今や一人一台持っていることが当たり前となったスマートフォン。
以前はキャリア契約と共にスマホを購入することが一般的でしたが、格安SIMの普及により、中古スマホの需要も一気に高まりました。
今回は“リユースモバイル業界の首領”にとも呼ばれる「イオシス」の代表「中本直樹(なかもと なおき)」さんに、サービスの内容や会社をバイアウトした理由などを弊社、「ウリドキ買取」を運営するウリドキ株式会社の代表 木暮がお聞きしました!
バイアウトしたメリットや実店舗を秋葉原に構えた理由など、レアな話しが続々と登場しますよ!
リユースモバイル業界の首領が登場!
中古スマホ業界の首領、「イオシス」の中本社長にお越しいただきました!
こんな大それた紹介されたらちょっと困るんですけど…。
中本社長っていうと皆さんたぶんご存知かと思いますけど、TSUTAYAに一度会社を売却されていますよね。あれ何年前でしたっけ?
今日はそんな中本社長から、中古携帯、リユースモバイル業界の今後や、今どうなっているかというお話を色々お聞きしたいと思いますので、本日はよろしくお願いします!
イオシスってどんな会社?
中古パソコンの売買から入って、10年くらい前から携帯になって、スマホになって、モバイル機器全体の中古の売買をしています。
主に電気街、秋葉原とか大阪の日本橋、名古屋とか福岡にもあるんですけど、お店で買取販売をコンシューマー相手にやっている商売です。
なのでたぶん初めて一般ユーザーの携帯が7万円とかの値段が出た時だったんです。以前は2年間使ってたらタダで交換してくれるってあったじゃないですか。
たぶん、それ自体に価格が付いているっていう価値があまりわからなかったんですよね。
でもそこからキャリアさんが割賦販売をやり出したので、これ69,800円も実はしてたの!?って。
その24回払いでこうなんだと。でもその24回払いはその通話料から割引してやりますよっていう今の仕組みが出来たんです。その時に69,800円って付いてたから、それ買い取って売ったらいいやんって。
よくあるのがリユースで中古を販売するところから、そのうちに買い取った方がいいなってなる人もいるじゃないですか。
指のない人がやって来て、「これ何か月使えるねん!」って。「これ携帯だけ売ってるんで回線は使えませんよ。」って説明したり、ややこしい人がよく来たな・・・。だから最初は理解されなかった。
「どうやって電話だけ使うんや。」「いや、SIMっていうのが入ってまして・・・」「SIMって何。」SIMの存在すら一般人は知らない。
その当時から香港から海外の携帯も入れていて、モトローラーとかかっこいいのもあって、そういうのを海外に行く人向けに売ってるような感じ。
あと今使ってるのが潰れちゃって、同じ機種がどうしても欲しいから、中古でもいいからSIM交換したら使えるってわかってる人が買ってくれるみたいな感じですごく狭かったね。
iPhone4ぐらいから国内もiPhoneがガッと上がってきて、それくらいでスマホもガンガンやり出して。
Androidも初期の頃のXperiaとかが出だして、ガラケーからスマホにちょうどシフトチェンジし出したんで、ガラケーだけの時代は本当に売り上げは年間で1,000万もいっていないと思う。
秋葉原にドミナント出店する狙いは?
1店舗だけ出してまだパソコンだけやってた時が20億ぐらい。
なんでドミナントをやったかっていうと、電気街のやり方っていうのがやっぱりあって。
電気街のお客さんってちょっと特殊というか、パソコンにすごい詳しいお客さん、オタク系というかそういうのが好きなお客さんとかが多いので、そもそも僕らが扱ってる中古パソコンっていう商品は一般の人が買う物じゃなかった。
詳しい人が買ったりとかパーツだけ取ったりとか、一般の市場で売れるような商品じゃなかったから、秋葉原でしか通用しなかったって言うのが正しいかな。
やっぱりそういうのってある程度詳しい人で、俺はこの機能だけでやるからいいよとか、システムの関係の人とかで、会社でメールとこの機能が使えればいいよっていうのがわかってる人が買うものなんで。あとは学生さんとかね。
だから電気街以外でそんなに売れるような物ではない。
やっぱりスマホも安く買える中古を買うお客さんの層っていうのは、自分で多少リスクが取れたりとか、やっぱり一般の方よりも詳しい方。
そういう風にわかってる方は少ないと思うんで秋葉原にいっぱい出しているっていうのは良かったなと。
ただやっぱり面白いのは、秋葉原って狭いんで1店舗目は大変なんだけど、1店舗あると秋葉原に実は僕1店舗持ってるんですよっていう所から2店舗目をやって。
秋葉原で2店舗やってるんですよっていう所から3店舗目・・・みたいな感じなんで、1つあると安心するのよ、大家さんも。結構個人の大家さんとかが多いから。
秋葉原で好立地を獲得するコツとは?
今は知らんけどその時はそういう単位じゃないと当時は空いてなかったですね。
誰もが欲しい物じゃないやん中古のパソコンは。新品はまだいいんだけど。
そんなに儲けたのになんでTUTAYAに売ったんですか?
急成長した会社をTSUTAYAに売却した理由
だから無理矢理規模が大きくなればなるほど、お金もいっぱい掛かるわけ。キャッシュリッチになるっていうのがなかなかひっくり返らないというか、売上とともにどうしても並行して上がっていっちゃうので。たぶん売却前に既に3億ぐらい借入があったと思うのね。
在庫ももちろんそれ以上あったし、キャッシュも結構あったんだけども、これ以上また増えていったら借入も増える。
個人のオーナーでやっていくとリスクも高いというところで、どっかでM&Aで売却するか上場するかっていう選択になった時に、僕上場とか向いてなさそうやなと思ったからシナジーがあるところで、でもせっかく売るんだったらただお金が欲しいとか、ただ楽になりたいだけじゃなくて、「イオシス」として成長できる可能性のあるところと組んで、レバレッジを効かせていくっていうのが大事だなと思ってたんで、何社かあたってTSUTAYAになりました。
TSUTAYAに決めた一番の理由ってどんなところだったんですか?
あそこに対抗したかった。店舗数も1,500とか2,000あって、しかも同じレンタルビデオ屋から入っていて。ただGEOさんの方がゲームとか中古に対しては強いですよね。
ただTSUTAYAももちろんゲームもしてるし、同じ中古の部分もGEOさんと合っていて、逆に携帯はちゃんとやってなかったから、これならGEOさんに対抗できるんじゃないかと。やっぱりその店舗数が多かったですね。
TSUTAYAにバイアウトしたメリットは?
でもやっぱり取引先さんが増えたというか、明らかに安心感は増えたんじゃないですかね。あと従業員も雇いやすくなった。
上場してるほどのメリットはないかもしれないですけど、等しいくらいネームバリューは上がったと思いますし、単純にTSUTAYAさんと提携して買取とかもさせてもらったり。
ちなみにTSUTAYAでは200店舗ぐらいで、あと実はCCCの同じグループで60店舗ぐらい買取もやってもらってて、それまで協力してもらって、もちろんそこからの商品の供給も増えました。
まだ携帯の会社を買ったりしてますよね?
うちは逆に店舗から上がってる人が多いので、現場の店舗が強くてWEBがちょっと弱かったから、ちょうどそのWEBの力を借りて、ちょうどいいシナジーだなということで吸収合併させてもらいました。
今うちの渋谷オフィスのスタッフはほとんどそのウルスのチームなんですけど、案の定そこがうまくヒットして、その辺からWEBも伸びたし1店舗あたりの数字も明らかになって伸びたんで、WEBの力を使うのってすごいなっていうのは思いました。
携帯の修理をやってる会社も買ったんですけど、そこもそういう感じの流れで買ったんで、シナジーがあると思えば買います!
ぜひリユース業界の人で集りにいきましょう。
リユースモバイル業界のターゲット層は?
もちろん年齢層とかはある程度リサーチできるけど、結局携帯電話とかスマホって一億何千万人もうみんな持ってるやん。
それぞれどういう人が今携帯を使ってますかってなると、全員としか言いようがない。それと同じで、男性が多いとかそういうのはあっても、中古携帯も特にないのよね。
赤ロムの心配は?
ただ思ってるよりも赤ロムがどうっていうのは昔に比べたら少ないと思います。
一番ダメなのは盗難品で、明らかに怪しいのはこっちも買わないけどわからない場合も正直あるし、買ったけど払えなかったやつが赤ロムになるじゃないですか。
それが多かったりとか、わざとできるだけめちゃくちゃいっぱい回線を取ってっていう人もいたので、ちょっと悪い人もいたよね。
だから赤ロムっていうのも0ではないですけどほぼなくなったっていう状況です。だからあまり昔ほど気にしなくていいのかなと。
業界人が教える!中古モバイルを買い売りする際の注意点
例えば僕らの店でBランクって言ってる携帯が、他の店舗に行った場合にどのランクなのかっていうのを、TSUTAYAも入ってるしGEOさんも入ってるしBOOKOFFさんとかも入ってるRMJ、リユースモバイルジャパンっていう会があって、これは今まだ作りたてなんだけど、まさにそのランクを作ろうっていう話で。
そのランクによって違うからネットでBランクって見て、自分でこんなもんやろって思って買ったら自分の中でのCランクだったみたいなギャップはあるかもね。
個人売買でメルカリとかヤフオクとかでもあると思いますけど、そういうのって入手先が怪しい場合もあるだろうし状態の保証もないから、多少うちより安いかもしれないけどそういうリスクはありますね。
だからお店で買ってもらった方が安心ではありますよね。来れるなら来てもらった方が、状態を見て説明もしてもらって買えるんでいいかなと。
新品だったらどこから買っても物は同じだから、値段だけ最安値で買えるけど、中古って買う場所によってもランクに違いが出るっていうデメリットがあります。
個人情報が流出する心配は?
もちろんもらう段階でオールリセットかかってるかどうかも確認しますし、さらにうちの場合、江東区に上書き消去専用のリファビッシュセンターっていうのがあって、大きい倉庫の中の300坪ぐらいで完全に消去していくという仕組みを作ってるんで、そういう二重工程でちゃんとやっています。
査定する際にチェックするポイントは?
もちろん音がちゃんと鳴るかとかの動作確認などはひと通り全部してから、最終的に査定に出します。
いらなくなって、そのうち使うかもって寝かせて1年経ったらやっぱり値段下がっちゃうじゃないですか。
新しい機種買ってデータ移行も終わってるのに、ずっと寝かせてても価値下がっていくだけなんで、“ウリドキは今でしょ!”って感じ。これ言いたかった!笑
今11になってるけどXSとかでもまだ高いから。でも物によっては2万とか下がっちゃう。
だからいらないと思ったらすぐ売った方が賢いっていうことですね?
今後のリユースモバイル業界について
なので市場としてはまだまだ伸びてくるのかなと思ってますけど、格安SIMとか色々出てきたじゃないですか。今後格安SIMが出てきたことによって、中古携帯もより売れるようになったとか、そういう感じはあります?
SIMの存在すら一般人はわからなかったけど、今だいたい知ってるじゃない。年配の方はちょっとわからないかもしれないけど、僕らの世代、40〜50代くらいまでであればSIMが何かわかると思うね。
だからそのSIM単体で販売してるっていうことは、本体単体でも販売してることが逆にわかりやすいっていうか、両方とも自分が好きなように買う所を選択すればいいんだよと。
今まではキャリアショップに行って、au・softbank・docomoとかってキャリアで選ぶけど、そうじゃなくて機種と回線を別で選ぶみたいな。
これって他の国では当たり前だけど、日本はずっとキャリアさんで買うっていうのが普通だったのが崩壊していくという意味では、自由な売買っていう意味でもっと伸びる可能性はありますよね。
中本社長はどうしたいんですか?これから。
中本社長がこの先やりたいこと
ただ、たまたま今そういった時流に乗って、パソコンの波の時とは明らかに違うなっていう実感があって、そのタイミングで別にやらなくても人生100年のまだ半分にもいってないって考えたら、まだできるなとも思うし焦らなくてもいいかなとも思ってます。
こんだけ数字が上がるっていうことは、そんだけ世の中の期待とか要望があるってことなんで、その間はもうちょっとやろうかなって。
そんなに売ったり買ったりしたかったわけではなくて、どっちかって言うと意外とクリエイター的なことがしたかったんで。
すごいゲームプログラマーに憧れがあって、やっぱそういうクリエイター的な仕事っていうのは何かやりたいなって。
だから余るのよ、席とか誰も座らなくてみんな芝の上に雑魚寝したりゴロゴロしてた。
めちゃめちゃもったいない。もうYoutuberじゃないですか逆に。
一応大阪が本社やから大阪ドーム借りようぜって昔ネタで言ってて。
フェラーリとかもそうだけど、ある一定を超えた派手なことやると残るやん。
ベンツとかロレックスだとよくある話になるけど、フェラーリ持ってるだけじゃなくて廃車にしたってなったらちょっと違うやん。
そういうネタになることに結構大きめに金使うってことは、自分のマーケティング、ブランディングのやり方かも。
本日はリユースモバイル業界の首領、「イオシス」の中本社長にお話いただきました。本日はありがとうございました!