今回は株式会社貴瞬 辻瞬 代表取締役と対談しました。
創業秘話と事業への想いについてお話いただきましたのでぜひご覧ください。
- 遊び心で始めた色石事業。宝石×リユースを始めたきっかけ
- 捨てられがちだけど実は高く売れるコスパ最強の色石とは…?
- リユースを通じて社会に与える影響
2024年6月公開の動画を基に記事化しています。
【色石 リユース 前編】あと3年で年商1,000億円!?遊び心で始めた色石事業
辻社長の自己紹介
貴瞬の辻さんにお越しいただきました!
本日はよろしくお願いします。
貴瞬の辻です。
主に宝飾品を扱っているリユースの会社なんですけれども、宝石の中でもさらにニッチな色石を扱っております。
ルビー・サファイア・エメラルドなど色のついている宝石をメインに扱ってます。
主にそれ(色石)を自社でリカットや研磨をしたり、デザインを変えたりして新たな価値を生み出してます。
また、海外などの販路で販売をしています。
何がすごいかって、今まで色石はあまり価値がなかったじゃないですか。
そこに対してリデザインとかを入れて付加価値をつけて売っていくのがすごいなと思ったんです。
安く買って価値を付けて高く売るというのは商売の鉄則ですよね。
商売×リユースを見事にやり続けていますね!
貴瞬の成長
とあるパーティーの中で紹介をいただいて、その時って売上規模が10億円越え始めていて、しかも翌期がすでに30億円くらいになるんだみたいな。
すでにその時から急成長していた会社だったので、みんなが注目していたんですよ。
そこから5~6年経っていますけど、今どのくらいまで伸びているんですか?
直近の月商が40億円超えたみたいなつぶやきもありましたね。
史上最高の売上を達成したのはありがたいことですね。
その翌日くらいに1,000億円が見えてきたみたいなつぶやきをしてましたね(笑)
本当に足元ばかりを見つめて山を登っていたら気づいたら、意外と高いところにいたので。
「どうやったら」という部分は非常に難しいと思います。
従業員について
新卒だけでも何十人採っていると言っていましたっけ?
まだ何とかギリギリやれるなと。
28人だと倍以上になってしまうと思ったので、軽く100万円以上飛ぶと思うとお腹が痛いなと思います。
新卒も倍倍で増えているんですね。
御社はモデルとしては各買取店さんの中で色石の価値が低いから売り先に困っているところをどんどん仕入れていって、そこに対して価値をつけて色々な展示会とかを含めて販売をしていく。
そうなってくると数年前にお聞きした時は、仕入れ先の開拓は営業が必要だと聞いたことがあったので。
営業スタッフたちをどんどん新入社員として入れている印象はあったんですけど、毎年倍倍で増やしていくほど必要なのか疑問に思ったんですよ。
いわゆる付加価値をつけるところにコストを集中させていて。
先ほどの「鉄則」という話なんだけど、「安く仕入れて高く売る」という部分で安く仕入れたくなかったんです。
できれば適正で高く買いたいと思った時に、付加価値をつけなければいけないという部分が大きいので。
そうすると、そこにコストを集中しなければいけないのでどんどん人が増えてきている現状でございます。
どんどん増やしていくイメージが湧かなかったんですよね。
そこではなくて、商品開発に人を増やしているという感じですかね!?
別に高く買ってもいいけど、より高く売ることのほうが重要だと思います。
ただ、売るにしても他より安く売らないといけない。
そうしないと競争に勝てないのでどうしなければいけないかと言ったら、我々の中でしっかりと付加価値をつけないといけない。
努力する方向性としてはやってきたという感じです。
新品よりも価値ある宝石へ
「宝石屋さんなんですよ」という話を聞いたことがあって。
新品の宝石よりも付加価値をつけて高く売りたいのもありますね。
鉱山から採ってきたものよりも高く売れたらいいなというのは常々理想として持っています。
リユースジュエリー。
今だとエシカルジュエリーっていうんですかね!?
エシカルジュエリーのブランドで新品のブランドに勝ったら、GIANT KILLINGというか夢がありますよね。
宝石×リユース を始めたきっかけ
販売員さんとしてやっていて、宝石の知識も全然なくて、それこそ「誕生石が分かればいいや」くらいな感じで。
むしろ営業力・トーク力で宝石は販売するものくらいに思っていたんですよね。
あんな状況で宝石を買う人はなかなかいないので、その時が時計店さんや買取店さんがちょうど出てきた頃だと思うんですよね。
今まで宝石を卸していたところが買取屋を一緒にやっていたりするんですよね。
我々が卸している宝石は値段がつくんだけど、買取った宝石をいくらで買っているのかと言ったら0円なんです。
プラチナやダイヤモンドとかはお金になることを知っているんだけど、そこら辺の色石なんかは誰も買わないし、割れていたり傷ついたりしていて使えないんだよねと。
その色石をどうしていたかと言ったら、僕の創業時は捨てていましたからね。
御社だけではないですよね。業界的にもそうですよね。
【色石 リユース 中編】捨てられがちだけど高値で売れるコスパ最強の色石とは?なかなか採掘できない石は日本の○○に眠る!?
貴瞬独自の知見
付加価値をつけるというので、実際に電気炉で熱を加えたら濃くなると思って加熱処理をしようとしたんですけど、実際に加熱処理をしたら真っ白なホワイトサファイアになったんです。
実験と聞いた時に私の勝手な頭の中のイメージが粘土細工を買ってきて、それで何かを作って組み立てようとしている。
新しい作品を作り出している感覚に聞こえたんですよ。
ちょっとチープですけど、図工感があったんですよね。
理科の実験ですね。
そうやって広がりを見せていったり、製品を作りたいとなったら、CADを導入してやってみたらどうか。
CADのデザインをどうするか。
色々とやっていくうちに少しずつ覚えていく。
オリジナリティは高いと思いますね。
色石が人気の理由
ものの割に、かなり金額的には良いというのはあると思います。
イベントはメーカーとかも出店されているんですか?
良いものを安く買えるんです。
鉱山から掘り起こした一次流通のものと比べたら、かなりコスパも良いです。
実際になかなか出てこない石は二次流通のほうが眠っています。
それこそパライバやピンクダイヤだとか。
もう出てこない石なんかも日本の都市鉱山にすごく眠っている。
よくリユース業界で言うと、日本には66兆円のリユース品が眠っていると。
あとは中古スマホとかだけでも6兆円くらいって言われていますよね。
宝石はどれくらい眠っているんですか!?
ただ実際には、まだ輸出するものより輸入量の方が多くて積み上がっているんですよね。
それだけ二次流通が発展しているんだろうなと我々は思うんですけど。
実は宝石業界においては新品が王道なのは変わらないんです。
タイやコロンビアだとか、集積所からかなり仕入れています。
貴瞬の事業
ブランドの名前も立ち上げていませんでしたか?
Kishun Pearlという名前です。
パールはそのまま出していたり、小売はPOCKET BY KISHUNという名前でやっています。
一般の方向けに販売をしているので、そういうのなんかは全て自分たちでブランディングを起こしてますね。
リブランディングをして商材自体も色々なデザインに変えて販売をしていたり材料として使っている側面があります。
自社のリブランディングもそうですし、あとは事業ですね。
ブランド事業をやって、それのクラウドファンディングで最初のファン付け・マーケティングをやったりしていて、素材を高く買えるように自分たちで付加価値をつけて売るということをやっています。
その中のパールが二次流通という部分で成功した一時例だと思います。
起業家から経営者へ
昔の企業家からキャパも規模も人も増えてきたからこれから経営者になっていかなければならないみたいな、それに類するようなツイートをたまにツイートしていますよね。
何か変わったことあります?
トマトを10個・りんごを10個売ったという形で商売さえ上手ければいいなと僕は本当に思っていたんですよね。
なんだけど、それだけではやっぱり難しくてレジを導入しなければいけないだとか。
社員の評価を作らなければならないだとか、企業体制などの部分もしっかりとやっていかないとビジネスは回っていかないと痛感しています。
僕も勉強中というか経営者としてはまだまだでございますので。
そこはかなり勉強をしています。
求める人材像
良い影響を広げると同時に必然的に人が大事になってくる。
だから事業拡大をしているというのはそこにあって。
年商1億円の時だったらお客さんも大していないですよね。
自分たちだけ儲けられれば良いと思っていたけど、お客さんがどんどん増えていくとお客さん自体にもきっと良い影響があるからうちの商売を広げさせていただけていると思っているので。
その良い影響をもっと知らない人に広げていかないと。
もちろん販売なんかも同様で、日本だけではなく世界へというのが大事だと思います。
これから貴瞬さんで働きたいなって興味を持っている方がいらっしゃった場合、グッとくるものがあるんじゃないかなと思うんですよね。
どんな人に来て欲しいとかはあるんですか!?
我々の原体験というか理念に沿った子たちが来てくれると非常にわかりやすいとは思いますね。
それこそ先ほどのお話にあった通り、ゴミのような扱いをされていたものを見方を変えて本来ある価値を見出すって中古業界全部に言えると思うんですよね。
ひよっとしたら違う角度から見たらって考えると、やっぱり価値はみんな違っていてその価値を見出すのも人それぞれの考え方・生き方。多様性に繋がるんじゃないかと。
だから多様性を重んじるメンバーが揃ったら、もっと良い会社になるだろうと思います。
実際はそういう人たちには商品開発をやってもらいたいから、そういうマインドの人たちが欲しいという感じですか?
営業・商品開発・販売だろうが、ものの価値に先入観や固定観念をもたないメンバーですよね。
これはビジネスの基本でもあるじゃないですか。
「これはひょっとして」というのがありますよね!?
常に物事の方向性がどこから見ても正義ではなくて、反対側も正義だと思えるような人が会社に求めるメンバーですね。
そこで似たような話をしたんですけど、会社のミッションや業界のインパクトのこととかを深く共感してくれている人や真っ先に事業の応援団になれる。
そういう人たちに入ってきてもらいたいし、たくさんの裁量権を与えていきたいです。
スキルはその次なんだよねって思いますよ。
だから、今の辻さんの話は結構私の心にも刺さるな!
スキルはいくらでも後からつけられるので、それよりも働き方・考え方を大事にしたいです。
【色石 リユース 後編】宝石業界の負の面をなくす 世界を見据えるその目に映るものとは?
貴瞬の今後
業界の人もみんなが言うんですよ。
貴瞬さんはM&AやIPOとかそういう感じは見えてこない。
だけど、どんどん急成長していっている。
辻さんは貴瞬をどうしていくつもりなんですか?
どこに向かっているんですか!?
会社のビジョンとしては大きなものがあるんだけれども、それを達成するためには国内だけでは物足りないと思っているんです。
なので海外展開を考えています。
もちろん、リユース業家にも大変お世話になっているんですけど。
僕は子供の頃から実家が呉服屋だったので、宝石はかなり身近な存在だったんです。
大人になってからも宝石屋になって、20年間育ててもらっている業界なのでここには必ず恩返しをしたい!
ただ今の宝石業界は負が大きいんです。
一次流通は山を削るから環境汚染にもなるし、ブラッド・ダイヤモンドじゃないけれど戦争の資金源になったりしますので。
そうではなくて、今まで掘り起こしていてタンスの肥やしになっていて誰も使わなくて捨てているような石。
これをもう1回りユースをすることによって、もう一個選択肢があってもいいんじゃないかなと思っているので。
持続可能なジュエリー業界をもう一度大きく発展させられるんじゃないかなと思っています。
そのために今一生懸命にやっています。
なおかつ、誰も泣かさない事業モデルでなければ、大きく発展することはありえないと思っています。
社員や顧客や生産者であろうが、どこであろうがみんなが幸せであれる状況を作ることが大事。
それこそ発展と持続に続くと考えています。
私も自分の会社が10倍に成長した時に、世の中が10倍良くなっているのかということを考えて。
そこがイコールだったら良い事業だしサステナブルな事業だという。
自分なりの考えを持っているので、そこは共感ですね。
注目の宝石は?
先ほど「真珠は価値がない」というお話がありましたが、御社を通じるとどのくらいで売れるんですか?
ものによっては何十万円とします。
過去には100万円近くで買ったものもあります。
すごい!
付加価値をつけたりもできるけど、意外と価値を見出されていないものが結構あって・・・・。
それこそ名前ひとつで価値が上がったり。
弊社は「ミネラルショー」といって鉱物を販売している。そういった展示会にもポップアップで出ているんです。
いわゆるBtoCですね。
一般の方々向けなんですけど。
本当に面白くて宝石として扱われているルビー・サファイアのような輝石ではなくて珍しい石です。
新品を輸入してそんなに高い金額ではなくても、珍しければ皆さんにお買い上げいただけたり。
それこそブランディングひとつ。
包装紙をひとつ変えるだけでも価値を感じていただけたりするので。そういう面では非常に面白ないなって。
色石は色々な側面を持っているんです。
量が少なくて流通しないから相場が出ない。
だから価格自体もあまりあがっていないものが、唸るほどありますよ。
それこそ毎年何十種類も新しい宝石が見つかっているので。
アマゾンの奥地にいる生物みたいな話じゃないですか!
新種の蝶が毎年何種類も見つかるみたいな感じなので。
そういう石がまだまだ輸入されています。
鑑定機関もやっていて、色石に関しては国内でもワンツーの人だと思いますけど。
エンディング
だから、まず捨てるくらいだったら貴瞬さんにご相談を!ということですね。
ということで本日は貴瞬の辻さんにお越しいただきました!
貴重なお話ありがとうございました。
【出演者情報】
〈株式会社貴瞬 代表取締役 辻瞬〉
・株式会社貴瞬:https://kishun.co.jp/corporate/
・YouTube:https://www.youtube.com/@200-qs5sn
・X:https://x.com/kishunceo
〈ウリドキ株式会社 代表取締役 木暮康雄〉
・ウリドキ株式会社:https://uridoki.co.jp/
・YouTube:https://www.youtube.com/@uridoki_net
・X:https://x.com/kogurey95/
・Forbes:https://forbesjapan.com/author/detail/1659
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