TSUTAYAにバイアウトして年商80億!「イオシス」の代表が語るリユースモバイル業界の今後

  • 2022年12月23日
イオシス 中本社長

今や一人一台持っていることが当たり前となったスマートフォン。

以前はキャリア契約と共にスマホを購入することが一般的でしたが、格安SIMの普及により、中古スマホの需要も一気に高まりました。

今回は“リユースモバイル業界の首領”にとも呼ばれる「イオシス」の代表「中本直樹(なかもと なおき)」さんに、サービスの内容や会社をバイアウトした理由などを弊社、「ウリドキ買取」を運営するウリドキ株式会社の代表 木暮がお聞きしました!

バイアウトしたメリットや実店舗を秋葉原に構えた理由など、レアな話しが続々と登場しますよ!

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リユースモバイル業界の首領が登場!

木暮
こんにちは、ウリドキの木暮です。本日は神回!

中古スマホ業界の首領、「イオシス」の中本社長にお越しいただきました!

中本
どうも、神です!笑
こんな大それた紹介されたらちょっと困るんですけど…。
木暮
「イオシス」の中本社長って言ったらリユースモバイル業界で知らない人いないですよね。
中本
おぉ、ちゃんと“リユースモバイル”って言ったね。中古スマホって言わなかったね。
木暮
かっこいいですよね。
中本
かっこいい! 響きがかっこいい。
木暮
携帯って言ったらいいかスマホって言ったらいいか分からないんで。
中本
リユースモバイルでいいんじゃないでしょうか。笑
木暮
では今日はリユースモバイルで統一していきたいと思います!

中本社長っていうと皆さんたぶんご存知かと思いますけど、TSUTAYAに一度会社を売却されていますよね。あれ何年前でしたっけ?

中本
もうかれこれ5年くらいですかね。
木暮
売却してからの売り上げはもうガンガンに今伸びていってると。
中本
まあまあ。言った方がいいの、数字とか?
木暮
いや、後で聞きます。

今日はそんな中本社長から、中古携帯、リユースモバイル業界の今後や、今どうなっているかというお話を色々お聞きしたいと思いますので、本日はよろしくお願いします!

中本
お願いします!
木暮
そもそも「イオシス」っていう会社って、主にどんな事をやっている会社か改めてお聞きしてもよろしいですか?

イオシスってどんな会社?

中本
もともとは中古PCから始まって、僕が21歳の時に始めたのでもう23、4年前くらいなんですけど。

中古パソコンの売買から入って、10年くらい前から携帯になって、スマホになって、モバイル機器全体の中古の売買をしています。

主に電気街、秋葉原とか大阪の日本橋、名古屋とか福岡にもあるんですけど、お店で買取販売をコンシューマー相手にやっている商売です。

木暮
もともとPCの買取をやってたわけじゃないですか。モバイルの買取っていつぐらいから始められたんですか?
中本
10年以上前かな。ちょうどそのぐらいに総務省から携帯の代金をちゃんと出しなさいと。

なのでたぶん初めて一般ユーザーの携帯が7万円とかの値段が出た時だったんです。以前は2年間使ってたらタダで交換してくれるってあったじゃないですか。

たぶん、それ自体に価格が付いているっていう価値があまりわからなかったんですよね。

でもそこからキャリアさんが割賦販売をやり出したので、これ69,800円も実はしてたの!?って。

その24回払いでこうなんだと。でもその24回払いはその通話料から割引してやりますよっていう今の仕組みが出来たんです。その時に69,800円って付いてたから、それ買い取って売ったらいいやんって。

木暮
もう買取からやろうって感じだったんですか?

よくあるのがリユースで中古を販売するところから、そのうちに買い取った方がいいなってなる人もいるじゃないですか。

中本
もちろん両方ですね。イオシスの場合お店があるんで、販売もするし買取もするし同時にやっていくという感じです。
木暮
スマホのリユース事業を始めて、いきなり伸びましたか?
中本
いや、最初はキツかったね。スマホっていうか最初はパカパカの携帯電話やったんで。
木暮
ガラケーですね。
中本
そう。ガラケーのiモードとかの時代なんで、正直最初はあんまり売れてなかったね。

指のない人がやって来て、「これ何か月使えるねん!」って。「これ携帯だけ売ってるんで回線は使えませんよ。」って説明したり、ややこしい人がよく来たな・・・。だから最初は理解されなかった。

「どうやって電話だけ使うんや。」「いや、SIMっていうのが入ってまして・・・」「SIMって何。」SIMの存在すら一般人は知らない。

その当時から香港から海外の携帯も入れていて、モトローラーとかかっこいいのもあって、そういうのを海外に行く人向けに売ってるような感じ。

あと今使ってるのが潰れちゃって、同じ機種がどうしても欲しいから、中古でもいいからSIM交換したら使えるってわかってる人が買ってくれるみたいな感じですごく狭かったね。

木暮
最初はお客様ってパソコンじゃないですか。売上の何割ぐらいだったんですか?
中本
もう1%以下ですよ。
木暮
えっ!そうなんですか!?
中本
当時パソコンで年間20億くらいは売っていたから、年間20億中たぶん初年度のガラケーの売上なんて年間数百万台とかで、どっちでもいい、あってもないような。
木暮
そこからどのぐらいでググッと伸びてきたんですか?
中本
じわじわだけど、やっぱりスマホじゃないかな。

iPhone4ぐらいから国内もiPhoneがガッと上がってきて、それくらいでスマホもガンガンやり出して。

Androidも初期の頃のXperiaとかが出だして、ガラケーからスマホにちょうどシフトチェンジし出したんで、ガラケーだけの時代は本当に売り上げは年間で1,000万もいっていないと思う。

木暮
じゃガラケーの時はあんまり需要はなかったけど、スマホの成長と共にリユースモバイルもどんどん上がってきたと。
中本
そうです!

秋葉原にドミナント出店する狙いは?

木暮
「イオシス」っていうと、僕の中で秋葉原ってイメージが強いんですよ。秋葉原にドミナント出店(チェーンのお店が地域を絞って集中的に出店する経営戦略のこと)しているじゃないですか。どういう背景があって、どういう戦略になったのか教えてもらえるとありがたいです。
中本
僕は大阪人なんで。大阪の秋葉原と言われる電気街で日本橋っていう所があるんですけど、そこで10年くらいやってたのね。だから大阪のローカル企業とかですね、10年くらいは。
木暮
何店舗やってたんですか?
中本
2店舗。
木暮
大阪で、2店舗?
中本
10年やってたんです。
木暮
じゃあ、2店舗で売上20億いってたんですね!
中本
正確にはその時、秋葉原に1店舗出したくらいかな。

1店舗だけ出してまだパソコンだけやってた時が20億ぐらい。

木暮
秋葉原に出したのいつでしたっけ?
中本
13年前かな。最初は秋葉原に来てもパソコンとか電化製品とかテレビのバッタ品とかを売ってて、携帯をやり出したのはそこからですね。

なんでドミナントをやったかっていうと、電気街のやり方っていうのがやっぱりあって。

電気街のお客さんってちょっと特殊というか、パソコンにすごい詳しいお客さん、オタク系というかそういうのが好きなお客さんとかが多いので、そもそも僕らが扱ってる中古パソコンっていう商品は一般の人が買う物じゃなかった。

詳しい人が買ったりとかパーツだけ取ったりとか、一般の市場で売れるような商品じゃなかったから、秋葉原でしか通用しなかったって言うのが正しいかな。

木暮
秋葉原でしか通用しなかったんですか?
中本
秋葉原とか大阪の日本橋っていう電気街じゃないと商売として通用しない。新品のパソコンだったら一般のファミリーの方とかも買ってくれるけど、中古パソコンとか買わへんもん。

やっぱりそういうのってある程度詳しい人で、俺はこの機能だけでやるからいいよとか、システムの関係の人とかで、会社でメールとこの機能が使えればいいよっていうのがわかってる人が買うものなんで。あとは学生さんとかね。

だから電気街以外でそんなに売れるような物ではない。

木暮
秋葉原に集中的に出店していったって感じですよね?
中本
そうですね。やっぱり秋葉原でまずやっていくというのは、特にスマホもそれで良かったと思うんですけどね。

やっぱりスマホも安く買える中古を買うお客さんの層っていうのは、自分で多少リスクが取れたりとか、やっぱり一般の方よりも詳しい方。

そういう風にわかってる方は少ないと思うんで秋葉原にいっぱい出しているっていうのは良かったなと。

木暮
素朴な疑問なんですけど、秋葉原なんてみんな出店したくてたまんないじゃないですか?
中本
まあこの業界だったらそうですね。場所がないので。
木暮
そうですよね。なんで御社は集中的に出店できたんですか?
中本
頑張って挨拶してみたいな。もう地道に不動産回ったり。

ただやっぱり面白いのは、秋葉原って狭いんで1店舗目は大変なんだけど、1店舗あると秋葉原に実は僕1店舗持ってるんですよっていう所から2店舗目をやって。

秋葉原で2店舗やってるんですよっていう所から3店舗目・・・みたいな感じなんで、1つあると安心するのよ、大家さんも。結構個人の大家さんとかが多いから。

木暮
結構村社会なんですね!笑
中本
そうそう、超村社会です。1個あると安心みたいな。1発目は大変だったけどね。

秋葉原で好立地を獲得するコツとは?

木暮
今、何店舗でしたっけ?
中本
一応不動産の数では5店舗。
木暮
秋葉原だけで?
中本
うん。
木暮
全国では?
中本
9店舗。
木暮
じゃあもう半分以上秋葉原なんですね。2店舗目を出したのっていつですか?
中本
秋葉原の2店舗目は、秋葉原の1店舗目から2〜3年後なんで10年前ぐらいじゃないかな。
木暮
やっぱり1店舗目から2店舗目までは時間掛かったんですね。
中本
かかったね。2〜3年間くらいずっと探してたもん。
木暮
逆に1店舗目を出すのにはどのくらい掛かりました?
中本
うーん覚えてないけど4〜5年くらい通った。

今は知らんけどその時はそういう単位じゃないと当時は空いてなかったですね。

木暮
じゃあもうそんだけ出したかったんですね。
中本
というか、そこ以外に出して上手くいくイメージが逆になかった、パソコンは特に。

誰もが欲しい物じゃないやん中古のパソコンは。新品はまだいいんだけど。

木暮
それで秋葉原で出店して、事業はそれで一気に伸びたんですか?
中本
そうですね。
木暮
何倍ぐらいに?
中本
1店舗でたぶん大阪の2店舗分以上にはなったと思うので、2店舗出した時点で4倍ぐらいになったんじゃないですかね、ざっくりで言うと。
木暮
ヤバいですね!笑

そんなに儲けたのになんでTUTAYAに売ったんですか?

急成長した会社をTSUTAYAに売却した理由

中本
それはまあ色々あって。1つは30代でEXITしたかったっていう。
木暮
なんでですか?
中本
なんかね、節目で。30代でEXITしたっていったらかっこいいやん。それだけ!笑
木暮
今おいくつでしたっけ?
中本
今44歳
木暮
じゃあ5年前ですよね。
中本
これを言っちゃうと夢がないかもしれないけど、物販の商売なんで結局、物と人と場所とっていうので常に金が掛かるやんか。

だから無理矢理規模が大きくなればなるほど、お金もいっぱい掛かるわけ。キャッシュリッチになるっていうのがなかなかひっくり返らないというか、売上とともにどうしても並行して上がっていっちゃうので。たぶん売却前に既に3億ぐらい借入があったと思うのね。

在庫ももちろんそれ以上あったし、キャッシュも結構あったんだけども、これ以上また増えていったら借入も増える。

個人のオーナーでやっていくとリスクも高いというところで、どっかでM&Aで売却するか上場するかっていう選択になった時に、僕上場とか向いてなさそうやなと思ったからシナジーがあるところで、でもせっかく売るんだったらただお金が欲しいとか、ただ楽になりたいだけじゃなくて、「イオシス」として成長できる可能性のあるところと組んで、レバレッジを効かせていくっていうのが大事だなと思ってたんで、何社かあたってTSUTAYAになりました。

木暮
そこなんですよ。御社を買いたいっていう会社は当時たくさんあったはずじゃないですか。

TSUTAYAに決めた一番の理由ってどんなところだったんですか?

中本
まあみんなが知ってるっていうことと。知ってますよね、Tポイントとかの…。
木暮
もちろん知ってます!笑
中本
まずネームバリューが素晴らしいっていうのと、ちょうど今GEOさんがGEOモバイルをガンガンやってるんですね、僕の事業をパクって。別に仲良いからいいんですけど!笑

あそこに対抗したかった。店舗数も1,500とか2,000あって、しかも同じレンタルビデオ屋から入っていて。ただGEOさんの方がゲームとか中古に対しては強いですよね。

ただTSUTAYAももちろんゲームもしてるし、同じ中古の部分もGEOさんと合っていて、逆に携帯はちゃんとやってなかったから、これならGEOさんに対抗できるんじゃないかと。やっぱりその店舗数が多かったですね。

TSUTAYAにバイアウトしたメリットは?

木暮
実際にバイアウトされてどうですか?TSUTAYAのパワーをガンガン借りて。
中本
正直そこまでではないんですけどね、“TSUTAYAのパワー”っていう意味では。

でもやっぱり取引先さんが増えたというか、明らかに安心感は増えたんじゃないですかね。あと従業員も雇いやすくなった。

上場してるほどのメリットはないかもしれないですけど、等しいくらいネームバリューは上がったと思いますし、単純にTSUTAYAさんと提携して買取とかもさせてもらったり。

ちなみにTSUTAYAでは200店舗ぐらいで、あと実はCCCの同じグループで60店舗ぐらい買取もやってもらってて、それまで協力してもらって、もちろんそこからの商品の供給も増えました。

木暮
じゃあTSUTAYA買取の裏側は御社なんですね。
中本
そうですね。
木暮
中本さんは「イオシス」をバイアウトしてますけど、その後現任で社長にも就いてるじゃないですか。

まだ携帯の会社を買ったりしてますよね?

中本
それはたまたま、もともと知っていた「ウルス」さんっていう会社で、しかもWEBだけでやってたんですよね。「携帯少年」っていうブランドで。
木暮
渋谷にも店舗ありましたよね。
中本
その携帯少年っていう屋号ごともらって今実はイオシスが運営してるんですけど、元々WEBだけでやってたんでWEBチームがすごく強かったんですよね。

うちは逆に店舗から上がってる人が多いので、現場の店舗が強くてWEBがちょっと弱かったから、ちょうどそのWEBの力を借りて、ちょうどいいシナジーだなということで吸収合併させてもらいました。

今うちの渋谷オフィスのスタッフはほとんどそのウルスのチームなんですけど、案の定そこがうまくヒットして、その辺からWEBも伸びたし1店舗あたりの数字も明らかになって伸びたんで、WEBの力を使うのってすごいなっていうのは思いました。

木暮
リユース業界って少し淘汰も始まってきているかなと思っていて、リユースモバイル業界でいうと、御社に買ってくれっていう会社も結構あるんじゃないですか
中本
うん、まあ…あるかも。
木暮
今もし買うならどんな会社買いたいですか?
中本
ウリドキ!?笑
木暮
中本さん…ウリドキじゃない!
中本
僕は別にM&Aを積極的にやりますっていうわけでもなくて、そういうのって御縁があればいいなっていう感じなんで、特にそこをゴリゴリやっていこうっていうのはないですね。たまたまその社長との仲があってうまくいけば。

携帯の修理をやってる会社も買ったんですけど、そこもそういう感じの流れで買ったんで、シナジーがあると思えば買います!

木暮
ウリドキ創った当時に僕が知ってるモバイル業界の人達が、どんどんイオシスグループになっていくなっていうイメージがあるんですよね。
中本
そんな大層なことでもないんですけどね。
木暮
ちなみに、聞いちゃっていいかわからないですけどTSUTAYAにいくらで売ったんですか?
中本
それは言えないです、もちろん!笑
木暮
中本さんの愛車のBMWのi8ありましたよね。
中本
もう手放しましたけど。
木暮
あれ何台買える感じですか?
中本
それ言ったらわかるやん! もちろん何十台も買える
木暮
BMWのi8が何十台も買える値段でバイアウトされている!

ぜひリユース業界の人で集りにいきましょう。

中本
既に集られてるし!笑

リユースモバイル業界のターゲット層は?

木暮
リユースモバイルっていっても、まだまだ一般の人には中古携帯って馴染みがない層もいるかなと思うんですけど、中古携帯を買う人ってどんな人なんですか?
中本
それがね、わかんないんですよ。
木暮
わからない!?
中本
たぶんユーザーのこと全くわかってない。僕もだけど、うちの会社のヤツもほとんどわかってないんじゃないかな。

もちろん年齢層とかはある程度リサーチできるけど、結局携帯電話とかスマホって一億何千万人もうみんな持ってるやん。

それぞれどういう人が今携帯を使ってますかってなると、全員としか言いようがない。それと同じで、男性が多いとかそういうのはあっても、中古携帯も特にないのよね。

木暮
ちょっと待って下さい。僕前半で聞き忘れちゃいましたけど、今御社の売上っていくらでしたっけ?
中本
今期は、だいたい80億円ぐらい。
木暮
80億!?そのうち何割ぐらいがモバイルなんですか?
中本
7〜8割かな。
木暮
じゃ中古携帯・中古スマホだけで60億ぐらい売ってる感じですか?
中本
うん、だから月5億ぐらい。
木暮
ぶったまげますね!それどんどん増えていってるんですよね?
中本
増えてるね。
木暮
じゃあそれはどういう人がとかじゃなくて、当たり前のようにみんな使ってるんですか?
中本
例えば子持ちのお母さんが、旅行とか行くのに長旅になるから子どもにおもちゃでiPadを買いますと。

落としたり壊したりするから中古で安い19,800円くらいのiPadを買いますっていう場合もあるだろうし、こっそり奥さんに内緒で2台目を買うとかもあるかもしれないし、とにかくいっぱいありすぎて。

もちろん外国人の人も。日本に来てすぐだと契約とかができないから、うちの中古の携帯を買ってもらって格安SIMを入れて使ってもらうってこともあるし、もう例が多すぎて絞れない。

赤ロムの心配は?

木暮
中古携帯を買う時に、ちょっと古いかもしれないですけど赤ロムが怖いなって。
中本
もちろんうちは買取チェックしてるし、さらに買った後に掛からなくなった場合も保証、返金交換対応は当然しています。

ただ思ってるよりも赤ロムがどうっていうのは昔に比べたら少ないと思います。

木暮
それはなんでですか?
中本
昔は正直売りに来られる方がちょっと怪しい人が多かったんですよ。

一番ダメなのは盗難品で、明らかに怪しいのはこっちも買わないけどわからない場合も正直あるし、買ったけど払えなかったやつが赤ロムになるじゃないですか。

それが多かったりとか、わざとできるだけめちゃくちゃいっぱい回線を取ってっていう人もいたので、ちょっと悪い人もいたよね。

木暮
借金感覚で現金化してたみたいなところが当時はありましたよね。
中本
キャリアさんはたぶんそういう人達にそういう不正な契約をさせないために何年も掛けて色々やってるんで、そもそもそういう変な契約はなくなった。

だから赤ロムっていうのも0ではないですけどほぼなくなったっていう状況です。だからあまり昔ほど気にしなくていいのかなと。

業界人が教える!中古モバイルを買い売りする際の注意点

木暮
中古携帯を買う時の当たり外れってあります?
中本
当たり外れっていうか、中古なんで何でもそうだと思うんですけど、現物を見ないとギャップがありますよね。

例えば僕らの店でBランクって言ってる携帯が、他の店舗に行った場合にどのランクなのかっていうのを、TSUTAYAも入ってるしGEOさんも入ってるしBOOKOFFさんとかも入ってるRMJ、リユースモバイルジャパンっていう会があって、これは今まだ作りたてなんだけど、まさにそのランクを作ろうっていう話で。

そのランクによって違うからネットでBランクって見て、自分でこんなもんやろって思って買ったら自分の中でのCランクだったみたいなギャップはあるかもね。

木暮
どんなことを気を付ければいいんですか?
中本
うちのことだけで言ったら、確実なのは店舗に来てもらったらいいってことですね。あとは安心できる所から買うこと。

個人売買でメルカリとかヤフオクとかでもあると思いますけど、そういうのって入手先が怪しい場合もあるだろうし状態の保証もないから、多少うちより安いかもしれないけどそういうリスクはありますね。

だからお店で買ってもらった方が安心ではありますよね。来れるなら来てもらった方が、状態を見て説明もしてもらって買えるんでいいかなと。

新品だったらどこから買っても物は同じだから、値段だけ最安値で買えるけど、中古って買う場所によってもランクに違いが出るっていうデメリットがあります

個人情報が流出する心配は?

木暮
逆に一般ユーザーが携帯を売るって結構ハードル高いんじゃないかなと思っていて、自分の個人情報どうなっちゃうんだろうとか思うんですけど、そこは大丈夫なもんなんですか?
中本
そこは大丈夫って言い切るのもあれですけど、もちろん大丈夫なようにやってます。

もちろんもらう段階でオールリセットかかってるかどうかも確認しますし、さらにうちの場合、江東区に上書き消去専用のリファビッシュセンターっていうのがあって、大きい倉庫の中の300坪ぐらいで完全に消去していくという仕組みを作ってるんで、そういう二重工程でちゃんとやっています。

査定する際にチェックするポイントは?

木暮
携帯を査定する時ってどんなところを見てるんですか?
中本
さっき言ったデータが残ってないかとか、SIMが入ってないかとかは当然で、あとは傷や状態を見る。

もちろん音がちゃんと鳴るかとかの動作確認などはひと通り全部してから、最終的に査定に出します。

木暮
売る前にこれをやっておくと高く売れやすいポイントってあったりしますか?
中本
関係ない事もありますけど、一応付属品を付けて頂いた方がいいなというのと、例えば割れてるようなフィルムがあったら綺麗に取ってアルコールで拭いてもらうとか、サッと確認できるようにしておいてもらった方が高く売れるかな。
木暮
なんでですか?
中本
綺麗だから。ボロボロの状態で出されると時間もかかるし。
木暮
綺麗だと査定スタッフが高い値段を付けてくれやすいと!
中本
うん。っていうのもあるし、できるだけ早く売るってことじゃないですか。

いらなくなって、そのうち使うかもって寝かせて1年経ったらやっぱり値段下がっちゃうじゃないですか。

新しい機種買ってデータ移行も終わってるのに、ずっと寝かせてても価値下がっていくだけなんで、“ウリドキは今でしょ!”って感じ。これ言いたかった!笑

木暮
1年寝かせたら、どれくらい下がりますか?
中本
物によるから一概に言えないけど、iPhoneとかはもともと高いからね。

今11になってるけどXSとかでもまだ高いから。でも物によっては2万とか下がっちゃう。

木暮
えっ、2万も!?1年で!?
中本
だって1年で新機種出たらそれぐらい下がっちゃう。元が10万ぐらいするから。
木暮
聞きましたか?1年寝かせたら2万も下がるんですよ!?

だからいらないと思ったらすぐ売った方が賢いっていうことですね?

中本
それが“ウリドキ”!
木暮
ありがとうございます!笑

今後のリユースモバイル業界について

木暮
中古の携帯・スマホ業界って、ちょっと前までは300億台の市場だったのが、今もう400億超えてきている状態ですよね。

なので市場としてはまだまだ伸びてくるのかなと思ってますけど、格安SIMとか色々出てきたじゃないですか。今後格安SIMが出てきたことによって、中古携帯もより売れるようになったとか、そういう感じはあります?

中本
要は格安SIMというよりは、SIM単体で売るってこと自体が、携帯電話、ガラケーの中古をやり出した時にはありえないことだったよね。

SIMの存在すら一般人はわからなかったけど、今だいたい知ってるじゃない。年配の方はちょっとわからないかもしれないけど、僕らの世代、40〜50代くらいまでであればSIMが何かわかると思うね。

だからそのSIM単体で販売してるっていうことは、本体単体でも販売してることが逆にわかりやすいっていうか、両方とも自分が好きなように買う所を選択すればいいんだよと。

今まではキャリアショップに行って、au・softbank・docomoとかってキャリアで選ぶけど、そうじゃなくて機種と回線を別で選ぶみたいな。

これって他の国では当たり前だけど、日本はずっとキャリアさんで買うっていうのが普通だったのが崩壊していくという意味では、自由な売買っていう意味でもっと伸びる可能性はありますよね。

木暮
ということは、御社も間もなく100億ですね?
中本
まあまあ、そのぐらいはいけるかなと。
木暮
そしたらもう市場の20%以上占めてるじゃないですか!
中本
それが全部やったらね。その400億っていうデータが本当に合ってるのかどうかわからないけど。
木暮
リサイクル通信調べによると、御社は20%以上のシェアを持ってるんです。すごい!
中本
ありがとうございます! どうリアクションしたらいいの…笑
木暮
中古PCからスマホに転換して成長して、TSUTAYAに売って個人の資産も手に入れて、その後もさらに社長を続投して、さらに事業も伸ばしてると。で業界としても明るい未来が待ってると。

中本社長はどうしたいんですか?これから。

中本社長がこの先やりたいこと

中本
僕個人は、ホンマは辞めてどっかフラフラしたい。
木暮
また新しいBMW買うんですか?
中本
車とかは飽きたから飛行機が欲しいかな。
木暮
飛行機が欲しい!?
中本
でももう23年ずっとやってるんで、ちょっとそろそろ解放してよっていうのが正直あるけどね。
木暮
なんかカレー作ってますよね。
中本
カレーもやってる。
木暮
インド行って人生観変わったとかですか?
中本
いやそうじゃないけど。一旦スリランカやから。
木暮
スリランカ。笑
中本
でもちょっと違うことをしたいなっていうのは正直思ってるんで悩んでます。

ただ、たまたま今そういった時流に乗って、パソコンの波の時とは明らかに違うなっていう実感があって、そのタイミングで別にやらなくても人生100年のまだ半分にもいってないって考えたら、まだできるなとも思うし焦らなくてもいいかなとも思ってます。

こんだけ数字が上がるっていうことは、そんだけ世の中の期待とか要望があるってことなんで、その間はもうちょっとやろうかなって。

木暮
これ全然関係ないですけど、ゲームも作ったことありましたよね?
中本
ネオジオポケットっていう小型のゲーム機に
木暮
ネオジオポケットにゲーム出してましたよね?
中本
そうそう。もともと好きで、小学校の時からゲームプログラムに憧れてて、パソコンを親に買ってもらってやり出したから、そっちもやりたいなっていうのがあって。

そんなに売ったり買ったりしたかったわけではなくて、どっちかって言うと意外とクリエイター的なことがしたかったんで。

すごいゲームプログラマーに憧れがあって、やっぱそういうクリエイター的な仕事っていうのは何かやりたいなって。

木暮
中本社長、結構ゲームとかエンタメも好きなイメージもあります。eスポーツの大会出てらっしゃったりとか。そういえば東京ドーム貸し切ってませんでした?
中本
それは運動会!
木暮
運動会!?
中本
会社の20周年記念の運動会を、東京ドームを借りてやりました。
木暮
東京ドームっていくらで借りれるんですか?
中本
色々込みで2,500万
木暮
1日で!?
中本
1日で!?
木暮
6時間で2,000万使って会社みんなで大運動会!?
中本
そうそう。その当時100人しか社員おらんかったからね。
木暮
えっ!5万人が入る東京ドームに100人の社員で!?
中本
あともう100人のクライアントとかグループ会社とかも合わせてだから、200何十人くらいで。

だから余るのよ、席とか誰も座らなくてみんな芝の上に雑魚寝したりゴロゴロしてた。

木暮
そりゃ余るでしょうね!笑

めちゃめちゃもったいない。もうYoutuberじゃないですか逆に。

中本
その当時やっておいたら良かったな。
木暮
なんで東京ドーム借りたんですか?
中本
実はその前に15周年で大阪ドーム借りてたんですよ。

一応大阪が本社やから大阪ドーム借りようぜって昔ネタで言ってて。

木暮
何ドームツアーしてるんですか!笑
中本
次25周年どうしようかなと思って。
木暮
月行きます?
中本
月にドームあるかな?笑 何か考えようとは思ってる。
木暮
なるほど。スケールがデカいなぁ!
中本
やっぱりそうやってやったら従業員も思い出に残るかなっていうのと、こうやって今みたいに話してネタになるやん。求人とかにもそういうの使ってるから、その2,000万円ってそういう意味でいくと結構長く使える。

フェラーリとかもそうだけど、ある一定を超えた派手なことやると残るやん。

ベンツとかロレックスだとよくある話になるけど、フェラーリ持ってるだけじゃなくて廃車にしたってなったらちょっと違うやん。

そういうネタになることに結構大きめに金使うってことは、自分のマーケティング、ブランディングのやり方かも。

木暮
確かに人とお金の使い方には気を付けた方がいいってよく仰ってますよね。
中本
お金をどう使うかで、生きる金になるか死ぬ金になるかすごくあると思っていて、やっぱり次に繋がるとか、こうやって話に残るような生きる金を使いたいので、記憶に残る金の使い方をしていくことがブランディングにもなるかなって思ってます。
木暮
なるほど。面白いお話を色々とありがとうございます。

本日はリユースモバイル業界の首領、「イオシス」の中本社長にお話いただきました。本日はありがとうございました!

中本
ありがとうございました!!
木暮康雄

木暮康雄 (監修者)

ウリドキ株式会社代表取締役CEO。ウリドキプラスの発行人でもある。
リユース業界での起業・事業運営の経験が豊富でリユースの専門家としてのメディア出演歴も多数。
著書に「リユース革命」(幻冬舎)がある。

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