ジット株式会社 石坂幸太郎 代表取締役社長と対談しました!|【ウリドキ】リユースチャンネル

  • 2024年11月14日

今回はジット株式会社 石坂幸太郎 代表取締役社長と対談しました。
インクカートリッジ事業の成功・敗談についてお話いただきましたのでぜひご覧ください。

インクカートリッジ事業の裏側を大公開!!
  • インク事業で売上で〇〇億円!?地球にやさしいインクカートリッジ
  • インクカートリッジ市場 シェアトップ〇〇が重要!!
  • SDGsの流れに乗ってシェア拡大!!目標は〇〇!?

2024年11月公開の動画を基に記事化しています。

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【インク事業 前編】インク事業で売上25億円 地球に優しいインクカートリッジでリユース市場トップシェア



石坂社長の自己紹介

木暮
ウリドキ木暮です!

インクカートリッジのリユース業界シェアトップ、ジットの石坂社長に来ていただきました。

本日はよろしくお願いします。

石坂氏
よろしくお願いいたします
木暮
インクカートリッジのリユースというのはあまり聞き馴染みがないんですが、簡単に自己紹介してもらってもいいですか?
石坂氏
ジットの石坂と申します。

プリンターのインクカートリッジを全国から回収しています。
そのカートリッジの中に弊社の独自のインクを入れて、それをリユースしています。

ジットのリサイクルインクカートリッジとして販売するというビジネスモデルをさせていただいております。

木暮
インクカートリッジのリユースって業界の人でもあまり聞かないんじゃないかなと思うんですけど、そもそもなんでそこに着目されたんですか?
石坂氏
着目したのは私の先代になるんです。

インクジェットプリンターが一気に流行ったのが、二十数年前になるんですが。
量販店などでポップであったり特売のチラシが刷られていまして。その時はカートリッジを捨てる文化があったんですね。

そこに気が付いた弊社の当時の営業が「もったいないからリユースできないか?」というところに着目したのが二十数年前になるんですよ。

そこからインクカートリッジのリユースを始めました。

木暮
リユースは”もったいない”から始まるっていうのが根底にありますよね。

メチャメチャ利益率が高そうですね!

石坂氏
そうですね(笑)

インクカートリッジのリユース市場とは

木暮
インクカートリッジのリユース市場ってどれくらいあるんですか?
石坂氏
インクカートリッジの全体で、大体700億円~800億円ぐらいの市場があります。

日本は特に紙の印刷が多いので。

あとは年賀状でもかなりの数が使われていますので、市場規模が結構大きいですね。

木暮
御社の今の売上とかシェア率はどのくらいですか?
石坂氏
ざっくりなんですけども、シェアは10%です。インク事業で売上は25億円でまだまだシェアは伸ばせるなと思っています。
木暮
どういうところで販売しているんですか?
石坂氏
弊社のお客様ですと流通先が多いので、例えば家電量販店であったりホームセンター。
この辺りが弊社の大きなお客様となりますね。
木暮
卸しってことですか?
石坂氏
そうです。
木暮
卸しにするとインクカートリッジだけで25億円って半端ないんですけど。
市場のいわゆる流通総額みたいなところで言うと、10%だから50~60億円とか70億円そのぐらいまでみたいな感じですか?
石坂氏
まさにその通りですね。
木暮
10%もシェアを取っているってことですよね。
残りの90%はどういう人たちなんですか?
石坂氏
市場全体でいくと弊社が大体10%です。
同じようにリユースしている企業がもう1社ありまして、そこも同じような規模を持っています。

インクカートリッジの市場にはコピー品という市場もありますので、ここが大体5%のシェアを持っていて、いわゆるサードパーティーという市場が25%ぐらいを持っている形です。

残りの75%は純正メーカーと言われる大手メーカーが持っています。

それなので、75%は純正メーカー・25%がサードパーティーと言われる市場で今のインクカートリッジの市場となっていますね。

木暮
リユースモバイル業界とちょっと似ていますね。
石坂氏
見ていると、似ているなというのを感じました。
木暮
サードパーティが25%で、25%の内のコピー品5%というのはちょっと気になります。
それ以外の20%。そのうちの半分を取っていると。

もうリユース市場のトップですよ!

コロナ禍での社長就任

木暮
石坂さんがお父様の代から引き継いだのはいつなんですか?
石坂氏
私は2020年に引き継ぎましたね。
木暮
コロナの最中でメチャクチャ大変そうな時期ですね。
石坂氏
やっぱりコロナ禍は大変でしたね。
木暮
どんなどころで関係があったんですか?
石坂氏
回収が滞ってしまう可能性もあります。

あとは、私たちのお客さんはBtoCが多いんですけど、BtoBもそれなりのボリュームがあります。
それなのでコロナ禍はオフィスに行かなくなるので印刷自体が減るんですね。

なのでかなり厳しいかなと思ったんですけども、逆に良かったのが1点だけあってテレワークで皆さん家にいたので家での印刷が増えたんです。

今まで使っていなかった方々が家で自分で印刷することによって在宅需要を一気に取り込めたのでシェアを一気に伸ばせてよかったです。

木暮
2代目社長に就任して業績を上げたということですね!

成長につながった施策

木暮
石坂さんが2代目で入れられてから一気に伸ばしたというのは具体的に何をやったんですか?
石坂氏
具体的にはですね、私たちは元々工場を日本に持っているという強みもあります。
メイドインジャパンを謳ってやっていたんですけども、出口戦略が結構弱かったというのがありました。

私はそこの出口戦略に目をつけて、今まで私たちが取れていなかった大手家電店の開拓であったり、ECをメインに一気に伸ばしていったんです。
コロナ禍の時代の流れもあり、爆発的に伸びたんでとても良かったです。

木暮
販売の方なんですね!?

回収拠点はもともとあったんですか?

石坂氏
やっぱり販売拠点を増やすのと回収拠点を増やすのはセットでやらないといけないので。

これもセットでやっていきましたね。

木暮
中古のインクカートリッジって、今は日本の色々なところで販売されているんですか?
石坂氏
すごい販売されていますよ。
木暮
普通に家電量販店とかで売っているんですか?

ECは想像がついたんですけど。

石坂氏
ECは当然ですけども、家電量販店あとはホームセンターにもあります。
かなりの数のリサイクルインクが売られています。
木暮
どういう人が買っているんですか?
石坂氏
リサイクルインクを買っているお客様というのは、当然価格メリットもあるんですね。

新品の純正品に比べて30%オフぐらいで買えるというのと、地球環境にいいっていうのが一番ですね。

環境にいい商品を買いたいというお客様が一定数いらっしゃいますのでそこに対して我々はPRをして買っていただいているというのが現状ですね。

木暮
石坂さんがジットという会社の中で成功した事例という感じですね。
他にもありますか?
石坂氏
他には、メイドインジャパンを謳ったんで品質は圧倒的に良くなきゃいけないと思ったんです。
リサイクルとかリユースとか聞くと、「品質どうなの?」というイメージがありますので。

品質を圧倒的に良くしてさまざまな知見の人に入っていただいたり、特にインクの液体品質にものすごく力を入れて不具合率を減らしていったのも成長に繋がった施策の一つですね。

【インク事業 後編】大失敗で数千万円の損失を叩いた過去から成功へ次に目指すのはシェア率20%



過去の失敗

木暮
石坂さんが社長に就任されてから、いい話しか聞いていないんですけど、失敗してしまったみたいな話はありますか?
石坂氏
失敗はかなり多いですね。
失敗でいくと、品質というところに至ったのは、品質の面で戦っていくのは難しいところがあって。
品質を謳ったのはいいものの、実際は品質ダメじゃんというのが10年前とかは結構あったんですよ。
木暮
品質がダメというのは、具体的にどういうトラブルが起きるんですか?
石坂氏
例えば、印刷をしている時に上手く色が出てこないなどの問題ですね。

こういうことが起こってしまうと、宣伝を色々としたとしても「結局リサイクルはダメじゃん」となるのでちゃんと品質を固めないとと思います。

宣伝選考で結構いっちゃっていたので、これは失敗だったなと。

あとはマーケティング不足なんですけど。

私たち海外にも挑戦したことがあるんですよ。
台湾であったりシンガポールとかにも販売を始めたんですけど、これが大失敗だったんです。
マーケティング不足ですぐに撤退をして数千万円の損失を叩きました。

木暮
お話しを聞いていて、海外の販売は相性が良さそうだなと思ったんですよね。
石坂氏
私もそう思って海外にトライしたりしたんですけど。
これはやっぱり失敗でカートリッジのモデルとかが日本と海外で違うんですよね。

日本のモデルを海外に持って行っても駄目なんですよ。

海外のカートリッジを海外で回収して、海外の物を日本と同じようなビジネスモデルを作り込んでやっていかなきゃいけなかったものを、我々は安易に考えてそのまま出て行ってしまったんで、そもそも使えないとかそういったこともかなりありまして。

回収スキームをもう1回作って海外に行かなきゃ駄目だなというのはものすごく感じましたね。

木暮
ビジネスモデルごと持っていかなくちゃ駄目ということですね。

品質維持の難しさと参入障壁

木暮
ちなみにインクが出ないとかそういう話がありましたけど、インクが原因でインクが出ないということですか?
石坂氏
そうなんですよ。ここがすごい重要でインクが原因というのとプリンターとインクカートリッジの接触部分というのがあるんですけど。

チップと呼ばれる接触部分が傷ついてしまうと印刷ができないので、ここはかなりの技術がないと上手くいかないんです。

ここにも私たちは力を入れていますね。

木暮
御社はインクカートリッジに関わる技術者集団ですね。
石坂氏
さまざまなカートリッジに対応して作っているので、技術の蓄積はされていると思います。
木暮
相当な技術と知識・ノウハウがありそうですね。
参入障壁が激高ですね!
石坂氏
参入障壁は高いですね!
カートリッジを集めること自体がかなり困難になりますので。

今後の成長戦略

木暮
これからどうやって成長させていこうと思っているんですか?
石坂氏
これからの成長戦略としては、しっかりとしたいい品質のもの・回収拠点も増やしていきたいです。

30%のカートリッジが捨てられていると言われていますので、これをきっちり回収していくことと、シェア20%が目標としているのでこの目標を突破できるように頑張っていきたいです。

木暮
全体の市場のシェア20%ですか?
石坂氏
そうです。
木暮
そのときはサードパーティのシェアはどれぐらいになっているんですか?
石坂氏
本音でいくと30%ぐらいいきたいなとは思っているんですけど。
70%の新品市場・30%のサードパーティー市場というのはバランス的にもいいんじゃないかなと思っています。
木暮
インクカートリッジが捨てられているのは30%とおっしゃっていましたけど。
逆に言うと70%は回収できているんですか?
石坂氏
70%が回収が一応できているというふうに言われていまして、日本人の特性だと思うんですけど。

物を捨てないで回収するというゴミの分別を自治体でもやっていると思うんですけども、そういった意識がものすごい高いなというのはありますね。

プロモーション戦略による認知拡大

木暮
プロモーション戦略とかも考えているんですか?
石坂氏
2017年ちょうど私が就任する少し前にプロモーションを強化した方がいいということで、メイプル超合金さんにジットリサイクルアンバサダーになっていいただいたんですよ。

今もなっていただいているんですけど、回収強化であったり販売の強化

そもそも認知度の強化も含めて、店頭であった流通店にパネル・ポップを置かせていただいて、そこで私たちとしては安心安全を売ってシェアを獲得していく。

木暮
やっぱり変わりました?
石坂氏
変わりました。
木暮
どんな反応に変わったんですか?
石坂氏
「ジットって何なの?」みたいなところから始まっていたのが、「あのメイプル超合金さんを起用しているジットさん」となると、それだけでまず聞く側が違うですよね。

プロモーションもメイプル超合金さんを起用してやっていますので、私たちがこうやって説明するよりも店頭動画をガシガシ流しているので、手に取るお客様が増えています。

木暮
どんな反応に変わったんですか?

最後に伝えたいこと

木暮
このチャネルで何かお話ししたい・伝えたいことはありますか?
石坂氏
インクカートリッジは捨てないで回収していただきたいということを伝えたいですね。
捨ててしまうと燃やすしかありませんので。

燃やしてCO2を出して環境悪化に繋がってしまいますので、使い終わった物は回収ボックスに入れていただくという行為をしっかりやっていただきたいなというのと、インクカートリッジのリユースを使うだけでも環境に優しくなります。

特に年賀状がこれからの季節はありますので、クリスマスカードも含めて是非使っていただきたいなと思います。

木暮
ありがとうございます。

SDGsのいい流れも来ていますから、インクカートリッジでも地球環境にいいんだぞっていうことを啓蒙活動をされていきながらシェアを拡大していくということなんですかね。

石坂氏
今はSDGsという言葉も流行って少し意識も高まってきていますので、我々としては啓蒙活動をずっと続けて、とにかく品質がいいものというのが1番だと思います。

品質がいいものを販売をする。
そして、使い終わった物はしっかり回収していくという循環を増やしていきたいと思っています。

石坂氏
リユース業界ですけど、この商材はなかなか知らない、かなりニッチなところだなと思いました!
相当奥が深いですし、改めて大変勉強になりました。

ありがとうございました!

石坂氏
こちらこそ、ありがとうございました!

【出演者情報】

〈ジット株式会社 代表取締役社長 石坂幸太郎〉
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〈ウリドキ株式会社 代表取締役 木暮康雄〉
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木暮康雄

木暮康雄 (監修者)

ウリドキ株式会社代表取締役CEO。ウリドキプラスの発行人でもある。
リユース業界での起業・事業運営の経験が豊富でリユースの専門家としてのメディア出演歴も多数。
著書に「リユース革命」(幻冬舎)がある。

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