古物商プレートの作成方法は?|様式や記載事項を解説

  • 2023年7月27日

事業を始めたいけれど、古物商プレートの作成方法が分からない方は多いでしょう。せっかくなら時間をかけずに知りたいですよね。

作成方法にはルールが複数ありますが、一つひとつ確認すれば間違えずに作成できます。しかし、なんとなくで作成すると初めからやり直しになりかねません。

この記事では、古物商プレートの様式や作成方法を解説します。古物商プレートについて何も知らない方も自信を持って事業を始められるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。

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古物商プレートの必要性

古物商を営む場合、古物許可を受けた証明になる古物商プレートが必要です。プレートがなければ、無許可で営業している古物商か簡単に判断できません。

古物商プレートの必要性について、詳しくみていきましょう。

古物営業法で定められている

古物商として事業を行う場合に、古物商プレートを提示することが「古物営業法」で定められています。営業許可をとっているかがわかりやすく提示されていなければ、無許可の古物商と取引することになるかもしれません。

古物商許可を取ることは、窃盗などの犯罪に巻き込まれずに誰もが健全な取引ができるようにするため、法律で定められています。万が一古物商許可を取っていなければ、法律違反になるでしょう。

古物商プレートの正式名称は「古物商標識」です。

自宅が営業所でも掲示が義務

古物商プレートは自宅が営業所だとしても、掲示が義務付けられています。店舗だから提示が必要というわけではないので、注意が必要です。

勘違いをしていると、「知らない間に法律違反していた」ということになりかねません。自宅を含む営業所などには、古物商プレートは取引する相手に見えやすい場所に掲示することが古物営業法で定められています。

掲示がないと罰金

仮に古物商プレートを掲示せずに古物商を営業したときは、古物営業法によって罰金を払うことが定められています。

古物商プレートを提示していない場合、罰則は10万円以下の罰金です。掲示はしていてもわかりにくい場所に提示していれば、罰則対象となるので注意が必要。

古物商プレートの提示は徹底して行いましょう。

古物商プレートの様式

古物商プレートの提示は法律で義務づけられ、さらに古物商プレートは決まった様式があります。

ここからはサイズや材質、色と記載事項だけでなく、気をつけておきたい品目の表記までご紹介するので、必ずチェックしましょう。

サイズ・材質・色

古物商プレート「サイズ・材質・色」まで細かく定められています。古物営業法施行規則第11条、別記様式第13号によると、下記のように作成が必要です。

サイズ縦8cm、横16cmの長方形
材質金属やプラスチック、または同程度の耐久性があるもの
紺色の地に白い文字

気をつけたいことは、材質に紙を使用した場合は認められないことです。

例えば、記載事項を満たした内容を紙に印刷しても認められません。また、印刷した紙を金属やプラスチックに貼った場合も同様に認められないので、紙の使用は避けるようにしましょう。

記載事項

この章では、必ず押さえておきたい記載事項を紹介します。記載しなければならない項目は4つです。

  • 許可を受けた公安委員会
  • 古物商許可番号
  • 主として取り扱う品目
  • 古物商の氏名または会社の名称

詳細や気をつけるべきことについて、ひとつずつ説明します。

許可を受けた公安委員会

許可を受けた公安委員会を、古物商プレートに記載します。許可を受けた公安委員会とは、許可が降りた警察署が所在する都道府県を示します。

「都道府県の名称」に続けて「公安委員会許可」と記載しましょう。

例えば東京都内の警察署で古物商許可が降りたのであれば「東京都公安委員会許可」、京都府であれば「京都府公安委員会許可」と記載が必要です。

古物商許可番号

古物商の許可を受けた際に発行される許可番号を記載しましょう。許可番号は12桁です。省略せずに記載しなければいけません。

例えば「東京都公安委員会許可 第〇〇〇〇号」のように、許可を受けた公安委員会の右隣に記載します。

古物商プレートに許可番号が必要ということは、古物商許可が降りる前にプレートの作成はできないということなので注意しましょう。

主として取り扱う品目

プレートの中央に記載が定められている内容は、主に取り扱う品目です。古物営業法に基づいた品目に従った区分を記入します。

取り扱う品目が複数ある場合もあるでしょう。古物商許可申請では、主に取り扱う品目を記入のうえ申請書を提出します。申請書で選択したメインで取り扱う古物の区分に従って、プレートに記載しましょう。

品目の表記については、のちほど詳しく解説します。

古物商の氏名または会社の名称

名称で注意すべき事項は、法人であれば法人名とし、個人であれば個人名を使用することです。営業所の屋号で古物商許可を届けている場合も、記載する名称は屋号ではありません。

例えば「〇〇ショップ」という屋号であっても、記載する内容は個人氏名または法人名のどちらかです。

品目の表記は注意が必要

古物商の許可申請をしたときに記載した項目を、そのままプレートに記載するとは限りません。

品目古物商プレートの表記
美術品類美術品商
衣類衣類商
時計・宝飾品類時計・宝飾品商
自動車自動車商
自動二輪車及び原動機付自転車オートバイ商
自転車類自転車商
写真機類写真機商
事務機器類事務機器商
機械工具類機械工具商
道具類道具商
皮革・ゴム製品類皮革・ゴム製品商
書籍書籍商
金券類チケット商

基本的に選択した品目と記載する品目は、「〇〇類」を「〇〇商」に変更するだけですが、例外があります。

「衣類」は「衣類商」、自動二輪車または原動機付自転車は「オートバイ商」、金券類は「チケット商」と記載すること。間違えやすい項目なので、注意しましょう。

さらに気をつけたいことは、各都道府県によって案内が異なるケースがあることです。古物商許可証を受け取るときに、プレートの記載内容について管轄警察署の担当者に確認をとることをおすすめします。

古物商プレートの作成方法

古物商プレートの作成には、下記のような方法があります。

  • 看板製作業者へ依頼する
  • 古物商防犯協力会へ申し込む
  • 行政書士事務所から購入する
  • 公安委員会承認の団体へ申し込む

作成方法について、ひとつずつ見ていきましょう。

看板製作業者へ依頼する

看板製作業者へ依頼する方法は対応してくれる看板製作業者は全国に点在しているので、多くの古物商にとって利用しやすいでしょう。

メリットは、比較的安価で古物商プレートを作成できること。また、店舗に赴かなくてもインターネット上で依頼ができ、時間と手間をかけずに作成してもらえます。

デメリットは、看板製作業者が古物商プレートの様式を把握していないケースがあること。まったく異なる看板が届く可能性もあるので、依頼するときは様式を正確に伝えましょう。

古物商防犯協力会へ申し込む

古物商防犯協力会とは、警察と地域住民が協力して安全に暮らせるまちづくりを目指して活動している団体です。

プレート作成を申し込むときは、各地域の古物商防犯協会のホームページから申し込み用紙をダウンロードします。制作期間や料金は各都道府県によって変わるので、確認が必要です。

細かな注文をしなくても法律に則って作成してもらえたり、古物台帳をまとめて注文ができたりするメリットがある反面、看板製作業者より価格が高いケースがあります。

行政書士事務所から購入する

行政書士事務所に古物商許可の申請手続き代行を依頼していた場合は、古物商プレートを購入できます。依頼者の代わりに行政書士事務所がプレート代行を行い、法に則ったプレートを渡してもらう流れです。

古物営業法に詳しい行政書士事務所であれば、法令を満たした古物商プレートを渡してくれるので、確実に手に入れたい方にはおすすめ

古物商プレートは記載内容を間違えやすいため、自信がない場合は思い切って行政書士事務所にお願いしましょう。

公安委員会承認の団体へ申し込む

一部の品目に限りますが、古物商プレートを公安委員会承認の団体に申し込むことができます。申し込みできる団体は3つです。

  • 日本中古自動車販売協会連合会(JU):自動車商
  • 全国刀剣商業協同組合(全刀商):刀剣を扱う美術品商
  • 日本チケット商協同組合(JTA):チケット商

プレートの種類は限られているため、どの古物商でもプレートでも注文できるわけないうえ、団体に所属している古物商のみ注文できる仕組みです。

原則古物商プレートは法律に基づいた様式以外は認められませんが、3つの団体は特別に違うデザインが認められています。ほかとは違うデザインを楽しみたい場合は、各団体に問い合わせてみるとよいでしょう。

古物商プレートに関するよくある質問

古物商プレートの仕様は、古物営業法で定められています。確認するべき内容は、作成する方法によって異なるので必ず確認しましょう。

ほかにも、古物商プレートに関するよく出る質問をまとめました。

古物商プレートはどこに設置したら良い?

古物商プレートは、営業所や仮設店舗、古物市場ごとに公衆が見えやすい場所に設置しましょう。

例えば、誰もがひと目で認識できるレジまわりや入り口など。バックルームや客が通常立ち入らない場所、商品などで見えづらい場所は義務違反です。

また営業所は、店舗だけでなく自宅も含まれます。自宅であっても掲示されていない場合は、法律違反で罰金対象です。特に個人で古物商を営む場合は見落としやすいので、注意が必要です。

ホームセンターで作成することは可能?

表札などの取り扱いがあるホームセンターなら、古物商プレートの取り扱っていることがあります

ネット注文の場合、古物営業法に基づいて注文できているかひとりで確認する必要があり不安ですよね。ホームセンターなら、様式に合っているか相談しながら注文できるので、ひとりで判断する自信がない場合は一度問い合わせてみるとよいでしょう。

しかし、店舗によっては古物商プレートの取り扱いがないことがあります。来店前に電話して確認してみてください。

自分で作成しても良い?

古物営業法では、古物商プレートの様式は定めていますが、自作を禁止するところまでは記載がありません。重要なことは、古物営業法の様式に則りプレートを作成することです。そのため自作した古物プレートも問題なく認められます。

プレート作成にかかる経費を抑えたい場合は、自作を検討するのもよいでしょう。自作を行う場合は、品目名に間違いがないか管轄警察署の担当者に確認するなど、注意深く行う必要があります。

法に則って古物商プレート作成しよう

古物商を始めるには、公安委員会から許可証を受領して古物商プレートを作成することが必要です。

古物商プレートは、営業許可を受けて正式に営業していることを示すものなので、細かなルールが存在します。ルールを無視したプレートの掲示などは、法律違反として罰金対象です。

古物商プレートの作成は、一見むずかしく見えますが要点を押さえれば問題なく作成できるでしょう。

木暮康雄

木暮康雄 (監修者)

ウリドキ株式会社代表取締役CEO。ウリドキプラスの発行人でもある。
リユース業界での起業・事業運営の経験が豊富でリユースの専門家としてのメディア出演歴も多数。
著書に「リユース革命」(幻冬舎)がある。

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