今回は株式会社アンティークコインギャラリア 渡辺孝祐社長と対談しました。
アンティークコインの魅力についてお話いただきましたのでぜひご覧ください。
- 知れば知るほど面白いアンティークコインの魅力を紹介!?
- 旧20円硬貨が1,000万円に!?値上がりするコインのポイント3選!
- 100万円ではもはや買えない!上がり続けるアンティークコインと贋作はびこる現実とは
2024年7月公開の動画を基に記事化しています。
【アンティークコイン 前編】1億7,000万円のコインを自宅で落札!?知れば知るほど面白いアンティークコイン
アンティークコインギャラリア 渡辺社長にお越しいただきました。
本日はよろしくお願いします。
12年前に事業を立ち上げまして、今は東京都港区の神谷町ですね。
よろしくお願い致します。
アンティークコインビジネスについて
ここ10年で10倍〜11倍ぐらい値上がりしているコインもあるんですか?
日本においてコインっていうのは今よりもっとニッチだったんですけど、その本が売れてちょっと広げてくれるような役割をしてくれました。
以前から資産目的で買われている人は多かったと思うんですけど、その本をきっかけに買い出す方がすごい増えたというのが業界の定説となっています。
そういったところに影響を受けて買ったり売ったりしたのかなという感じがします。
コインオークションで高額落札
2021年ぐらいなんですけど、「ウナとライオン」っていうアンティークコインといえばこれみたいなコインがありまして、イギリスでは1839年に400枚だけ出た金貨なんです。
それの一番いいグレードのが、当時のHeritage Auctionsに出てきてとあるお客さんに委託を受けて入札代行しました。
当時のレートで全部込みで1億7,000万円くらいだったんです。
これまでの失敗談
すごい豪華なお宅で「現金があるから渡辺くん買い付けてきて欲しい」と言われて3,000万円ぐらい渡されたんです。
「はい!頑張ります」と持ち帰ったんですけど、その後ちょっとトラブルになってしまって。全額お返ししなきゃいけなかった時は結構しんどかったりしました。
そのお客さんに為に1,000万円分ぐらい既に買い付けていたんですけど、でも「もう、いらない」みたいな。
「君は信用できない」みたいになっちゃって。
【アンティークコイン 中編】旧20円硬貨が1,000万円に!?値上がりするコインのポイント3選!
これまでの経緯
今はあまり関係のないスキルになってしまいましたけど、中国から物を輸入してECサイトで売るということをやっていったんですけど、EC回りやマーケティング・広告というのはそこで勘所がついたと思います。
コインは奥が深くて広いので。
コインの価値
麒麟ビールの麒麟みたいな空想上の動物とゼウスみたいなかっこいい顔が載っている金貨があるんですよ。
金のコインでまん丸じゃない感じなんですかね?
古代のコインって機械じゃなくて手作り感がすごいんです。
1枚1枚個体によって大きさや形が違うんです。
大体1,000万円くらい。
なので同じ種類のコインでもめっちゃかっこいいやつとちょっと不細工なやつとか摩耗していたり傷がついていたりとかで全然値段が違うのでピカイチの物はめっちゃ高いです。
資産・値上がり目的で買う人がすごく多いんですけど、最終的には趣味だと思っています。
人に言われたから愛着はないけど1,000万円で買ったコインが800万円になったらすごく嫌じゃないですか。
でも、めちゃくちゃ好きでかっこいいなと思って好きな物を1,000万円で買って、10年持って800万円になっていても200万円分くらいは楽しめたと前向きに捉えられると思ってます。
僕らは色々おすすめはするんですけど、「最終的には好みで決めてください」って言いますね。
値上がりするコインとは?
1.人気のあるコイン
2.状態が良いコイン
3.希少性の高いコイン
全部密接に絡み合っているので綺麗に分けることはできないんですけど、
ざっくりこの3つかなと思っています。
例えば知名度のある人が刻まれているコインというイメージですね。
エリザベス女王やヴィクトリア女王とか聞いたことがあるじゃないですか。
そういったコインは欲しいと思う人が多いので値が上がりやすいです。
需要が大きくて供給が少ないものを狙おうという話です。
なので希少性という意味だと数枚しかないコインもありますし、何千枚というコインもありますし、それが価格にも影響しますよね。
トーマス・サイモンさんっていうイギリスのコインの彫刻家なんですけど、彼が当時の王様に自分の優れた技術を示すために10枚くらい作ったコインなんですよ。
コインのエッジ(縁)のところに嘆願文が書かれているんです。
「王様 フランス人じゃなくてイギリス人である俺を使え」みたいなことが書いてあるんです。
「俺はこんなところにこんなに細かい文字も刻めるスキルをもっている」みたいな。
そういうストーリーがあるコインが10枚くらいしかなくて(1億円のコインは)その中でも状態が一番良い物なんですよ。
金の高騰と関係する?
だから、金の価値でも結構ありそうだと思いきや・・・
おそらく、地金の価値だと30gくらいしかないので、地金の価値とアンティークコインの価値って、例えば今地金が13,000円/gくらいだと思うんですけど、じゃあこれが5万円になったら2〜3倍になるかというとならないんですよ。
なぜかというと、1,000万円の旧20円金貨の地金の価値って数十万円しかないので、その数十万円がちょっと増えようが別に変わらないんです。
その価値の大部分はプレミアムでコレクタブルの価値・希少性持ちたいという欲を満たしてくれるところなので。
ただ風が吹けば桶屋が儲かるみたいな感じで金相場がどんどん上がっているとニュースになるじゃないですか。ニュースを聞いて金や金貨を気にしだして、たまたまアンティークコインに辿り着いてアンティークコインを始める人が増えるという意味では間接的には影響はあるのかなとは思いますけど、直接的には地金価格がどうこうというのは関係ないと思っています。
例えば、毎年発行されているカナダのメープルリーフ金貨とか、オーストリアのウィーン金貨とかはいわゆる地金型のコインですね。
これはコインの状態とか人気とかは関係なくて、ただ金が何gで1オンスなので1オンスの金貨ですよね。
だから今地金がいくらだからいくらという考え方です。
為替リスクがヘッジできる?
それがどういうことかと言うとオークションで売る時にアメリカのオークションハウスに出すかフランスに出すか、イギリス・モナコ・スイスに出すかでそれぞれの通貨が変わりますと。
なので通貨が選べるという意味合いです。
世界通貨とも言えるなと最近思っているんですけど。
税金はどうなる?
手間がかからないことと、例えば不動産みたいに固定資産税が全くかからないので、メンテナンスもなくむしろ触ってくれるなという感覚なので。
買ったら持っておいて、たまに見てニヤニヤして人によっては本を読みだしますね。
歴史について勉強したくなったりとか、豊かな時間の使い方だと思うんです。
【アンティークコイン 後編】100万円ではもはや買えない!上がり続けるアンティークコインと贋作はびこる現実とは
アンティークコインの始め方
どのくらいからスタートするといいですか?
予算によって全然選べるんですよね。
上がる・上がらないという話をするのであれば、
高いコインの方が上がりやすい。
もちろん100万円で買えるコインは沢山あるんですけど、
すごくいいコインは難しくなってきていますね。
300万円くらいからだと「このコインもあのコインもいいですけどどうですか?」みたいな感じでオススメできます。
コインの暴落
2019年にイギリスからウナとライオンのザ・アンティークコインの復刻版が出たんですよ。
ロイヤルミントっていうイギリスの王立造幣局ですね。
そこから出た時には100万円しないくらいで出ていたんですけど、枚数も少なかったこともあり、あれよあれよと100万円からどんどん値上がっていったんです。
ちなみに今は、そのコインはオークションとか小売でもなかなか見つからないですし1,500万円くらいしちゃうんです。
世界中の人が「これはすごい!」とロイヤルミントが出す新しいコインのシリーズはめちゃくちゃ人気があるから、「どんどん上がるじゃん!」ってみんなが思い込んでしまって。
次から次にその時期は出ていたんですけど、全部が上がっちゃったんです。
「値上がりするだろう」「転売して儲かるだろう」という気持ちでみんなが買っていたので、どんどん上がっちゃいました。
でも結局それに対して実需が追いつかなくて、今そんなに上がっているコインは実はウナとライオンだけで一番最初が高くてどんどん下がっている。
でも、それくらいだと思います。
100〜200年も流通しているコインは多少の上下はもちろんあるんですけど、長く持ってもらえれば物凄く落ちることはないと思います。
アンティークコインギャラリアに頼む意味
でも御社に買い付けを頼む人たちが非常に多いわけですよね。
それはなぜ御社を通じて買っているんですか?
「現金を何かに変えようと思ってアンティークコインがいいと聞きましたが、果たして私は何を買えばいいんでしょうか?」と相談されることが多いです。
そこからスタートするのが一番良いと思います。
そこまでやらないと無責任になってしまうので。
リユース業界にメッセージ
リユース業界に対してもPRやメッセージはありますか?
これがやたら古いものは地金の価値ではなくてそれ以上のプレミアムの価値がついている可能性があります。
それを地金で買い取るとか地金価格で売っちゃうのは非常に勿体無い
場合があるので、もし良かったら我々に写真を送っていただいたら、我々もアドバイスできるところはあると思うんです。
うちの役員が前職で地金の買取の商社にいたんですね。
そこで彼女が何をやっていたかっていうと、全国の地金が集まる場所にいたので、そこで仕分けしてこれは明らかに地金じゃないというコインを抜き取ってコイン専用のオークションに出すと1,000万円になることがある。
そういうのに当たっちゃうと、彼女の事業部の利益率がおかしな数字になっちゃうと。
利益が何百%、何千%みたいになっちゃって、上司に逆に怒られるという。(笑)
売る人も気づかずに売って、買う人も気づかずに買っていて、
誰も気づかずに希少なコインが溶かされてリユースされている可能性があります。
「ちょっとこれは他と違うな」というのがあったらアンティークコインギャラアリアに相談してもらえると何か力になれるかと思います。
【出演者情報】
〈株式会社アンティークコインギャラリア 代表取締役 渡辺孝祐〉
・株式会社アンティークコインギャラリア:https://antique-coin-galleria.com/pages/outline
・X:https://twitter.com/kosuke_coin
〈ウリドキ株式会社 代表取締役 木暮康雄〉
・ウリドキ株式会社:https://uridoki.co.jp/
・YouTube:https://www.youtube.com/@uridoki_net
・X:https://x.com/kogurey95/
・Forbes:https://forbesjapan.com/author/detail/1659
・著書 #リユース革命:https://amzn.to/3LFOiqb