引っ越しの費用について悩んでいませんか。これから新天地での生活が始まるなか、少しでも安い時期に引っ越して、出費は抑えたいというひとは多いのではないでしょうか。
引っ越しは時期によってかかる金額がかなり異なります。すこし時期をずらすだけで数万円単位で節約できることもあるので、引っ越しを予定している人は時期をしっかり検討することが重要です。
しかし引っ越しは、入学や就職、転職などに合わせて行う人が多いので簡単に時期をずらすことは難しいですよね。
本記事では、引っ越しが安い時期や高い時期との比較、引っ越し業者以外にかかるお金や、時期をずらせない場合の節約方法などを紹介します。引っ越しを少しでも安くしたいと考えている人はぜひ参考にしてください。
引っ越し業者の安い時期は?
引っ越し業者は、引っ越しの件数が多い時期の価格を高めに設定し、引っ越し件数が少ない時期の価格を設定する傾向があります。
では引っ越しが少ないのは何月でしょうか。全日本トラック協会による大手引越事業者6者へのヒアリング結果によると、3月~4月の引っ越し件数がほかの月より多いことがわかります。
出典:全日本トラック協会による大手引越事業者6者へのヒアリング結果
このことからもわかるように、引っ越し件数が多い3~4月は引っ越し費用が高く、そのほかの時期はそれほど大きな差がありません。
通常期の相場
引っ越しの通常期とは5月~2月を指します。この期間は多少件数の差はあれど、月による大きな引っ越し金額の差はありません。
通常期の引っ越し金額の相場は以下の通りです。
単身(荷物多め) | 2人家族 | 4人家族 | |
全距離平均 | 42,000~56,964円 | 70,000~74,505円 | 80,000~115,729円 |
~50km未満 (同都道府県内程度) | 35,000~49,406円 | 66,000~70,794円 | 99,600~118,144円 |
~200km未満 (同地方内程度) | 50,000~64,756円 | 86,478~97,000円 | 100,000~134,971円 |
出典:引越し費用の相場はいくら?|引越し侍、引っ越し見積もり価格はだいたいいくら?|suumo引っ越し見積もり
こちらの金額はあくまでも相場で、荷物の量をできるだけ減らす、安い引っ越し業者を選ぶなどの工夫をすれば、表の相場より安く引っ越しすることも可能でしょう。
繁忙期
引っ越しの繁忙期とは3月~4月を指します。
全国的に一斉に新生活がスタートするため、引っ越しが必要になる人が多い時期です。そのため引っ越し業者の予約が殺到することがわかっているため、引っ越しの基本料金が通常期より高く設定されています。
繁忙期の引っ越し金額の相場は以下の通りです。
単身(荷物多め) | 2人家族 | 4人家族 | |
全距離平均 | 70,000~74,430円 | 97,915~100,000円 | 130,000~155,096円 |
~50km未満 (同都道府県内程度) | 54,000~62,733円 | 88,676~95,000円 | 141,978~147,300円 |
~200km未満 (同地方内程度) | 81,000~82,151円 | 115,353~145,000円 | 176,781~200,000円 |
出典:引越し費用の相場はいくら?|引越し侍、引っ越し見積もり価格はだいたいいくら?|suumo引っ越し見積もり
人数における通常期と繁忙期の金額の差は?
通常期の料金を詳しく見てみると、実は引っ越しの人数によって安い時期が少し異なることがわかります。それは単身者が引っ越しを必要とする時期と、家族で引っ越しをしたい時期に少しずれがあるからです。
それぞれの最も安い時期や、繁忙期との金額の差を見ていきましょう。
単身引っ越しの場合
出典:引っ越し見積もり価格はだいたいいくら?|suumo引っ越し見積もり
単身者の引っ越しの繁忙期はやはり3月~4月上旬。新しい生活が始まり、新社会人や新入生として新天地で生活を始める人が多いことが理由です。
一方で1番安く引っ越しができるのは11月。会社の部署移動や転勤の季節も落ち着き、新生活が始まる準備をする人もまだいないので、引っ越しをする人が少ない時期です。
単身者用のプランで引っ越しを予定している人は、11月に引っ越しができるかどうか検討してみましょう。
家族での引っ越しの場合
出典:引っ越し見積もり価格はだいたいいくら?|suumo引っ越し見積もり
家族での引っ越しにおいても、繁忙期は3~4月上旬です。学校や会社での新生活のスタートの時期に合わせて、新しい環境での生活を始めたいと考える人が多いことが理由でしょう。
一方、1番安く引っ越しができるのは6月です。6月は新生活が落ち着いてきて、学校が夏休みに入るまでの期間。子供がいる家庭は長期休みに引っ越しを検討する人が多いため、ちょうど中間にあたる6月の引っ越し件数が少なくなるのです。
引っ越し業者以外にかかるお金
引っ越し費用といえば「引っ越し業者に払うお金」と考えている人はいませんか。
確かに金額が大きいのは引っ越し業者への費用ですが、それ以外にも仲介してくれた不動産会社に支払う「仲介手数料」や、大家さんに払う「敷金礼金」「家賃」なども引っ越し費用です。
実はこれらのお金も安くなる時期があります。家賃は1回だけでなく、生活していくなかでずっと支払い続けるものです。1度安く契約できたら、そのあとのランニングコストが安くなることになるので、ぜひ安くなる時期の入居を検討してみましょう。
仲介手数料が安い時期
仲介手数料は、新しく部屋を契約する人が少ない時期に下がる傾向があります。仲介手数料を低く設定することで、少しでも入居へのハードルを下げるためです。
よって、6~10月は仲介手数料が低く設定されがちなので、お得に契約ができるでしょう。
12月以降は春の新生活に向けて新しい部屋を決め出す人が増える時期です。引っ越し件数は少ないですが、仲介手数料を割引されることはあまりないので注意しましょう。
家賃が安い時期
家賃は通常料金よりいくらか安く設定される期間があります。その時期は大家の考え方や、周辺の住宅事情によって異なりますが、おおむね6~8月ごろです。
春の引っ越しシーズンが落ち着いたあとに空室の場合、大家にとって部屋の居住者を見つけにくいでしょう。その場合、空室状況を改善したいという思いから、家賃を安く設定しなおします。この時期に部屋を探すと、少し家賃が安めで契約できる可能性があるでしょう。
ほかの入居者との家賃の差を避けるために、一定期間家賃を無料にする「フリーレント」という貸し出し方法をしている場合もあるので、合わせてチェックしてみるのがおすすめです。
【結論】引っ越し全体にかかる金額が安い時期
引っ越し費用と初期費用の合計金額を検討した結果、安く引っ越しできる時期は、6月ごろ契約の8月入居と10月ごろ契約の12月入居周辺といえます。
これらの時期は契約時点では引っ越しの閑散期で、各不動産会社や大家が初期費用を下げているころ。また入居時期も引っ越しの件数が少ない閑散期に当たり、引っ越し業者の価格設定が落ち着いている頃だといえるのです。
両方の閑散期がうまく重なるこの時期が、引っ越しが一番安い時期といえるでしょう。
時期が選べない引っ越しを安く抑える方法
引っ越し費用を安くするには、安い時期に引っ越しをすることが1番重要です。しかし、引っ越しの時期を選べないという場合も多いのではないでしょうか。
そこで「引っ越しの時期を工夫する」以外で、引っ越し費用を安く抑える方法を紹介します。
複数社の見積もりを比較する
引っ越し業者は時期や予約状況、プランなどさまざまな条件で引っ越し費用を算出しているため、同じ日程でも費用は異なります。
引っ越し時期が確定したら複数社の見積もりをとって、安い業者を検討しましょう。
しかし引っ越しの見積もりは荷物量を入力したり、住所を入力したりと手間がかかって面倒という人もいるのではないでしょうか。そのときは複数社の見積もりを一括で受けられるサービスを利用すると楽に比較ができます。
早めに見積もりをする
引っ越し予定が決まったらできるだけ早く見積もりをして、予約をいれましょう。引っ越し業者はできるだけ引っ越しの予定を埋めたいので、早く予約をすることで特典が得られることがあります。
早割価格で予約ができたり、特典として段ボールなどの資材がもらえたりして、引っ越しの価格を抑えられるでしょう。
梱包や荷解きは自分で
引っ越しのプランのなかには、荷物の梱包から運び出し、運び入れから荷解きまですべて任せられるプランがあります。引っ越しにかかる手間がかなり省けるので、引っ越し自体は楽になりますが、費用面では負担が大きいです。
引っ越しにかかる費用をできるだけ安くしたい場合は、荷物の搬送のみを依頼し、梱包や荷解きは自身でするようにしましょう。
平日の午後やフリープランで契約
引っ越しプランをフリープラン(フリー便)で契約しましょう。
引っ越し業者では大抵契約時間帯を、午前便と午後便に分けています。通常は時間を指定して契約しますが、フリープランは業者のほうで時間を後日調整し、引っ越し業者が決定した時間で作業をするプランです。
引っ越し業者の融通が利く分、価格を安く設定している引っ越し業者が多いプランでもあります。フリープランがない場合は、人気の午前中を避け、午後で契約するといいでしょう。
不用品は事前に処分しておく
引っ越しの費用は荷物の量で変わります。そのため引っ越しの荷物を極力減らしておくことが、引っ越しを安くするコツです。
引っ越し先で使わないかもしれないものは、引っ越し前に処分しておきましょう。特に、大きい家具や家電は「運ぶ費用」と「新しく購入する費用」を比較して検討することが重要です。
プランを工夫する(コンテナ便・混載便など)
長距離引っ越しを検討している人は、コンテナ便や混載便を利用しましょう。
コンテナ便とはコンテナに入れて列車や船で荷物を運ぶことで、ガソリン代などの費用を浮かせる便。混載便は近隣への荷物を1つのトラックにまとめて運ぶことで、費用を浮かせる便のことです。
どちらもガソリン代や人件費が浮く分、安い価格で利用できます。
引っ越しは安い時期を選んで進めよう
引っ越しの安い時期や通常期と繁忙期の価格差、時期以外に引っ越しの価格を下げる方法などを紹介しました。
引っ越しは繁忙期にすると、通常時の約1.5倍~2倍の料金がかかることもあります。新生活の予定もあり、難しいかもしれませんが、できるだけ引っ越す時期を選ぶことが重要です。
少し早く、あるいは少し遅くするだけで、とてもお得に引っ越しができ、新生活をゆとりをもってスタートさせられるでしょう。
引っ越しの時期を自身で調整できる場合は、ぜひ本記事を参考に、閑散期の引っ越しを検討してみてくださいね。