- 並行輸入品と国内正規品の違いを知りたい
- 化粧品の並行輸入品と国内正規品の違いを知りたい
- 並行輸入品と国内正規品のメリット・デメリットを知りたい
本記事では、並行輸入品と国内正規品の違いや、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説しています。さらに、化粧品に限定した場合の並行輸入品と国内正規品の違いと、並行差別している・していないブランドも紹介。
「通販サイトでよく見る並行輸入品って正規品と何が違うの?」という疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。違いを理解したうえで海外の商品・化粧品を購入できるよう、ぜひ本記事を参考にしてください。
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並行輸入品と国内正規品の違いは「流入経路」
並行輸入品と国内正規品は、流入経路に違いがあります。ここでは、並行輸入品と国内正規品の流入経路について化粧品を例に挙げてそれぞれ詳しく解説するため、ぜひ比較して違いを理解しましょう。
並行輸入品の日本国内への流入経路
並行輸入品は、以下のような流れで日本国内へ流入し、販売されます。
- 海外ブランドの化粧品を海外の直営店・正規代理店・免税店が販売する
- 並行輸入業者が海外の直営店・正規代理店・免税店から化粧品を輸入する
- 並行輸入業者が化粧品を販売する
海外ブランドと正規代理店契約を結んでいない業者が輸入・販売を行うことが特徴的で、化粧品の並行輸入業者の例としては、コスメリンクが挙げられます。
並行輸入でヨーロッパやアジア各地の正規取引業者を通じて仕入れを行っております。
引用元:コスメリンク|並行輸入品について(最終閲覧日2025年2月9日)
国内正規品の日本国内への流入経路
国内正規品が日本国内へ流入し、販売されるまでの流れは、以下のとおりです。
- 日本にある海外ブランドAの直営店・正規代理店が化粧品をAから輸入する
- Aの直営店・正規代理店が化粧品を販売する
並行輸入品の流入経路とは異なり、海外ブランド・直営店・正規代理店という信頼性の高い業者だけが取引に関わっていることが特徴です。
化粧品|並行輸入品と国内正規品に特別な違いはある?
並行輸入品と国内正規品は、日本への流入ルートのみが異なるため、同じ化粧品なら基本的に特別な違いはありません。
ただし、商品によっては違いが見られる部分もあります。ここからは、化粧品のどこに違いが見られる場合があるのかを確認しましょう。
成分やパッケージに違いが見られる場合もある
並行輸入品と国内正規品の化粧品に違いが見られる可能性があるのは、成分やパッケージをはじめとする、以下のような箇所です。
海外仕様の商品のため、色味、仕様、表記内容、外箱、付属品の有無が異なる場合がございます。
引用元:Wayng|並行輸入品について(最終閲覧日2025年2月9日)
並行輸入品は、もともとは海外で販売されているため、日本の直営店・正規代理店などに並んでいる、日本人をターゲットとした商品とは少し異なる点が見られる場合があります。
並行輸入品の化粧品を購入するときは、国内正規品とまったく同じではない可能性があることを頭に入れておきましょう。
化粧品|並行輸入品の取り扱いには注意が必要!
並行輸入品が日本へ流入するまでには、海外メーカーと正規代理店契約を結んでいない業者が関わっていますが、どの業者でも化粧品を輸入・販売できるわけではありません。
ここでは、化粧品を並行輸入する業者が押さえるべきポイントを紹介します。信頼できる並行輸入業者かを見極めるうえでも役立つ情報なので、ぜひ目を通してください。
輸入・販売に許可がいる
化粧品の輸入や販売を行う業者は、化粧品製造販売業許可と化粧品製造業許可を受ける必要があります。
化粧品を製造又は海外から輸入し、市場出荷するには、「化粧品製造販売業許可」及び「化粧品製造業許可」が必要となります。
引用元:茨城県|初めて化粧品を製造・製造販売・輸入される方へ(最終閲覧日2025年2月9日)
化粧品製造販売業許可なく化粧品を輸入・販売すると、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」違反に該当します。
また、並行輸入品を保管したり成分表示を日本語訳したりする際は、化粧品製造業許可も必要です。
化粧品を製造するためには、化粧品製造業許可を取得しなければなりません。
製造には、包装、表示、保管行為も含まれますので、例えば、市場出荷前の製品について保管のみ
行う場合や、輸入された化粧品に対して必要な邦文表示を行う場合であっても、製造業許可(この場
合は包装・表示・保管区分)を取得しなければなりません。
引用元:宮城県|化粧品の製造販売業・製造業について|1ページ目(最終閲覧日2025年2月9日)
並行輸入品を購入する場合は、販売業者が化粧品製造販売業許可や化粧品製造業許可を取得しているか事前確認しましょう。
薬機法違反の有無を確認する必要がある
並行輸入品の化粧品は、国内で製造・販売されている商品と同じように薬機法の決まりを守る必要があります。そのため、輸入前に全成分を製品に表示して都道府県知事に届出を行ったり、PMDA(医薬品医療機器総合機構)に申請したりしなければなりません。
厚生労働大臣が指定する成分を含有する化粧品は、厚生労働大臣の承認が必要です(法第14条第1項)。
ただし、化粧品基準(2000年9月29日厚生省告示第331号)に適合し、全成分を容器等に表示し、都道府県知事にこの旨の届出を行った場合はにこの承認は不要となります。
全成分を表示しない場合は、都道府県経由もしくはPMDAに直接申請を行います。輸入しようとする化粧品等の品目、成分・分量、製造方法、用法・用量、効能・効果、貯蔵方法・有効期間、規格・試験方法その他の必要な事項を審査のうえで総合的に判断されます。
引用元:日本貿易振興機構|化粧品の輸入手続き:日本(最終閲覧日2025年2月9日)
また、購入者に向けて、以下のとおり化粧品の成分すべてをラベルに表示することも義務付けられています。
原則、配合されている成分すべて
引用元:東京都健康安全研究センター|化粧品の表示(最終閲覧日2025年2月9日)
並行輸入品の化粧品の購入を検討している方は、成分表示に必ず目を通しましょう。
並行輸入品の基本
並行輸入品という単語は聞いたことがあっても、違法・偽物ではないのかといった不安を持っている方もいるのではないでしょうか。
ここでは、並行輸入品の基本知識についてわかりやすく解説しているので、理解を深めたい方はぜひチェックしてみてください。
真正商品の並行輸入なら違法ではない
並行輸入が商標権(商品に書かれたマーク・名前を独占的に使用できる権利)の侵害にあたると考えられていた時代もありました。しかし、特許庁によると2024年2月14日時点での見解は以下のとおりです。
商標権者から商標の使用許諾を得ていなくとも、「真正商品の並行輸入」にあたる場合には、商標権の侵害にあたらないとされています。
引用元:特許庁|Q2. 商標権にかかる並行輸入(最終閲覧日2025年2月9日)
真正商品とは、特許権・商標権を持つ業者によって製造された本物の商品のことです。
つまり、本物の商品であれば並行輸入して販売したとしても商標権の侵害にはあたらず、違法ではありません。
並行輸入品は偽物ではない
並行輸入品を偽物だと勘違いされている方も多いですが、並行輸入品は基本的に海外の正規店から商品を購入して輸入を行います。
つまり、並行輸入品も正規品(本物)です。
ただし、輸入時にブランドが行うコピー品かどうかのチェックが入らないため、知らないうちに偽物が混じる場合があります。
並行輸入品を買うメリット
並行輸入品についてお伝えしたところで、ここからは並行輸入品を買うメリットについて以下3つをお伝えします。
- 正規店・正規代理店よりも安く変える
- 日本で販売されていない商品を購入できるかもしれない
- レアアイテムを入手できるかもしれない
順番にご紹介しましょう。
正規店・正規代理店よりも安く変える
並行輸入品を買うメリットとして挙げられるのが、安く買えることです。
正規代理店は、ブランド正規店から販売できる価格の規定を受けているため、一定の価格までしか落とせません。
一方、並行輸入品は、ブランド正規店から制約を受けない第三者が販売をしているため、価格も市場に合わせて安くなる傾向があります。
安くブランド品を購入する選択肢として、並行輸入品を選ぶのもひとつです。
日本で販売されていない商品を購入できるかもしれない
並行輸入品を買えば、日本向けじゃない商品が手に入れられる可能があります。
正規品の場合は、ブランド正規店が決めた日本国内向けのデザインやモデルのみ販売を行っています。
一方、並行輸入品は海外から直接仕入れて輸入するため、日本未上陸のモデルを販売していることも珍しくありません。
どうしても海外モデルが欲しいという方は、検討してみてください。
レアアイテムを入手できるかもしれない
並行輸入品を買えば、正規店では品薄だったレア商品が手に入ることもあります。
先程説明したように、並行輸入品はブランド正規店から制限のない独自のルートを使い輸入を行います。
つまり、正規店では人気が高く品薄で輸入に制限がかかっている商品も、制約を受けない並行輸入は品薄商品をたくさん国内へ持ち込み販売できるのです。
品薄で手に入らないとお悩みの商品であれば、並行輸入品で探してみてはいかがでしょうか。
並行輸入品を買うデメリット
並行輸入品を買うメリットについてお伝えしたので、ここからは並行輸入品を買うデメリットを以下3つよりご紹介します。
- アフターサービスを受けられない可能性がある
- 偽物が混ざっていることもある
- 日本規格ではない商品も含まれる
詳しくそれぞれを順番に記載していきます。
アフターサービスを受けられない可能性がある
並行輸入品を買うことで、アフターサービスを受けられない可能性があります。
たとえば、フランクミュラーやル・クルーゼなどは、並行輸入で購入した商品に対してアフターサービスを受け付けていません。
もちろん、全てのブランドではないので、並行輸入品で購入予定のブランドがアフターサービスを受けつけているかどうか事前に確認しておくと安心です。
偽物が混ざっていることもある
並行輸入品を買うデメリットは、偽物が混ざるケースがあることです。
さきほど少しふれたように、並行輸入品は独自のルートから商品を仕入れます。
つまり、輸入されている間に偽物とすり替えられていても、ブランドのチェックが入らないため判別ができません。
そのため、正規品と思い並行輸入品を買ったとしても、偽物を購入していたというリスクがあることは覚えておいてください。
日本規格ではない商品も含まれる
並行輸入品は、もとは海外で販売されている商品なので、日本で売られている国内正規品とは仕様が少し異なる場合があります。
消費者庁も、以下のとおり注意喚起しています。
並行輸入品は正規輸入品よりも安く購入することができますが、国内の正規品とは仕様が異なる製品である可能性があることを理解した上で購入しましょう
引用元:消費者庁|海外の製品を並行輸入品や個人輸入品として購入するときの注意点|7ページ目(最終閲覧日2025年2月9日)
「並行輸入品は本物だから、国内正規品と全部一緒」と考え、よく確認せずに商品を購入するとトラブルが発生するリスクがあるため、注意しましょう。
国内正規品を買うメリット
国内正規品には、以下のようなメリットがあります。
- 偽物を買うリスクがない
- 保証・サポートが充実している
並行輸入品か国内正規品のどちらを買うか悩んでいる方は、ぜひチェックしてみましょう。
偽物を買うリスクがない
海外製品の正規品は、日本にある直営店・正規代理店で購入できます。直営店・正規代理店は、海外のメーカー・ブランドから直接商品を輸入しており、正規代理店契約を結んでいない業者は関与しません。そのため、偽物を買うリスクなく本物を手に入れられます。
「絶対に偽物は買いたくない」という方は、並行輸入品ではなく国内正規品の購入を狙いましょう。
保証・サポートが充実している
並行輸入品を販売している業者は十分なアフターサービスを用意していない可能性がある一方で、直営店・正規代理店では保証・サポートが充実していることが多いです。世界的に有名な海外ブランドであるエルメスでは、以下のような保証が受けられます。
エルメスの「保証」の適用期間である5年間、エルメスは製造上の瑕疵について、当該製品または部品の修理、あるいは交換により、その瑕疵を是正します。
引用元:エルメス|お手入れとリペア(最終閲覧日2025年2月9日)
並行輸入品であっても、正規店で国内正規品と同じアフターサービスを受けられるか前もって確認することも大切です。
国内正規品を買うデメリット
国内正規品の購入には、メリットだけでなく以下のようなデメリットも見られます。
- セールや値下げの機会が少ない
- 人気商品は入手までに時間がかかる
メリットとともにデメリットも頭に入れて、並行輸入品か国内正規品のどちらを買うか決めましょう。
セールや値下げの機会が少ない
自由に価格を決められる並行輸入品と比べて、国内正規品は購入価格が高額になりやすいです。
ブランド直営店では決められた定価で販売をおこないますが、当店ではその時々の仕入れ価格により独自に販売価格を設定できるため、ディスカウント価格でご提供できます。
引用元:ラキシス|並行輸入について(最終閲覧日2025年2月9日)
国内正規品をなるべく安価で購入するためには、セールや値下げの機会を狙うしかありません。
しかし、特に高級ブランドはブランド価値の低下を恐れ、簡単に値下げを行うことはないでしょう。高額であっても人気・需要があることも、値段が下がりにくい要因です。
人気商品は入手までに時間がかかる
日本にある直営店・正規代理店の在庫には限りがあります。人気が非常に高いアイテムの国内正規品を手に入れたい場合は、入荷を待つ必要があり、入手までに時間がかかってしまうかもしれません。
並行輸入品か国内正規品かに特別なこだわりがない場合は、視野を広くして商品を探したほうが購入につながりやすいでしょう。
並行差別とは?
並行差別という言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
ここでは、言葉の意味や、並行差別している・していないブランドを紹介します。「並行差別がよくわからない」という方は、ぜひ参考にしてください。
並行差別の意味
並行差別とは、ブランド・メーカーが並行輸入品を正規品と区別して対応を変えることです。たとえば、一部の時計メーカーでは並行輸入品の修理依頼を断ったり、メンテナンスの料金を正規品より高額に設定したりします。
ただし、すべてのブランドが並行差別を行っているわけではありません。ここからは、並行差別している・していないブランドの例を紹介します。
並行差別しているブランド
並行差別をしているブランドの例としては、以下の3つが挙げられます。
- ブライトリング
日本国内の正規販売店でお求めいただいたクラブ・ブライトリングメンバーの方は、
正規メンテナンスの技術料を特別価格で承っています。
引用元:ブライトリング|OUR SERVICES(最終閲覧日2025年2月9日) - タグホイヤー
保証期間延長の対象となるのは、2020年4月1日(水) 以降にタグ・ホイヤーの公式オンラインブティック、ブティック、または正規販売店で購入された、以下の自社製ムーブメントを搭載したタグ・ホイヤー ウォッチです。
引用元:タグホイヤー|国際保証(最終閲覧日2025年2月9日) - ゼニス
国際保証は、以下の条件に限り、世界中のすべてのゼニス 正規取扱店で有効です。
お使いのウォッチがゼニスの正規代理店から購入されたものであること。
引用元:ゼニス|国際保証(最終閲覧日2025年2月9日)
正規店で国内正規品を購入することにより、メンテナンス費用が安くなったり、保証期間を延長できたりします。ブランドによって並行差別の方法が異なるため、事前に公式サイトを確かめるとよいでしょう。
並行差別していないブランド
並行輸入品を差別していないブランドの例は、以下のとおりです。
- リシュモングループ(カルティエ・IWC・パネライ)
- スウォッチグループ(ロンジン・オメガ)
- ロレックス
- チュードル
並行輸入品であっても本物の商品であることが証明できれば、料金差なく、正規品と同じようにアフターサービスが受けられます。
並行輸入品と国内正規品の違いを正しく理解しよう
本記事では、並行輸入品と国内正規品の違いや、それぞれのメリットとデメリット、並行差別について解説しました。
並行輸入品と国内正規品の大きな違いは、流入経路ひとつです。しかし、流入経路の違いによって商品の信頼性や価格、仕様などに違いが生まれます。また、化粧品のように並行輸入時に特別なルールが課されるアイテムもあります。
海外製品を入手したい場合は、並行輸入品と国内正規品の違いを理解したうえで購入する商品を選びましょう。