グラムス株式会社 三浦大助社長と対談しました!|【ウリドキ】リユースチャンネル

  • 2024年8月27日

今回はグラムス株式会社の三浦大助社長と対談しました。M&A成功のポイント・会社売却の決め手についてお話いただきましたのでぜひご覧ください。

ささげ代行企業 M&Aの裏側を大公開!!
  • 「会社経営はバンド運営と変わらない」!?M&A成功のポイントとは、、、
  • 市場の母数を広げるグローバルニッチとは?日本から世界を狙う勝利の方程式
  • 10倍の評価で企業売却 M&Aの決め手は〇〇に惚れたこと

2024年7月公開の動画を基に記事化しています。

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【ささげ代行企業 前編】「会社経営はバンド運営と変わらない」M&Aに成功した話題のささげ代行企業



三浦社長の自己紹介

木暮
本日は久々のご登場ですね。グラムスの三浦社長にお越しいただきました。
よろしくお願い致します。

そして今話題ですね。M&Aおめでとうございます

三浦氏
ありがとうございます!
「おめでとうございます」がしっくりくるようでこないですが(笑)
木暮
しっくりきてないですか?(笑)
上場企業 キャスター社への売却。当然これからも色々なことをトライされているということでしょうけど。

グラムスの紹介

木暮
三浦さんのことはご存知の方が多いと思いますし、このチャンネルでも以前でていただいたので(ECサイトの面倒なささげ業務も一瞬で終わらすZenFotomaticが凄すぎた!170ヶ国でサービスを展開するグラムス三浦社長が初登場!)説明不要かもしれませんが、簡単に言うとささげ代行の会社ですね。
三浦氏
ECの出品まわりをご支援させていただきつつ、元々は開発者だらけで作った会社ですのでSaaSの提供などはしていますけどもそれに留まらずリユース企業向けにシステムの受託開発ですとかオンライン・オフライン問わず色々なサービスを提供しています
木暮
御社のサービスで知名度があるのはZen Fotomaticですか?
三浦氏
そうですね。皆さんに知っていただいているのはZen Fotomaticかなと思います。
木暮
ウリドキのお客様の中でも結構御社のサービスを使っているお客様もいらっしゃるのでご存知の方も多いんじゃないかなと思います。
そんな御社がなんでM&A?

売却の理由

木暮
なぜキャスターに売ったのかも当然聞きたいのですが、その前になんで今回売ろうと思ったのか聞かせてもらってもいいですか
三浦氏
グラムス自体は元々物販企業ですね。リユースではないのですが一次流通のモード系の色々な高いヨーロッパの洋服を取り扱っている代理店の社内SEだったんですよ

それがリーマンショック後くらいにEコマースで独立し、そのまま自分でECをやっていたけれども少人数でなんとか上手くまわせないかということで元々は餅は餅屋で自分がシステムを書いてそれを提供する側になったという会社なんです。

けれども私が1人で始めつつ色々な開発者が参画してくる中でどうしても開発ドリブンというか非常にシステムエンジニア然とした文化でここまで来たんですね。

三浦氏
私と株を分けて一緒に経営していたニュージーランド人なんですけど、2人とも開発者出なので売上のトップラインを伸ばして大きくするというモチベーションはなかった

ありがたいことにZen Fotomaticをリリースして早々にZOZOTOWN・楽天など大手に使っていただけたということで、変な言い方ですけど食うには困らなかったわけですよ。

ただトップとして必要なのはものすごく大きなことを言うんだが、その粗いことを言語化し実際にそれが事業であるのか何らかのフローに落とし込んでいった時にできる世界観って僕らでは作れない。

そこにキャスターの現社長の中川との出会いがあってこの人だなというところが1つ。

木暮
経営者としてそれは私も感じることがあってそれって思考でいうと発散と収束

これは同時には行えないので、必ず発散している時はアイディアをどんどん出すし、収束はそれを具現化して固めていって実行フェーズというところまで落とし込んでロードマップを敷いてみたな話じゃないですか。

それってある意味リーダーシップとマネジメントのスキルの違いでもあるわけですよね。

発散するというところでこういう未来を作っていくというぶっ飛んだアイディアが必要でこれはリーダーシップスキルなわけですよ。

だけどそれを現実的に落とし込んでいくのが収束の部分におけるマネジメント能力だと創業社長に求められているものは何かというとリーダーシップスキルである発散能力なんですよね
とはいえ、マネジメント能力も起業家から経営者になるためには求められていくというのがよくある話かなと思っています。

三浦さんは明らかにクリエイターですからね(笑)
話せば話すほどクリエイターだと思いますよ

M&Aの発表

木暮
今回のM&Aの発表の時も三浦さんのSNSの投稿ですよ
これ最初何を言っているんだろうと思ったんですよね。

バンドの話をしているなって音楽の話をしているじゃないですか。

「これ どういうこと?」と思って読んでいって「売るってことね!」って途中で気がついて最初何を言っているんだろうこの人と思いましたよ(笑)

M&Aで売っていく社長さんとかの色々な重要な発表を見てきましたが、こんな素敵でかっこいいM&Aの発表は初めて見ましたね

三浦氏
実際にちょっとかっこよく言いましたけど

私も相方のニュージーランド人も元々バンドメンバーなんです
そこにキャスターの中川は元々ベーシストでもあって僕らに足りないのは低音だという話で低音を敷きながらバンドのマスターとしてバンドの方向性を決めていくという点で彼は良くも悪くも僕らが足りないぶっ飛びさを持っていまして、ビジョンがでかい!

2社の事業シナジーとは?

木暮
キャスターってリモートワークのBPOサービスをやっている会社ですよね?

Zen Fotomatic然り、ささげ代行然り。
どういう事業シナジーがあるのかぱっと見わからないですよね

三浦氏
ここに関しては結構明確です。

実は我々は今リユース向けのシステムを作って販売をさせていただいていたり受託開発をさせていただいていたり出品作業自体を受けたりしています

そうするとこれに付随するご依頼もお問い合わせいただくんですね。

例えば具体的なところでいくとささげ業務。写真撮影・採寸・原稿テキスト作成という作業を請け負います。
それが終わったら商品を返すというわけだったんです。これがこのまま商品を置いて預かってそのまま出荷までできないか。つまりロジスティックスのところまで面倒を見てほしいというご依頼がありました。これについては今現在できています。

ロジスティックスの代行もリユースに限りしています。

一方、リユース専門のロジってないので、色々なご要望がある中でやっぱり我々だけではリソースが足りないし・アセットもないし・固定費も抱えてやるという意味においては、完全にオーナー企業だったので中々大きく固定費を作って依頼を待ち受けすることに踏み切れなかった

三浦氏
キャスター社はリモートではありながら毎月1,000人からの応募がある中から採用率が1%なんです。

そこの皆さんの助けを借りながら、我々を通してリユース企業に提供できる価値というのは足し算ではなく掛け算!だと思っています。

【ささげ代行企業 中編】市場の母数を広げるグローバルニッチとは?日本から世界を狙う勝利の方程式



買収の意図

木暮
キャスターさんとして御社を買う意図はどんなところにあるんですか?
三浦氏
我々を通じてキャスターのリモートでBPOサービスを提供するという基本的なサービスに1つEコマースというジャンルが付加されるという点においてはあると思うんです

実際にキャスターでもEコマースの運営代行・コンサルを始めています。
そちらも私がキャスターの中で管掌していますので、お困りの方があればキャスター側でコンサルティングから代行までできるのでぜひご相談くださいということなんですが。

基本的にはEコマースというキャスターのオペレーションの中に横展開できる!という点ですね。

2点目は開発チーム及びその技術かなと思います。

先日某AIの開発企業と一緒にキャスターがジョイントベンチャーを立ち上げまして。

木暮
9月から新しくできるっていうやつですか?
三浦氏
そうです。
そちらでAIを使ったエージェントサービスの展開を進めていく状況かつ最近AIをやっている企業が多い・APIを叩いて機能を実装しているというのが多い中で、自慢でもあり自負でもあるんですがグラムスはそもそもAIのモデル設計から構築から小さいながらにワンストップで全部やってきたんですよ

それができる最初単位のメンバーが色々な国籍の中で行われていると
ということはここの拡張性は今日本の中で技術者の採用が難しいというところは色々な企業・業界で課題になっていますけど、どちらかというと非常に拡張はしやすいと思っています。
うちはベトナムにラボ組織を一緒にやっている会社がありますので、そことも絡むと開発のところが非常に工数単価も下がるというところでキャスターの中にAIの開発ができる!

開発リソースの拡張性というところは結論としてあったのではないかと思いますし、私も自身それを持ってキャスター社をよりAI・DX化していきたい
それにまさに今取り組んでいるところですね。

木暮
まず1つ目として
キャスターさんは、色々な企業の人手不足という問題を解決するために自社でスタッフ達を教育し、そこに対してBPOとして仕事を受けて業務効率を図っていく会社ですよね。

基本的にはバックオフィスとかの業務が多かったわけですが、これからは上場してさらに成長していくためには色々な領域を広げていきたい。
そんな時に出品代行をやっている御社ある意味ではささげという文脈においてはBPOサービスとしても読み取れるわけですよね。

且つ今注目しているのはEC領域だったということでいうと、EC領域のBPOサービスというところで御社の事業内容が合致した

木暮
加えて二つ目として
キャスターさんがリモートワークを推奨していて、もちろん優秀なエンジニア達を獲得したいというところもあるが、企業文化の中で御社は世界中にスタッフがいてリモートで成立してる会社である。
なので企業文化としても、ものすごくマッチしやすい会社

この2つの掛け算でキャスターさんからしたらグラムスさんが欲しい!
というふうに理解しているんですけど、どうですか?(笑)

三浦氏
そうであってほしいなという(笑)
少なくとも私はそういう認識でいます!
木暮
それだとするとすごく納得もいきます
そういう文脈があるならば一貫性のあるM&Aだと受け取りますよね。

グラムスの強み

三浦氏
今後のアイディアの一つに、リコマースがあると思っています。
一次流通の二次流通進出者みたいなアイデアがあると思うんです。

実はグラムス単体としてもやっていきたいなというアイディアとしてあります。
今現時点でもあるんですが。

海外でいうとトローブという大きな会社があります。
やっていることはグラムスとほぼ一緒なんです。
どちらかというと技術力はうちの方が上だと思っています

そこについては一定の勝ち筋が見えつつ、向こうは巨大資本であると。
リコマースであったりとか日本のリユース業界そのものが今直面して一つの打開策であろうリコマースというもので業界が何か一つの規模を持つにあたっては目線というのは日本ではなく世界になる。

同じような事業を展開する中で巨大資本と戦わなきゃいけないわけですよ。
ここに我々日本企業の強みが何があるかというと、圧倒的に違うのはリユースの文化と歴史だと思います。

我々ニッチな企業ですけど、ニッチ故にグローバルニッチとして世界中にサービスを広げることで日本のリユースのノウハウや歴史などといった無形資産を反映した形でサービス化していきたいという思いはあります。

グローバルニッチとは

木暮
今のグローバルニッチっていう言葉をあんまり聞いたことがないのですが、
グローバルニッチに対してチャレンジしていくという話だと思うんですけど具体的にいうと何ですか?
三浦氏
要はマーケットの母数を広げるということです。
例えばささげやEコマースの出品まわりって中々ニッチなソリューションでありサービスなんですよね。

国内においてニッチなのであれば、世界においてニッチになるという話でそうすると母数が違います。
市場全体を世界と捉えるとそれなりのボリュームがあるなと。

木暮
日本国内だけだとニッチだが、実は日本だけの課題ではなくて世界的にも同じような課題が存在している。

そこに対してリユースという文脈においては日本が先行しているから他の国では解決できないから、そこを一気に取るという話ですか?

三浦氏
おっしゃる通りですね。

【ささげ代行企業 後編】10倍の評価で企業売却 M&Aの決め手は〇〇に惚れたこと



キャスター社からの評価

木暮
お待ちかねですね。
皆さん結局、三浦さんはいくらで売ったんだっていう話なんですが(笑)
三浦氏
(笑)
木暮
キャスター社さんからIRがでていたのでそれを読み上げると4億800万円ですね。
これは三浦さんの中ではどういう評価ですか?
三浦氏
過分にご評価いただいたなと思っていますね。

それまではオーナー企業だったので特に売上や利益というのはグラムスとしては公表していないですけど、先程も申しましたように、いきりたって大きくするつもりもなかったんです。

そんな中で研究開発に結構費用がかかっていたんですけど、毎年利益が出たものは翌期に研究開発にぶち込むというのをずっとしていたんですよ。

なのでPERの何倍だみたいな考え方で普通にDCF的な考え方をすると、とてもじゃないけどこの結果にはならなかったと思っていまして。

そんな中で僕らの評価というのは相対的なことは全く気にしていなくて、そこから考えると非常に過分な評価をいただいたなと思っています。

期待は感じた?

木暮
今のマーケットが落ちてしまっているこの時代の中で高く評価しづらい時代だと思っているんです。
その中でこれは相当高く期待をされているというか、キャスターさんからしたら御社が欲しいという現れだと思うんですよ。

何かそういうのは感じました?

三浦氏
非常に求愛をいただいたと感じました。

それが嬉しかったし、そこまで必要としてくれていることについては、キャスター社としても上場したばかりでたくさんキャッシュがある状態ではない中すごくリスクをとってくれているというのは感じました。

決め手は?

木暮
この一言で決めたみたいなのはありますか?
三浦氏
一言というよりかは雰囲気ですかね
木暮
自分の会社を売るっていった時に売ってもいいかなというのはあると思うんですけど、「うん、売ろう!」みたいな瞬間があると思うんですよね。

それはどこだったんですか?

三浦氏
当然決断する前はキャスター社の全てを理解しているわけではないし、
できるわけがないことも当たり前の話で理解しているんですけど、なので完全に中川個人ですね

彼には不思議と実現するんだろうなというところを感じたというかですね。

具体的な一言があるといえば、「100億円はすぐにいけますよ」っていう。

それが違う人の口から出たら何を言っているんだと思ったんでしょうが、具体的にそこで何かこうやったらというよりも彼が見えているものが何となく想像できたんです

それが私だけではなくて、私の相方も同じように感じました。
ちょっと言い方荒いですけど「こいつとやったら一緒にバンドやれるな」っていう。

判断軸はそこなんですよ。

M&Aで感じたことは?

木暮
最後にお聞きしたいのが
リユース業界はこれからM&Aがもっと活発になってくると思ってます。

M&Aで売却した三浦さんだからこそ、今回話せること感じること思うことがあるんじゃないかと思うんですが、どうですか?

三浦氏
立ち位置として我々はリユース事業者ではなく、
どちらかというとIT文脈であったりとか。
木暮
リユース支援者ですね。
三浦氏
そうですね。経営者として立ち上げ、自分で作った会社を人様に売却するという観点からでいくと、おっしゃる通り悩みました

1番悩んだのは社員ですね。そしてユーザー・顧客の皆さんが今回の決断を受け入れてくださるかというところ。
そこは一番悩みましたし、そのための努力もしました。

今回キャスター社は上場企業ですから、グラムス社のデューデリジェンスなどの調査についてはプロの方々に依頼をするわけですが、今回、グラムス側は私が自分で対応したんですね。

そこで感じたのは、ことリユース事業者さんというところでいくと、副業から入られたりとか現金が絡むような商売だったりしますので、良くも悪くも脛に傷があるみたいなところはあると思うんですよ。

今後 M&Aというのはリユース事業者間でも活発化していくと思います。
当然国内だけに及ぼずクロスボーダーみたいな話も出てくるでしょう。

その中で経営者として、1つの選択肢にM&Aというのもいいと思います。

単純に会社を売るというよりは、M&Aということを選択して個人が経済的にリスクから解放されるというのもありつつ。今後の会社の成長においてM&Aを利用して、売却する先のアセットも使いながら、いかに今の社員と共に大きいことをやるのかもっと安定的な環境を築くのかという観点からも私は選択肢としておいた方がいいと思います

【出演者情報】

〈グラムス株式会社 代表取締役 三浦大助〉
・グラムス株式会社:https://glamscorp.jp/

〈ウリドキ株式会社 代表取締役 木暮康雄〉
・ウリドキ株式会社:https://uridoki.co.jp/
・YouTube:https://www.youtube.com/@uridoki_net
・X:https://x.com/kogurey95/
・Forbes:https://forbesjapan.com/author/detail/1659
・著書 #リユース革命:https://amzn.to/3LFOiqb

木暮康雄

木暮康雄 (監修者)

ウリドキ株式会社代表取締役CEO。ウリドキプラスの発行人でもある。
リユース業界での起業・事業運営の経験が豊富でリユースの専門家としてのメディア出演歴も多数。
著書に「リユース革命」(幻冬舎)がある。

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