『グランド・セフト・オートV』が国内売上100万本を達成しました。これはCEROレーティングZ指定の海外タイトルとしては初の偉業となっています。
スマートフォンゲームの影響など、家庭用ゲームからユーザーが離れているという傾向も見られる中で、なぜ偉業を達成できたのか。中古市場でも高い価格帯を維持しているこのタイトルの魅力を探っていきましょう。
買取グラフから見る絶大な支持率
『グランド・セフト・オートV』の買取価格グラフを見ると、PS4版が2014年12月にリリースされてからPS3版が下落しています。PS3版は1年以上前に発売された作品なので当然ですが、年明けには再び右肩上がりに上昇。通常ではあり得ないグラフを描いています。何がここまでユーザーの人気を博しているのでしょうか。
3作目が転機の『GTA』シリーズ
『グランド・セフト・オート』は2作目まで俯瞰見下ろし視点でのゲームでしたが、3作目の『グランド・セフト・オートIII』で3Dゲームとしての演出が強化され、ゲーム性やボリュームも大幅に広がりました。全世界でのリリースも800万本という驚異的な数字で、シリーズとして初めて触れたのがこの作品という人も多いでしょう。
犯罪をテーマにした作品性は過激な表現からローカライズ面でも苦労をしていますが、逆にそういった突き抜けた表現が大人のユーザーを惹きつけました。
洋ゲーの固定イメージを打破
国内ユーザにとって、いわゆる「洋ゲー」と呼ばれるものは「大味」、「粗い」といったイメージがありました。緻密に計算され細かい部分にまで配慮の及んだ日本のゲームとは、客観的に見ても大きなクオリティ差があったのです。
しかし、近年ではその一般的なイメージは逆転しています。『グランド・セフト・オート』シリーズを生み出している開発元のロックスターゲームスは一発屋では終わらず、『L.A.ノワール』『レッド・デッド・リデンプション』など数多くの名作を生み出し、大ヒットに導きました。まるで映画を見ているような高品質な体験は脚本の練り込みなども高く評価されていて、カルチャーへの深い理解と造詣があってこその作品としてゲームメーカーとしても特別な地位を築いています。
ロックスターゲームスは過激な表現ばかりが売りではなく、卓球ゲームなども手がけていたりと作風の広さが知られています。
リスクが少ない濃いユーザー層
ターゲットを絞っているにも関わらずヒットし続ける作品の特徴として、ヘビーユーザーの支持率の高さというものがあります。ライトユーザーに比べてパイは少ない一方で、安定したハズレのない計算が出来ることは発売元にとっても魅力的です。
『グランド・セフト・オート』の販売はカプコンという誰もが知る大手メーカーが出がけています。他にも、トレイアークが開発した人気FPSゲーム『コール オブ デューティ』シリーズの『ブラックオプス』をスクウェア・エニックスが販売、ローカライズもこなしているのです。かつて洋ゲーアレルギーを持っていた国内ユーザーにも響くような作品が次々誕生しているのは喜ばしいことでしょう。