- 純金積立の基礎知識が知りたい
- 純金積立のメリット・デメリットが知りたい
- 純金積立がおすすめな人を知りたい
この記事では純金積立について、始め方や儲かる仕組みなどの基礎知識からメリット・デメリットなどを紹介します。
純金積立は、長期運用でじっくり資産を増やしたい人や少額で金投資を始めたい人におすすめです。しかし、運営会社によって手数料が違ったり、そのほかの投資に比べてコストがかかったりするなどのデメリットもあるため、購入前に下調べの必要があります。
純金積立を始めてみたい人は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
純金積立とは?
純金積立とは投資のひとつです。まとまったお金がないと金投資はできないと思われがちですが、純金積立なら少額から運用できます。
ここでは純金投資について、投資方法や儲かる仕組みなどの基礎知識を紹介するので、投資初心者の人も気軽に読み進めてください。
どんな投資方法なのか
純金積立は、毎月決まった分の金(ゴールド)を購入する投資方法です。主に地金会社や銀行、証券会社が取り扱っています。低予算で始められるので、中長期的に資産形成したい投資初心者におすすめです。
投資対象である金はインフレに強いため、情勢が不安定な現代における「安全な資産」として注目されています。実際に2020年のコロナショック最中でも、安定した値動きを見せていました。
地金会社や証券会社で専用の口座を開設すれば簡単に始められますが、運営会社によって手数料やサービス内容が異なるため、下調べをして自分のスタイルにあう企業を選びましょう。ネット証券であれば手数料が安く、年会費がかからないので気軽にスタートできます。
投資方法の選択肢
純金積立の投資方法は「定額積立」と「定量積立」の2種類です。
定額積立 | 毎月積み立てる金額を決めて投資する方法。一般的に1,000円から積み立てられる。 |
定量積立 | 毎月購入する金のグラム数を決めて投資する方法。一般的に1gから積み立てられる。 |
加えて、好きなときに購入できる「スポット取引」ができる運営会社もあります。
儲かる仕組み
金投資で利益を得る仕組みは単純です。購入したときより高く売却できれば、その分が利益になります。ただし純金積立には手数料や年会費などのランニングコストがかかるのでそれらを差し引かなければなりません。
定額積立なら、長期的に見て有効な投資方法と名高い「ドルコスト平均法」を用いた運用ができるためおすすめです。ドルコスト平均法とは、常に・一定の額を・定期的に投資する方法。変動する金相場に対して毎月一定の金額分を購入することで、購入価格の平均値を下げられます。
つまり金が安いときには多く、金が高いときには少なく購入できるため、長期的になればなるほど価格変動の影響を受けづらくなるのです。10年〜20年くらいの期間を想定しておくとよいでしょう。
純金積立のデメリット・辞めといたほうがよい理由
純金積立はデメリットもあり、辞めたほうがいいと言う人たちもいます。ここでは、純金積立のデメリットや辞めたほうがよいと言われる理由を紹介するので、純金積立を始めるなら、デメリットも理解しておきましょう。
手数料が高い
純金積立の購入手数料は1.5〜5%まで幅広く、運営会社などによっても異なります。なかでも2〜3%のケースが多いです。「購入金額(円)×手数料(%)」で計算されます。
たとえば、毎月3,000円積み立てていて手数料が3%の場合、5,000×0.03=150円。少額に見えますが、それが毎月かかるとなると負担に思えます。場合によっては、利益よりも手数料のほうが高く付いてしまったなんてことになりかねません。
純金積立の場合、購入手数料のほかにも年会費や引き出し手数料がかかるため、実際の負担はもっと大きくなるでしょう。
一方で、株式の手数料は1%程度と比較的安価です。積立NISAを利用すれば手数料が無料のケースもあるため、高額な手数料が気になる人は、金投資以外を検討してみるとよいかもしれません。
利息・配当がない
投資による利益は、「購入価格と売却価格の差によって生まれる売却益」と「保有しつづけることで得られる利益」の2種類があります。
たとえば銀行でお金を預ければわずかながら利息が受け取れますし、株式投資であれば保有株数に対して配当金や優待品がもらえるケースがあり、保有しているだけである程度一定の利益が見込めるでしょう。FXのスワップポイント(取引する通貨間での金利の差)もこれに当たります。
しかし純金積立には利息や配当といった、保有しつづけるだけで得られる利益はありません。実際に売却するときの「売却益」のみが、純金積立で期待できる利益です。そのため金相場の値動きが少ない状態だと、手数料がかかるばかりで損をしてしまう可能性があります。
購入と買取の価格に差が大きい
購入価格と売却価格の差をスプレッドと呼びます。スプレッドは実質、運営会社への仲介手数料という位置付けです。そのためスプレッドが広いと利益を得ることがむずかしいと言われています。投資家にとっては、スプレッドが狭いほど有利なのです。
投資のなかでも、純金積立はスプレッドが広く設定されています。つまり、取引回数が多いほど仲介手数料が増えて不利になりがちです。実際のスプレッドは運営会社によって違いますが、運営会社を決める際にはスプレッドの広さも確認しておきましょう。
ただしスプレッドは固定されているものではなく、需要や供給のバランスや経済状況の変化の影響で各社で任意に変更されるため注意が必要です。
ほかの資産の価値に左右されやすい
金はそのものに価値があるため無価値になることはありません。しかし金の価値は相対的に決まるため、ほかの資産の価値に左右されやすい一面があります。
わかりやすく言うと、インフレで通貨の価値が下がったり株価が暴落したりすると金の価値が上がりやすくなり、世界情勢が安定すると金相場は下がりやすくなるということ。これが「有事の金」と呼ばれている要因です。
このような金の特徴から、純金積立は大きな利益を得るというよりもインフレや株価暴落時の対策として保有しておくことに大きなメリットがあります。そのため、純金積立を単体で投資するよりも、リスク対策として分散投資のひとつとして選択する方法がおすすめです。
純金積立のメリット・おすすめな理由
純金積立のメリットは、ズバリ金の安定した資産価値と積立投資の利便性でしょう。スポット購入を利用すれば投資効果を引き上げることもできます。ここからは純金積立がおすすめな理由について詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
少額から始められる
純金積立は毎月1,000円という少額から利用できます。投資初心者やまとまった資金が用意できない人でも気軽に始められることがメリットのひとつです。ちなみに金地金取引は、純金積立と同じく金投資ですが、最低でも数万円の費用が必要という違いがあります。
「金投資に興味があるけど、まとまったお金がない」という人は純金積立から始めてみることがおすすめです。投資する金額は1,000円から2,000円3,000円というように1,000円単位で選べます。自分の予算に応じて好きな価格で投資できることも魅力です。
積立額変更の手続きもできます。収入が上がれば増額ができるため、ライフスタイルの変化があっても対応可能です。
地金・金貨としても資産価値がある
純金積立で積み立てた資産は、売却して現金で受け取る方法のほかに、運営会社によっては金貨で受け取る方法や、地金で受け取る地金引出しがあります。受け取れる金貨の種類は、オーストラリアで発行されているカンガルー金貨やカナダのメイプルリーフ金貨などです。
金はそのものに価値があるため、株式のように突然無価値になるリスクがありません。さらに埋蔵量に限りがあるため、需要よりも供給が少なく、価値が下がりにくいことが特徴です。そのため世界で認められる安全資産と言われています。
信頼性が高くインフレに強いことから、有事の際には投資家がこぞって購入し、実際にコロナショックやウクライナ情勢など世界経済が安定しない最中でも、金相場は上昇していました。金の地力の強さは折り紙付きです。
現物保管の手間が省ける
純金積立は購入した金を運営会社が保管してくれます。金を保管するために貸金庫を借りたり、金庫を購入したりする必要がないので準備の手間が省けるのはメリットでしょう。
「金を自宅で保管するくらい、それほど手間ではないのでは?」と感じた方もいるかもしれませんが、購入した金を自宅に置くとなると自分自身でセキュリティ対策が必要です。
盗難対策で金庫を購入するのは必須。火災、地震、水害などの災害にも備えなければならないので、重量があって気密性が高く耐火性・耐水性の優れた金庫を選んだり、設置したりと意外と手間がかかります。
さらに、自宅で金を保管しているときは常に盗難リスクが頭をチラつくことを考えると、セキュリティ面から見ても、精神衛生の面から見ても、自宅で保管するより運営会社で預かってもらったほうがよいでしょう。
スポットの購入ができる
純金積立には、毎月の決まった購入に加えて、好きなときに購入できる「スポット取引」という制度があります。タイミングを見極めて単発で追加購入することで、より高い投資効果を得られることが特徴です。
購入時には金の値動きに注目して、一時的に値が下がったときなどを狙います。純金積立ではほとんど気にする必要はありませんが、スポット購入を利用したい人は日頃から金の値動きに注目しておきましょう。
スポット購入できる金額は運営会社にもよりますが、1,000円や1gから購入できる企業もあります。ボーナスや臨時収入など、まとまったお金を純金積立のスポット購入に充てるのもよいでしょう。
純金積立がおすすめな人
- じっくり資産を増やしたい人
- 分散投資をしたい人
- 少額で投資を始めたい人
純金積立は1,000円から始められるため、まずは少額から投資したいという人におすすめというのは、何度もお伝えした通りです。
老後資金やすぐに使う目的のないお金は、ぜひドルコスト平均法で長期運用をしてみましょう。じっくりと投資をつづけることで、将来的には価値が上がる可能性が充分にあります。
すでに株などの投資を始めている場合でも、値動きの異なる金資産を持っていることで、リスク対策ができるため、分散投資にもおすすめです。
純金積立がおすすめできない人
- すぐに利益がほしい人
- 定期的な利益がほしい人
- 金投資に関して知識がない人
金の価格は良くも悪くも安定しているため、価格の変動は少ないです。短期間で大きな利益を得たい人には向かないので、すぐに利益がほしい人にはおすすめできません。
また、株などのように配当金や利息はなく、保有するだけで貰える利益を期待している人には、向かないでしょう。
低額から始められるため初心者向けではありますが、手数料や税金など一定の知識は求められます。金投資について最低限の知識をつけることが前提です。
純金積立は長期運用におすすめ!デメリットも考えて
純金積立は「ドルコスト平均法」を用いた定額積立で長期的に運用することがおすすめです。有事の金と呼ばれていることもあり、インフレや世界情勢の悪化に強い一面があるため、分散投資先のひとつとしてリスクヘッジのために保有するのもよいでしょう。
実際に投資を始めるときには、この記事を参考にして運営会社を比較し、購入手数料や年会費、スプレッドなどの投資コストの低い会社を選んでください。不安定な世界情勢のなか、信頼性の高い金を保有することは大きなメリットになるはずです。