電力会社を切り替える際に必要な供給地点特定番号について、「聞いたことがない」「どうやって調べればいいかわからない」という人も多いのではないでしょうか。
2016年の電力自由化以降、大手電力会社からより安い新電力へと切り替える家庭が増えています。そして、切り替え手続きをスムーズに行うために導入されたものが供給地点特定番号です。
ただし調べ方を知っておかないと、探すのに時間がかかり、切り替えたいタイミングに間に合わなくなるかもしれません。取り扱い次第では個人情報を流出させる恐れもあるため、注意が必要です。
本記事では、供給地点特定番号の意味や調べ方、実際に電力会社を切り替える手順などを解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
供給地点特定番号とは
供給地点特定番号とは、電気を使用している場所を特定するために割り振られた識別番号を指します。全国一律で22桁の番号がふられており、この番号がわかればピンポイントの場所を検索できるため、住所と同じようなものと考えていいでしょう。
供給地点特定番号は、主に次のような場合に使用されます。
電力会社の切り替え時に必要
従来は地域ごとに定められた電力会社としか契約できなかったものの、2016年の電力自由化により、数多く誕生した新電力会社も自由に選択できるようになりました。
多くの家庭で電力会社の切り替えが行われることが予測されたため、スムーズに手続きを進められるよう、いずれの電力会社にも共通の供給地点特定番号を導入。以降、電力会社の切り替え時に必要な情報として用いられています。
計画停電情報が検索できる
災害などで計画停電が行われる場合、供給地点特定番号を利用して情報を調べることが可能です。
たとえば東京電力では、地域ごとにグループ分けして計画停電の日時を発表します。その際、グループ検索システムに供給地点特定番号を入力し、自分の住む地域がどのグループに属するか検索することで、いつ計画停電が起きるか把握できる仕組みです。
供給地点特定番号の調べ方
普段はあまり使用する機会がないため、供給地点特定番号を見たことがないという人は少なくないでしょう。いざ電力会社を切り替えようと思っても、どうやって調べればいいのかわからないと、なかなか手続きを進められませんよね。
供給地点特定番号の調べる方法は以下のとおりです。
検針票・明細書
毎月送付される「電気ご使用量のお知らせ」といった検針票・明細書には、供給地点特定番号が記載されています。どのあたりに記載されているかは、電力会社によってさまざまです。
なかには供給地点特定番号ではなく、「地点番号」と表記されているものもありますが、どちらも同じ番号なので見落とさないように注意してください。
電力会社の契約者専用マイページ
紙面での検針票・明細書に対応していなかったり、発行に料金が発生したりする電力会社では、WEB明細を利用している人もいるでしょう。
多くの電力会社では、契約者専用のマイページにアクセスすることで、供給地点特定番号を含む契約内容や電気の使用量などを確認できます。
以下は旧一般電気事業者10社における個人向けWEBサービスです。
電力会社 | WEBサービス | URL |
---|---|---|
北海道電力 | ほくでんエネモール | https://www.enemall.hepco.co.jp/ |
東北電力 | よりそうeねっと | https://www3.zf1.tohoku-epco.co.jp/ |
東京電力 | くらしTEPCO web | https://www.tepco.co.jp/ep/kurashi/feature.html |
北陸電力 | ほくリンク | https://mieruka.rikuden.co.jp/ |
中部電力 | カテエネ | https://katene.chuden.jp/ |
関西電力 | はぴeみる電 | https://kepco.jp/miruden |
中国電力 | ぐっとずっと。クラブ | https://www.energia-support.com/ |
四国電力 | よんでんコンシェルジュ | https://www.yonden.co.jp/y-con/ |
九州電力 | キレイライフプラス | https://www.kireilife.net/pages/index.html |
沖縄電力 | おきでんmore-E | https://more-e.okiden.co.jp/ |
電力会社への問い合わせ
紙面の検針票や明細書が見当たらなかったり、マイページにうまくアクセスできなかったりする場合は、契約している電力会社へ直接問い合わせましょう。
ただし、時間帯や時期によっては電話が繋がりにくいことがあります。なかなか繋がらないときは、時間や日を変えて再度問い合わせてみてください。
電力会社を切り替えるときの手順
もっと料金が安い電力会社に切り替えたいと思いつつ、手続きが複雑でためらっている人もいるのではないでしょうか。
実際のところ、切り替え手続き自体はそこまで面倒な作業はありません。一般的な手順を解説するので、参考にしながら進めてみてください。
各電力会社のサービスを比較
まずは気になる電力会社をいくつかピックアップして、各々の提供するサービスや料金プランを比較してみましょう。月々や年間でいくら電気代がかかるのか、自分の生活スタイルに適したプランで料金シミュレーションを行うことが大切です。
ただし、現在の電気使用量を把握していないと算出できないため、検針票やマイページで調べておきましょう。
電力会社を選ぶときの注目ポイント
電力会社の選び方として料金の安さはもちろんですが、そのほかにもチェックしておくべきポイントがあります。「どうやって選べばいいかわからない」という人は、以下の点に注目してみてください。
- 基本料金はいくらか
- 1kWhあたりの料金はいくらか
- 提携サービスの割引など特典があるか
- ポイント還元はあるか
- 生活スタイルに合うプランがあるか
- 契約に縛りがあるか
- 実績や口コミ評判はどうか
切り替え時に必要な情報を揃える
電力会社の切り替えには、下記の情報が必要です。
- 契約者名
- 連絡先(電話番号・メールアドレス)
- 決済方法(口座やクレジットカード情報)
- 契約中の電力会社名
- 契約中の電力会社のお客さま番号
- 供給地点特定番号
- 切り替え希望日
調べないとわからない情報は、スムーズに手続きを進めるためにも、あらかじめ準備しておくといいでしょう。
新しい電力会社に申し込む
ほとんどの電力会社はインターネット上で手続きできますが、自分で行うのは不安だという人は、電話からの申し込みがおすすめです。
現在契約中の電力会社については、基本的に切り替え先の電力会社が解約手続きを行うので、自身での連絡は必要ありません。
電気メーターの交換が必要な場合もある
近年の電気メーターは、スマートメーターというデジタル式のものが使用されています。
従来のアナログ式では、検針員が目視でチェックを行っていましたが、スマートメーターは一定時間ごとに自動で電力会社へデータを送信するため、現場での作業が不要です。
徐々に普及は進んでいるものの、まだ未設置の場合は電力会社の切り替えを機に取り換え工事を行います。とはいえ、基本的に工事費の負担や立ち合いは必要ないので、工事期間を考慮して少し早めに申し込む以外は、特に問題はありません。
供給地点特定番号に関するQ&A
電力会社の切り替えをしたことがないと、供給地点特定番号という言葉を耳にすることはほとんどないかもしれません。そのため実際に必要になったとき、疑問に思うことも多々あるでしょう。
ここでは供給地点特定番号について悩みやすい疑問をいくつか挙げて解説します。
引越し先の供給地点特定番号の調べ方は?
現住所の供給地点特定番号は、契約中の電力会社から届く検針票やマイページで簡単に調べられます。しかし引越し先の供給地点特定番号は、調べられるものがないですよね。
電力会社の切り替え時には供給地点特定番号が求められますが、引越しの場合は不要であることがほとんど。どうしても必要な場合は、その地域の大手電力会社に問い合わせると調べてもらえます。
引越し先が新築の場合
引越し先が新築の場合、電気の引き込み工事が完了しないと供給地点特定番号が発行されません。発行されたとしても、新電力では電気の供給までに時間を要する場合があり、しばらく電気が使えない……という恐れも。
新築で電力会社と契約する際は、引き込み工事の完了後に一度大手電力会社と契約し、そのあと新電力に切り替えることを推奨します。
お客さま番号との違いは?
検針票などを見ると、供給地点特定番号のほかに「お客さま番号」が記載されているでしょう。これは、電気の契約単位で電力会社が設定する番号です。
供給地点特定番号はどの電力会社でも共通であるのに対し、お客さま番号は電力会社によって独自の番号が割り振られる点が、両者の違いとして挙げられます。
ガスと電気の供給地点特定番号は同じ?
電気と同じように、ガスの使用場所にも供給地点特定番号が割り振られており、両者はまったく別の番号です。
似ていて間違えやすいものの、電気は22桁、ガスは17桁と数字の桁が異なることが見分けるポイント。どちらの供給地点特定番号かわからないときは、数字がいくつあるか数えることで判別できます。
供給地点特定番号は取り扱いに注意
供給地点特定番号は、電気の使用場所を正確に示す住所の役割を果たします。つまり実際の住所がわからなくても、供給地点特定番号さえわかれば容易に場所を特定することが可能です。
意味を知らないと危機感を持ちにくいかもしれませんが、供給地点特定番号は住所と同じく個人情報として慎重に取り扱う必要があります。間違ってもSNSなどに載せるようなことはやめましょう。
供給地点特定番号を調べて円滑に電力会社を切り替えよう
供給地点特定番号は普段ほとんど使用することがないため、電力会社を切り替えるときに初めて知った、探すのに苦労したという人は少なくないでしょう。切り替えが必要な日までに間に合わなかったというケースもあるかもしれません。
しかし本記事でお伝えしたように、調べ方さえ知っていれば簡単に見つけられます。これから電力会社の切り替えを検討している人は、ぜひ本記事を参考にしながらスムーズに手続きを進めてみてください。