだ場合の、頭金別の支払いをシミュレーションしてみましょう。
- 借入金300万円(車の購入代金)
- 借入金5年間(12ヵ月×5年=60回払い)
- 金利4%
- ボーナス払いはなし
- 元利均等返済
頭金 | 月々の返済額 | 総額の返済額 |
---|---|---|
0円 | 55,249円 | 3,314,942円 |
30万円 | 49,724円 | 2,983,446円 |
50万円 | 46,041円 | 2,762,447円 |
100万円 | 36,833円 | 2,209,946円 |
出典:マイカーローンの返済額試算シミュレーション|三井住友銀行
上記の試算では頭金が0円の場合、最終的な総額は3,314,942円となり、314,942円多く支払っていることになります。
一方、頭金を100万円支払った場合、ローンとして返済するのは200万円分のみです。一覧表を見るとわかりますが、最終的な返済額は2,209,946円となり、209,946円多く支払ったことになります。
頭金が0円の場合と100万円の場合との差額を確認してみましょう。
約10万円の差があることがわかります。簡単に言うと、頭金を多く支払ったほうが、ローン返済額は少なくて済むということです。毎月の返済額を少なくしたい場合は、頭金を多く支払ったほうが良いといえます。
しかし、一度に多くの頭金を用意できないこともあるでしょう。その場合は、次の項目で解説する借入期間で調整することをおすすめします。
借入期間別
月々のローン返済額は、借入期間によっても変動します。
例えば、以下の条件でローンを組んだ場合、借入期間によってどのように返済額が変化するか、試算金額を見てみましょう。
- 借入額300万円
- 金利4%
- 頭金なし
- ボーナス払い なし
- 元利均等返済
借入期間 | 月々の返済額 | 返済総額 |
---|---|---|
3年 | 88,571円 | 3,188,575円 |
5年 | 55,249円 | 3,314,942円 |
7年 | 41,006円 | 3,444,495円 |
10年 | 30,373円 | 3,644,770円 |
出典:マイカーローンの返済額試算シミュレーション|三井住友銀行
借入期間を3年とした場合、上記の試算では、月々の返済額は88,571円、返済総額は3,188,575円です。借り入れた金額は300万円なので、188,575円多く支払ったことになります。
一方、借入期間を10年にした場合は、月々の返済額は30,373円と低めですが、返済総額は3,644,770円です。644,770円も多く支払ったことになります。
返済総額だけで見た場合、借入期間3年と10年の差額は以下の通りです。
約45万円の差があることがわかります。しかし、これはトータル金額です。月々の返済額で見た場合、借入期間3年の場合は毎月約9万円、10年の場合は毎月約3万円と大きな差があります。
どちらを選ぶかは、それぞれの家庭の経済状態によるでしょう。毎月の返済額を少しでも小さくしたい場合は、細く長くを考えて長期の借入期間でローンを組みましょう。
諸費用も考慮する
300万円の車を購入する際、必要なのは車の購入代金だけではありません。諸費用が加算されるので注意してください。
主な諸費用としてあげられるのは、税金と手数料です。金額は、新車と中古車で変動します。しかし、購入代金の2割と考えておくと良いでしょう。
たとえば300万円の車を購入するなら、諸費用は2割の約60万円が目安です。金額が大きいので、ローンを組む際には含めるのかどうかも考慮したほうがよいでしょう。
300万円の車を購入する際のローンの種類
車のローンには、さまざまな種類があります。どれくらいの金額の車を購入するのかによって、使い分けるとよいでしょう。
ここでは、300万円の車を購入する際のローンの種類を紹介します。特徴も解説するので、参考にしてください。
銀行系ローン
銀行系や信用金庫系、JAバンクでは、車ローンのサービスを提供しています。金利は1~4%と低めに設定されているので、ローンの総額をできる限り抑えたい人におすすめです。長期借入の際にも、支払総額は安く抑えられるでしょう。
しかし、審査が厳しいというデメリットがあります。ほかにも車用のローンがあるなかで、もっとも審査が厳しいといわれているのが銀行系です。審査が通らない可能性もあるので、注意してください。
ディーラーローン
ディーラーでも車ローンを取り扱っています。
車の購入と同時に、ローンの申し込みを並行して行うことが可能です。また、審査結果も銀行系に比べるとたいへんスピーディという特徴があります。即日にわかるところもあるので、利用する人は多いでしょう。
金利は4~8%と、銀行系ローンに比べると高めに設定されています。審査も信販会社が行うため、緩いわけではありません。しかし、銀行系ローンに比べると通りやすいでしょう。
自社ローン
自社ローンとは、車の販売店が独自に提供しているサービスです。
審査基準も独自で設定しているため、銀行系やディーラーに比べると通りやすいでしょう。仮に基準に達していない場合は、借入限度額の上限設定や保証人を求められる可能性があります。
また、自社ローンは金融商品ではないという理由から、金利はかかりません。ただし、ローン利息相当分の手数料が上乗せされる可能性があります。最終金額がローンを組むよりも高くなることもあるので、注意してください。
300万円の車をローンで購入する場合の注意点
300万円の車をローンで購入する場合、いくつかの注意点があります。それらを知っておかないと、後悔することになるかもしれません。
ここでは、特に注目すべき注意点を4つ紹介します。それぞれ詳しく解説するので、参考にしてください。
借入れ可能額には上限がある
ローンを利用する際、借入可能な金額には上限が設けられていることがあるので確認が必要です。借入額の上限は、申し込む人の職業や年収、勤続年数などによって変動します。借入金が返済されなければ、貸し付けたほうは損をするからです。
300万円の車をローンで購入する場合、職業や年収などによっては満額の借り入れができない可能性があるので注意してください。
カーローンの申し込みには条件がある
カーローンの申し込みには、条件が設けられています。誰でも利用できるわけではないということです。
条件の一例として「前年度年収が200万円以上」や「本ローンを含む借入総額が、前年度収入の50%以下」などがあります。申し込み条件を満たしていない場合は、カーローンを利用できないので注意してください。
諸費用はローンの借入額に含まれないことが多い
車の購入時には車の代金だけではなく、諸費用が別途かかることは解説しました。この諸費用はローンの借入額に含めることが不可能な場合があります。
諸費用は大まかに見積もって、車の購入代金の2割程度です。300万円の車を購入する場合は、60万円ほどの諸費用がかかることになります。
60万円という金額を大きいと感じる人もいるでしょう。しかし、この金額は借入金額に含めることが不可能なローンもあるので、注意してください。
車の維持費も考慮する
車は購入しておしまいではありません。購入したあとは、継続的に維持費がかかります。ローンの返済額とは別に、維持費も考慮しなければならない点を忘れないでください。
主な維持費は以下の通りです。
- ガソリン代
- 駐車場代
- 自動車税
- 保険料
- 車検費用
- メンテナンス費用
これらは、車を維持するうえで欠かせません。それぞれの中身や主な金額については、以下で解説します。参考にしてください。
ガソリン代・駐車場代
車を走らせるうえで、必要なのがガソリンです。利用頻度や車を利用する地域などによって、必要になるガソリン代には差が出ます。1リットルの単価にも左右されますが、月1万円前後になることもあるでしょう。
また、駐車場代も必要になるかもしれません。自宅に駐車スペースがない場合は、駐車場を借りることになります。金額は借りるエリアによるので、一概には言えません。月極駐車場を借りる場合は、その金額も考慮に入れましょう。
自動車税
車を持つと、毎年自動車税を納めなければいけません。金額は車の排気量を基に決定されます。300万円の車の場合、3~4万円ほどになる可能性があります。しかし、この金額も一律ではありません。
地球環境に配慮した車の場合は、減税される可能性があります。一方で、新車登録をしてから11年以上が経過すると、重課税として15~20%増税されるので気をつけましょう。
保険料
自動車の保険には、自賠責保険と自動車保険の2種類があります。このうち、自賠責保険は強制保険ともいわれており、必ず加入しなければなりません。
普通自動車の場合の保険料は目安として、13,000~28,000円ほどと考えるとよいでしょう。金額に差があるのは、保険適用期間によって異なるからです。
さらに、自賠責保険だけではカバーできない可能性が高いため、普通自動車保険の加入も必要になるでしょう。保険料は保険会社やプランによって異なります。
自動車保険比較サイトのセレクトラでは、年齢別でおすすめの自動車をご紹介しています。これを機にセレクトラの記事を参考に自分に合った自動車保険を選びましょう。
車検費用
車を持つと必ず行わなければならないのが車検です。初回登録時は3年目に車検を受けますが、それ以降は2年ごとに変わります。
車検の際には、工賃はもちろん、部品の交換代や印紙代なども費用に含まれます。すべてを合算すると10万円以上になることもあるため、少しずつ貯めておいたほうがよいでしょう。
メンテナンス費用
メンテナンス費用とは、定期的な点検代やオイル交換代などです。
2年ごとの車検だけでは、車の維持はむずかしいでしょう。定期的なメンテナンスを怠ると、ローン完済前に車が故障して使えなくなる可能性があります。長く乗るためには、定期メンテナンスは欠かせません。
メンテナンス代は、内容や頻度によって差が生じます。年間数万円で足りるケースもあれば、数十万円かかるケースもあるので、多めに見積もっておいたほうがよいでしょう。
300万円の車のローンを返済する際のポイント
300万円の車のローンを組むと、毎月の返済が必要です。返済するときのことを考えて、ローンを組むことが重要といえるでしょう。
ここでは、ローンを返済する際のポイントを紹介します。ローン会社やローンを組む際のポイントでもあるので、参考にしてください。
金利が低いローンを選択する
返済時に大きな影響があるのは、金利です。金利が高く設定されていると、返済額は高くなります。
車ローンのなかで、もっとも金利が低いのは銀行です。ただし、審査が厳しいため、利用ができないこともあるかもしれないので注意してください。ディーラーが提供する車ローンと自社ローンは、一概にどちらが安いとは言えません。ケースバイケースなので、見積もりを取ることをおすすめします。
毎月の返済金額は月収の2割以下を目安に
毎月の返済金額は、月収の2割以下を目安に設定しましょう。
車のローン返済は、長期間で組みます。その間に、家庭環境が変化するかもしれません。家庭環境の変化では、予定外の出費が必要になることもあるでしょう。
突発的な出費の際にも、ゆとりを持って対応できるように返済計画を立てることが大切です。返済期間よりも返済額に注目し、月収の2割以下に設定しましょう。
カーリースも要検討
300万円の車に乗りたいのなら、カーリースも選択肢に入れてください。カーリースは頭金や初期費用などが不要です。また、利用期間中は自分の車として好きなだけ乗れるので、利用者が増加しつつあります。
月々の料金には、保険料や税金などもすべて含まれているので、購入後に維持費や諸費用などを用意する必要はありません。利用者にとっては便利な料金システムと言えるでしょう。
車検料や定期メンテナンス料も、オプションプランが用意されているケースが多くあります。これを利用すれば、月額料金として支払うことが可能です。
「300万円の車購入を考えてローンを組んでみたけれど、月々の支払いに不安がある」という場合は、カーリースを利用するとよいでしょう。
300万円の車をローンで購入する際は月々の支払い額に注意
300万円の車を購入する際のローンは、月々の支払いを考えて組むことが重要です。特に金利は直接返済額に影響するため、注目してください。
ローンを組んでみて月々の返済がむずかしいと感じた場合は、カーリース利用も検討してみるとよいでしょう。月額が決まっているので、支払計画が立てやすいというメリットがあります。
車は、維持費や税金もかかることを忘れないでください。支払いは購入時だけではないことに注意して購入しましょう。