バンド、軽音楽サークル、社会人サークルなど、ギターはさまざまな世代から愛されている楽器です。若い方はもちろん、年齢を重ねてから「ずっと憧れていた」と趣味として始める方も少なくありません。
国内・海外ともに、多数のメーカーがギターの製造・販売をおこなっています。今回は、そんなギター業界で人気のあるメーカーや、「初心者向け」「脱初心者向け」に最適なメーカーなどをまとめました。
- 今からギターを始めたいと思っている
- 人気のあるギターメーカーを知りたい
- ギター初心者から脱して中級者以上のギターを入手したい
こんな方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
海外の人気ギターメーカー
まずは海外のギターメーカーのなかで人気が高いメーカーをご紹介します。人気の高い海外のギターメーカーは以下の6つです。
- ギブソン
- フェンダー
- マーチン
- エピフォン
- メイトンギター
- ポール・リード・スミス
それぞれの特徴や、代表的なギターのモデルなどをご紹介します。
ギブソン
「ギブソン」は、アメリカのアコースティックギター老舗メーカーです。1902年に設立され、100年以上の歴史を誇ります。
アコースティックギターといえば「ギブソン」とすぐに名前が挙がるぐらい有名なメーカーと思っていいでしょう。
ギブソンのギターは、高級家具や高級楽器に主に採用されている「マホガニー」という木材を使用しているものが中心です。
ギブソンを代表するモデル「J-45」でも、マホガニーを使用しています。低音がスッキリと出やすく、歌唱との相性がいいJ-45は、日本でも人気が高いです。
多数のアーティストが演奏していますが、そのなかでもとくに有名なのは女性アーティストの「miwa」さん。
miwaさんはデビュー当時、自身の小柄なスタイルと対象的なJ-45を演奏していました。そのギャップから、見た人の脳裏に焼き付く強い印象を持たせることに成功したのです。
フェンダー
「フェンダー」は、1946年に設立されたアメリカのアコースティックギターメーカーです。
創業したのは「レオ・フェンダー」という方で、もともとはラジオ受信機や音響機器の修理を承っていました。
ギターの製造・アンプの製造を始めてからは、長い演奏時間でも疲労がたまりにくい軽い弾き心地から注目を集めます。
現在も、エレキギター・アコースティックギター・アンプの性能の良さから、フェンダーは世界的に人気が高いです。
日本ではYUKIさんが使用していた「GA-45SCE」や、新山詩織さんが使用している「PM-1 Deluxe Dreadnought」などがとくに知名度があります。
マーチン
「マーチン」はアメリカで1833年に設立されたメーカーです。歴史あるアコースティックギターのメーカーとして、各国のギターマニアから愛用されています。
日本だとMr.Childrenの桜井和寿さんやアルフィーの坂崎幸之助さん、海外ではポール・マッカトニーが演奏したギターとしても有名です。
もともとは高級路線でしたが、最近では10万円以下で手に入るシリーズも積極的に製造・販売されています。
マーチンを代表するアコースティックギターは、「D-28」です。
アコースティックギターの基本・ドレッドノート型のなかでも、高い人気を誇るマーチンの代表作と呼ばれています。
エピフォン
「エピフォン」は1873年に設立されたメーカーです。現在は「ギブソン」の傘下メーカーとなっています。
ギブソン傘下のため、販売中の商品もギブソンのギターに寄せられているのが特徴です。ギブソンの類似モデルを、手に取りやすい5万円以下の価格帯で販売しています。
初心者でも購入しやすいメーカーとして、日本でも人気が高いです。
人気のモデルは「1964 Texan」。1964年に発売したTexan(テキサン)を再現したモデルです。
ポール・マッカトニーが使用していたモデルの再現ということもあり、ファンはもちろん、ギター愛好家の方からも親しまれています。
メイトンギター
「メイトンギター」はオーストラリアに本社を持つメーカー。オーストラリアの木材である「ブラックウッド」や「クイーンズランドメイプル」を使用しているのが特徴です。
また、エレキギターの心臓部とも呼ばれる「ピックアップ」に、自社オリジナルの物を用いているのも特徴となります。
メイトンギターの商品は音質の評価が高く、伸びやかに音を響かせてくれるギターが多いです。日本ではアーティストの秦基博さんが使用していることから、ソロシンガーの方から注目を集めています。
とくに有名なのは「EBG808TE」で「EBG808」を基礎にカスタマイズされたモデルで、メイトンギターの伝統を感じられる製品となっています。
ポール・リード・スミス
創始者の名前で1985年に設立されたメーカー「ポール・リード・スミス」。主にエレキギターやエレキベースを製造・販売しています。他ブランドと比べると、創業からの年数は短いほうです。
しかし、演奏性のよさが評価されており、楽器レベルの高さから既に楽器ブランドのなかでも人気を高めています。
日本国内では、ポルノグラフィティ新藤さんなどが使用していることでも有名です。ポール・リード・スミスで名前が知られているモデルには、「SEシリーズ」があります。
「学生でも手に入れられる価格帯」をコンセプトにつくられたため、高級ブランドのポール・リード・スミスのなかでは比較的手に入れやすい価格が魅力です。
日本の人気ギターメーカー
次に日本国内のギターメーカーのなかで、人気が高いメーカーをご紹介します。人気の高い海外のギターメーカーは以下の6つです。
- ヤマハ
- タカミネ
- トーカイ
- アイバニーズ
- ESP
- ヤイリギター
それぞれの特徴や、代表的なギターのモデルなどをご紹介します。
ヤマハ
静岡県浜松市に本社を持つ「ヤマハ」。1946年に創業され、国産ギターブランドのなかでは最大手と言えるポジションを獲得しています。
ギター以外にもピアノやオルガンなど、複数の楽器を製造している総合楽器ブランドです。日本人でも使用しやすいサイズ感の商品が多く、女性でも使いやすい商品が揃っています。
阿部真央さんや中島みゆきさんなど、多数の女性アーティストが使用していることも有名で、初心者からプロまで人気があるブランドです。
タカミネ
岐阜県中津川市に本社を持つ「タカミネ」は、エレアコに特化しているブランドです。エレアコの種類が豊富に取り揃えられており、ピックアップやプリアンプを独自開発しています。
日本で初めてエレアコを発売し、その種類の豊富さから、エレアコを求めている方にとっては必ず候補に挙げられるブランドです。
タカミネではボディシェイプバリエーションとして、200~800のサイズが発売されています。ご自身の体や手に合ったサイズを見つけて購入できるのも、タカミネの魅力と言えるでしょう。
トーカイ
「トーカイ」はヤマハ同様、静岡県浜松市に本社を持つブランドです。トーカイは企業名ではなく、正しくは「東海楽器製造株式会社」のギターブランド名称になります。
東海楽器製造株式会社では、ピアノなどの製造を中心に展開していました。「LSシリーズ」や「Talbo」などがとくに有名で、品質の良さから人気を獲得しています。
アイバニーズ
「アイバニーズ」は星野書店の楽器部として創業されました。創業されたのは1908年、星野書店がスペインのギター作家の工房を買取したのが理由です。
アイバニーズでは、幅広い音楽ジャンルをカバーできる商品ラインナップを取り揃えています。
8弦・9弦などの多弦ギターと呼ばれる商品の開発にも積極的で、豊富なラインナップを誇るブランドを探している方と相性がいいでしょう。
初心者からプロまで活用できるのが強みのブランドです。
ESP
「ESP」は、1975年に創業されたギターメーカー。他のギターブランドにはない斬新なデザイン性が特徴です。
一般流通しているギターとは一味違うテイストの商品が多く、こだわりが強い方からも支持されています。
オーダーメイドにも対応しているため、初心者が使いやすいギターを求めるよりも、中級・上級者が求めるのに向いているブランドです。
ヤイリギター
「ヤイリギター」は、岐阜県可児市に本社を持ちます。
大量生産ではなく手作業に重きを置いており、「30人の職人で1日20本のギターを製造する」のがヤイリギターのこだわりです。
品質の高さから、オーダーメイドも人気を集めています。代表的なのは「DYシリーズ」や「YFシリーズ」など。
とくにDYは海外の大手ブランド「マーチン」を基に製造されている人気シリーズになります。
初心者ギターの選び方
何かを初めるとき、道具選びは悩むポイントですよね。ギター初心者の方のなかには、「どんなギターがいいのか」「どんなポイントを見て選べばいいのか」悩んでいる方も多いと思います。
ここからは、初心者にオススメなギターの選び方や、具体的なメーカーなどについてまとめました。
ギターを始めようとしている方、購入を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
価格の目安は3万円程度
まず価格帯ですが、初心者の方は目安として3万円程度を考えておくといいでしょう。大手楽器メーカーからは、初心者向けの入門用ギターが販売されています。
そういったギターは、だいたい3万円程度が相場です。そのため、3万円程度を目安としてギターを探すことをオススメします。
ギターメーカーのなかでは、「フェンダー」「ヤマハ」「モーリス」「エピフォン」などが初心者向けの低価格帯ギターを販売中です。
気楽に形が気に入ったもの
ギターを選ぶ際にチェックしてほしいのは、ギターの形です。ギターの形はメーカーによってさまざまで、手のサイズに応じてフィット感も大きく変わります。
音はもちろん重要ですが、何度も弾いて上達するためには、弾きやすさ・演奏しやすさも重要なポイント。
まずは見た目や形が気に入ったものを手に取り、あなたの手にフィットする商品を選ぶようにしましょう。
初心者にオススメのギター
初心者の方にオススメなギターメーカーは、以下の3つです。
詳しく解説します。
フェルナンデス
「フェルナンデス」は低価格帯・高品質が売りのブランドです。
高級感や見た目の派手さよりも、とにかく演奏における実用性に重きを置いています。低価格帯だけれど品質がいいため、これからたくさん練習していきたい初心者の方にぴったりです。
また、フェルナンデスからはアーティストのシグネチャーモデルも発売しています。
hideさんのモッキンバードや、布袋寅泰さんのテレキャスターなど、憧れているアーティストのモデルの商品を購入すれば、より愛着が深まって長く大切に使いたくなります。
ヤマハ
「ヤマハ」は国内最大手の楽器メーカーです。
長年楽器作りに携わってきた経験と技術を活かし、どんな人の手にも馴染みやすいようなオーソドックスな商品をたくさん生み出してきました。
比較的クセが少ないギターが多いため、まずはどんなギターを選べばいいのか悩んでいる初心者の方にオススメします。
また、ヤマハには手に取りやすい価格帯の商品が多いことも、初心者にオススメな理由の一つです。
手に取りやすい価格帯の商品でも品質は決して低くなく、長く使用できるようなギターがたくさん発売されています。安心の国内メーカーということもあり、日本のギター初心者の多くが通るメーカーと言えるでしょう。
バッカス
「バッカス」は日本のギターブランドです。
日本製のため、修理の際にもパーツ取り寄せ費用など余計な費用が発生しません。
そういった演奏面以外の部分を加味しても、初心者の方に優しいメーカーと言えます。バッカスの魅力は、品質高さとコスパのよさです。
1万円台から手に入る商品もあり、まずは手に取りやすい価格帯の商品で練習したい方に向いています。
形状のバリエーション・カラーバリエーションが豊富なので、初めてのギター購入の方でも、お気に入りの1本を見つけることができるでしょう。
脱初心者ギターの選び方
ある程度演奏に慣れてきたら、今度はもっとレベルの高い商品が気になってきます。
ギターの価格帯はピンからキリまでありますが、価格が上がるほど音色やデザインにブランドのこだわりが出やすいです。
脱初心者したい方がどんなギターを選べばいいのか、ギター選びのポイントをご紹介します。
慣れてきたらやりたい活動に合わせたギター
脱初心者ということは、ある程度「どんな活動をしていきたいか」も固まってきているのではないでしょうか。
新しいギターを選ぶ際には、今後ギターでおこないたい・もしくは現在おこなっている活動に合わせて、ギターを選ぶのがオススメです。
たとえば、以下のように自分がギターをどんなことに使用したいか考えてみましょう。
- 自宅で1人で演奏するだけ
- ライブハウスでライブをする
- 仲間と一緒にバンド活動する
バンドや弾き語りをやりたいならエレキギター、場所を選ばず演奏したい人はアコースティックギターなど。やりたい活動によって、ふさわしいギターも変わります。
2本目以降は今のギターの不満点を解消できるもの
初心者を脱したいということは、既に今使っているギターがあるかと思います。2本目以降の脱初心者ギターは、今使っているギターの不満点を解消できる物を選ぶようにしましょう。
たとえば弾いていて「重たい」「弾きづらい」と感じたことはありませんか?そういった不満は演奏に支障をきたしてしまうため、解消してくれるような商品から選ぶのがオススメです。
レンタルでギターを試してみる
ギターは初心者向けでも3万円程度の費用がかかり、なかなか手軽に買い替えにくいですよね。
いろいろなギターを弾いて試したい方にオススメなのが、ギターのレンタルです。購入するよりも安く、より自分にぴったりなギターを選ぶことができます。
いくつかのギターで迷っている方は、まずレンタルで試した後、気にいったものを購入する方法も検討してみてください。
脱初心者にオススメのギター
脱初心者にオススメのギターメーカーは、以下の2つです。
詳しく解説します。
フェンダー
「フェンダー」はアメリカのアコースティックギターメーカーです。
軽い弾き心地が特徴で、長時間の演奏でも疲労がたまりません。演奏曲の表現を豊かに広げてくれる音色は、脱初心者ギターにぴったりです。
フェンダーのギターは日本向けに販売もされています。
「フェンダージャパン」という日本製バージョンのギターは、日本国内で製造されていることから関税がかからず、比較的安価に手に入れることができるのが魅力です。
日本の製造技術が組み込まれていることから品質もよく、5~10万円で手に入るギターのなかではかなり人気があります。
アイバニーズ
「アイバニーズ」は星野書店が創業した国内楽器メーカーです。
1970年代は海外メーカーの廉価版販売を中心に営業していましたが、70年代以降はオリジナルモデルの製造に注力。
7弦ギターの製造も大きく影響し、ロック系の音楽関係者からとくに高い支持を受けるようになりました。
薄型のネックが特徴で、演奏者の技術を最大限に発揮してくれます。商品ラインナップが豊富なこともあり、さまざまな音楽ジャンルに対応してくれるのが魅力のメーカーです。
テクニックが上達してきた脱初心者の方に、まさにぴったりなギターを提供してくれるでしょう。
ギターメーカーはたくさんある!
今回は、海外・国内のギターメーカーについてご紹介しました。この記事で紹介した以外にも、ギターメーカーはまだまだたくさんあります。
お気に入りの1本を見つけるためにも、さまざまなメーカーの情報を集めてみましょう。それぞれメーカーごとに「音色」「デザイン」「形」など、特徴やこだわりがあります。
あなたにぴったりなギターを見つけてみてください。