株式会社パステック 油利寅生社長と対談しました!|【ウリドキ】リユースチャンネル

  • 2024年8月26日

今回は株式会社パステック 油利寅生社長と対談しました。
売上増の秘密についてお話いただきましたのでぜひご覧ください。

ゲオ・ソフマップに次いで第3位売上207億円の秘密を大公開!!
  • 人事制度改革の効果!?
  • 従業員へ求めるものとは。従業員の店舗での行動の変化
  • 出店計画は!?スマホリユース業界の今後

2024年4月公開の動画を基に記事化しています。

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【中古スマホ 前編】ゲオ・ソフマップに次いで第3位売上207億円の秘密は人事制度改革にある!?



木暮
ウリドキ木暮です!
久々にパステックの油利社長にお越しいただきました!
本日はよろしくお願いします。
油利氏
よろしくお願いします!
木暮
1年半ぶりぐらいですかね?
パステックと言えば、モバイルステーションでリユーススマホの取り扱いをされています。

2023年末の『リサイクル通信』見ましたよ!
中古スマホ売上ランキング、ゲオ・ソフマップに次いで第3位と素晴らしい!

油利氏
ありがとうございます!皆さんのおかげです!
木暮
1年半前に出ていただいた時(売上が)120億円ぐらいになりそうだと、来期は150億円ぐらいに到達できたらいいなみたいな話だったと思うんですよね。

実際にいくらになったんですか?

油利氏
今期が207億円ですね。
木暮
120億円の前はいくらでしたっけ!?
油利氏
44億円ぐらいだった気がするんですけど。
木暮
44億円→120億円→207億円と成長しているんですか?
携帯だけで?
油利氏
携帯だけです。
木暮
その中でも、『ウリドキ』も1億円ぐらい貢献していますか?(笑)
油利氏
半分ぐらいじゃないですか(笑)

売上増加のキーポイント

木暮
それにしても半端ないですね。
どうやって、そんなに成長したのっていう話を根掘り葉掘りお聞きしたいなと思っているんです。

前回お話しを聞いた時って4店舗でしたよね?
北海道に行って、その後に福岡・大阪に行って秋葉原。
あえて端から攻めていくんだという話が非常にユニークで面白い話でしたが、そこからさらに店舗を増やしましたか?

油利氏
名古屋と新宿ですね。
木暮
名古屋と新宿に出したのはどんな理由だったんですか?
油利氏
元々店舗展開は考えていたんですけど、店舗展開する時にキーになるのって人材定着なんですよね。
今まで従業員の定着が上手くいっていない部分もあって、去年の3月より人材体制を大幅に入れ替えたんですよ。

今まで人事の専任だった責任者は外して、新たな責任者を就けたんです。
それが大当たりしたって言ったらそれまでなんですけど。

木暮
それは店舗展開と関係があるんですか?
油利氏
例えば名古屋に店舗を出すってなったときに、名古屋に従業員を配備しなければいけないわけですよ。
名古屋に従業員を配備して、かつその従業員が辞めない状態でいないとできないわけですよね。

それが難しかったんですよ。
新しいエリアに出店する時に0からの状態の人たちしかいないんですよね。
他店のスタッフが助けに行くんですけど、その人のやり方が間違っているというか、親身になって対応してくれないとスタッフが育つ・育たないというより辞めますよね。

木暮
新店舗を出す上でのポイントと課題という感じですかね。
油利氏
めちゃめちゃ大事だと思うんですよ。
前担当者の人が募集を出す時は自主的に行動できるかとかお客さんを呼べるかとか能力を重視する採用を考えていて、そういう募集の打ち出し方をしていたんですよ。

“能力があるヤツ集まれ”みたいな感じですね。

そうすると能力が本当にある人か能力があると過信している人が来るんです。
全員ではないんですけど、人間性が良いかどうかって言うと、自身がある反面人のことを助けることで言うとちょっと難しい部分がある方が多いんですよね。

一般的には全員じゃないですけど。
それに対して今弊社で求めている人材は”人のことを助けられる人”

油利氏
お店でお客さんを呼べるとか相対する対人能力が高いとかそういったことじゃなくて、一生懸命やれる人とか一緒に働いている人に気遣える人っていうのが募集基準になっているんですよ。
木暮
売上が爆増したのは、店舗展開ではなく人事制度の抜本的な見直しとか採用基準を変えたからっていうお話しですか?
油利氏
それによって、店舗も出せるようになったし、場所があればどこでも出せるっていう状態なんですよ。

事制度改革の効果

木暮
パステックに人材が定着していて、かつどんどん育っていく教育体制ができていると。
油利氏
育っていく教育体制もできているし、そもそも採用自体が難しいと言われているじゃないですか。
その体制を変えて採用が苦にならなくなりました。

良い方から応募が来るんです。

木暮
明確に何かあります?
採用面談も入らなかったのに、今はこれだけ来るみたいな。
油利氏
去年の3月以降に変えて、そこから根本的に色々と変えていったのが6月以降になるんですけど。
採用応募を出すってなった時に7~8倍来るようになりましたね。
木暮
何を変えたんですか?
油利氏
結果を求めることをしなくなったんですね。
募集に何かを打ち出すってなったら、打ち出した内容に会社の体制を整えなきゃいけないじゃないですか。

なので、頑張っている人を応援しますって言って、いざ入ったら売上ノルマがありますって言うと話が変わっちゃう。
その整合性を全部整えて人事制度を変えますよね。

木暮
現場スタッフってことですよね?
油利氏
基本的にはあらゆる社員です。

従業員へ求めるものとは?

木暮
ベンチャーとかはとにかく結果を求めると。
結果さえだせれば、自分たちは上にいけるんだっていう健全な野心とか。

健全な欲求を持っている人たちって非常に多いと思っていて、頑張っているんだけど結果が出ない人と、頑張りが見えないんだけどちゃんと結果を残す人って存在しているじゃないですか。

前者の人たちを評価してしまうと後者の人たちはモチベーションが下がっちゃうし、結果にコミットする気持ちがなくなっていかないですかね?

油利氏
僕も最初はそう思っていたんですよ。
過程をどれだけ努力するかとその内容によって成果が出るか出ないかっていうのはもちろん変わってくると思うんですけど。

適当に手を抜いているんだけど上手くいっちゃったみたいなことってあると思うんですよね。

木暮
その人の努力じゃなくて、周りの人の努力なんだけど。
それを自分の手柄にしようとする人みたいなことですか?
油利氏
それももちろんあるし。
成果が出やすいことで努力する人と、成果が出づらいことで努力する人っているじゃないですか。

成果が出やすいことを選んだ人の方が正しいのかもしれないですけど、でも努力をしているのは成果が出づらいことで努力をしている人になるんですよ。

努力量だけで言えば、結果努力はしているけど成果はなかなか出ていない成果が出づらいことをやっているんで、
でも大した努力をしていないけど成果が出ちゃった人がいた時に努力をしている人を取るという意味です。

ここで言う成果っていうのは、売上だったり何かしらの結果だと思うんですけど、定量的に数値を計っていないですよ。

油利氏
集客のミーティングとか店舗内でもないですし、店舗で数字をこれだけ上げろっていうのもないんですよ。
ただ一つだけスタッフにお願いしているのが、お客さんのことだけ考えてください。

木暮
数字に関しては経営層が考えるってことですか?
油利氏
当初はその予定だったんですよ。
結果を出さなくていいって言っているわけですから、集客なんて考えるとは思わないわけですよね。

これが不思議なことに過程だけやれよって言ったら、責任感感じていただいているのか分からないですけど頑張ってやるんですよ。

頑張ることによって、乱暴な良い方をすると集客とかもお願いしていないのに勝手に考えてたりとか色々と勉強したりとかやり出して、「これをやりたい」「あれをやりたい」って言ってやっているのも成果になっているんですよね。

過程主義なのに。
期待しない部分もやってくれている。

木暮
期待以上の働きをしてくれているってことですね。
油利氏
期待しない部分もやってくれているっていう感じですね。

店舗での行動の変化

木暮
例えばどういうことを現場の社員には期待していて、こんなエピソードがあったとかはありますか?
油利氏
社員の方達に期待しているのは、従業員同士で助け合って欲しい。

弊社はスマホの買取店なんですけど、世の中に沢山買取店がある中で、わざわざ弊社を選んでいただいているので基本的には感謝ですよね。
少しでもお客さんにとってプラスになるというか良かったと思ってもらえるような対応をしてほしいっていうだけですね。

ちょっと乱暴な言い方をすると、それ以外のことを社員には期待していないです。

木暮
例えば店舗でどういったことですか?
油利氏
お客さんに対して良くしてあげるっていうのは、例えば商品を持ってくる人の中に段ボール箱に入れて持ってくる人がいるんですよね。
お客さんは段ボール箱はいらないわけですよ。

こちら側も言われなかったら何もしなくていいっていうところを箱を持ってお店を出させたら、箱を邪魔になるよねって考えたら箱はこちらで処分しておきますよって言うだけで凄く小さいことですけど、マイナスがプラスになったり。

お客さんもありがとうって思いますよね。
というようなことを自主的に考えて実行してくれているんですよ。

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評価基準・採用基準の改革

木暮
過程を評価するし、与えているミッションも定性的なミッションじゃないですか。
どのように評価されるんですか?
油利氏
社員の人も観るかもしれないので、なかなか言いづらいんですけど、小学校の通知性のイメージですね。

一般的な企業の評価基準って数字と個人の成績とかですよね。

木暮
小学校もテストがあるから点数が付くじゃないですか。
油利氏
小学校の通知制のテストがない感じです。
『お客さんに優しくできました』 【◯・△・✕】とか。
『周りのスタッフに対して気を遣えた』 【◯・△・✕】とかです。
こんな簡単な文言ではないんですけど、イメージはそういう感じです。
木暮
どういう人を落とすんですか?
通過させる人は千差万別だと思うんですけど、落とす人は決まってくるかなと思うんですよね。
油利氏
実績・成果を語る人は落とします。
木暮
実績・成果を語る人は落とす(笑)
油利氏
基本的に各拠点に店長はいないんですよ。
店長はいないし、店長を置くこともないんですよ。

「僕は〇〇をしてました」っていう人は邪魔じゃないですか。
あなたに部下はいなくなりますけど、大丈夫ですかとは聞くんですけど、管理能力がセールスポイントだって自ら言ってくるんで、そのセールスポイントはウチには必要ないですねと伝えます。

木暮
そういう人を入れたとしても、今のモバイルステーションのチームの中では、恐らくマウンティングをとってしまうことを危惧していると。
油利氏
そもそも人を助けられないですよね。
想像ですけどね。
木暮
今は未経験の人たちだから助け合ってやっているけど、年月が2年や3年と経ってくると、人も新しく入ってきたら、マウンティングを取る人も出てくるんじゃないですか?
油利氏
そういう人は外します。褒めてばかりいると怪しいんですけど。
本当に人が良い人ばかりなんですよ。

ただ稀に人が良い人たち故に傲慢になる人も現れるんです。
なので、一回警告してそれでもダメなら外れてもらいます。

木暮
そこは徹底しているんですね。
油利氏
色々と偉そうに言っていましたけど、人に対して今やっているのは「コイツはちょっとな」と思った時に「気をつけろよ」と言うくらいです。

あとは全部人事の責任者がやってくれるし、働いている方々も前向きにやってくれているんで。

木暮
誠実で素直そうな人を積極的に採用されていて、優秀かもしれないけどちょっと嫌な人を外す。

”ブリリアントジャーク”という言葉がありまして、優秀だけど嫌なヤツっていう意味ですね。

ブリリアント=優秀
ジャーク=嫌なヤツ

ネットフリックスの組織論や人事系の本で出てくるんですけど、とにかく優秀なんだけど嫌なヤツっていうのが混じってくると。

なので”ブリリアントジャーク”だけは組織に入れてはいけないんだということがあらゆる本に記載されているんですよね。

なので、そういう人を外しにいっているという感じですか?

油利氏
外すというかまず入れないし。
入ってしまっても、厳しいかな。

従業員に表れた変化

木暮
社内体制を去年一気に変えたんですね。
それは上手くハマって売上が上がったと。
油利氏
そういことになりますね。
木暮
あとは、2店舗増えたっていうのもあるけど、4店舗が6店舗になったということで80億円も一気に上がるのかっていう疑問があったんですよね。

中を変えたっていうことなんですね。

油利氏
そっちが一番大きいと思います。
社員がさらに色々なことを考えたりとか、やるようになったのも勿論ありますけど。

基本的にはそこが根幹なんじゃないかなと

木暮
リピーターが増えたのと新規顧客も増えたんですか?
油利氏
もちろん。リピーター率は増えますよね。
今まで言った話を全部ひっくり返した感じになっちゃいますけど、新規のお客さんを呼ぶのはやっぱり集客でマーケティングじゃないですか。

成果主義じゃなくて人柄を大事にしている人たちが、マーケティングを始めて成果も出ている。

それも売上が上がっている要因です。

今後の出展計画は?

木暮
これからは店舗を増やしていこうと思っていると思いますが、その土台がこの1年で作れたと。

最初の方の質問に戻るんですけど、この1年の間で名古屋と新宿に2店舗出されたんですが、なぜ名古屋と新宿だったんですか?

油利氏
まず名古屋は5大都市じゃないですか。
それで空いていたっていうのと、僕は東京に住んでいるわけじゃないし、
東京に行く機会もそんなにないですけど、東京で(人が)一番多いところって、僕の勝手なイメージで新宿だったんですよ。

なので新宿には出しておかないとなっていう。
めちゃめちゃ安易な感じですね。

木暮
かなりマーケット調査をされるので、安易な感じだって言っていますけど。
嘘でしょって思っています(笑)
油利氏
本当にそうなんですよ。
名古屋エリアはエリアが空いているから出しますよね。

あとはお客さんに聞いたりもしていますね。
郵送で送ってくれる方たちもいるので、その住所をみたりとか 「どこに出したらいいですか?」って聞いたら新宿が多いなと思って。

木暮
やっぱりヒアリングを含めて調査されていますよね。
油利氏
新宿に出したのは感覚です。
木暮
言えないかもしれないですけど。
今後はどの辺りを狙っていきますか?
油利氏
全部にいきます!

47都道府県は何年かかるか分からないですけど、沖縄・四国はいきます。

スマホリユース業界の今後

木暮
次は何億円ぐらいに成長させようと思っているんですか?
油利氏
300億円はいこうと思っています。
木暮
300億円を超えてくると、ゲオの中古スマホ売上と近似値になってくるので1位・2位争いになってきますね。
油利氏
自社の売上だけじゃないんですけど、ここ数年思うところがあって、弊社も含めて色々な業界の方が白ロムの買取店をやっているんですよ。

10年前ぐらいは完全にニッチな産業だったんですけど、色々なことが好転して今はすごく大きな市場になっているじゃないですか。

そのこと自体はすごくありがたいし、ラッキーだったなと思うんですよね。
同業他社の方もそれに関してはラッキーだったと思っていると思うんですけど、その反面資本があるところが入ってきますよね。

巨人が入ってくると小規模な事業者は無くなる。

無くなっちゃうということを数年前から呼びかけているつもりなんですよ。
何らかの形で手を組まないと、市場が出来上がったら大手に持っていかれるというのがあらゆる業界で起きている。

折角、伸びる業界に僕も居れたし、ある程度会社でも成果が出たのでこの業界においてはそういうことを無くしたいと常々思っているんですよ。

我々も含めて皆さん中小企業だと思うので、中小企業こそ何かしらの形で皆さんで協力ができないまま、自社だけの利益を考えていると巨人にやられるんじゃないかと強く思っていますね。

ですので、影響力のあるこのチャンネルで助け合いができるようなプラットフォームを作っていただけるとありがたいなと思っているんですけどね。

木暮
御社は200億円を超えてきているんで、中小企業という枠組みではないとは思うんですけど。
油利氏
人事を含めた会社の体制としては、まだまだ未熟なのでそういう意味では中小企業だと思います。

売上の数値が高いだけ。

木暮
リユース業界が盛り上がってきているんで、巨大資本が入ってきますと。

今までやってきたリユースの業者が油利さんの言葉を借りれば、食べられてしまうリスクがあるから、そうなる前に手を取り合ってこの業界を盛り上げていこうじゃないかということですね。

なので、店舗経営とかリユーススマホのことで何か悩みを持っている方がいればご連絡などはウェルカムだということで合っていますか?

油利氏
ぜひよろしくお願いします。
木暮
パステック・モバイルステーションのリンクを貼っておきますので、ご連絡していただければと思います。

ということで今回はなんと207億円まで成長され来期は300億円ですか?

油利氏
はい!一生懸命やります。
木暮
今回は絶好調のパステックの油利さんでした!
本日はありがとうございました!

【出演者情報】

〈株式会社パステック 代表取締役 油利寅生〉
・株式会社パステック:https://pastec.net/about/company/
・モバイルステーション:https://pastec.net/

〈ウリドキ株式会社 代表取締役 木暮康雄〉
・ウリドキ株式会社:https://uridoki.co.jp/
・YouTube:https://www.youtube.com/@uridoki_net
・X:https://x.com/kogurey95/
・Forbes:https://forbesjapan.com/author/detail/1659
・著書 #リユース革命:https://amzn.to/3LFOiqb

木暮康雄

木暮康雄 (監修者)

ウリドキ株式会社代表取締役CEO。ウリドキプラスの発行人でもある。
リユース業界での起業・事業運営の経験が豊富でリユースの専門家としてのメディア出演歴も多数。
著書に「リユース革命」(幻冬舎)がある。

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