炊飯器の保温にかかる電気代は?電子レンジ解凍との比較や節約術も

  • 2024年9月4日

毎日のように使用する炊飯器は、どのくらい電気代がかかっているのか気になりますよね。

ごはんを炊いたあと、そのまま保温している家庭も少なくないでしょう。何時間後も温かいごはんが食べれて便利なうえ、「何度も炊くよりは、保温したほうが安そう」と考えている人も多いかもしれません。

しかし、保温時間によっては炊飯するより電気代がかかる場合があります。また、ごはんの量によっては電子レンジで温め直したほうがお得になる可能性もあるため、上手に使い分けることが大切です。

本記事では、炊飯・保温それぞれにかかる電気代の計算方法から節約術まで解説します。少しでも電気代を抑えたいという人は、ぜひ参考にしてみてください。

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炊飯器の種類と特徴

炊飯器に種類があるのはご存知でしょうか。それぞれの種類によって価格や炊き方などに違いがあるのはもちろん、電気代も異なります。

ここでは、炊飯器の種類と特徴をご紹介するので、使っている炊飯器がどのタイプかチェックしてみてくださいね。

マイコン式炊飯器

マイコン式炊飯器は、炊飯器の底のヒーターから加熱して炊飯します。

熱い部分が底に集中するので、炊きムラができたり、底付近のご飯が固めになりやすいのがデメリット。

1万円以下など比較的安価な商品が多く、手が出しやすい炊飯器ですが、そのぶん火力が弱かったり、容量が少なかったり、釜が薄かったりと、他の種類に比べて性能が劣る傾向にあります。

火力や保温機能は劣りますが、そのぶん消費電力が比較的少なく、電気代は他の種類に比べて安くなるでしょう。

IH式炊飯器

IH炊飯器は、電気を使って釜全体を熱することでお米を炊く炊飯器です。

内釜そのものが発熱するので、ムラなく炊き上げ、粒立ちのいいご飯になるのが特徴。高い火力がお米の芯まで熱を伝え、ふっくらと美味しいご飯が楽しめます。

スチーム機能や保温機能など、機能が充実している商品が多く、現在主流なのがこのIH炊飯器です。

機能も価格もさまざまですが、基本的に火力が強く消費電力が高いため、マイコン式に比べて電気代は高くなります。

圧力IH式炊飯器

圧力IH式炊飯器は、IH炊飯器と同様に釜全体を熱するのと同時に、圧力を加えてお米を炊き上げる炊飯器です。

内釜を密閉して加圧し、沸点を高めることで、短時間でお米を炊くことができます。電気炊飯器の中では最も炊飯効率が高いところが特徴。

独自の圧力と高温によりお米の旨味や甘味を引き出すので、ご飯が冷めても美味しく食べられるでしょう。

IH炊飯器と同様、高い火力により消費電力が高いため、電気代はマイコン式やIH式炊飯器に比べると高くなるでしょう。

炊飯器の炊飯・保温にかかる電気代

実際に炊飯器の炊飯や保温にはどれくらい電気代がかかるのでしょうか。

電気代を求める計算式は以下の通りです。

消費電力(kW)×使用時間(時間)×1kWhあたりの電力量料金(円/kWh)=電気代

電気代は地域の電力会社により異なるため、ここでは全国家庭電気製品公正取引協議会の基準としている31円/kWh(税込)で計算します。

では、炊飯と保温それぞれを式にあてはめて計算してみましょう。

炊飯にかかる電気代

まずは炊飯にかかる電気代をご紹介します。

炊飯器の種類によって電気代が異なるので、それぞれ以下の表を参考にしてみてください。

炊飯器の種類マイコン式IH式IH圧力式
1回の炊飯の消費電力140Wh166Wh171Wh
1回の炊飯の電気代4.34円5.14円5.3円
1ヶ月間の電気代130.2円154.2円159円

出典:TIGER 蒸気レスVE電気まほうびん PIG-J300
※1回の炊飯に1時間かかると仮定
※1ヶ月間の電気代については1日1回、30日間炊飯したと仮定

なお、炊飯器は1合でも3合でも、炊く量によって炊飯時の電気代が大きく異なるわけではありません。

電気代を節約するためには、少量を何度も炊くのではなく、多めに炊いて小分けに冷凍するのがおすすめです。

保温にかかる電気代

炊飯器を使用するうえで、保温は必ず使う機能と言っても過言ではないでしょう。

では、実際に保温にはどれくらい電気代がかかるのでしょうか。

炊飯器の種類マイコン式IH式IH圧力式
保温1時間あたりの消費電力19.1Wh19.1Wh17.2Wh
保温1時間0.59円0.59円0.53円
保温6時間3.55円3.55円3.19円
保温12時間7.1円7.1円6.39円
保温24時間14.21円14.21円12.7円

出典:TIGER 蒸気レスVE電気まほうびん PIG-J300

マイコン式とIH式は保温機能の消費電力に差がありませんが、IH圧力式は保温機能の消費電力が若干低いことがわかります。

どの種類の炊飯器でも、長時間保温しておくなら新しく炊き直した方が電気代が抑えられるので、炊く量や炊くタイミングを考慮して炊飯器を使用するのが良いでしょう。

どっちがお得?保温と電子レンジの電気代比較

お茶碗1杯分のご飯を、電子レンジ600Wで3分温めた場合、電気代は約1.86円となります。

例えばIH式炊飯器で保温を6時間以上すると3.55円以上かかるので、長時間保温するのであれば、食べるときに電子レンジで温める方が電気代がお得と言えるでしょう。

ですが、電子レンジで温めるご飯の量が多いときは、そのぶん加熱時間が増えるため、保温の方が電気代が抑えられる場合があります。

保温か電子レンジか、適宜使い分けるのがおすすめです。

炊飯器にかかる電気代の節約術6選

炊飯器のイメージ画像

ここからは、炊飯器にかかる電気代の節約方法を6つご紹介します。

炊飯器にはさまざまな機能があり、うまく使い分ければ電気代を節約できるでしょう。

炊飯器の電気代を少しでも抑えたいと思っている人はぜひ参考にしてみてくださいね。

エコモードで炊飯する

炊飯器には、「エコモード」が搭載されている機種があります。

エコモードとは、炊飯時間を短縮したり、消費電力を抑えたりしながら炊飯できる機能です。

標準の炊飯よりも消費電力は抑えられるのが特徴ですが、炊き上げるためのパワーを制御することになるので、ご飯は通常よりやや固めに炊き上がります。

メーカーや商品によって消費電力の削減率が異なるので、電気代を節約したい方はより削減率が高い商品を選ぶと良いでしょう。

タイマー予約機能を活用する

「タイマー予約機能」は、多くの炊飯器に搭載されている機能です。

ご飯を食べる直前に炊飯ができない場合は、タイマー予約機能を有効活用しましょう。

例えば朝のお弁当作りのためにご飯を炊きたい時、前日の夜に炊いて保温しておくのではなく、朝の時間にあわせてタイマー予約することで電気代を節約できます。

なお、夏場など高温多湿の季節は、長時間お米を水につけておくことで雑菌が繁殖し、食中毒になる可能性があるので注意してください。

早炊きモードを多用しない

「早炊きモード」は炊飯時間が短くなるため、消費電力が抑えられるのでは?と思う方がいるかもしれません。

ですが、普通炊きと早炊きではむしろ早炊きモードの方が消費電力が増えることがあります。

早炊きモードは通常よりも急速に温度を上げる必要があり、その際1.2~1.3倍程度の消費電力になることがあるのです。

少しでも電気代を抑えたいのであれば、早炊きモードではなく通常モードで炊飯しましょう。

炊き上がる前にスイッチを切って余熱を利用

炊飯器でご飯を炊く際、最後に炊きあがったご飯を蒸らすという工程があります。

炊きたてのご飯は水分が多く少しべちゃっとしているため、蒸らすことで水分を均一にし、美味しく仕上げるのです。

当たり前ですが、ただ蒸らしているだけの状態でも、炊飯中なので電気代を消費しています。

ですが、この工程の前にスイッチを切ることで、余熱で蒸らすことができます。

炊飯器が蒸らしに入るタイミングを見計らってスイッチを切るだけなのでとても簡単です。

なお、炊飯中に電源を落とせない仕様の炊飯器の場合、無理に電源を落とすと故障する場合があるので注意しましょう。

こまめにコンセントを抜く

炊飯器の待機電力は1日0.3~0.7円と言われており、コンセントを挿しっぱなしにしているだけで、年間100~300円ほどの待機電力がかかります。

そこまで大きな金額ではありませんが、コンセントを抜くという単純な工程だけでできるので、おすすめの節約術です。

待機電力は炊飯器に限った話ではないので、ほかの電化製品とあわせてコンセントを抜き、待機電力を減らして節約に繋げましょう。

多めに炊いて冷凍保存する

炊飯器は1回炊飯する度に電力を消費しますが、ご飯を多めに炊いて冷凍することで、炊飯回数や保温時間の削減に繋げられます。

ご飯を長時間保温するよりも、電子レンジで解凍する方が消費電力が少ないのもメリットの1つです。

また、小分けに冷凍することで、食べたい分だけ解凍して食べることができたり、炊き忘れに対応できたりと、利便性も向上するでしょう。炊きたてを上手に冷凍すれば、美味しい状態が保てるのでおすすめです。

新しい炊飯器に買い替えることも手段のひとつ

10年近く前の古い炊飯器を使っている場合、最新の炊飯器と比べて消費電力が高い傾向があります。

炊飯器も年々進化する電化製品の中1つで、消費電力については減少傾向に。使っている炊飯器によっては、買い替えた方が日々の電気代節約へと繋がる場合があります。

古い機種に比べ最新の機種の方がご飯も美味しく炊きあがりますので、古い炊飯器を使っているのであれば、新しい機種への買い替えも検討してみてくださいね。

なるべく保温時間を短くして電気代を抑えよう

炊飯器の電気代は保温時間の影響を大きく受けます。炊飯器の保温時間を短縮することは、電気代節約へ直結すると言えるでしょう。

毎日使う炊飯器だからこそ、少しでも電気代を抑えられれば嬉しいですよね。

なるべく保温機能を使わないようにこまめに炊いたり、たくさん炊いて冷凍したり、コンセントを抜いたり、炊飯器はさまざまな工夫ができます。

本記事で紹介した方法をうまく取り入れ、電気代の節約を目指しましょう。

木暮康雄

木暮康雄 (監修者)

ウリドキ株式会社代表取締役CEO。ウリドキプラスの発行人でもある。
リユース業界での起業・事業運営の経験が豊富でリユースの専門家としてのメディア出演歴も多数。
著書に「リユース革命」(幻冬舎)がある。

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