今回はグラムス株式会社の三浦大助社長と対談しました。M&A成功のポイント・会社売却の決め手についてお話いただきましたのでぜひご覧ください。
- 「会社経営はバンド運営と変わらない」!?M&A成功のポイントとは、、、?
- 市場の母数を広げるグローバルニッチとは?日本から世界を狙う勝利の方程式
- 10倍の評価で企業売却 M&Aの決め手は〇〇に惚れたこと
2024年7月公開の動画を基に記事化しています。
【ささげ代行企業 前編】「会社経営はバンド運営と変わらない」M&Aに成功した話題のささげ代行企業
三浦社長の自己紹介
よろしくお願い致します。
そして今話題ですね。M&Aおめでとうございます!
「おめでとうございます」がしっくりくるようでこないですが(笑)
上場企業 キャスター社への売却。当然これからも色々なことをトライされているということでしょうけど。
グラムスの紹介
そんな御社がなんでM&A?
売却の理由
それがリーマンショック後くらいにEコマースで独立し、そのまま自分でECをやっていたけれども少人数でなんとか上手くまわせないかということで元々は餅は餅屋で自分がシステムを書いてそれを提供する側になったという会社なんです。
けれども私が1人で始めつつ色々な開発者が参画してくる中でどうしても開発ドリブンというか非常にシステムエンジニア然とした文化でここまで来たんですね。
ありがたいことにZen Fotomaticをリリースして早々にZOZOTOWN・楽天など大手に使っていただけたということで、変な言い方ですけど食うには困らなかったわけですよ。
ただトップとして必要なのはものすごく大きなことを言うんだが、その粗いことを言語化し実際にそれが事業であるのか何らかのフローに落とし込んでいった時にできる世界観って僕らでは作れない。
そこにキャスターの現社長の中川との出会いがあってこの人だなというところが1つ。
これは同時には行えないので、必ず発散している時はアイディアをどんどん出すし、収束はそれを具現化して固めていって実行フェーズというところまで落とし込んでロードマップを敷いてみたな話じゃないですか。
それってある意味リーダーシップとマネジメントのスキルの違いでもあるわけですよね。
発散するというところでこういう未来を作っていくというぶっ飛んだアイディアが必要でこれはリーダーシップスキルなわけですよ。
だけどそれを現実的に落とし込んでいくのが収束の部分におけるマネジメント能力だと。創業社長に求められているものは何かというとリーダーシップスキルである発散能力なんですよね。
とはいえ、マネジメント能力も起業家から経営者になるためには求められていくというのがよくある話かなと思っています。
三浦さんは明らかにクリエイターですからね(笑)
話せば話すほどクリエイターだと思いますよ。
M&Aの発表
これ最初何を言っているんだろうと思ったんですよね。
バンドの話をしているなって音楽の話をしているじゃないですか。
「これ どういうこと?」と思って読んでいって「売るってことね!」って途中で気がついて最初何を言っているんだろうこの人と思いましたよ(笑)
M&Aで売っていく社長さんとかの色々な重要な発表を見てきましたが、こんな素敵でかっこいいM&Aの発表は初めて見ましたね。
私も相方のニュージーランド人も元々バンドメンバーなんです
。そこにキャスターの中川は元々ベーシストでもあって僕らに足りないのは低音だという話で低音を敷きながらバンドのマスターとしてバンドの方向性を決めていくという点で彼は良くも悪くも僕らが足りないぶっ飛びさを持っていまして、ビジョンがでかい!
2社の事業シナジーとは?
Zen Fotomatic然り、ささげ代行然り。
どういう事業シナジーがあるのかぱっと見わからないですよね。
実は我々は今リユース向けのシステムを作って販売をさせていただいていたり、受託開発をさせていただいていたり出品作業自体を受けたりしています。
そうするとこれに付随するご依頼もお問い合わせいただくんですね。
例えば具体的なところでいくとささげ業務。写真撮影・採寸・原稿テキスト作成という作業を請け負います。
それが終わったら商品を返すというわけだったんです。これがこのまま商品を置いて預かってそのまま出荷までできないか。つまりロジスティックスのところまで面倒を見てほしいというご依頼がありました。これについては今現在できています。
ロジスティックスの代行もリユースに限りしています。
一方、リユース専門のロジってないので、色々なご要望がある中でやっぱり我々だけではリソースが足りないし・アセットもないし・固定費も抱えてやるという意味においては、完全にオーナー企業だったので中々大きく固定費を作って依頼を待ち受けすることに踏み切れなかった。
そこの皆さんの助けを借りながら、我々を通してリユース企業に提供できる価値というのは足し算ではなく掛け算!だと思っています。
【ささげ代行企業 中編】市場の母数を広げるグローバルニッチとは?日本から世界を狙う勝利の方程式
買収の意図
実際にキャスターでもEコマースの運営代行・コンサルを始めています。
そちらも私がキャスターの中で管掌していますので、お困りの方があればキャスター側でコンサルティングから代行までできるのでぜひご相談くださいということなんですが。
基本的にはEコマースというキャスターのオペレーションの中に横展開できる!という点ですね。
2点目は開発チーム及びその技術かなと思います。
先日某AIの開発企業と一緒にキャスターがジョイントベンチャーを立ち上げまして。
そちらでAIを使ったエージェントサービスの展開を進めていく状況かつ最近AIをやっている企業が多い・APIを叩いて機能を実装しているというのが多い中で、自慢でもあり自負でもあるんですがグラムスはそもそもAIのモデル設計から構築から小さいながらにワンストップで全部やってきたんですよ。
それができる最初単位のメンバーが色々な国籍の中で行われていると。
ということはここの拡張性は今日本の中で技術者の採用が難しいというところは色々な企業・業界で課題になっていますけど、どちらかというと非常に拡張はしやすいと思っています。
うちはベトナムにラボ組織を一緒にやっている会社がありますので、そことも絡むと開発のところが非常に工数単価も下がるというところでキャスターの中にAIの開発ができる!
開発リソースの拡張性というところは結論としてあったのではないかと思いますし、私も自身それを持ってキャスター社をよりAI・DX化していきたい。
それにまさに今取り組んでいるところですね。
キャスターさんは、色々な企業の人手不足という問題を解決するために自社でスタッフ達を教育し、そこに対してBPOとして仕事を受けて業務効率を図っていく会社ですよね。
基本的にはバックオフィスとかの業務が多かったわけですが、これからは上場してさらに成長していくためには色々な領域を広げていきたい。
そんな時に出品代行をやっている御社もある意味ではささげという文脈においてはBPOサービスとしても読み取れるわけですよね。
且つ今注目しているのはEC領域だったということでいうと、EC領域のBPOサービスというところで御社の事業内容が合致した。
キャスターさんがリモートワークを推奨していて、もちろん優秀なエンジニア達を獲得したいというところもあるが、企業文化の中で御社は世界中にスタッフがいてリモートで成立してる会社である。
なので企業文化としても、ものすごくマッチしやすい会社。
この2つの掛け算でキャスターさんからしたらグラムスさんが欲しい!
というふうに理解しているんですけど、どうですか?(笑)
少なくとも私はそういう認識でいます!
そういう文脈があるならば一貫性のあるM&Aだと受け取りますよね。
グラムスの強み
一次流通の二次流通進出者みたいなアイデアがあると思うんです。
実はグラムス単体としてもやっていきたいなというアイディアとしてあります。
今現時点でもあるんですが。
海外でいうとトローブという大きな会社があります。
やっていることはグラムスとほぼ一緒なんです。
どちらかというと技術力はうちの方が上だと思っています。
そこについては一定の勝ち筋が見えつつ、向こうは巨大資本であると。
リコマースであったりとか日本のリユース業界そのものが今直面して一つの打開策であろうリコマースというもので業界が何か一つの規模を持つにあたっては目線というのは日本ではなく世界になる。
同じような事業を展開する中で巨大資本と戦わなきゃいけないわけですよ。
ここに我々日本企業の強みが何があるかというと、圧倒的に違うのはリユースの文化と歴史だと思います。
我々ニッチな企業ですけど、ニッチ故にグローバルニッチとして世界中にサービスを広げることで日本のリユースのノウハウや歴史などといった無形資産を反映した形でサービス化していきたいという思いはあります。
グローバルニッチとは
グローバルニッチに対してチャレンジしていくという話だと思うんですけど具体的にいうと何ですか?
例えばささげやEコマースの出品まわりって中々ニッチなソリューションでありサービスなんですよね。
国内においてニッチなのであれば、世界においてニッチになるという話でそうすると母数が違います。
市場全体を世界と捉えるとそれなりのボリュームがあるなと。
そこに対してリユースという文脈においては日本が先行しているから他の国では解決できないから、そこを一気に取るという話ですか?
【ささげ代行企業 後編】10倍の評価で企業売却 M&Aの決め手は〇〇に惚れたこと
キャスター社からの評価
皆さん結局、三浦さんはいくらで売ったんだっていう話なんですが(笑)
これは三浦さんの中ではどういう評価ですか?
それまではオーナー企業だったので特に売上や利益というのはグラムスとしては公表していないですけど、先程も申しましたように、
そんな中で研究開発に結構費用がかかっていたんですけど、毎年利益が出たものは翌期に研究開発にぶち込むというのをずっとしていたんですよ。
なのでPERの何倍だみたいな考え方で普通にDCF的な考え方をすると、とてもじゃないけどこの結果にはならなかったと思っていまして。
そんな中で僕らの評価というのは相対的なことは全く気にしていなくて、そこから考えると非常に過分な評価をいただいたなと思っています。
期待は感じた?
その中でこれは相当高く期待をされているというか、キャスターさんからしたら御社が欲しいという現れだと思うんですよ。
何かそういうのは感じました?
それが嬉しかったし、そこまで必要としてくれていることについては、キャスター社としても上場したばかりでたくさんキャッシュがある状態ではない中ですごくリスクをとってくれているというのは感じました。
決め手は?
それはどこだったんですか?
できるわけがないことも当たり前の話で理解しているんですけど、なので完全に中川個人ですね。
彼には不思議と実現するんだろうなというところを感じたというかですね。
具体的な一言があるといえば、「100億円はすぐにいけますよ」っていう。
それが違う人の口から出たら何を言っているんだと思ったんでしょうが、具体的にそこで何かこうやったらというよりも彼が見えているものが何となく想像できたんです。
それが私だけではなくて、私の相方も同じように感じました。
ちょっと言い方荒いですけど「こいつとやったら一緒にバンドやれるな」っていう。
判断軸はそこなんですよ。
M&Aで感じたことは?
リユース業界はこれからM&Aがもっと活発になってくると思ってます。
M&Aで売却した三浦さんだからこそ、今回話せること感じること思うことがあるんじゃないかと思うんですが、どうですか?
どちらかというとIT文脈であったりとか。
1番悩んだのは社員ですね。そしてユーザー・顧客の皆さんが今回の決断を受け入れてくださるかというところ。
そこは一番悩みましたし、そのための努力もしました。
今回キャスター社は上場企業ですから、グラムス社のデューデリジェンスなどの調査についてはプロの方々に依頼をするわけですが、今回、グラムス側は私が自分で対応したんですね。
そこで感じたのは、ことリユース事業者さんというところでいくと、副業から入られたりとか現金が絡むような商売だったりしますので、良くも悪くも脛に傷があるみたいなところはあると思うんですよ。
今後 M&Aというのはリユース事業者間でも活発化していくと思います。
当然国内だけに及ぼずクロスボーダーみたいな話も出てくるでしょう。
その中で経営者として、1つの選択肢にM&Aというのもいいと思います。
単純に会社を売るというよりは、M&Aということを選択して個人が経済的にリスクから解放されるというのもありつつ。今後の会社の成長においてM&Aを利用して、売却する先のアセットも使いながら、いかに今の社員と共に大きいことをやるのか。もっと安定的な環境を築くのかという観点からも私は選択肢としておいた方がいいと思います。
【出演者情報】
〈グラムス株式会社 代表取締役 三浦大助〉
・グラムス株式会社:https://glamscorp.jp/
〈ウリドキ株式会社 代表取締役 木暮康雄〉
・ウリドキ株式会社:https://uridoki.co.jp/
・YouTube:https://www.youtube.com/@uridoki_net
・X:https://x.com/kogurey95/
・Forbes:https://forbesjapan.com/author/detail/1659
・著書 #リユース革命:https://amzn.to/3LFOiqb