金の密度を確認する方法|比重との違いや密度からわかることも

  • 2024年5月22日
この記事で解決できるお悩み
  • 金の密度がわかる
  • 金の密度と、純度・比重との関係がわかる
  • 金の密度を求める方法がわかる

密度はそれぞれの金属に固有の数値ですが、金の密度がわかっても何の役に立つかわからないという人もいるでしょう。

密度がわかると、金の真贋や純度の判断に役立ちます。ただし、密度の調べ方の手順を知らないと、正しい数値を調べられない可能性もあるでしょう。

この記事を読むことで、金の密度やほかの金属との違い、密度の調べ方など、密度についての理解を深められます。また、密度と似た「比重」との違いなども解説するため、密度についての基礎知識を固めたい人にもおすすめです。

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金の密度とは

密度とは、一定の面積や体積のなかに、物体がどの程度つまっているかを表す数値です。数値が大きいほど密度が高く、金属などの場合は物体がみっしりと詰まっており、硬い物質であることを表します。

純金の密度は19.13〜19.51g/cm3です。銀の密度が10.5g/cm3、銅が8.96g/cm3であることを考えると、金属のなかでも密度が高い物質であることがわかるでしょう。

純金をはじめとする金属の場合、一定の体積あたりの物体のつまり具合を見るため、単位は「g/cm3」で表します。計算などで密度を求める場合は、グラム換算することが必要です。

金の密度を知ることのメリット

金の密度を知っても、知識の使い道がないと感じる人もいるかもしれません。そこで、ここでは金の密度を知ることによって得られるメリットを解説します。金の買取時にも大きなメリットとなるため、密度についての理解を深めましょう。

金の真贋を見分けられる

物体の密度は固有です。そのため、金や金製品の密度を調べることで、金の真贋を見分けられます。金を装っていても、製品の密度が金の密度と一致していなければ、その製品は偽物であると判断できるでしょう。

密度は数値化できます。印象や感覚といった抽象的な要素ではなく、金の真贋を客観的に表現できるため、知識さえあれば自信をもって判断できますよ。

金の純度(品位)がわかる

金の密度がわかると純度(品位)が調べられ、金・金製品の質を確認できます。金に割金を混ぜて純度を下げると、密度も下がることが一般的です。

純度の低い金は密度の数値に幅があり、簡単には特定できないこともありますが、純金であるかどうかの判断は簡単にできるでしょう。純金でない場合も、目安としておおよその純度を知ることができます。

純度(品位)別の密度一覧

金のインゴット

純度金の密度
K2419.13~19.51
K2217.45~18.24
K2016.03~17.11
K1814.84~16.12
K1412.91~14.44
K1011.42~13.09

参考:ウォッチニアン

金は純度によって密度が異なる物質です。純度が高いほど密度も大きい傾向にあります。また、密度には幅があり、純度が低いほど密度の振れ幅は広く、純金に近づくほど密度の幅が小さくなる点が特徴です。

金は、割金を混ぜることで純度が下がります。割金の種類によって密度に差があるうえ、純度が下がるほど割金の割合が高くなることから、密度の差が大きくなるのです。

密度の数値に差はあるものの、純度ごとに密度の数値が重複しているわけではないため、密度から純度を調べることはむずかしくないでしょう。

金の密度と比重の関係

密度と似た言葉に「比重」があります。両者とも意味が似通っており、混乱する人も少なくないでしょう。ここでは、密度と比重の違いや関係性を解説します。いずれも金の真贋などを見抜く際に役立つ数値なので、理解を深めておきましょう。

密度と比重の違い

密度と比重は似た印象を持つ言葉ですが、厳密には違います。密度が面積・体積あたりの物質のつまり具合を示す数値である一方、比重は同じ体積の物体と水同士の密度を比べたときの比率を指す数値です。

密度は金などの物体そのものがあれば導き出せますが、比重の場合は水との比較で導き出す必要があるため、物体単独では比重という考え方がそもそも成り立ちません。

また、密度は、「一定の面積・単位あたりの質量」と言い換えることもできます。そのため、金属の密度には「g/cm3」という重量を示す単位がありますが、比重はあくまで比率であるため、単位は存在しません。

密度と比重を区別して表現する必要があるときは、単位の有無にも注意しましょう。

数値が同じになる理由

密度と比重は意味が異なるものの、結果として数値は同じになります。数値が一致する理由のひとつは、比重の比較対象が水であることです。

比較対象として水を使うことが多い理由は、水の密度が1g/cm3と計算上わかりやすい値であることが挙げられます。

つまり、純金の密度が19.32g/cm3である場合、水の密度と比較すると金:水=19.32:1です。比重は、水と比較した密度のため、19.32÷1で求めると、結果的にはもとの純度の値と一致します。

金の密度を計算する方法

<物体の密度の計算式>
密度(g/cm3)=物体の重量(g)÷物体の体積(cm3)

物体の重量は、キッチンスケールなどの量りで測定します。物体の体積も量りで測定可能です。容器に入れた水に測定したい物体を入れると、物体の体積分の水かさが増し、簡易的に体積がわかります。

そのため、体積が量れるような形状の金でなければ、計算式で密度を求めるのはむずかしいでしょう。たとえば、中身が空洞になっているアイテムは、水を使った方法では正確に体積を量れず、計算では密度を導けません。

形によらず金の密度を知るためには、ほかの方法が有効です。

金の密度を知る方法

計算以外で金の密度を知る方法としては、金・金製品を水に沈める方法があります。ここでは、対象物を水に沈めて密度を量る方法について、必要な道具や手順を解説するため、手近に金製品がある人は記事を参考に試してみてくださいね。

用意するもの

  • 密度を調べたい金もしくは金製品
  • 量り
  • 金製品が入る容器
  • メモ用紙・筆記用具
  • 電卓など

量りは専門性の高いものでなくてもよく、家庭にあるキッチンスケールで十分です。また、金製品を入れる容器は、高さのあるコップ・グラスなどをおすすめします。

メモ用紙や筆記用具、電卓などは必須ではありませんが、調べた数値の記録や計算がスムーズに進むため、あれば手元に用意しましょう。

いずれも家庭で簡単にそろえられるアイテムばかりです。チャレンジしてみましょう。

手順

手順としては、密度を調べたいアイテムの重量と体積を量って計算します。順を追って丁寧に作業しましょう。

  • 密度を調べたい製品の重量を、量りで計測する
  • 水を入れた容器を量りに乗せ、量りの目盛りを0にあわせる
  • 金製品を糸で吊るし、底につかないように容器内の水に沈める
  • 量りの目盛りが指した数値を記録する
  • 1.で測った重さを4.で求めた体積で割って比重を求める

1.の手順で対象の金製品の重量を量り、3.から4.の手順で体積を求めています。3.で金製品が容器の底につくと体積を正確に量れません。糸で吊るす際は糸から手を放さず計測してください。

二度手間にならないように、1.と3.〜4.で計測した数値は必ずメモしておきましょう。

【豆知識】金の真贋を見抜いたアルキメデスの逸話

パルテノン神殿
金の真贋を見抜くことに関して外せない話題が、アルキメデスのエピソードです。ギリシャの哲学者アルキメデスは、密度計算の第一人者とも言える存在でした。水を使って体積を割り出す方法は、アルキメデスの原理にもとづく方法です。

アルキメデスは、自身が見つけ出した原理を活用し、実際に金の真贋を見抜いています。あるときアルキメデスは、シラクサの王ヘロンから、「金細工師に依頼した王冠に混ぜ物がされていないか、王冠を傷つけずに調べよ」と命じられました。

アルキメデスは王冠の材料と同量の金を用意し、王冠と金塊をそれぞれ水を入れた容器に入れたところ、王冠を入れた容器のほうが多く水があふれだしたのです。

同量の金であれば水があふれる分量は同じはずで、王冠のほうが多く水があふれたことから、アルキメデスは王冠に混ぜ物がされていると判断し、見事に真贋を見抜いたと言われています。

金の密度がわからなくても価値がわかる方法

自力で密度を調べるには手間がかかります。密度を調べるよりも、簡単で確実に金・金製品の価値を知る方法としては、買取店に相談することがおすすめです。

貴金属製品を査定する際は、純度などとあわせて密度を調査してもらえるでしょう。また、多くの買取店は、査定のみであれば無料で引き受けてもらえます。

金の買取や査定については、こちらの記事を参考にしてください。

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真贋も見抜ける金の密度について理解を深めよう

金の密度は金属のなかでも高く、金であるかどうかや金の純度を見抜くヒントになる数値です。密度は特殊な器具がなくても、家庭にある簡単な道具で測れます。

密度の測定にはアルキメデスの原理を活用しますが、原理を提唱したアルキメデス本人は、まだ科学も発達していない時代に、実際に金の真贋を見抜きました。

しかし、自分で密度を測定し、計算することは手間暇がかかる行為です。もし金の密度を正確に知りたい場合は、知識の豊富な買取店で測定してもらうことをおすすめします。

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