- 磁石を使って金を見極められるかどうかを知りたい
- 金を見極める方法が知りたい
- 金を見極める際の注意点を知りたい
昨今の個人資産形成のブームにより、金が注目を集めています。しかし、金を所有したいが、偽物かどうかを見分けられなくてだまされてしまうかもしれないと不安の方も多いでしょう。実は磁石を利用して金が本物かどうかを調べる方法があります。
ここでは、金と磁石の関係性を解説。同時に金が本物であることを調べるさまざまな方法について紹介します。金が磁石に反応するポイントや見極める際の注意点についてもまとめたので、ぜひ参考にしてください。
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金は磁石につかない
金の近くに磁石を置いても金にはまったく反応しません。また、金だけではなく、プラチナやシルバーも同様です。
そのような特徴から、磁石は金や貴金属が本物であるかどうかを確かめる方法としても使われます。金のなかに磁石に反応する物質が含まれるとくっついてしまうので、純金かどうかの判定に用いられることが多いのです。
しかし磁石につく鉄やニッケルなどが割金として含まれていると、金でも磁石に反応することがあり、確実に見極められる方法ではありません。
磁石に反応しない=金ではない
磁石に反応しないからといって必ず金であるとも言い切れません。磁石にくっつかない金属は意外とたくさんあります。プラチナやシルバーのほかにも、銅・アルミ・チタンなどの物質も磁石には無反応です。
金メッキの内部に磁石に反応しない金属が使われていたら、磁石のみで見破ることはむずかしいでしょう。そのため、磁石に反応しないことが、本物の金だと断言できないことを覚えておいてください。
金が磁石に反応する場合
本物の金は磁石に反応しませんが、磁石につく金製品は存在します。ここでは、磁石に反応する金とはどんなものかを解説し、どのような状態だと磁石につくのかをまとめました。磁石と金の関係性を知るためにも、ぜひ確認しておいてください。
割金に反応する
金が磁石に反応する理由のひとつが割金です。金は加工しやすくするために、ほかの金属を一定の割合で混ぜます。その際に調整役として使われるのが割金です。特に古い製品には鉄などの磁石に反応する金属が使われます。
磁石がくっつくとしたら、その割金に対してです。複数の金属を混ぜ合わせたものは合金と呼ばれ、加工しやすさだけではなく、耐久性も上がるので、金を使ったアクセサリーなどの製品によく使われます。
金ではなくメッキ
金ではなく金メッキがされた製品だと、メッキされた下の金属に磁石が反応する場合があります。特に鉄などの成分を含む金属が使われると、磁石にくっついてしまうのです。
逆に言えば、ベース部分がメタルや真鍮、銀や銅などの磁石に反応しない金属で作られる場合もあり、磁石がくっつかないから本物だとは言い切れません。ほかにも、木や紙などにも磁石は反応しないので気をつけましょう。
金を見極める方法
磁石につくかつかないかで本物の金かどうかを見極める方法を紹介しました。磁石だけで金の真贋を確認することはむずかしいことがわかったのではないでしょうか。そこで金であることを見極めるほかの方法も紹介します。
刻印を確認する
金や金メッキ製品には、刻印がされることが多いです。刻印によって、以下のようなことがわかります。
- 純度
- 色
- ブランド
- 金か金メッキか
純金の場合の刻印は「K24」や「999」です。
一方金メッキの場合には、「GF」や「GP」といった刻印があり、加工状態が異なります。
刻印 | 製法 | 詳細 |
---|---|---|
GF(Gold Filled) | 金張り | ベースの表面を合金でやや厚めに覆ったもの |
GP(Gold plate) | 金メッキ | 薄く延ばした合金をベースの周囲に張ったもの |
刻印は「K18GP」や「K18GF」といったように使用された合金の種類と一緒に刻印されることが多いです。しかし、なかには刻印がないものもあり、素人では見極めがむずかしいでしょう。
色味を確認する
金は純度によって、表面の色合いが変わります。金の色味が金色に近いほど金の含有率が高いです。そのため、専門家なら金の色味を見るだけで金の含有率がわかる方もいるでしょう。
金は、含まれる銀や銅の割合が高いと黄色味が強く、パラジウムを混ぜることで赤みの強い金に変化します。また、ホワイトゴールドは、名前のとおり白っぽい金で、ニッケル系やパラジウム系の金属を一定量混ぜることでできる白い合金です。
表面を観察する
金の表面を観察して、本物か偽物か確認しましょう。金メッキは、使用するうちにできた傷から表面が剥がれてしまうこともあります。剥がれた部分から内側の金属部分を確認できれば、金でないかどうかの判断がひと目で可能です。
アクセサリーの変色部分を確認して金かどうかを見分ける方法もあります。しかし、金製品でもくすみや変色が起こることもあり、素人では見極めがむずかしいかもしれません。
比重を測定する
本物の金かどうかを比重を測定して確かめましょう。金はほかの金属に比べて比重が重く、手のひらにのせると確かな重みを感じます。そのため、判断に迷う場合は手のひらにのせて確認してみるのもよいでしょう。
重さでの判断がむずかしい場合は、専門店にある比重計という専門の機械を用いた方法が確実です。一般家庭でも金の比重を測れますが、正確性に欠けるため、専門家に任せることが無難でしょう。
試金石で調べる
傷がなく、比重の確認もむずかしい場合には、試金石などを用いて表面を削る方法もあります。試金石とは、金をはじめとする貴金属の品質を鑑定するために用いられる黒色の石です。
試金石での調査方法は、石に金製品を擦りつけて表面を削り取る作業だけで済みます。そのあと、試金石に残った色味を見て、金が本物である事実を見極めるのです。
しかし、傷のない金製品の場合は、試金石で削って傷をつけてしまうと商品の価値が落ちるのであまりおすすめできません。
磁石で金を見極める際の注意点
磁石を用いて金が本物かを見極める場合には、これから紹介するポイントに注意してください。磁石は100均でも手に入るため、誰でも簡単に実行できますが、より正確な鑑定を行いたい場合には、少なくとも以下の注意点を守るようにしましょう。
すべてのパーツを確かめる
金をアクセサリーなどの加工品にする場合、どこかのパーツに金ではない貴金属を使用する場合があります。特に、ネックレスやブレスレットの留め具などは金以外の金属が用いられることが多いです。
そのため、金製品の一部分に磁石がついたからといって、「金ではない」「偽物である」とは判断できません。すべてのパーツに磁石がくっつくかどうかを確かめて、本物か偽物かを判断しましょう。
確実な鑑定はプロに依頼する
磁石を含め、金の真贋を確認する方法を紹介しました。しかし、いくら知識として身につけていても、金が本物かどうか、純度はどれくらいかといった鑑定は、素人にはむずかしいです。確実に本物であると知りたい場合には、プロに依頼することが一番でしょう。
金製品の買取を行っている店舗やジュエリーショップなどで、無料で鑑定を行ってくれることがあります。
粗悪品を押しつけられないようにするための自己防衛として知識を身につけることはとても大切です。また、金についての知識を得ていれば、金製品を選ぶ際にも遺憾なく発揮されるでしょう。
磁石を利用して、本物の金を見極めよう
金と磁石の関係性を理解すれば、専門家でなくても本物の金かどうかを調べられます。しかし、金の真贋は素人の浅い見識では見極められません。金の鑑定はプロに任せて、損のない取引を行いましょう。
本記事では、金と磁石の関係性や金についての知識を紹介しました。知識や情報は、金に対する理解や興味をより広げてくれるでしょう。
金のほかにも磁石につかない金属は意外と多いので、自分の所持する金属が純粋な貴金属であるかどうか調べてみてはいかがでしょうか。