今回はジット株式会社 石坂幸太郎 代表取締役社長と対談しました。
インクカートリッジ事業の成功・敗談についてお話いただきましたのでぜひご覧ください。
- インク事業で売上で〇〇億円!?地球にやさしいインクカートリッジ
- インクカートリッジ市場 シェアトップ〇〇が重要!!
- SDGsの流れに乗ってシェア拡大!!目標は〇〇!?
2024年11月公開の動画を基に記事化しています。
【インク事業 前編】インク事業で売上25億円 地球に優しいインクカートリッジでリユース市場トップシェア
石坂社長の自己紹介
インクカートリッジのリユース業界シェアトップ、ジットの石坂社長に来ていただきました。
本日はよろしくお願いします。
プリンターのインクカートリッジを全国から回収しています。
そのカートリッジの中に弊社の独自のインクを入れて、それをリユースしています。
ジットのリサイクルインクカートリッジとして販売するというビジネスモデルをさせていただいております。
インクジェットプリンターが一気に流行ったのが、二十数年前になるんですが。
量販店などでポップであったり特売のチラシが刷られていまして。その時はカートリッジを捨てる文化があったんですね。
そこに気が付いた弊社の当時の営業が「もったいないからリユースできないか?」というところに着目したのが二十数年前になるんですよ。
そこからインクカートリッジのリユースを始めました。
メチャメチャ利益率が高そうですね!
インクカートリッジのリユース市場とは
日本は特に紙の印刷が多いので。
あとは年賀状でもかなりの数が使われていますので、市場規模が結構大きいですね。
この辺りが弊社の大きなお客様となりますね。
市場のいわゆる流通総額みたいなところで言うと、10%だから50~60億円とか70億円そのぐらいまでみたいな感じですか?
残りの90%はどういう人たちなんですか?
同じようにリユースしている企業がもう1社ありまして、そこも同じような規模を持っています。
インクカートリッジの市場にはコピー品という市場もありますので、ここが大体5%のシェアを持っていて、いわゆるサードパーティーという市場が25%ぐらいを持っている形です。
残りの75%は純正メーカーと言われる大手メーカーが持っています。
それなので、75%は純正メーカー・25%がサードパーティーと言われる市場で今のインクカートリッジの市場となっていますね。
それ以外の20%。そのうちの半分を取っていると。
もうリユース市場のトップですよ!
コロナ禍での社長就任
あとは、私たちのお客さんはBtoCが多いんですけど、BtoBもそれなりのボリュームがあります。
それなのでコロナ禍はオフィスに行かなくなるので印刷自体が減るんですね。
なのでかなり厳しいかなと思ったんですけども、逆に良かったのが1点だけあってテレワークで皆さん家にいたので家での印刷が増えたんです。
今まで使っていなかった方々が家で自分で印刷することによって在宅需要を一気に取り込めたのでシェアを一気に伸ばせてよかったです。
成長につながった施策
メイドインジャパンを謳ってやっていたんですけども、出口戦略が結構弱かったというのがありました。
私はそこの出口戦略に目をつけて、今まで私たちが取れていなかった大手家電店の開拓であったり、ECをメインに一気に伸ばしていったんです。
コロナ禍の時代の流れもあり、爆発的に伸びたんでとても良かったです。
回収拠点はもともとあったんですか?
これもセットでやっていきましたね。
ECは想像がついたんですけど。
かなりの数のリサイクルインクが売られています。
新品の純正品に比べて30%オフぐらいで買えるというのと、地球環境にいいっていうのが一番ですね。
環境にいい商品を買いたいというお客様が一定数いらっしゃいますのでそこに対して我々はPRをして買っていただいているというのが現状ですね。
他にもありますか?
リサイクルとかリユースとか聞くと、「品質どうなの?」というイメージがありますので。
品質を圧倒的に良くしてさまざまな知見の人に入っていただいたり、特にインクの液体品質にものすごく力を入れて不具合率を減らしていったのも成長に繋がった施策の一つですね。
【インク事業 後編】大失敗で数千万円の損失を叩いた過去から成功へ次に目指すのはシェア率20%
過去の失敗
失敗でいくと、品質というところに至ったのは、品質の面で戦っていくのは難しいところがあって。
品質を謳ったのはいいものの、実際は品質ダメじゃんというのが10年前とかは結構あったんですよ。
こういうことが起こってしまうと、宣伝を色々としたとしても「結局リサイクルはダメじゃん」となるのでちゃんと品質を固めないとと思います。
宣伝選考で結構いっちゃっていたので、これは失敗だったなと。
あとはマーケティング不足なんですけど。
私たち海外にも挑戦したことがあるんですよ。
台湾であったりシンガポールとかにも販売を始めたんですけど、これが大失敗だったんです。
マーケティング不足ですぐに撤退をして数千万円の損失を叩きました。
これはやっぱり失敗でカートリッジのモデルとかが日本と海外で違うんですよね。
日本のモデルを海外に持って行っても駄目なんですよ。
海外のカートリッジを海外で回収して、海外の物を日本と同じようなビジネスモデルを作り込んでやっていかなきゃいけなかったものを、我々は安易に考えてそのまま出て行ってしまったんで、そもそも使えないとかそういったこともかなりありまして。
回収スキームをもう1回作って海外に行かなきゃ駄目だなというのはものすごく感じましたね。
品質維持の難しさと参入障壁
チップと呼ばれる接触部分が傷ついてしまうと印刷ができないので、ここはかなりの技術がないと上手くいかないんです。
ここにも私たちは力を入れていますね。
参入障壁が激高ですね!
カートリッジを集めること自体がかなり困難になりますので。
今後の成長戦略
30%のカートリッジが捨てられていると言われていますので、これをきっちり回収していくことと、シェア20%が目標としているのでこの目標を突破できるように頑張っていきたいです。
70%の新品市場・30%のサードパーティー市場というのはバランス的にもいいんじゃないかなと思っています。
逆に言うと70%は回収できているんですか?
物を捨てないで回収するというゴミの分別を自治体でもやっていると思うんですけども、そういった意識がものすごい高いなというのはありますね。
プロモーション戦略による認知拡大
今もなっていただいているんですけど、回収強化であったり販売の強化。
そもそも認知度の強化も含めて、店頭であった流通店にパネル・ポップを置かせていただいて、そこで私たちとしては安心安全を売ってシェアを獲得していく。
プロモーションもメイプル超合金さんを起用してやっていますので、私たちがこうやって説明するよりも店頭動画をガシガシ流しているので、手に取るお客様が増えています。
最後に伝えたいこと
捨ててしまうと燃やすしかありませんので。
燃やしてCO2を出して環境悪化に繋がってしまいますので、使い終わった物は回収ボックスに入れていただくという行為をしっかりやっていただきたいなというのと、インクカートリッジのリユースを使うだけでも環境に優しくなります。
特に年賀状がこれからの季節はありますので、クリスマスカードも含めて是非使っていただきたいなと思います。
SDGsのいい流れも来ていますから、インクカートリッジでも地球環境にいいんだぞっていうことを啓蒙活動をされていきながらシェアを拡大していくということなんですかね。
品質がいいものを販売をする。
そして、使い終わった物はしっかり回収していくという循環を増やしていきたいと思っています。
相当奥が深いですし、改めて大変勉強になりました。
ありがとうございました!
【出演者情報】
〈ジット株式会社 代表取締役社長 石坂幸太郎〉
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〈ウリドキ株式会社 代表取締役 木暮康雄〉
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・Forbes:https://forbesjapan.com/author/detail/1659
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