早いもので2015年もあとわずかですね。12月といえば日本では様々なお祭りごとが盛んになります。紅白歌合戦をはじめ、日本レコード大賞、新語・流行語大賞などなど。
そんな中、最近は既存の権威的なものにとらわれない、小規模な大賞の受賞式典が、比較的マイナーなところから始まって、世間の多くの関心を呼ぶものも多くなっています。1988年に「別冊宝島」が立ち上げた『このミステリーがすごい!』などは皆さんも知るところではないでしょうか。
SNS発のコミックがヒット
そんな中、pixivというSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)から展開されたコミック、ふじた氏作『ヲタクに恋は難しい』がスマッシュヒットを飛ばし、買取価格にも影響を与えています。
pixivが電子貸本サービスと提携
電子書店・パピレスが12月10日、同社が運営する電子貸本サービス「Renta!」の2015年ジャンル別電子書籍売り上げランキングを発表しました。
少女漫画第1位が『ヲタクに恋は難しい』です。その影響をうけて12月11日まで150円と低迷していた最高買取価格が翌12月12日には350円とはね上がっています。
pixivとは
2007年にひっそりと始まった、イラストを通したコミュニケーション。イラストの書き手、受け手の交流の場がpixivです。イラストが投稿され、お気に入りが付き、イラストを描けない人でもリクエストなどで参加できる。
そして現在では一部の有料化など発展をとげ、その中から生まれpixiv内ブックマーク歴代1位を記録したのが電子書籍『ヲタクに恋は難しい』(現在も連載中)であり、コミック化されたものが今回取り上げた『ヲタクに恋は難しい』第1巻です。
インターネット、イラスト投稿SNS、そしてその発展的商業化があってこそ存在したきわめて現代的なコンテンツです。
内容はオタクのサラリーマン二藤宏嵩(にふじ ひろたか)と腐女子のOL桃瀬成海(ももせ なるみ)が織りなす不器用なラブコメディです。
まとめ
『このミステリーがすごい!』やpixivの台頭など、従来の「上から下へ」流れてゆく文化の在り方も徐々に変化しているようです。皆さんもツイッターやLINEで身近に感じるところではないでしょうか?そう、一般文芸も電子漫画もどちらが偉いということはないのです。今より少しだけ視野を広めれば、新しい刺激に出会えるかも知れません。ほら、pixiv民以外のひとも『ヲタ恋』を買い求めていますよ!