ダイヤモンドの価格はどこで決まる?買取相場や価格推移とあわせて解説

  • 2024年10月20日

ダイヤモンド価格はどのようにして決まっているのでしょうか?ダイヤモンドの購入・売却を検討している方にとって、ダイヤモンド価格の相場や価格変動は気になるところだと思います。

ダイヤモンドはいくつかの要因により日々価格が変動しているため、価格を知りたい方にとっては少々複雑に感じるかもしれません。

本記事ではダイヤモンド価格についての理解が深まるように、価格が決まる要因や買取相場、今後の価格推移についてまとめました。ダイヤモンドを取引する際の参考になれば幸いです。

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ダイヤモンドの基本をおさらい

まずダイヤモンドの基本について解説。ダイヤモンドの歴史や産出国、特徴についての基礎情報を押さえることで、ダイヤモンド価格の流れを把握するハードルを下げられます。

日本でダイヤモンドを購入する場合は海外からの輸入品になるため、どこの国で産出されたダイヤモンドなのか知っているだけでもダイヤモンドの魅力が一層深まることでしょう。

ダイヤモンドの歴史

ダイヤモンドはインドの河川で最初に発見され、紀元前4世紀頃から取り引きが行われていたと言われています。当時のダイヤモンドは神秘的な宝石だとされつつも、ルビーの8分の1の価値だったと言われており決して高貴な品物ではなかったようです。

1475年にダイヤモンドを磨く研磨法がベルギーのルドウィグ・ヴァン・ベルケムによって発明されたことでダイヤモンドの美しさが広く知れ渡り、その価値を高めました。

1700年代初期にはブラジルでダイヤモンドが発掘されると、ダイヤモンドの産地として150年以上市場を支配します。

さらに1800年代後半には南アフリカでも発掘が始まり、アメリカや西ヨーロッパの富裕層の需要を満たしました。南アフリカで発掘された巨大な鉱山は1900年代に生産量90%を占める原動力になっていきます。

ダイヤモンドの産出国

現在ダイヤモンドはロシアやオーストラリア、コンゴ共和国、ボツワナ、南アフリカ、カナダ等で産出されています。

世界最大の産出量を誇るロシアでは20世紀に入り巨大な鉱脈が見つかったことで世界最大の産出国になりました。世界最大級の鉱山が存在しており、不純物が少ない良質なダイヤモンドが発掘されることでも有名です。

また、ピンクダイヤモンドで有名だったオーストラリアのアーガイル鉱山は2020年11月に産出量の減少と環境配慮のため閉山。高質なピンクダイヤモンドの産地でしたが、採掘量が減少し供給量が減ることで価格が上昇していくことが予測できます。

ダイヤモンドの特徴

ダイヤモンドは炭素から成る宝石で、規則正しい炭素原子の配列により透明度が高く、非常に硬い特性を持ち合わせます。特に硬度が非常に高く、物質の中で世界一硬いとも言われているのです。

そのため、ダイヤモンドは装飾品だけでなく研磨材や他の物質を削るカッター刃としても使用され、その用途は多岐にわたります。

無色透明の美しさを誇るダイヤモンドは、古くから王族や貴族の間で重宝されてきました。その美しさや希少性から宝石の王とも呼ばれ、今なお多くの人を魅了し続けています。

近年では合成技術の進歩により天然ダイヤモンドだけでなく、合成ダイヤモンドが市場に出回るようになりました。

価格は天然ダイヤモンドの約3分の1と手軽さに加え、地中深くの天然ダイヤモンドを採掘する環境影響が少なく地球に優しいダイヤモンドとしても注目を集めています。

ダイヤモンドの価格は何で決まる?

ダイヤモンドの価格はどのようにして決まっているのでしょうか。

ダイヤモンドの価格は大きく4つの要因で決定されています。
それが、こちらの4つです。

  • 4C
  • 需要と供給
  • 海外為替相場
  • 流通コスト

これらの要因はダイヤモンドの価格を決定するうえで重要な指標です。今後ダイヤモンドを購入もしくは売却を予定している方は、知っていて損はありません。

それぞれの指標について解説していきます。

4C

ダイヤモンドの価格を決める指標として代表的なものが「4C(よんしー)」です。ダイヤモンドの価値を決める品質を決める要素として用いられています。

4Cとは、英語の頭文字をとって

  • ① Carat(重さ)
  • ② Color(色)
  • ③ Clarity(透明度)
  • ④ Cut(輝き)

の4項目で構成されており、価格を決める大きな要因となります。

①Carat(カラット)

Carat(カラット)はダイヤモンドの重さを表す単位のことで、重くなればなるほど価値は高くなります。特に大きな原石は希少で、価値が上がる要因です。

1カラットは0.2gで直径は6mmほど。電子デジタル天秤を使用して1,000分の1カラッとまで正確に測定し、少数第3位を8捨9入もしくは少数第3位まで表示します。

多くの方が、カラットという言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

②Color(カラー)

Color(カラー)はダイヤモンドの色のことで、個体別に色が変わります。透明度が高い色ほど価値が高くなり、黄色味が強くなると価値は下がることが一般的です。

色の評価は無色が標準となり、無色を表すDからZに分類され、D、E、Fが完全に無色透明、G〜Jが無色、K〜Mがわずかに黄色、N〜Zが薄い黄色〜黄色となります。

黄色味を越えるとファンシーカラーという別の基準で評価されており、ファンシーカラーには赤やピンク、青、緑といったカラフルで美しい色が存在するのです。存在します。

③Clarity(クラリティ)

Clarity(クラリティ)は透明度のことで、不純物が少ないほど価値は高くなります。透明度が妨げられる傷や欠けが多いと価値は下がることが一般的です。

透明度は6つのカテゴリーに分類され、さらに11の等級によって評価されます。

最も高い評価がフローレス(FL)であり、順にインターナリーフローレス(IF)、ベリーベリースライトリ-インクル-デッド(VVS1・VVS2)、ベリースライトリ-インクル-デッド(VS1・VS2)、スライトリ-インクル-デッド(SI1・SI2)、インクル-デッド(I1・I2・I3)という評価項目が存在するのです。

④Cut(カット)

Cut(カット)は輝きのことで、ダイヤモンドを加工する技術による美しさを表します。原石の美しさが引き出されているか、バランスや研磨状態、対称性から総合的に評価されます。

評価方法は5段階に分類され、その5つがExcellent(最上級品)、VeryGood(理想的)、Good(良好)、Fair(やや劣る)、Poor(劣る)です。

カラット、カラー、クラリティは石本体の品質による評価である一方、カットは職人の技術による付加価値の評価であり、職人の技術によってダイヤモンドの評価を変える重要なポイントになります。

需要と供給

ダイヤモンドの価格を決める2つ目の要因が、需要と供給です。一般に、需要が増えるもしくは供給が減ると価格は上がり、需要が減るもしくは供給が増えると価格は下がります。

ダイヤモンドは価格が急に暴落しないよう供給量が操作されてきました。その仕事を担っているのが1888年に創業したデビアス社で、ダイヤモンドの生産額は一時世界全体の90%に及んでいます。

供給量を操作することによって供給過多を防ぎ、ダイヤモンドの価値を安定させ、価格調整を行っているのです。

海外為替相場

ダイヤモンドの価格を決める3つ目の要因が、海外為替相場です。

ダイヤモンドを産出できる鉱床は世界でもごく一部に過ぎず、あらゆるところで採掘できるわけではありません。日本ではダイヤモンドの採掘ができる鉱床がないため、ダイヤモンドを購入するためには輸入に頼っています。

このため売買を行う際は、日本円ではなく米ドル等の海外通貨で取引する必要が生じるのです。

つまり、ダイヤモンドの取引は為替レートの影響を直接受け、ダイヤモンドの購入・売却時には円安・円高という為替相場は切っても切れない関係性があります。

流通コスト

ダイヤモンドの価格を決める4つ目の要因が、流通コストです。

日本でダイヤモンドを手に入れる場合は海外からの輸入に頼りますが、採掘場から消費者の手に届くまでにはありとあらゆる経路を通ります。その過程で人件費や運送費といった流通コストが発生し、ダイヤモンド価格に影響を与えてくのです。

一般にダイヤモンド鉱山で採掘された原石は、原石供給元と直接取引できるサイトホルダーやディーラーへ渡り、原石を加工するカッティングセンターで加工。

その後、各取引所や仲介者を通して輸入会社が仕入れ、メーカーや製造業者、ダイヤモンド卸売業者から百貨店や小売店のジュエリーショップに販売され店頭に並ぶ流れです。

これらのステップを踏むことで消費者の元にダイヤモンドが届きます。

このように、流通の工数が多くなればなるほど流通コストは上がり、ダイヤモンドの価格が上がる要因になるというわけです。

ダイヤモンド1カラットの買取相場

ここまでダイヤモンドの価格を決める4つの要因について解説してきましたが、ダイヤモンドの買取相場が気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ダイヤモンドの買取価格は主に4Cによって評価され取引価格に反映されます。① Carat(重さ)、② Color(色)、③ Clarity(透明度)、④ Cut(輝き)がどの等級に当てはまるかによってダイヤモンドの価格が決まるイメージです。

例として、1カラット(0.2g)の買取相場を見てみましょう。

2022年8月26日時点のダイヤモンド価格を② Color(色)がD〜J、③ Clarity(透明度)がVSS、VS、SI、④ Cut(輝き)がExcellent、Verygood、Goodに分けて買取相場を示しています。

VVS1

ExcellentVerygoodGood
D1,268,000円1,141,000円963,000円
E1,116,000円1,005,000円848,000円
F1,015,000円914,000円772,000円
G886,000円797,000円673,000円
H756,000円680,000円574,000円
I612,000円551,000円465,000円
J497,000円447,000円377,000円

VVS2

ExcellentVerygoodGood
D1,059,000円953,000円804,000円
E987,000円888,000円750,000円
F907,000円817,000円689,000円
G821,000円739,000円624,000円
H727,000円654,000円553,000円
I590,000円531,000円449,000円
J475,000円427,000円361,000円

VS1

ExcellentVerygoodGood
D958,000円862,000円728,000円
E900,000円810,000円684,000円
F842,000円758,000円640,000円
G778,000円700,000円591,000円
H691,000円622,000円525,000円
I561,000円505,000円427,000円
J446,000円402,000円339,000円

VS2

ExcellentVerygoodGood
D842,000円758,000円640,000円
E792,000円713,000円602,000円
F749,000円674,000円569,000円
G713,000円641,000円542,000円
H655,000円590,000円498,000円
I533,000円479,000円405,000円
J425,000円382,000円323,000円

SI1

ExcellentVerygoodGood
D662,000円596,000円503,000円
E626,000円564,000円476,000円
F590,000円531,000円449,000円
G561,000円505,000円427,000円
H518,000円466,000円394,000円
I468,000円421,000円355,000円
J381,000円343,000円290,000円

SI2

ExcellentVerygoodGood
D547,000円492,000円416,000円
E518,000円466,000円394,000円
F489,000円440,000円372,000円
G461,000円415,000円350,000円
H439,000円395,000円334,000円
I403,000円363,000円306,000円
J345,000円311,000円262,000円

出典:リファスタ

表からもわかるように、1カラットのダイヤモンドは約20万円から130万円が相場であることがわかります。ただし、価格は日々変動するため、直近の価格を知りたい方は複数社から査定をしてもらい相場を確認してください。

ダイヤモンドの価格推移

ダイヤモンドの買い時と売り時はいつなのでしょうか。購入する方はできるだけ安いタイミングを、売却する方はできるだけ高いタイミングを知りたいはずです。

株式等と同様に、資産としての価値を持つダイヤモンドの価格は常に変動しており、未来を予想することはほぼ不可能。一方で、未来を予測するための材料を集めることはできます。その1つの方法が、過去の価格(チャート)を確認することです。

ダイヤモンドにはダイヤモンドインデックという指標があり、2014年3月10日を基準日100として全体相場を表したオリジナル指標から長期の価格変動を調べることができます。


出典:Diamond Bourse

また1年前までのダイアモンド価格変動を確認したい場合は、ダイヤモンドチャートから価格推移を確認できます。

2021年10月頃からダイヤモンド価格は上昇傾向となっており、価格の上下はあるものの回復していると考えて良いのではないでしょうか。


出典:Diamond Bourse

ダイヤモンドの価格は今後どうなる?

ダイヤモンド価格は今後どのような動きを見せるのでしょうか。

2020年から続くコロナの影響によって採掘量は減少し、価格を決定する需要と供給のバランスが崩れました。ワクチンの普及が拡大しているなかでも日本ではコロナ感染者数が増加の一途を辿り、不安定な情勢は続きます。

一方で、世界では脱コロナに成功し、コロナ前の生活を取り戻している国や地域が少なくありません。このことからも、不安定な状況は次第に回復していくことが予測されており、ダイヤモンド価格も上昇していくと考えられます。

さらに、ロシアのウクライナ侵攻によりアメリカのバイデン大統領は、ロシアからのダイアモンド輸入を禁止する大統領令を発令しました。これにより、ダイヤモンド市場への供給量が低下するため、この状況が長期化すると価格上昇につながると考えられます。

これら要因を総括すると、今後ダイヤモンド価格は上昇するため、購入する場合は早めの購入を、売却する場合はもう少し様子見、となるでしょう。

ただしこれらの世界情勢に加え、日本の場合は外国為替相場も念頭におく必要があります。2022年8月現在、為替相場は円安ドル高となっており、円安状況ではダイヤモンドは高くなることは念頭に置いておきましょう。

ダイヤモンド価格決定のポイントを押さえて賢く買取しよう

本記事ではダイヤモンドの価格がどのように決まっているのかについて、4つの要因である4C、需要と供給、海外為替相場、流通コストをご紹介しました。

ダイヤモンドの買取相場は日々変動しており、価格決定が複雑なため難しい印象を持ってしまうかとは思います。そんな時は、もう一度価格決定のポイントに立ち返り、価格変動、世界情勢を冷静に分析して賢い取引を実現していきましょう。

木暮康雄

木暮康雄 (監修者)

ウリドキ株式会社代表取締役CEO。ウリドキプラスの発行人でもある。
リユース業界での起業・事業運営の経験が豊富でリユースの専門家としてのメディア出演歴も多数。
著書に「リユース革命」(幻冬舎)がある。

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