冷蔵庫の消費電力は?1時間あたりの電気代についても解説

  • 2023年12月14日

「冷蔵庫の電気代を節約したい」と思っていても、冷蔵庫の消費電力について詳しく知らない方もいるのではないでしょうか。

冷蔵庫の消費電力は、家庭で使われている消費電力の約14%を占め、家電のなかではもっとも大きい数値です。ただし、冷蔵庫の消費電力はメーカーや容量によってさまざまなので、比較がむずかしいと感じている方も多いでしょう。

この記事を読むことで、冷蔵庫の容量ごとの消費電力がランキング形式でわかります。今の冷蔵庫で節電するコツも紹介しているので、参考にしてくださいね。

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冷蔵庫の消費電力豆知識

冷蔵庫の消費電力は、どのくらいなのでしょうか? 冷蔵庫の消費電力について、冷蔵庫を購入する前に知っておくと便利な情報や豆知識をこちらにまとめましたので、参考にしてください。

全体の14%を占める

経済産業省 資源エネルギー庁の発表によると、家庭で使用されている消費電力のうち、冷蔵庫は全体の14,2%の割合を占めるとされています。

ほかの電化製品は、照明器具が13,4%、テレビが8,9%、エアコンは7,4%です(平成22年度調査時)。

これらの数字を見る限り、消費電力のなかで冷蔵庫が占める割合は、家電のなかでも最大数値を示していることがわかるでしょう。

つまり、冷蔵庫の消費電力を抑えることができれば、電気代の節約にもつながりやすくなるのです。

10年前との消費電力比較

最新の冷蔵庫と10年前の冷蔵庫の消費電力は、どのくらい変化しているのでしょうか。

以下の表は、パナソニックから出ている同じサイズの冷蔵庫を、最新モデルと10年前のモデルで比較したものです。

メーカー名と型番年式消費電力(年間)
パナソニック NR-C370M 365L2011年380kWh
パナソニック NR-C372GN 365L2021年341kWh

出典:エネチェンジ

最新モデルの消費電力量は、10年前の冷蔵庫と比べて39kWh少なくなっていることがわかります。

全国家庭電気製品公正取引協議会の「電力料金目安単価」によると、1kwhあたりは税込27円。最新モデルへの買い替えで、年間1,053円の電気代が節約できることになります。

最新モデルほど電力を消費しない

最新モデルの冷蔵庫は、10年前のモデルと比べて節電効果があることがわかりました。

この傾向は年々顕著になっており、同メーカーの15年前のモデルと最新モデルを比較すると、消費電力量は149kWhも少なくなっています。

同じく電力料金単価1kWhあたり27円の計算で、年間4,023円の電気代節約につながるのです。

資源エネルギー庁による年間消費電力量の調査から推定した冷蔵庫の消費電力は、10年前と比べて約3分の1になっているという報告もあります。

消費電力は冷蔵庫の大きさと比例しない

「容量の大きな冷蔵庫ほど消費電力が多くなる」というイメージがあるかもしれません。

これはむしろ逆で、「大型冷蔵庫であるほど年間消費電力量が少なくなる」ことがわかっています。

その理由は、大型冷蔵庫にはモーターの回転数をコントロールする「インバーター」や節電センサーなどの人工知能が搭載されており、消費電力を抑える機能があるから。

小型冷蔵庫は価格が比較的安価なため、インバーターやセンサーなどの省エネ機能を持つ最新技術を採用するのが難しく、消費電力はむしろ多くなる傾向があります。

1時間あたりの電気代は1円程度

冷蔵庫の年間電力消費量をもとに、1時間あたりの消費電力量を計算したところ、冷蔵庫の 1時間あたりの電気代は1円程度 であることがわかりました。

乾燥機1時間あたりの電気代が21円であることをふまえると、かなり安いと感じる方もいるかもしれません。

しかし、冷蔵庫は 24時間稼働する家電 なので、1時間あたりの電気代だけでほかの家電よりも安いと決めつけることはできないでしょう。

今使っている冷蔵庫の電気代を知るために

冷蔵庫の消費電力を理解するには、現在使用中の冷蔵庫に電気代がいくらかかっているのか知る必要があるでしょう。

ここでは、電気代の計算方法や年間消費電力量を知る方法を紹介します。

電気代の計算方法

通常、電気代を求めるときには、以下の計算式を使います。

1時間あたりの消費電力量(kW) × 使用時間 × 料金単価(円/kWh)

100Wの電化製品の場合、消費電力量は、消費電力100W ×1h=消費電力量100Whです。

これをkWhに直すと、消費電力量100Wh ÷ 1,000=0.1kWhとなります。

電力料金の単価27円なら、消費電力量0.1kWh × 電力量料金27円/kWh=2.7円/hと計算してください。

年間消費電力で考える

冷蔵庫の場合は常に稼働している状態であるため、時間計算ではなく、年間消費電力量を基に計算します。計算式は以下の通りです。

年間消費電力量(kWh) × 料金単価(円/kWh)

ここで求められる1年間の電気代目安を12(カ月)で割れば、1カ月分のおおよその電気代が計算できるでしょう。

年間消費電力量は、冷蔵庫の説明書に記載されているので確認してみてください。

冷蔵庫の消費電力ランキング

2021年モデルの冷蔵庫の年間消費電力量、および年間電気料金を容量別に比較しました。

消費電力量が少ない順番にランキング形式で表にまとめているので、冷蔵庫を買い替える際にはぜひ参考にしてみてくださいね。

100〜200L(1〜2人用)の冷蔵庫

一人暮らしから二人家族向け小型冷蔵庫の年間消費電力ランキングで1位に輝いたのは、『シャープ SJ-GD15G 』152リットルの290kWhでした。

最近の小型冷蔵庫は節電モードの付いたものもあり、年々機能性が高まっています。

順位メーカー名と型番容量年式年間消費電力量年間電気料金
1位シャープ SJ-GD15G152L2021年290kWh7,830円
2位シャープ SJ-D23H225L2021年293kWh7,911円
3位パナソニック NR-B251T248L2021年302kWh8,154円
4位日立 R-K11R113L2021年388kWh10,476円
5位三菱電機 MF-U12F121L2021年405kWh10,935円

出典:エネチェンジ

300L(2〜3人用)の冷蔵庫

2〜3人家族向きの容量がある300Lの冷蔵庫は、パナソニックの『NR-C342C/NR-C342CL』と『NR-C342GC/NR-C342GCL』の335リットルが同率1位にランクイン。

いずれも年間消費電力量は330kWhで、ほかのモデルよりも電気代を抑えられることがわかりました。

順位メーカー名と型番容量年式年間消費電力量年間電気料金
1位パナソニック NR-C342C/NR-C342CL335L2021年330kWh8,910円
2位パナソニック NR-C342GC/NR-C342GCL335L2021年330kWh8,910円
3位パナソニック NR-C372GN/NR-C372GNL365L2021年341kWh9,207円
4位パナソニック NR-C372N/NR-C372NL365L2021年341kWh9,207円
5位シャープ SJ-W354H350L2021年420kWh11,340円

出典:エネチェンジ

400L(3〜4人用)の冷蔵庫

3〜4人家族が使うのにちょうどよい400Lサイズの冷蔵庫で、もっとも電気代が安かったのは『東芝 GR-T470GZ』465リットル。

年間消費電力は239kWh、年間電気代は6,453円と、容量の小さい冷蔵庫の電気代に比べるとかなりお得感があります。

順位メーカー名と型番容量年式年間消費電力量年間電気料金
1位東芝 GR-T470GZ465L2021年239kWh6,453円
2位東芝 GR-T460FZ461L2021年241kWh6,507円
3位パナソニック NR-E417EX/NR-E417EXL406L2021年249kWh6,723円
4位三菱電機 MR-B46G455L2021年250kWh6,750円
5位シャープ SJ-X414H412L2021年252kWh6,804円

出典:エネチェンジ

500L(4人以上用)の冷蔵庫

500L以上の大型冷蔵庫の年間消費電力量で、節電ランキング1位を獲得したのは、『東芝 GR-T510FZ』508リットル。消費電力量は238kWh、年間電気代6,426円でした。

小型冷蔵庫の年間消費電力量から順番に見てきましたが、容量が大きくなるにつれて消費電力量が抑えられ、電気代の節約につながることがおわかりいただけたでしょう。

順位メーカー名と型番容量年式年間消費電力量年間電気料金
1位東芝 GR-T510FZ508L2021年238kWh6,426円
2位三菱電機 MR-WXD52G517L2021年245kWh6,615円
3位東芝 GR-T550FZ551L2021年247kWh6,669円
4位シャープ SJ-AF50H502L2021年250kWh6,750円
5位三菱電機 MR-MXD50G503L2021年250kWh6,750円

出典:エネチェンジ

冷蔵庫を買い換えるタイミング

「新しい冷蔵庫が欲しいけれど、買い替えのタイミングがわからない」という方は、こちらで紹介する「冷蔵庫買い替えのタイミング」を参考にしてください。

寿命が近い冷蔵庫の特徴

寿命が近くなった冷蔵庫には、以下のような特徴が見られます。

  • 冷え方が悪くなってきた
  • 冷凍庫の氷が固まらない
  • 冷え方にムラが出てきた
  • 異常な音が発生している
  • 水漏れするようになった

これらの原因は、庫内にあるコンプレッサーの劣化によるものと考えられます。

コンプレッサーの機能低下により出力量が増えた結果、電気代が以前よりも高くなっているケースもあるかもしれません。

目安は10年前後

冷蔵庫の寿命の目安は、10年前後と考えるのが一般的です。

10年前後という数字は、冷蔵庫の心臓部ともたとえられるコンプレッサーの寿命目安に関係しています。

また、メーカーが補修部品を保有している期間も、生産終了から9年。9年間はメーカーで修理することができても、10年目以降は部品がなくなるため、不具合が起きても修理が難しくなります。

買い替えのタイミング

冷蔵庫の最新機種は、9月中旬以降に発表されるため、型落ちモデルや在庫処分などのセール品を買うなら、7月から8月が狙い目です。

また新年度を迎える4月に合わせ、2月頃の春先には『新生活応援キャンペーン』などで大型家電のセールが開催されることもあるでしょう。

2月から3月、また7月と8月は、機種によっては冷蔵庫をより安く購入できるチャンスです。

最新機能を持つ冷蔵庫を入手したいなら、9月から10月にかけて発売される新しいモデルをチェックしてみてください。

今の冷蔵庫で節電するコツ

冷蔵庫をすぐに買い替えなくても、今の冷蔵庫で節電するコツもあります。以下の方法を試してみてはいかがでしょうか。

食品を詰め込みすぎない

冷蔵庫に食品を詰め込み過ぎると、冷気の循環が上手くいかなくなります。

また冷気の吹き出し口が食品でふさがっている状態になると、冷えにくくなるだけでなく、電力の消費量を増やすことにもつながるのです。

冷蔵庫内に収まる食品の量は、7割程度が理想とされています。これ以上食品が増えてしまいそうな場合は、賞味期限をチェックして順番に片付けるようにしてください。

冷蔵する必要のない野菜や調味料などは、無理に冷蔵庫に入れず、室内の涼しい場所で保管できる場合もあります。

隙間がないように入れる

冷蔵庫と反対に、冷凍庫は隙間がないように食品を入れるのがオススメです。

理由は、冷凍された食品が隙間なく入っていることで保冷効果が上がり、省エネにつながりやすくなるから。節電効果もバッチリです。

また、季節によって冷蔵庫の温度設定を変えるようにしましょう。冬に夏場と同じ温度で冷蔵庫内を冷やすのは、電力の無駄遣いになります。

節電と電気代の節約を目指すなら、冷凍庫は隙間なく食品を入れるようにし、定期的に温度設定をチェックするようにしてください。

開け閉めの回数を減らす

電力の無駄な消費を避け、冷蔵庫の保冷機能を低下させないためには、冷蔵庫を開閉する回数を極力減らすようにしましょう。

冷蔵庫を開けるたびに冷気が外に流れ、庫内では温度調整のためにその都度電力を稼働させることになります。

冷蔵庫の開閉回数を減らし、扉が開いている時間を短くするには、庫内の食品を取り出しやすいように整理しておくことが大切です。

壁から離して設置

冷蔵庫を設置する際には、壁から5㎝〜10㎝ほど離して置くようにしてください。

壁と冷蔵庫の間に隙間がないと熱がこもりやすくなり、その結果余計な電力を消費することにつながるからです。

冷蔵庫の裏側だけでなく、上部や左右にも隙間をつくるようにしましょう。冷蔵庫の上部にも何も置かないほうがよいでしょう。

適切な容量の冷蔵庫を選ぶ

冷蔵庫は、ライフスタイルに合った適切な容量のサイズのものを選ぶのをオススメします。

人数と比例して冷蔵庫の容量が小さ過ぎると、食品を詰め込んでしまい、電力を余計に使う結果になりかねません。

冷蔵庫が大き過ぎる場合も同じで、住人の数に対して消費電力を無駄遣いする可能性もあります。

ただし、400リットル以上の中・大型クラスの冷蔵庫に省エネタイプのモデルが多いので、冷蔵庫を選ぶ際は容量だけでなく、 性能も併せてチェックするようにしてください。

節電を考えるなら電力プランの見直しも選択肢のひとつ

節電を検討しているなら、冷蔵庫の消費電力のみで考えず、電力プランを見直すことも解決策のひとつです。

現在契約している電力会社で料金プランを変更したり、お得なプランを提案している新電力会社に乗り換えても良いでしょう。

使用する電力が多い家庭なら、電力単価の安いプランがオススメです。基本料金は安くなくても電気代の節約につながります。

また基本料金が無料になる料金プランは、毎月使用する電力量があまり多くない家庭向きと言えるでしょう。

容量の合った冷蔵庫を選ぼう

冷蔵庫の消費電力と電気代の計算方法や、省エネ・電気代の節約につながるコツについてまとめました。

消費電力は冷蔵庫の大きさに必ずしも比例しませんが、大き過ぎる冷蔵庫や小さ過ぎる冷蔵庫は、電力の無駄遣いになりかねません。

本記事では、容量別にメーカー名・型番とあわせて消費電力の少ない冷蔵庫を紹介しているので、買い替え時の検討材料になるでしょう。

冷蔵庫はライフスタイルに合った容量のモデルを選び、購入時には消費電力も同時にチェックするようにしてください。

木暮康雄

木暮康雄 (監修者)

ウリドキ株式会社代表取締役CEO。ウリドキプラスの発行人でもある。
リユース業界での起業・事業運営の経験が豊富でリユースの専門家としてのメディア出演歴も多数。
著書に「リユース革命」(幻冬舎)がある。

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